「いやはや、多少の不自然さはあり、失敗作が話していたとしても、予想外の展開の前には鈍ると思っていたのだがね。人間の短絡さと矮小さを読み違えていたかな?」
ハジメとソウジの集中攻撃を受けたにも関わらず、演技を止めたように侮蔑と嘲笑をたっぷりをたっぷりと乗せた声でアルヴは煙の中から出てくる。
まるでノーダメージのように立っているアルヴの姿に、ハジメとソウジは露骨に舌打ちする。この程度で倒せるとは微塵も思っていなかったが、時間稼ぎにもならなかったのが少し予想外だったからだ。
「俺達が短絡で矮小なら、そっちは腰巾着の小物だな。人様の身体を我が物顔で使っているんだからな」
「有効な再利用と言って欲しいものだ。エヒト様の眷属神たるアルヴが、死んだ後も使ってやっているのだ。選ばれたのだから、身に余る栄誉だとむしろ感謝してもらいたいものだ。なのに、この男は神子を隠した記憶だけでなく、神代魔法の知識も消していたのだから、肉体以外は本当に使えない男よ」
「神代魔法の知識も消していた……ね。ボロを出しまくっているな偽物。役者としてもド三流だな」
指を忙しなく動かすハジメの挑発に見事に乗ったアルヴの口から出た事実に、同じく指を忙しなく動かしているソウジは半ば呆れたように告げる。
ディンリードは生成魔法と変成魔法だけでなく、魂魄魔法も習得していた可能性が高い。いや、確実に習得していただろう。出なければ、神代魔法の知識とユエ幽閉の記憶の完全抹消などできる筈がない。
「魂魄魔法なら偽の記憶の植え付けも理論上可能だし、記憶と知識の抹消は自身が利用されることを想定されたものだしな。どうせ、お前は叔父の言葉とかほざいてから、苦しんで死ね、とか、愛していないとか言うんだろ?だから、断言してやるよ。ユエの叔父は……心の底からユエを愛していたとな」
「……そうだな。非常に不本意だが、どうでもいい奴や嫌いな奴に対して、そこまで徹底的にやりはしないからな。ユエを動揺させるつもりなら、その辺りをもっと綺麗に隠せよ。流石、生ゴミと肥溜めで構成されたクソな神に媚びへつらう、大根役者以下のお狗様(笑)だな」
ソウジの確信を持って告げた言葉に、ハジメは仏頂面になりながらも頷いて同意する。ユエが表向きは肉体すら残さず死んだとなれば、その怒りは元凶へ向くだろうし、殺さなければ気が済まないだろう。
自身の死を以て、ユエの存在を完全に隠す……神への反逆心だけでは決してできないことだ。
「……本当にイレギュラーは余計なことをしてくれるな。だが―――」
露骨な挑発に額に青筋を浮かべながらも、アルヴが嘲笑するように口元を歪に歪めた瞬間、状況が動いた。
「うぉおおおおおっ!」
中村の傍にいた天之河が雄叫びを上げながらソウジに斬りかかり、同時に白銀の光がユエに向かって降り注ぐように落ちてくる。
「―――“堕識ぃ”」
「―――ナァグモォオオオオオオオッ!!!」
そのユエに向かって、何もない空間から滲み出るようにもう一人の中村が姿を現すと、ユエに向かって魔法を行使する。ほぼ同時に、中村同様に姿を現した狼人間のような魔物が、憎悪を乗せたようにハジメの名字を叫びながら突撃していく。
「「―――“震天”!」」
同じくフリードとマキアスも姿を現し、フリードはミュウとレミアに、マキアスはアリアに向け、アルヴとの会話の中で檻から解放されていた彼女たちに向け、空間魔法を放つ。理由は不明だが、マキアスは何かしらの手段でフリードしか手にしていない空間魔法を会得したようだ。
「お返しだ、イレギュラー共」
「殲滅します」
そこにアルヴが無数の魔弾をハジメとソウジに向けて放ち、フリードたち同様に姿を現した数十体の使徒達も愛子先生たちに襲いかかっていく。
完全にタイミングを見計らったかのような同時奇襲攻撃。偽物疑惑が出ていた時点で半ば予想できていたが、ここまで完璧だと普通は完全に対処できない。
―――“普通”であれば。
とっくに“瞬光”、“瞬光II”状態であったハジメとソウジは、一切の迷いなく行動に移す。
ソウジは絶天空山で背後から聖剣を振りかぶっていた天之河を峰で叩き飛ばし、ハジメも“豪腕”と“衝撃変換”、ショットガンによる加速で威力を上げた義手で眼前に迫っていた魔物を殴り飛ばす。
「“雷龍”!」
「“絶禍”!」
ユエは後ろに飛び下がりながら“雷龍”を、アタランテも同様に下がりながら“絶禍”を放つ。雷の龍は中村とアルヴを呑み込まんと迫り、“絶禍”はアルヴが放った魔弾を吸い込んでいく。意識を数秒飛ばす“堕識”が微塵も効いていないことに中村は驚愕するも、反射的に飛び上がることで逃れ、アルヴは障壁を展開して受け止める。
ドパァアアアアンッ!
ハジメは何もない筈の空間に向かってドンナー・シュラークを一発の銃声かのように連続発砲する。すると、何もない筈の空間から、最初からそこにいたかのように、紫の豹のような魔物たちが頭部を爆散させて倒れていく。
同時に景色がぶれ、ミュウたちと襲撃者たちの姿が先程までとは正反対の場所へと現れた。
「“絶凍零華”」
昇華魔法によってチャージ時間を大幅に短縮した絶対零度の斬撃が使徒たちに向かって放たれる。人質を完全に無視した行動に使徒たちは思わず後ろを振り返るとほぼ同時に、愛子先生たちの姿が
「「!?」」
愛子先生たちだけでなく、ミュウにレミア、アリアの姿もぶれたことでフリードとマキアスは考えるより早く、脊髄反射レベルで横へと身体を飛ばす。その直後、使徒たちが絶対零度の斬撃に呑み込まれ、芯が凍てつく程に身体を凍らされた。
実は、人質であったミュウたちの位置はすべて正反対。《キライマスシリーズ》の一体、シャルネイアの幻影によって誤魔化していたのだ。会話さえも違和感なく成立する、本来であれば見抜くことができなかった高度な幻影だったが、使徒たちを斬り飛ばした際に違和感を覚えたソウジが、念のために周囲も入念に感知したことで辛うじて見抜くことができたのだ。
アルヴへの集中攻撃もあからさまな挑発も、実はこの探知と密かに動いていたフィアに念話で伝える為のカモフラージュでもあった。……全体の一割程度だが。
そして、本物のミュウたちは何処なのか……それは、シア達の背後に姿を現したことで証明された。
「ほ、本当にヒヤヒヤしました……」
「お気持ちはご理解いたします。私もソウジ様からの念話がなければ、一杯食わされていましたから」
「狐のお姉ちゃんは凄いの!パパの言っていた、スーパーメイドさんなの!」
危機的状況に代わりないが、多少の余裕ができたからか、そんな会話が飛んでくる。ミュウの誉め言葉に、本人ではなくアリアがドヤ顔をしているが。
「ところで、遠藤浩介様は何処でしょうか?お姿が見えないのですが」
「遠藤君は、その……」
「気が付いたら、何処にもいなくて……」
「もしかしたら、王都に一人で泣いているかも……」
まさかの遠藤行方不明。さすが、影の薄さが世界の虐めレベルで突破している男である。
人質を取り返し、見事なまでの形勢逆転……とは行かなかった。
「……!?」
何故なら、飛び退いていたユエの足首に、自身の影が絡み付いて動きを妨げていたのだ。予想外の形で動きを封じられたユエに、落ちてきていた白銀の光がスライドするようにユエへと迫っていく。
そして―――ユエは白銀の光の中へと閉じ込められてしまった。ユエは直ぐ様、影に隠れるように潜んでいた黒い子狐を魔法で消し飛ばし、急いで光の外へ出ようとするも、分厚い壁に当たったかのように遮られる。
「ユエッ!」
「クソッ!」
あの光が乗っ取りと無関係ではないと察しているハジメとソウジは、自身の最大威力の攻撃―――パイルバンカーと“重皇砕牙”を物理的な脱出を妨げている光の壁へと迷わず放つ。
ドガァアアアアアアアアアンッ!!!
まるで核爆発が起きたのではないかと錯覚する程の轟音と衝撃。そんな尋常じゃない攻撃を二つ同時に食らったにも関わらず、白銀の光の壁には傷一つ付いていない。
「コロスコロスコロスコロスゥウウウウウウウウウッ!!」
「“天翔閃”!!」
そんな二人の背後から、狼人間が放った無数の火球と天之河が放った光の斬撃が迫ってくる。ソウジは光の斬撃を斬り飛ばし、ハジメはドンナーで火球を撃ち抜きながら狼人間の頭部を爆散させる。しかし、爆散した狼人間の頭部は歪でありながらも瞬く間に治っていく。
「複数持ちの再生特化か!?邪魔するな!クソが!!」
手足を爆散させてもすぐに治っていく狼人間に、ハジメは苛立ちを露にしながらも対処に回らざるを得なくなる。同時に新たな使徒たちと魔物の軍団、魔人族と中村の屍兵たちが次々と姿を現したことで、またしても形勢が変化していく。ソウジも集団で迫ってきた神の使徒の対処に回らざるを得なくなり、天秤が徐々に向こうへと傾き始める。
「“大天槍”!!」
その中で、翠翼をはためかせたアタランテがユエを救出するため、重力魔法と空間魔法を複合させた一撃必殺級のオリジナル魔法を展開していく。当然、神の使徒や魔人族、魔物たちがアタランテに向かって次々と魔法を放つも、黒と水色のブレスが悉く相殺していく。
『ジーク、分かっておるな!』
『もちろんです、ティオ様!』
変成魔法によりサイズを落とし、“竜化”して愛子先生たちを守るティオとジークリンデは薙ぎ払うようにブレスを放っていく。当然、巨体となった分だけ容赦ない攻撃を受けることになるが、二人は我が身を盾にして彼女らを守っていく。
「壊れろっ!」
“大天槍”が完成し、漆黒の長大な矢がユエを閉じ込めている光の柱へと放たれる。単純な威力なら先程にも負けない超威力の矢が轟音と衝撃を撒き散らしながら激突するも、矢が爆発四散しただけで破壊には至らない。
「りゃあああああああっ!!」
「おらぁああああああっ!!」
そこに追撃をかけるように、シアと坂上がフルパワーのドリュッケンと籠手の衝撃波を加え、お互いにタイミングを合わせた合技、六重の○みが叩き込まれる。当然、轟音が響くだけで光の壁はビクともしない。
「なんて頑丈なの!?」
「それなら!“天絶・塵帰”!!」
パワーファイター二人の攻撃にもビクともしない事実に八重樫が焦燥を覚える中、従えた魔物たちを呼んで応戦していた谷口が“分解”を付与した障壁を複数展開し、ユエを閉じ込めている光の柱へとぶつける。しかし、谷口がぶつけた障壁は分解が圧倒的に足りなかったのか、ガラスのように粉々に砕け散るだけで終わる。
「だったら私が!“分か―――」
香織がそれならと、手加減抜きの分解砲撃を放とうとした矢先、天之河が割って入り香織に向かって聖剣を振るう。香織は分解を中止して双大剣で受け止めるも、その表情は信じられないと如実に語っていた。
「光輝くん!?さっきからどうしてこんな事をするの!?早くしないとユエが―――」
「それは俺の台詞だ。ディンリードさんの話を聞いて、どうしてこんな事ができる?」
「っ、“万天”っ!」
アルヴの虚言の部分しか信じていない天之河の言葉に、香織は何かしらの魔法の影響と判断して状態異常回復の魔法をかける。しかし、帰ってきたのは鋭い聖剣の一撃だった。
「光輝、いい加減に―――」
「“堕識ぃ”」
八重樫も周りの魔物を両断しつつ、苛立ちを隠さずに天之河を叱り飛ばそうとすると、中村が闇魔法を八重樫に向かって放つ。ほぼ同時に橙色の障壁が八重樫を囲い、衝撃を受けたようにヒビが入る。間髪入れず、意識が飛んでいる筈の八重樫が居合を放って屍兵の一体を斬り飛ばした。
「さっきから本当に鬱陶しいなぁ!!無様に地面に這いつくばっていたくせに!!」
闇魔法を飛ばしても防がれている事実に、中村は苛立ちを隠そうともせずにその元凶―――世話しなく障壁を展開し、防御と妨害を続ける谷口を睨み付ける。睨まれた谷口は、臆する様子が微塵もなく、決然とした瞳で中村を見つめ返した。
「鈴は恵里と話すために頑張ってきた。その努力を、発揮しているだけだよ」
谷口もただ与えられたことをやっていたわけではない。中村との対話(物理)になる以上、適性の高い闇魔法への対策は必須事項となる。そこで谷口が思い付いたのが、魂魄魔法を利用した精神防御の障壁だ。
谷口はバリアバーストや重力結界で相手の動きを妨げながらも、中村を見据えたまま憶測を口にした。
「恵里、たぶんだけど……恵里が光輝くんを洗脳したんだよね?殺してでも光輝くんを手に入れたい恵里なら、
「……そうだよ。ボクは光輝くんのために頑張れる、“いい女”だからねぇ。ボクの“縛魂”は最早、生きている人間にも効果を発揮するようになったんだよぉ。それで光輝くんの中の“迷い”を、綺麗さっぱり取り除いて上げたんだよ」
自身の考えを当てられた不快感からか、中村は顔を歪めながらも肯定する。“縛魂”をかけたタイミングは謁見の間に向かっていた時だろう。元々の性格と不安定な精神状態ゆえ、天之河はあっさりとかかってしまったのは容易に想像できた。
中村のその言葉に香織や八重樫、坂上にクラスメイトたちは、その執着に僅かばかりとはいえ悪寒を覚える。そんな中、谷口は真っ直ぐに中村を見据え続け、一つの疑問を投げつけた。
「……恵里はどうしてそんなに、光輝くんに拘るの?そこまでできるなら、“恵里の理想を体現した彼氏”を作るのも、不可能じゃないよね?」
「……今すぐ消えなよ!!」
その問い掛けが何かしらのタブーに触れたのか、中村は憤怒の表情で声を荒げると、分解ホーミング弾を放ちつつ、大剣を担いだアハトドそっくりの魔物を谷口へとけしかける。その魔物の洗練されたかのような動きを見て……谷口の思考が一瞬止まった。
「……え?」
その魔物の動きが、今は亡き騎士団長の姿を幻視させる。その一瞬を付かれ、谷口の脳天に大剣が―――
「ぉおおおおおおおおッ!!」
振り下ろされる前に、坂上が谷口を抱き締める形で割って入り、その大剣を背中で受け止める。赤黒い波紋―――“魔衝波”が炸裂し、中村が放った分解ホーミング弾も次々に坂上へと命中するも、“神鉄”を纏っている坂上には一切通用せず、谷口への攻撃を許さなかった。
「龍太郎くんっ!」
「大丈夫だ!けど、こいつの動きは……!」
龍太郎もまた、先程の魔物の動きには既視感を覚えていた。谷口を守るために一旦投げ捨てたが、谷口を守れた安堵からその疑問が再浮上したのだ。
その二人に、中村が醜悪な笑みと共に答えを告げた。
「へ~?お馬鹿と脳筋でも気付いたんだぁ?その魔物の動きが団長さんと同じことにさぁ。も・ち・ろ・ん、その魔物は団長さんそのものさ」
「……メルドさんそのもの?恵里、一体どういうこと!?」
話を聞いていた八重樫が、屍兵の一体と斬り結びながら厳しい声で中村を問い詰める。中村の語り口からして、あれは残留思念ではなく、メルド本人だと言っているようなものだ。
その考えは間違いではないことが、中村の口から証明された。
「“分解”とは別の、ボクの
死者の魂を冒涜する悪辣な魔法がまたしても生まれた事実に、八重樫たちは言葉を失ってしまう。話を聞いていたティオとジークリンデも、不快感を隠すことなく放っている。
そこで八重樫はあることに気付いた。気付いてしまった。
「まさか……今、南雲君に襲いかかっている魔物は……」
「そうだよぉ?魔物に食われていたみたいだから、当時の魔物たちを集めて“転魂”したら大成功!ホンット、怨みの力は凄いよねぇ?」
それだけハジメへの怨みや憎悪が強かったのか、と思うと同時に確信した。あの狼人間はハジメによって殺された元クラスメイト、檜山大介なのだと。
「オマエヲコロシテェエエエッ!かおりヲコンドコソ、オレノモノニィイイイイッ!!」
「いい加減に黙ってろ!死んでも何一つ学んでねぇ負け犬が!!」
さすがに檜山だと気付いていたハジメが苛立ちながらポーラで拘束しつつ、“宝物庫”からある武器を取り出す。シュラーゲンと形状がよく似ているが、銃口はバスケットボールサイズの大きさと、少々妙な作りである。
「穢○転生モドキなら、魂をぶっ飛ばせばいいだけだ」
本来は封印か解除だよ!と、どこかでツッコまれた気がしつつも、ハジメは純粋魔力砲撃用アーティファクト“グレンツェン”を拘束から抜け出そうと暴れている檜山に向けて構える。
魂魄魔法の追加で魂ごと吹き飛ばすことが可能となったグレンツェンの銃口には、高圧縮された紅い魔力が輝いている。
「もう一辺、地獄に落ちてろ!」
ハジメはそう告げてグレンツェンを発射。放たれた純魔力砲撃が檜山の魂の依代の身体を呑み込み、強引に繋ぎ留めていたであろう魂をその身体から吹き飛ばす。そこから間髪入れずに、クロスビットから止めの爆撃を放ち、核であった魂なき器を肉片へと成り下がらせた。
「魂を殴ればいいか……確かにそうだな!!」
魔力封じの枷が漸く外れたアリアが指をパキポキ鳴らしながら頷くと、メルドアハトドを容赦なく殴り飛ばす。アハトドの身体から灰色の魔力の糸が絡まった、淡く光る球体が飛び出て溶けるように消えると同時に、アハトドの身体が操り人形の糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。
「“動くな”!“喋るな”!“這いつくばれ”!“土下座しろぉ”!!!」
さらに追い討ちをかけるように、魂魄魔法を利用した強制力のある命令を発動。神の使徒や魔物、魔人族たちの動きを封じていく。
「さすがアリアお嬢様ですね。魂魄魔法をこのようにお使いになられるとは」
自身の幻影を生み出して防戦に努めているフィアも、ロケットランチャーモドキを放ちながら大鎌を振るっていく。
一切の予断が許されぬ激しい攻防戦……その中心地であった白銀の光の柱の中にいたユエは、三日月のような笑みを浮かべるのだった。
「パイルバンカー、ドリル、ガトリングガン、オールレンジ兵器、タイツスーツ、バックル、仮面……本当になんでもござれ、ね。本当に意味があるのか怪しいのもあるけど」
「何を言っているんだ、八重樫?意味があるから作るんじゃない……作りたいから作るんだ!!」
「無意味と切り捨てれば、そこで発想が止まる!新たな発想と着想が生まれることもない!!」
「氷の短剣への付与も、元ネタはオスカーの隠れ家にあったこの投剣の束にある!故に、例え無意味でも作ることは大事なのだ!!」
「この新たに着手した、魔力を直接操作できるようになるグローブ型のアーティファクトも、無意味だろうと作るのだ!!」
「それは一般的にはすごく有用よ!!」
アイディアは大事だと強く語るハジメとソウジの図。