てな訳でどうぞ
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空山ソウジ 17歳 男 レベル:20
天職:剣士
筋力:310
体力:450
耐性:195
敏捷:680
魔力:330
耐魔:400
技能:剣術(+刺突速度上昇)(+斬撃速度上昇)(+無拍子)・魔力操作・胃酸強化・放炎(+熱耐性)(+熱閃)(+火属性無効)・天歩(+空力)(+縮地)(+爆縮地)・凍鎧(+凍結無効)(+氷刻)・言語理解
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「これがあの氷牛の能力か……」
氷牛を切り落とした角を使えなくなった剣で必死に短剣へと加工して、その出来上がった角の短剣で“絶断”を使って切り分けた肉を、痛みと共に例の水を飲みながら半分くらい食べ終えてステータスプレートを確認したソウジはそう呟く。
この新しい能力、“
ソウジは早速新しい技能の鍛練へと励んでいった。
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「……見つからないな」
ソウジは若干の苛立ちを露に呟く。
あの氷牛との戦いから既に数十日が経過しており、“凍鎧”をある程度扱えるようになってから迷宮からの脱出に動いていた。
右脚の義足も鞘で作った義足から氷で出来た義足に変わっており、付け根から生えているような形となっている。
某青大将と同じなのは正直心にくるが贅沢はいってられないし、前の義足より動き易くなっているから問題無いと自身に言い聞かせて耐えた。
そして腰には氷で出来た二振りの刀と鞘が携えられている。氷牛との戦いで使い物にならなくなった剣の代わりだ。
氷の刀はアーティファクトの剣と比べてやはり全体的に劣っているが―――
「ふっ―――」
襲いかかってきた蹴りウサギをすれ違い様に氷の刀を抜刀し、容易く両断する。
「……まだ駄目だな。あの一回だけで軽く刃こぼれしちまっているな」
若干欠けた氷の刀を見てソウジは溜め息と共に言葉を吐き出す。
ソウジは派生技能として追加された“絶断”で切れ味を底上げして氷の刀を振るっている。後はソウジ自身の技量でカバーしている。
とりあえずソウジは仕留めた蹴りウサギを凍らせて一回隠れ家へと持ち帰った。
「もう粗方探索し終えたのに下へ続く階段しか見つかっていないな……」
探索を続けて数日、上への階段が一切見つからず、下への階段しか見つけられなかった。
そして、余裕が出来た事で上への階段を探すついでに一緒に落ちた南雲も一応探してはいた。生きてるにせよ、死んでいるにせよ、確認はしておかなければ目覚めが若干悪いので探してはいる。身を削ってまで探す気は無くなってしまってはいるが。
結論から言えば南雲は生きているとソウジは見ている。その理由は弾丸が潰れたような小さな金属を血痕のすぐ近くで見つけたからだ。こんな金属が自然発生で出来たとは思えないので、考えられる可能性は南雲が錬成で銃を作って戦っているとしか考えられない。
「この階層に留まっていても何も変わらない以上、迷宮の最深部を目指すべきかもな……」
ソウジはそう決断し、下層へと降りる為の準備を始めていった。
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氷で作った箱に氷牛の皮を表面と箱の内側に張り付けたリュック(?)に“エリクシール石”と小さなビー玉状に凍らせた数十個の“エリクシール”、緑光石と呼ばれる淡い緑色に発光する鉱石を数個、角の短剣と元は剣だった物差しサイズの鉄板を詰める。
“エリクシール石”と“エリクシール”は例の鉱石と水の事であり、とりあえずゲームに出てくる最上級の回復アイテムの名称で呼ぶ事にしたのだ。
そして、リュックと同様に作った腰のポーチにも、同様に凍らせた“エリクシール”を数個入れ、可能な限りの準備を終えたソウジは下への階段を降りていく。
降りた先の階層の第一印象はとにかく真っ暗だった。どうやらこの階層には緑光石が存在しないらしく、目を慣らす為にしばらくその場に留まるも然程変化は無かった。
ソウジは仕方なく緑光石と氷の形状を変える技能―――“
この状況で光源を持つ等自殺行為に等しいが、進むためには仕方ないと割り切り、作ったランプを左手に持って進んで行く。
しばらく進んでいると、通路の奥に何かがいた気がして、ソウジはすぐに警戒を最大限に引き上げた。
物陰に隠れながら進むと、不意に嫌な気配を感じ、咄嗟にランプを気配がした方向へと向けると、壁に体長二メートル前後の灰色のトカゲがおり、金色の瞳をこちらへと向けていた。
トカゲの金色の瞳が一瞬光を帯びた、その瞬間―――
「ッ!?」
ランプが急に石化してパリッと音を立てて砕け散った。次いで左手から石化が始まっている。
ソウジは舌打ちしつつ、ポーチの中の“エリクシール”を幾つも噛み砕いて飲み込む。そこから石化は止まり、石化した部分も正常な状態へと戻っていく。
ソウジはすぐさま“放炎”を左腕に使い、この辺りを急激に明るくさせる。
「クゥア!?」
その光量にトカゲは若干怯んで目を瞑る。しかし首を振り、すぐに目を開けるも―――
ズバッ!
既に氷の刀を抜いて、“縮地”で肉薄していたソウジに頭部を胴体から斬り落とされていた。
トカゲを速攻で仕留めたソウジはトカゲの肉を切り分けてからリュックの中へと放り込む。この場で食事は出来ないし、するにしても落ち着いた場所で食べないと危険すぎるからだ。
ソウジはひとまず闇の中で探索を続け、魔物を倒しつつ進んでいると、ちょうどいい壁の窪みを発見したので、ソウジはそこを仮宿とする事にした。
窪みの中央に土属性の魔法陣を物差しで描き、そこから窪みを大きくしていく。そして、丁度よく大きくなった窪みの中へと入り、“凍鎧”を使って入り口を巨大な壁で塞いでいく。
「仮宿も出来たところで……」
ソウジはそう呟いて、倒した魔物の肉を“放炎”でこんがりと焼いていく。そして十分に焼けたところでかぶりついた。
咀嚼して呑み込むと、予想通り激痛が襲ってきたのでエリクシールを服用して肉体の破壊を阻止したら激痛が収まるのを寝転んで待つ。しばらくして痛みが収まったのでどんな技能が追加されたのかステータスプレートを見て確認する。
「“気配感知”に“夜目”……それに“石化耐性”か……」
追加された技能を確認するように名称を声に出す。痛みが収まった時点から真っ暗だった周りの景色がはっきりと見え、魔物の存在も伝わってくる。石化に耐性も出来たのですぐさま石化せずに済むようになった。
「次からあのトカゲとの戦いは大分楽になるな……ここで少し休憩して準備を終えたら、すぐにノンストップの探索を再開するか……」
迷宮がどこまで続いているのか分からないし、心配しているであろう家族の元へ少しでも早く帰るためにはあまりのんびりとしてはいられない。
残りの焼いた肉を平らげ、少しの食休みの後、リュックの中に貯まっていたエリクシールを凍らせ、氷の刀の刀身を修復してから探索を再開した。
当然、魔物達はソウジに襲いかかるも、ソウジは両手氷の刀を踊るように振るい、時折指から放つ“熱閃”で穿ち、敵を倒していく。
より鋭く、より素早く、より洗練に。
戦いながらもソウジは生き抜く為に剣の技術を、技能の熟練度を貪欲に上げていく。
その結果、“双剣術”、“抜刀速度上昇”、“飛爪”、“熱源感知”が新たに派生技能として追加された。
そして、遂に階下への階段を見つけ、迷う事なく踏み込んでいく。
降りた先には、地面の至る所にタール状に粘着く半液体が、泥沼のように広がっていた。ソウジは鍛練も兼ねて“凍鎧”で地面を凍らせ、しっかりとした足場にして進んでいく。
試しに凍らせた半液体の欠片を手に乗せて“放炎”を使うと、凄い勢いで燃えた。耐性と無効が無ければ大火傷は確実だった。
「ここで“放炎”は使えないな……」
使った瞬間に火の海である。
「まあ、“凍鎧”のちょうどいい鍛練と割り切るか」
ソウジは“放炎”を封印して、タールの泥沼の地面を凍らせながら進んでいく。
しばらく進んでいると、“熱源感知”がタールの泥沼の中から何かを捉えた。
ソウジはそこに向かって風の飛ぶ斬撃―――“飛爪”を飛ばす。
風の刃から逃れるように飛び出て来たのは、鮫のような魔物だ。その鮫は飛び出て来た勢いのまま、巨大な顎門を開いてソウジに襲いかかるも、ソウジは独楽のように回転してかわしながら、“飛爪”を使い、その鮫を真っ二つに切り裂いた。
「“気配感知”に反応しなかったな……食えば分かるだろうから考察する必要はないな」
その後、鮫の肉を切り取ってリュックの中へ放り込んでから探索を再開し、そして、階下への階段を見つけた。
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空山ソウジ 17歳 男 レベル:28
天職:剣士
筋力:480
体力:600
耐性:225
敏捷:720
魔力:430
耐魔:520
技能:剣術(+双剣術)(+刺突速度上昇)(+斬撃速度上昇)(+抜刀速度上昇)(+無拍子)(+絶断)(+飛爪)・魔力操作・胃酸強化・放炎(+熱耐性)(+熱閃)(+火属性無効)(+熱源感知)・天歩(+空力)(+縮地)(+爆縮地)・凍鎧(+凍結無効)(+氷刻)・夜目・気配感知・気配遮断・石化耐性・言語理解
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捕捉事項
この時点ではオリ主が原作主人公を追いかける形で動いて行っています
感想お待ちしてます