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目を覚ますときのセリフはいつものやつの、
「…は?」
目が覚めたら突然外にいるなんて現象、普通には起こらない。
寝起きで初めに見るのが真っ暗のため形だけの木々、
そして耳に響くのは、木々の葉っぱが揺れる音。
これは夢か、はたまた遂に俺もその手の症状が起きたのか…
まぁ、これは前者だろう。さすがにありえない、というか信じたくない。
「…いい夢に変わんないかなぁ。」
少しの望みを口にだして俺はもう一度深い眠りに入った。
………
朝日の強い光により、俺は目を覚ました。
第一声はやっぱり、
「…は?」
おかしい、明らかにおかしい。
なぜ昨日は普通に布団に入って寝ていた俺がなんでこんなに自然あふれる場所で起きる?
森のどこかは知らないがここまで眠ったまま来るのは普通ありえない。
しかも、ここの辺りはパッと見、道らしい道もなく、整備なんて言葉は存在していない感じの場所である。
さらに謎なことがある。
「…なんで、こんなに重っ苦しいの、ここ」
ただの森にしてはすごく重い感じがする、まるでこれは…
「考えても、意味ないかなこれは」
俺はとりあえず行動を起こすことにした。
まずはこの森を高い所から眺めるために、手ごろな木に登ろうとして…
そこで自分の近くにある気配に気が付く。
行動を起こそうとしたときに限って何かと邪魔が入るのは基本的な出来事だろうか
今回はいい意味でのアクシデントは期待できそうにいない。
この気配、どうやら人のものではなく獣のような感じがする。
視線を向けるとそこには、真っ黒で毛むくじゃらな体に、長い尾がついている。
二本脚で立っているそれは、ぶっちゃけきもい熊のような。
「…妖怪の類かな?」
のんきにそんなことを言っているとそれは突然襲い掛かってきた。
「まぁ、捕まらないけどねー」
俺はそれの頭に乗ってそのまま木の上まで飛んだ。
そこから見えるものは、木ばかりで緑一色の森の景色。
どうやらここは山の真ん中あたりのようだ。
「これは、朝から山登りしろってかぁ?」
我ながらのんびりとした声で愚痴る。
そんなことをしていると下からさっきの獣の咆哮が聞こえる。
とりあえず隣の木に飛び移ると、先ほどまでいた場所から獣の大きな口が飛んできた。
「けっこう攻撃範囲広めっすね獣さん。」
俺は山頂を目指すため、ついでに獣から逃げるために木々に飛び移っていった。
それなりに速く移動できているようで獣の気配はどんどん遠くになっていく。
俺が明らかに速いために諦めたのか、山頂に着くころにはすでに獣の気配は消えていた。
「朝のラジオ体操代わりにはなったかな。」
どんな時にも平常心を保つ事を忘れない。俺はこれを常に心がけている。
「ところで、ここは一体どこなんだろうな。」
山頂から見える景色は思っていたよりも絶景で、そしてありえない光景だった。
まわりは木々だけなのだが遠くに平地が見え、そこに人里のようなものが見える。
だが、あの人里は明らかに平成にあるようなものではない。
「なんだか大変なとこに来たみたいだなぁ。ちゃんと帰ることができれば
大万歳だなこりゃ。」
とりあえず、俺はあの不思議な人里へと向かうことにした。
-続く-
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