残念ながらボーカルの場合   作:土城 有人

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全てにおいて勢いで書いた。正直後悔している。

が、書いたので投稿、無理ならブラウザバックしてください!!



先頭

他人(ひと)の気持ちを考えろ」

 

 

  よく言われることだ。なるほど、そいつは間違ってないのだろう。他人の気持ちを一切考えないやつと一緒にいてよい気分になる人間は、そう多くもないはずだ。しかし。そう、しかしだ。それと同時にこうも思うのだ

 

「考えたからといって、それが自分もしくは他人のためになるのか」

 

 と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  どうにも転生と言うものはホントにあるらしい。

  生後何週間かもしくは何ヵ月かはよくわかんなかったけど最初に思ったのはそんなことだった…と思う。それまではずっとぼんやりとして、眠くなって、お腹すいて、とかそんなんだった…と思う。…我ながら正直これはどうなんだろうと言わざるを得ないがそうとしか言えないのだ。赤ん坊の頃の記憶なんぞ2回目でもこんなものだろう。

  さて、ここまでダラダラと続けてきたが、はっきりと言ってしまうとだな。

 

 

  前世の記憶とかあるんですけどこれはいったい?

 

 

  と、言うことなのだ。自分が何歳で、どう死んだのかもわからないけれど、家族構成とかちょっとした思い出とかは思い出せる。けれど、前世の自分を含む家族の名前や時系列なんかがわからない。正直ちょっと怖いのだが、まぁ少なくとも今生?の家族はいい人たちである。仕事の関係上両親が長く家を空けることもあるが、祖父母が家にいるおかげで特に不便に感じたこともない。2度目の幼少期ということもありできるだけ両親や祖父母の期待に応えるように振る舞ってきたつもりだし、その分褒めてくれるよい保護者たちである。ただ、両親の仕事でもある()()だけはどうしてもうまくいかない…。他のことに応えてきた分これに対する期待も高い。その分練習や勉強もしている。それでも、である。もしかしたら自分には…

 

「おーい、夕飯の時間だぞ~」

 

「っ、わかりました。いまいきます」

 

 …焦るな、まだまだ先がある。明日には2週間ぶりに両親が揃って帰ってくるのだ。あまり心配させてはいけないよな。

 

 

 

  このとき少年は3歳。2歳年下の双子の弟と妹をもつ、よい息子であり兄であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

  そしてその3年後、弟と妹の才能に打ちのめされた。

 

 

 

 何かが折れる音が聞こえた

 

 

 

 

 

 

「ついにやってしまった…」

 

  生まれて(生まれなおして?)はじめてまっすぐ家に帰らずに寄り道してしまった…。つまり、()()の自主練習をはじめてサボった、ということか。…うん、あんまり深く考えないようにしよう。深く考えると罪悪感ががががが

 

 

 

しばらくお待ちください

 

 

  ふう、とにかく夕方までは外にいよう。そして公園まで来たのはいいが。うむ。その、なんだ?えーとだな。なんと言いますか…。なにすればいいの?え?公園で遊んでる小学生に声をかければいいの?

 

  イヤイヤイヤ無理だから。前世は知らないが今生では今の今まで公園で遊ぶなんてのはやったことないどころか同年代の友達もいないんだぞ。なぜかライバル宣言されたりとかは結構あるけどな!幼稚園では完全に対立構造作っちゃったし。パーフェクト幼児というのも問題がたくさんあるらしい。そのせいで先生からも腫れ物扱いされちゃったし…。小学校に入って二の舞ならないように人と関わりを少なくしたら今度は誰も寄り付かなくなったし…。今度は先生にやたら心配されるし。

 とりあえずブランコに腰かけてこうしてぼんやりと考え事をしているわけだが、うむ。こどもは元気である。てか元気すぎない?最近、こどもは外で遊ばないとか言われてるけどその分出るやつが元気すぎない?ちょっとアレには入れないね…。万が一手でも怪我したら大変だ。しょうがない。ほんとうにしょうがなく、泣く泣くブランコに一人で座っていよう、うん。決して声をかけられない訳じゃないんだからね!

「ねぇ」

 それにしても、なにしてんだろうね、おれは。もう(というかまだ)7才になるのに公園でブランコで黄昏るとか。もうねこれリストラおじさんの如しよ。

「ねぇったらきこえてるの?」

 まぁ、確かにリストラという表現もあながち間違ってはいないかもしれない。これからは弟と妹がオレのポジションに入って、オレは解雇っと。無意識のわりには結構ぴったりな表現を使ったな、流石オレ。()()以外はうまいんだよわりと。けどなぁそれが問題なん

 

ねぇったら!

 

「どっしゃぁらぁい?!」

 

「わっ!」

 

「〜〜〜」

 

「だ、だいじょうぶ?」

 

「〜〜〜」

 

「でも、あなたがなかなか返事をしてくれなかったもの」

 

「…」

 

「ちょっと、きいてるの?」

 

 幼女の大声にビビって後ろに倒れたあげくに後頭部をうって悶える転生者がそこにはいた。というか、オレだった。

 

「あぁすみません。ちょっと考え事をしてました」

 

「よかった、またおおきなこえをださないといけないかとおもったわ」

 

「おっと、これは命拾いをしたようだ」

 

「しつれいなひとね。ひとのこえをそんなふうにいって。それより…いいかげんおきたら?」

 

「それはそうだ。では、よいしょっ…」

 

 オレは今生でいろんな人間を見る機会があった。努力する人、成功した人、失敗した人。そして、天才、もだ。ただ少なくとも転生者は見たことがなかった。だから恥ずかしい話なのだが「自分が主人公なのでは?」みたいなことを思っていた。

 

 

 

 

 

 

 たった今までは

 

 

 

 彼女を見た瞬間からそんなことは決してありえないとわかってしまった。

 そこには青い薔薇が咲いていた。圧倒的だった。今まで見てきた成功者の独特なオーラや天才のプレッシャーみたいなものとは比べ物にならなかった。まさにそれを言葉にするならこれだろう。世界に愛されているというやつだ。そのオーラの中で綺麗な銀髪と利発そうな瞳がきらめいて見えた。ひたすらに美しい。

 …これから彼女はどんな人生を送ってゆくのだろう。見たい。どんな出会いが、喜びが、成功が、別れが、悲しみが、失敗が、そして試練が待ち受けているのだろう。

 

「ちょっとまたなの?」

 

「あ、今度は大丈夫ですよ、聞こえてます」

 

「きゅうにボーッとしてビックリしたわ」

 

「失礼しました。ところでお嬢さん」

 

「なにかしら?」

 

「お名前を聞いても?」

 

 おっと、そんな好感度も上げないで急に名前なんて「みなとゆきな」教えて…、

 

「…はい?」

 

「みなとゆきな、よ」

 

「ふぅ、聞いておいてなんですがね、みなとさん」

 

「?(なんでちょっとおこってるのかしら)」

 

 ハァ、このお嬢ちゃんは全くもう。ほんとにもう。

 

「こんな初対面の一人でブランコに座ってる男に名前聞かれて素直にすぐ答えるんじゃありません。自分でいうのもなんですがかなり怪しいと思いますよ、オレ」

 

「でも、」

 

「デモもストもありません。とにかく気を付けてくださいね」

 

「えっと、ごめんなさい?」

 

「よし、わかればよいのです」

 

 全くみなとちゃんは不用心でよくないな。公園に一人でブランコに座ってる小学生に声をかけるうえに名前まで教えるなん…て、、、

 

「すみません、みなとさん」

 

「っ、きゅうによつんばいになってどうしたの」

 

「今のはオレが間違ってました。」

 

「ほんとうにきゅうにどうしたの」

 

「小学生が小学生に名前を教えるとか普通でした。誠に申し訳ありません。」

 

「なにがあなたのなかであったのかわからないけれど…。いいわよ」

 

 ふぅ、おとがめはないようだな。いきなり上からお説教とか最悪かよ、オレはよ。

 

「いや、ホントにすみません、いきなり説教を垂れてしまって」

 

「いいっていってるじゃない」

 

「しかし…。いえ、ありがとうございます。」

 

 うん、女神かな?なんだこの幼女は?世界中の幼女がみなとちゃんになったら戦争とかなくなるわ。これ絶対。女神と出会えた奇跡に感謝しなければ。神よ、ありがとうございます。あ、神はみなとちゃんでした。てへぺろ。

 

 

うん、ないな。

 

「そういえば、めg…みなとさん、なぜお声を掛けてくださったのですか?」

 

「あなた、くちょうかわってないかしら?いえ、リサ…ともだちがきょうはあそべないからどうしようかとおもっていたところに…」

 

「ブランコに一人で座ってるやつがいたから声をかけてみようと、なるほど」

 

「…なぜそんなめでみるの?」

 

 そうか…めg、みなとちゃんは基本ボッチなのか。その友達のりさちゃんがコミュ力お化けと見たぞ。きっと物語で言うところの親友ポジだな。…ん?この世界ってバトルものの可能性があるのか?ヤバイぞ!そんな世界の主人公とか完全に死亡フラグだぞ!そして甦る!やっぱり女神か…。

 

「(なぜこのひとはおとうさんみたいなめでわたしをみたあとかおをあおくしたりあかくしたりするのかしら?)えっと、だいじょうぶなの?」

 

「はっ、またまたやってしまいましたか。すみません…。ところで、みなとさんは運動得意ですか?」

 

 さぁ、どうでる?ここでの返答次第ではオレも龍の玉よろしく超修行モードに移行しなければならないのだが…。

 

「いいえ。リ、わたしのともだちはとくいなのだけど」

 

「ふふ、そうですか」

 

「なんでそんなことをきくの?」

 

 んぐ、何故と来るかみなとちゃんよ。ここで馬鹿正直に答えて今まで必死に抑えて作ったイメージを崩すのは…。それに普通に答えても痛いやつでしかないぞ?どうする?どうするんだ?……はっ!みなとちゃんは恐らく暇だ。そしてオレは、まぁ暇でいいだろう。小学生ふたりで公園にいる。ここで不自然でない回答は!これだ!(この間コンマ5秒)

 

「えっと、ですね。せっかく声をかけてくれたのですから一緒に何かしましょうってことです。そしてなにするのがいいかなと」

 

「そうなの。でも、ここでふたりではなしているだけでもじゅうぶんたのしいわ。このままでもわたしはいいのよ」

 

「ほう?これは嬉しいことを。では、隣のブランコをお使いくださいお嬢さん?」

 

 

 

 その日はみなとちゃんの帰る時間までそのまま話していただけだった。たったそれだけのことだったけどオレはこれを一生忘れないだろう。そんなことまで思ってしまうほどに楽しいひとときだった。家に帰ったら祖母には帰りが遅かったことを心配されたが何をしていたか話すととても嬉しそうだった。

 

 

 

 そのつぎの日ももちろん公園へ行った。その日のみなとちゃんはひとりではなく、地毛であろう茶髪のどうにも将来有望そうなギャル候補生がいた。この子が例のりさちゃんだそうだ。この子には青薔薇ではなく青いギター?多分ベースであろうものが見えた。やはり彼女は主要人物らしい。流石に今回は耐性ができていたのでフリーズしなかったので恥をさらすのは免れた。

 あとついでに、この世界が(おそらく)音楽系のほのぼの世界であるという安心の世界観であることも判明。武器で戦うとかでなければの話だが…。

 

 それにしてもみなとちゃんがあの湊さんの娘だとは…。流石に主人公ということなのか。最近のバンド界隈で注目され始めてる人のようで、畑違いではあるもののオレも聞いたことがあった。そんなお父さんのことがゆきなちゃんも大好きなようでそれはもう自慢げに語ってくれた。ただ…うーん。なんというか、嫌な予感するなぁ。とは思っていましたよ。後々あんなことになるとは思いもよらなかったが。(ちなみにゆきなちゃん呼びはり「リサは名前で私が名字なのは納得いかない(意訳)」らしい)

 

 

 

 

 そんなふうにふたりと出会って進級して(同じ学校だった。近所の公園で出会うのだから当然である)2年たった頃だった。

 

 

 

 

 




よくここまで読んでくれました。


まだ続くけどね。フフッ。


ここまで大丈夫な人は進んでください
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