残念ながらボーカルの場合   作:土城 有人

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あと少し!やばかったらいつでも引いていいんだよ。


後尾

 

 

 

 

 

 

 

 中学に入って1ヶ月ぐらいたったときに祖父母が急に亡くなった。正直ここ数年元気がないかなとは思っていたがまさかこんな急にいなくなってしまうなんて思ってもいなかった。当然悲しかった。今生では幼い頃からずっと一緒にいたし、正直両親よりも親らしいことはすべてしてくれた。双子ももちろん大泣きだ。オレも泣きたかったがそんなことは言ってられない。両親は世界をまたに駆けバイオリニスト。通夜と葬式はなんとか出れたがスケジュールは年単位でつまってる。とてもじゃないが家の面倒なんて見られない。必然オレがやるしかない。弟と妹、そして両親が帰ってくる家をオレが守る。幸いと言っていいかわからないがお金はなんとかなる。今まで祖父母がやってくれていた家の管理、双子たちのバイオリンのレッスン及びコンクールのスケジューリング。レッスンのコーチは…オレにはできんから(少なくとも3年のブランクは大きすぎる)両親の紹介を待たなければいかんし。やることはいっぱいだ。とにかく、やらねば。

 

 

 

 

 そうして、なんとか家のことが落ち着いたのが1年後。そのときにはすべてが終わったあとだった。

 

 

 

 湊さんが音楽活動をやめたらしい。

 このことが半年前に起こったことだ。そのことを聞いた後すぐにゆきなちゃんの家に走った。昼休みだと言うことも忘れて。案の定家にゆきなちゃんはいなかった。その代わり湊さんがいた。湊さんは何も聞かずに家にあげてくれた。…オレは何も聞けなかった。湊さんの中でも消化しきれていなかったのがわかったからだ。そのままオレはゆきなちゃんが帰ってくる前に逃げるように帰宅した。いや、あれは完全に大好きなお父さんが負けてショックなみなとちゃんが見たくなくて逃げた。逃げるようにではなく。その後も女々しいことにみなとちゃんではなくりさちゃんに電話をしてことの経緯を聞こうとした。

 

 

 

 

 …聞けなかった。この1年何度かりさちゃんから「会って話がしたい」みたいな誘いはあったがすべて「また今度」だの「時間がないだの」と断ってしまっていた。今さらどの面下げて聞けると言うんだ。

 

 

 そしてこれこそが彼女たちの…青薔薇の彼女たちの始まりなのだろうと考えてしまう自分がいるのを認めたくなかった。あまつさえそれを喜んでいる自分が全くないなんて言えないことにも反吐が出る。

 

 

 

 であるならば、この身は彼女たちの隣に立つ資格なし。常に対面に立つべきだろう。

 

 

 いつか踏み越えられる敵として彼女の前に立とう

 

 

 たとえ、彼女に疎まれようと…

 

 

 後日、友希那ちゃんとリサちゃんに宣戦布告のために会いに行った。そのときに友希那ちゃん…いや、敵なんだ。友希那に「湊さんの音楽を認めさせる」のが目標と聞いた。そのためにバンドを組むとも。ならばこちらもやり易い。バンドを組んで対抗馬となればいい。こちらを越えるためにさらに実力をつけてくれるだろう。

 

 

 これから敵だと宣言した後、すぐにその場を後にした。…やめろ。そんな目でオレを見るな。クソッ。

 

 

 

 その後も何度か友希那と顔を合わせる機会があったが彼女は余裕がないようだ。リサぐらいしか味方がいないのだろう。…もしかしたらリサも反対なのかもな。こんな張り詰めた友希那は見たくないだろうからな。だが、彼女はきっと折れるだろうな。それは青いベースのオーラが証明している。

 そういうオレの方も全く進展はない。ボーカルをオレがやることしか決まっていない。友希那がボーカルというのもあるが、母が「アナタはボーカルがいいわ。というかボーカルの才能しかバイオリンを越えるものはないわ」と言っていたのもある。ギターのメンバーは決まってるが見つからないし、他は候補すら見つからん。おそらく白いオーラのやつらなんだが…。早く見つけないと。できるなら友希那より早く。

 

 

 

 

 そのまま恐るべきことに3年が過ぎた。こちらも向こうも進展はない。

 

 

 と思っていたところに見てしまった。

 

 

 例の少年の上の姉がライブハウスでギターを弾いているのを

 

 

 そしてその日は友希那が歌う日でもある。

 

 

 

 思えばその日は朝から浮き足立っていた。そわそわと落ち着かなかったんだ。

 

 

「そうか…この日が始まりか」

 

 ならばここにいる場合じゃない。ギターの彼女とは顔を会わせづらい。リサも近くにいるようだしさっさと退散だ。

 

「おっと失礼」

 

「こ、こちらこそごめんなさい」

 

「いや、こちらも前をっ!」

 

 なんだと!?()()()()()だと!早い!始まりからノンストップか!

 

「あ、あこちゃん」

 

「り、りんりん顔蒼いけど大丈夫?」

 

「は…はやく帰ろう?」

 

 今度は青いキーボードか…。もうわかったよ。これで友希那に惹かれて集まるわけだ。すごい実力だもんねわかるわかる。それに彼女は…。まぁいい、後で顔を合わせる機会もあるだろう。

 

「本当にすまなかった。連れの彼女も悪かったね」

 

 今度こそ帰れた。彼女たちの出会いを邪魔する無粋はしたくない。

 

 

 

 その次の日、あっさりとドラムが見つかった。やたら顔が怖いやつだったが…。スカウトもあっさり成功。どうにも(顔が怖すぎて)友達がいないからほしかったらしい。…罪悪感を感じないでもないがまぁいいだろう。その日の内にベースも発見。というかドラムがつれてきた。…また顔が怖かった。ドラムのやつはオーラではなくなんとなくで()()()()()()()()()()()()()()を判別できるらしい。というか学内にいたのか…全く考えてなかった。そしてベースもモヤみたいなのが見えたやつがいたとか。明日にでも会えるようにしてくれるらしい。…複雑すぎる。オレの今までとはなんだったのか。そして次の日にはキーボードスカウト。こちらはすんなりいかなかった。どうにも演奏を聞きたいらしい。…そして顔は狐目の胡散臭いやつだった。なんなんだこの顔だけで損してそうなグループは。しかもコイツ知ってるぞ、バイオリンやってたときにチェックしてた同学年のすごいピアニストだぞ。…なんで気づかなかったんだ?オレは。

 

 

 

 ちなみに演奏聞いて即スカウトは了承してもらった。合わせるどころか一人一人できることを別々にしただけだったんだが…。オレに至ってはアカペラなんだが。しかも校歌。なんでも「すぐに同じステージに立てそうにないのがすごくイイ!」だとか。なるほど、刺激に飢えてる才能マンだったらしい。だが、オレも初めてドラムとベースのメンバーの演奏を聞いたが想像以上だった。ド素人でもメンバーにするつもりだったがこれは嬉しい誤算だ。

 さて、あとはアイツだけか。姉がステージに立ったからにはそう遠くないうちに会えるだろうが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから半年以上経った。そううまくいかないってわかってはいたが…。なんだこれは!もう進級もしちゃったぞ!友希那たち青薔薇のグループ、Roseliaも一山越えちゃったし

 どうすんだよ。え?オレの決意とか無駄だった?そりゃさRoseliaのいざこざにちょっかいはかけたさ。でも、それだけだぞ!正直要らなかったろオレ!

 これから色々あるんだろうが遅れてしまった感がなぁ。

 

「えっと、リーダー聞いても?」

 

「なんだ」

 

 胡散臭い顔でキーボードが聞いてきたのだが今オレは忙しい。ぞんざいでも勘弁してくれ。

 

「なぜ校門の前で陣取って新入生を睨み付けてるのですか?正直先生に頼まれなかったらワタシもアナタには話しかけたくないんですがね」

 

「ギター探してんだよ」

 

「でしょうね」

 

「わかってるなら聞くな。用がないならオマエもあっち探してくれ」

 

「ハァ。了解しました」

 

 さて、去ったところで集中だ。関係ない新入生の視線がとてつもなく痛いが我慢だ。そも、なんでオレだけがここにいるんだ。キーボードのアイツ以外誰もいないぞ。なにやってんだアイツら。

 

 

 ドラムの場合

 

「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ」

 

 そう言いながら全力疾走してる悪魔のような顔の男がいた。彼は普通に寝坊していた。流石に新年度1発目で遅刻は不味い。そこで全力疾走である。

 

 

 

 

 

 その日近隣の高校には新たな都市伝説が生まれた

 

 

 

 

『疾走する悪魔』

 

 

 

 ベースの場合

 

「ねぇ」

 

「うーん。このようなハレの日に天気が悪くなくてよかった!」パシャパシャパシャ

 

「なんでいるの」

 

「雨の日が縁起がいい地方もあるらしいですがやはり自分は晴れがいいですね!」パシャパシャパシャパシャパシャ

 

「ちょっと皆見てるからやめて」

 

「しかし、お嬢様も大きくなられて…自分涙でピントが合ってるか不安になります」パシャパシャパシャパシャパシャパシャ

 

「あんたはひとつ上なだけでしょ」

 

「昔はもっと小さくて自分の後ろをついてくるだけだったお嬢様が高校生ですか、感慨深いですね」パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

「巴たちも笑ってないでコイツ止めて」

 

「まぁまぁ満更でもないんだろ?」

 

「ちょっと!」

 

「はははっ、悪かったよ。ほら竜さんそろそろやめてやれよ」

 

「む、まだ足りないのですが。まぁ後でも撮れるでしょう」

 

「え、まだ撮るのか?というか竜さん学校はどうしたんだよ」

 

「ん?お嬢様の入学式優先でしょう。当然です」

 

 

 

 頬に傷のあるヤクザ顔は約束をすっかり忘れ写真を撮っていた。

 

 

 

 

 

 

「うちのメンバーはギターがいないバンドに対する危機感が全くないのではないのか?」

 

 というかもしかしなくても学校に来てない?流石にそれはないよね?怒られるのはキーボードだけど。その後キーボードに怒られるのはオレなんだぞ。

 新入生も途切れてきたしそろそろ引き上げるか?そもそもうちの学校に入る保証もなし。

 

「…なんというかアナタは考え始めるとフリーズして間抜け面になるの直した方がいいと思いますよ?」

 

「んが!い、いきなり失…礼な?」

 

 

 

 

 

 

「さて、改めましてお兄さん」

 

 

「お名前は?」

 

 

天童 奏輔(てんどう そうすけ)少年、オマエは?」

 

 

 

 

「ボクは氷川 礼(ひかわ れい)ですよ」

 

 

 

 

 

 

 どうにもオレたちの世界への足掻きはこれからようやくスタートらしい

 

 

 

 

〜to be continued?〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てか、少年痩すぎてない?しかも軽くふらついてるんだが」

 

「食うよりギターが弾きたかったんです」

 

「おいおい期待させてくれるなぁああああああああ!おいぃ!いきなり倒れそうになるな!」

 

「まずはご飯ください。話はそれからです」

 

 

 

 

「それより入学式が先に決まってるでしょう?大遅刻ギタリスト?」

 

 

 

 

 

「…この胡散臭い人は?」

 

「いきなりぶっこむね少年。うちのキーボードにして教師たちの最終兵器だな」

 

 

 

 

 

「話はあとでいくらでもしてあげますからさっさと自分の教室に行って下さりやがれ残念王子様」

 

 

 

「言いえて妙というやつですね、残念王子」

 

 

 

 

「貴様はあとで覚悟しておけよ遅刻ギタリスト」

 

 

「うげ」

 

 

 

 

 もしかしたらスタート前にゲームオーバーやもしれんな。うん。

 

 

 

 




ここまで来てくれた方ありがとうございました。
バンドリ熱が高まってつい勢いで書いたはいいものの、なにぶん小説書くのなんて初なので至らぬところが多かったと思います。

お分かりとは思いますがはしょりまくってるし、何も解決というか決着してません。

はしょったとこを書くか、連載にして(一応の)決着をつけるのか。短編で他のメンツの話を書くのもありか?

そこらへんは考えては…いるんですが。てか勢いで書くんですが。



そこで図々しいことなのを承知で言っちゃうんですが


ここまで読んでくださった優しーい方々にアドバイスをね?してほしいなって思うわけです。

もっと短く!とか間をもっと空けろ!とかなんでもいいんでやさしーーーくお願いします。

これフリじゃ無いですよ。ほんとに優しくですよ。ひどいこと言われても「コナクソ!」とかまだそこまで強固なメンタルでもないのになりません。



とりあえずここでお別れです。もし見ている方がいるならまた会いましょう
 
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