今回から、今作品の投稿を始めさせて頂きます。色々と至らない所はあるかもしれませんが、皆さんに楽しんで読んで頂けるよう頑張って参りますので、応援の程よろしくお願いします」
鷹明「どうも、この作品のメイン主人公の羽沢鷹明です。これから作者と一緒に頑張っていきますので、同じく応援の程よろしくお願いします」
政実「さてと……それじゃあそろそろ始めていこうか」
鷹明「ああ」
政実・鷹明「それでは、第1話をどうぞ」
第1話 籠の鳥の羽ばたきと物語の始まり
まだ小学生にもなっていなかったくらい小さかった頃、喫茶店を営む両親が忙しそうに見えたため、小さいながら何か手伝えないかと思い声を掛けた。すると、両親は揃って「こっちは大丈夫だから、近所の公園で遊んできなさい」と言い、俺は少し気は進まなかったものの、その言葉に素直に従った。この頃、俺は引っ込み思案な性格だったため、仲の良い友達というのは一人としていなく、外で遊ぶという事も中々やりたがらなかったため、いつも家で一人で本を読んでいたり妹の相手をしたりしながら遊ぶか両親の仕事風景を眺めている事しかしていなかった。なので、両親からすれば公園で同い年の子と何かのきっかけで仲良くなり、その子達に引っ張られる形でも良いから、外で遊ぶようになって欲しいという思いがあり、こんな事を言い出したんだと今でも思っている。そして、そのまま一人で公園の近くまで来た時、公園内から同い年の子達が上げる楽しそうな声が聞こえ、俺はその場に静かに立ち止まった。
「はあ……本当に不安だなぁ……。友だちは欲しいけど、誰かに話し掛けるなんてとてもじゃないけど出来ないし……」
そんな事を独り言ちてみたものの、このまま帰る事も出来なかったため、俺は暗い気持ちを抱えたまま再び歩を進めた。そして、そのまま公園内に入ろうとしたその時だった。
「おーい! そこのお前!」
後ろからとても大きな声が聞こえ、それを疑問に思いながら後ろを振り向くと、そこにいたのは同い年くらいに見える活発そうな顔付きの黒い短髪の男子ととても綺麗な顔立ちの長い青みがかった黒髪の女子の2人で、2人ともとても良い笑顔を浮かべながら俺の事を見ていた。
「……僕に何か用?」
少しだけ警戒心を抱きながら小首を傾げて訊くと、2人はそれに対して同時に小さく頷き、男子の方がニッと笑いながら楽しそう様子で答えた。
「へへっ、お前が面白そうな奴だと思ったからちょっと話し掛けてみたんだ!」
「面白そうって……どこが?」
「んー……どこがっていうわけじゃなく、何となくだな。な、アンタ」
「そうだね。何となく仲良くなれそうだったからとりあえず話し掛けた。これが1番近いかもしれないね」
「何となく仲良くなれそうだったから……」
何というか……スゴいなぁ。そんな理由で知らない子に話し掛けていけるなんて僕には出来そうもないから、そういう事が出来るのはちょっと羨ましいかも……。
名前も知らない2人に対してそんな羨望にも似た思いを抱いていた時、俺はふとある事が気になった。
「……あれ? そういえば、君達は友達同士なの?」
「んー……まあ、似たようなもんだよな?」
「うん。と言っても……ついさっき、この近くで出会ってちょっと話したくらいだから、まだお互いの名前も知らないけどね」
「そ、そうなんだ……」
そういえば、さっき男の子の方が女の子の方を名前じゃなく『アンタ』って呼んでたっけ……。そう考えると、本当にこの子達ってスゴいのかも……。
2人の事を見ながらそんな事を考えていたその時、不意に俺の目の前に2人の手が伸び、それに俺が驚いていると、2人は笑顔で頷きながら静かに口を開いた。
「そして、お前もこれからは俺達の友達だ」
「その通り。まあ、まだ君の名前も知らないけど、これから名前を教え合えば良いし、それほど問題はないよね」
「友達……」
呟くようにその言葉を口にし、しばらく2人の手をボーッと眺めた後、俺はニコッと笑いながらその手を取った。
「……うん! これからよろしく!」
「おう! これからよろしくな!」
「ふふっ、これからよろしく」
これが俺――
「……ふう」
それから約10年後、羽丘学園の中学3年生となった俺は、父さん達が営んでいる喫茶店――『羽沢珈琲店』のカウンター席に座り、目の前に置かれた珈琲を飲みながら穏やかな午後の一時を満喫していた。羽丘学園は、最近まで近くにある花咲川女子学園のような女子校だったんだが、俺達の一代前から男女共学の学校へと変わった。そのため、小学校の時から変わらずに兎亜達とも同じ学校に通う事が出来、色々大変ではある反面楽しい毎日を過ごしている。そして、今日は週末のため、学校は休みであるんだが、時間的にまだ店が混み始める前だった事もあり、店内にお客さんの姿はあまり無かった。
……まあ、
そんな事を思いながら、俺は隣に座っている奴――青司に視線を移した。そして青司は、そんな俺の様子には目もくれず、いつものように淹れてやった珈琲を軽く一飲みすると、とても嬉しそうな声を上げた。
「……うん、いつも通り美味い! やっぱりタカが淹れてくれる珈琲は最高だな!」
「そりゃどうも」
青司の感想に小さく笑いながら答えていると、青司は不意に俺の方へ顔を向け、真剣な表情を浮かべながらこう言った。
「……タカ、俺のために毎日珈琲を淹れてくれないか?」
「……ほぼ毎日淹れてるだろ。それにいつも言ってるけど、それの元ネタは
「ははっ、すまんすまん。タカが淹れてくれる珈琲を飲むと、ついついこの言葉が出てきちまうんだよ」
「……さいですか」
いつも通りのこの掛け合いに軽くため息をついた後、俺は再び珈琲へと視線を移し、珈琲が入ったカップを静かに持ち上げた。青司達と出会ったあの日から、俺は青司達と一緒に遊ぶようになり、それと同時にお互いの弟妹とも知り合うようになった。その数年後、俺達の弟妹達別の友達を家に連れてくるようになり、それがきっかけでその子達の弟妹とも知り合った事で俺の性格は徐々に変化し、交友関係も少しずつ広がっていった。少し詩的な表現をするなら、あの日の青司達の言葉や出会いは、内気な性格という鳥籠に閉じこもっていた俺を籠の外にあるへと誘い、次第に遙かなる大空へと羽ばたかせてくれたと言える。
……もっとも、こんな事を青司達に言うのは中々気恥ずかしいから、直接言うつもりは今のところないけどな。
そんな事を思いながら俺が珈琲を口へ運ぼうとしたその時、店のドアが開く音が突然聞こえ、俺達は同時にそちらへ顔を向けた。そしてそこにいた人物が誰なのかを知った時、俺達はその人物に声を掛けた。
「おっ、兎亜じゃないか」
「兎亜、昨日ぶりー」
「うん、昨日ぶり。2人とも」
その人物――兎亜が軽く手を上げながら答えた瞬間、兎亜の後ろから更に2人の人物が姿を現すと、青司はそれに少し驚きつつ兎亜に再び声を掛けた。
「なんだ、太陽に桃もいたのか」
「あはは、まあね」
そして、兎亜は2人の人物――
「さっき、山吹ベーカリーに寄った帰りにちょっと公園を通り掛かったら、2人でベンチに座りながら仲良くぽわぽわーっとしてたのを見掛けてね。それでちょうどパンがあったから餌付けをしたんだけど、そしたらこんな風にだいぶ懐かれちゃったんだ。だから、ここは私が責任をもって、ウチの新しい家族として迎え入れようかと思うんだけど、どうかな?」
「餌付けって……捨て犬とか捨て猫じゃないんだから」
「……兎亜。そうは言うけどね、どうせアンタは結局世話を放り出すんだから、その子達は元いた場所に戻してらっしゃい!」
「いやいや、元いた場所じゃなく、家に帰してあげろよ……」
「そんな……! ちゃんと世話はするよ! あこと巴が!」
「いや、人に任せずにお前が世話をしろよ! さっき責任を持って世話するって言ったのはなんだったんだよ!」
幼馴染み達のコントのようなボケラッシュに思わず思い切りツッコミを入れてしまっていると、青司と兎亜は顔を見合わせてから同時にクスリと笑い出した。
「流石はタカだな。いつも演劇部の
「あははっ、確かにね。私や青司はもちろん、あの二人にもツッコミを入れてたら、ツッコミのキレが良くなるのも当然だからね」
「歩くエンターテイメントに自由気ままな天才、ねぇ……」
俺はその二人の顔を思い浮かべながら小さくため息をついた。この二つの言葉は、青司が癖で命名したある人物の事を指す2つ名みたいなものであり、元々は青司と兎亜だけがそう呼んでいたんだが、当の本人達はそれを結構気に入っているらしく、自己紹介の中にその2つ名を入れている所を割と目にするようになった。
……まあ、それはさておき……今は太陽達の方だな。
ふうと息をついてからゆっくりと席を立ちそのまま太陽達に近付いた後、二人の頭を軽く撫でながら太陽達に話し掛けた。
「太陽、桃。お前達もそろそろこのフリーダム幼馴染み達に一言言ってやっても良いんだぞ?」
「ううん、大丈夫だよ、タカ兄。僕達も何だかんだで楽しいから」
「うん。これはもう恒例行事みたいなものだから、無いと逆に物足りないくらいだもんね」
「も、物足りないって……」
そうか……既に太陽達もこのフリーダム幼馴染み達に侵食されていたのか……。
羽丘学園の後輩であり幼馴染みでもある太陽達のほわほわとした笑顔を見ながら俺は心の中で嘆息した。短めな茶髪のストレートヘアでやや女顔の太陽と灰色がかったショートヘアの桃は、俺の妹のつぐみや青司の妹の蘭ちゃん、そして兎亜の妹の巴ちゃんの友達である上原ひまりちゃんと青葉モカちゃんの弟妹で、2歳年下ではあるものの、青司と兎亜と同じ幼馴染みだ。元々はひまりちゃんとモカちゃんに連れられてきた事がきっかけで二人と出会ったが、俺の時と同じように青司と兎亜が瞬時に心の距離を詰め、それに続く形で俺も太陽達と仲良くなった。そして、つぐみ達が仲良く遊んでいる間に俺達が世話を焼いたり一緒に遊んだりしている内に更に仲良くなった結果、俺達の事をタカ兄、青兄、兎亜姉と呼んでくれるまでになった。因みに、先程名前が出てきたあこちゃんは、兎亜の妹の内の1人であり、太陽達と同じように昔からの知り合いのため、俺達にとっては立派な幼馴染みだ。そして姉である兎亜とはもちろん、青司ともとても気が合うらしく、最近はこの2人と巴ちゃんをカッコいい物の対象にして、自分なりのカッコ良さを日々模索しているのだという。
……青司達は本当に面倒見は良いけど、今みたいに突然ふざけ始めるから、そのせいで太陽達もどんどん良くも悪くも影響を受けていくんだよなぁ……。
青司達の影響力の大きさに再び嘆息していると、青司が突然何かを思い出したように声を上げた。
「……っと、そうだ。これを忘れるところだったぜ」
「忘れるところだったって……何かあったか?」
「ん、まあな。実は……このメンツが揃った時に話したい事があったんだよ」
「話したい事……?」
「そうだ。という事で……皆、ちょっとこっちに来てくれ」
いつになく真剣な表情を浮かべる青司の手招きに従い、俺達は青司が座っている席へと近付いた。そして俺達が充分近付いたと感じた青司は、コクンと頷いてから静かに口を開いた。
「その話っていうのが――」
この青司の言葉がきっかけとなり、俺達にとってまた新しい物語が幕を開けようとしていた。
政実「第1話、いかがでしたでしょうか」
鷹明「今回は、俺達の簡単な紹介と導入回だったな。ところで、一応俺がメイン主人公って事にはなってるけど、そうなると青司達はサブ主人公って事になるのか?」
政実「そうだね。因みに、今回の話は鷹明視点だったけど、話によっては他の四人の内の誰かの視点でストーリーが進行する事になるかな。そして、その時には前書きと後書きもそのメイン視点の主人公に担当してもらうつもりだよ」
鷹明「分かった。そして最後に、この作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けるととても嬉しいです」
政実「さてと、それじゃあそろそろ締めていこうか」
鷹明「そうだな」
政実・鷹明「それでは、また次回」