インフィニット・ストラトス アルエット・グローリー 作:イェーレミー
ども。イェーレミーです。就職したりなんやらかんやらで色々忙しかったです。何とか絞り出してきたので、出来たてホヤホヤをご賞味ください。
ティナとフェルは扉から廊下に出て、監視カメラが無いことを確認すると、一歩で屋上に落ちた。
夜風がフェルの髪を踊らせ、ちょっと肌寒く感じる温度ではあるが、二人には全く関係がない。
「久しぶり、ティナ」
「お久しぶりですという程でもないですよ、フェル」
「2年ぶり位?」
「ソフィーに会ったときを忘れていますよ。大体昨日ぶりです」
「あー、確かに。っていうかその時に言ってくれれば良いのに」
「単純に忘れていただけですよ」
「本当に?驚かせたかったとかっていう理由があったとか?」
「いいえ、フェルと離れた後ちょっと後悔しましたよ」
「ちょっとなんだ」
「ええ。久しぶりに会えたこともあってわーってなりました」
「そっか。それならいいんだけど。っていうか、昨日会ったのに久しぶりなんだね?」
「うぐっ」
和気藹々と進む会話。打てば響くを体現するかのように弾むお喋り。背中合わせで話す彼女たちはまるで、長年連れ添った夫婦のような貫禄があった。
だが次の瞬間、ティナは涙を対物ライフルに変えて、フェルは長剣を持って給水塔の上を睨んだ。そして。
「あれ?どうして分かったの?」
「風の音が変わりましたからね」
「今日は月が綺麗だからね。影も綺麗なんだよ?」
「あ、それは予想外」
給水塔に腰かけ、金色の瞳を細めて座っている少女がそこにいた。普段は髪を結っているはずの少女は、髪をほどいて長い髪を燻らせていた。
「盗み聞きは犯罪ですよ?」
「大丈夫だよ。バレなきゃ犯罪じゃないし、バレる事は絶対無いからね」
「あー、もしかしてこっち側に来てない?」
「いえ、そんな感じでは無いですね」
「なに?二人してこそこそして。何か良からぬ事でも考えてるの?」
「んー、そんなことはないかな?魔法使いさん?」
その瞬間、細めていた瞳が少し開かれ、程なく殺気全開で睨む魔法使い。もちろん、対抗する方も殺気をぶつけ合っているため、ARなりCGなりで映像をつけようものなら、つばぜり合いによる火花で辺り一帯がクレーターだらけになっていることだろう。
「そういう二人は、何年生きてるの?」
「もう数えるの止めちゃったから何歳か分からないかな」
「またまた、そんなこと言っておいて。本当は分かってるんでしょ?あと、一応二人は先輩になるから」
「概数でいいのであれば大体は分かりますよ。ただ女の子に年齢を聞くのはご法度では?」
「あ、確かに。でも、女の子って」
ズドンッ!!
魔法使いの会話に覆い被さるようにしてティナは対物ライフルを撃った。しかし魔法使いは撃たれる瞬間に手を体の前に伸ばした。そして、その手に着弾するかと思われた弾は穴に吸い込まれて消えた。
「なるほどね。四番目かぁ。すごく相性が悪いね」
「ですね。存在消されるかもしれません」
「そんなことしたら、彼が悲しむからしないよ」
「それならいいんだけど。それで?わざわざ魔法使いがこっちに来るほどの予定ってあるの?」
「懐かしい名前が聞こえたからね。ノイエンミュラーでしょ?」
「あー、なるほどね。私達の後に行ってたんだ。どう?彼女、成長してた?」
「うーん、どちらかっていうと成長してたかな。女性的にはなってたけど」
「身長は伸びて無かったんですね」
「そういうこと。あと、オスカーが写真で見るより細くなっていたよ」
「え!?あのオスカー、減量に成功したんだ・・・」
「まぁ、そんなとこだね。あと、ぐるぐる族がソフィーの弟子になったよ」
「感覚派かぁ。教える側になったときに弟子が疲れるやーつ」
「ですね。久しぶりに会ってみるのもいいかもしれませんね」
「寝るときに行っちゃう?」
「それなら私の穴に入ればいいよ。時間とかも都合合わせられるし」
「流石は四番目。二番目の時間旅行もお手のものだね」
「四番目で呼ぶの止めてよ。ついうっかり社会的に殺しちゃうでしょ?」
「はいはい、分かった分かった」
すると給水塔に座っていた少女はそこから飛び降りた。魔法使いと言う割にはローブや杖を持っていなかったが、現代魔法に関してはそういうものだろう。
「じゃあ改めまして自己紹介をしましょうか」
「そうだね。それがいいかも」
「では私からしますね。UGN特殊感染症対策部、通称オーヴァード課の捜査長官でアメリカの代表候補生のティナ・ハミルトンです。よろしくお願いしますね」
「じゃあ次は私だね。フェル・ソフィーティアだよ。ティナと同じくUGN特殊感染症対策部に所属してるよー」
「あ、そうなんだ。ちなみに私は自己紹介しないよ。二人の予想は完璧だし」
「すんなりそんなことバラしてもいいの?もしかしたら私が誰かにチクるかもよ?」
「その時は、チクられた人の記憶を消せばいいだけ。そういうフェルも、彼を裏切ってるけど大丈夫なの?」
「・・・・・・まぁ、ね。ただ、
「すごく裏切ってるね」
「それに、UGNには記憶処理の部隊もあるし、情報とかはどうとでもなるからね。それと、私とティナの場合はどこにも忠誠は誓ってないから何とでもなるし」
「ティナはどうなの?」
「私の場合は自由国籍ですから」
「まさしくダブルクロスだね」
「名前はまだバラしたくないみたいだから呼ばないけど、貴女は・・・・・・自由気ままに生きてる感じかな?」
「私宛の依頼とかが入らない限りは、だね。入ったら、世界がどこだったとしても行って依頼を受けるかな。ああそうそう。あと、あおあおには気を付けてね」
「あおあお?」
「うん。髪が赤いのにあおあおって略せる人なんだけどね。ここの臨時講師になってるから」
そう言った瞬間、魔法使いがなんの前触れもなく横に吹き飛ばされた。
「そんなところに居ると蹴り飛ばすわよー?」
声がした方向には燃えるような赤髪の、やる気がなさそうな魔法使いがいた。足を振り抜いた体勢だったため、口より先に手が出たのは明白だった。そしてその女性はフェルとティナに向き直った。
「話は聞いてたわよ。・・・・・・・そんなに焦らなくていいわ。貴女たちの秘密は口外しないわ」
「そうなんだ。じゃあ、お願い」
「ではその約束の前払いです」
話を聞かれていたのでフェルは慌てたが、五番目の魔法使いに口外しないことを誓われるとすごく安心したように胸に手を当てて深いため息をついた。そのフェルの動きに連動するように、ティナは使わなくなった対物ライフルを札束が大量に入ったジュラルミンケースへと変えた。魔法使いは訝しんだ。
「偽札は要らないわよ」
「大丈夫ですよ。私、モノの構造は全て把握してますから」
「偽造って言っても、本物と何も変わらない偽物だからね。偽物が本物に敵わないなんて道理は捨てた方がいいよ?ティナにかかれば億万長者も夢じゃないし。前にラスベガスで無限の財力をもって解体一歩手前までギャンブルしてたし。お金の出所は大体空気から生成してるよね」
「それは嬉しい情報だけれど、気持ちだけ受け取っておくわ」
「分かりました。じゃあこれはお菓子にしますね」
ティナはジュラルミンケースごと大量の駄菓子に変え、全てを自分の鞄の中に収納した。
「そしてあおあおは私を蹴ったことを忘れる、と。同じ魔法使いなのにどうして私は忘れられるのかな?」
「それは貴女の魔法の側面が忘却だからでしょう?」
「そういえばそうだったね」
にへらっとでも言いたげな形で微笑む四番目の魔法使い。話が進まないことを焦れったいと思ったのか、五番目の魔法使いが咳払いをした。
「ん、んっ。後出しだから面倒臭いけれど私も自己紹介しておこうかしら。蒼崎青子よ」
「最新の魔法使い、ね。魔法・青についても大体は想像できてるから」
「すごいわね。誰かから聞いた状況証拠だけで推測するなんて、ね」
「そのぐらいならまだ簡単な方だからね。じゃあ密会はこの辺にしとく?時間も長くなったっぽいし」
「帰るときはここに入ればフェルやティナが出てきたところに戻れるように設定しておいたからね。時間は大体10分後でね」
「魔法を使ってくれる本音は?」
「ん?何もないよ。こういうのはお互い助け合いでしょ?」
「ありがとうございます」
「いいよいいよ、お礼なんて」
「久しぶりに四番目が心から照れてるところを見れたし、私も帰るわね。あ、私の担当科目は体育だから、その辺りよろしく」
「お手柔らかにお願いしますね」
「スポーツ万能の生徒に言われても、ね」
そう言って青子は屋上の柵を飛び越えて、そのまま落ちていった。あとに残されたのは魔法使いとティナとフェルだった。そのフェルがおもむろに口を開いた。
「ねぇ、この茶番はいつまで続ければいいの?」
「え~?もうちょっと続けたかったんだけど~?」
「もう良い気がしますよ。私としても話したいことは結構ありますし」
「は~い。分かった~。じゃあ~、もう演技やめる~」
そう言って魔法使いはぐてーと体を空中に寝かせた。それを見てフェルもティナもクスリと笑った。
「ほら、そんなにだらしなくしないの。あとであそこに連れていくわ。ティナが」
「あそこは私が開けなきゃ入れないでしょうに。ともかくお久しぶりです、本音。何年ぶりでしょうか?」
「ティナもフェルも久しぶり~。何年かは分からないかな~」
そして第四の魔法使いは・・・・・布仏本音はヘラヘラと笑った。そしてぎゅーっと二人を抱きしめようとして、寝る体勢だったのが災いしてぽてっと地面に柔らかく落ちた。そんな本音に対してフェルはその柔らかいほっぺたをぷにぷに突き、ティナは柔らかな髪を撫でた。
「すごいよね。何年経ってもこのもっちり感。赤ちゃんのようなぷにぷに肌。そして餅のようなほっぺた。ずっと触っていられるよね」
「確かにそうですね。それにしても、この髪もすごいですよ。結構長いのにさらさらふわふわな感触です。この髪で枕カバーを編めば、安眠間違いなしですよ」
「こら~。私がせっかく高度な技術で保っているものを~、勝手に触らないでよ~」
「では私の髪も触りますか?」
「確かに一人だけ玩具というのは面白くないよね。じゃあ私のほっぺた・・・・・・は硬いと思うから髪触る?」
「二人の髪は変わってないんでしょ~?じゃあ当分は大丈夫~。それに~、隙あらば触りに行くから~」
「分かりました。そのときはお手柔らかにお願いしますね」
「そうだね。まぁ、いつでも触りに来て良いからね?」
「やった~」
三人寄れば姦しいとはよく言ったものである。
「それで~、ティナのお友だちは元気~?」
「一人はここに呼んでいますね。一応私と同じクラスなので気付くかと。二人は転校して学校に編入させました。後の人たちはお留守番だったり普通にしてたりしますね。私もこっちで出来る仕事は回してもらいますし」
「私も手伝ってるよー」
「後で行ってもいいかな~」
「とりあえずはお義兄ちゃんのパーティが終わってからだね。その後は一応私とティナがここの臨時支部に協力することになってるから、それの顔合わせかな。といっても今いるのは私とティナと静寐ぐらいなんだけどね」
「あ~、静寐もそっち側なんだね~。そういえば~、あの三人は~今も世界中を飛び回ってるのかな~?」
「どうでしょうか。むしろあの小ささを生かして学校に入っているかもしれませんよ。中学生を自称しているかもしれません」
「かもねー。でも小学生でもあり得そうなんだよねぇ。本音のその成長率がどのぐらいなのかというのが気になるとこだけど」
「見た目が小学生っぽいのも~、大変だよね~」
一頻り三人共通のネタで笑いあったところで、真面目な顔になってフェルは尋ねた。
「あの事に関しては、絶対口外しないで」
「分かってるよ~。流石にあの事に関しては~、黙秘権を行使しないと~、ダメだよね~」
「ティナもそれでいい?」
「大丈夫ですよ」
「二人とも、ごめんね?」
とフェルは謝るが、対象の二人はというと苦笑いするだけだった。
「何年一緒にいると思ってるんだよ~?その程度で謝らないで~」
「そうですよ。私もフェルのことは頼りっぱなしなので、たまには頼ってください」
「・・・・・ありがと」
「フェルのデレって久しぶりだね~」
「しかもたまにツンツンしてるのがたまらなくいとおしいですよね」
「それそれ~。たまに来るデレとそれが絶妙なコントラストで~、たまらないんだよねぇ~」
「・・・・・・・ッ!?」
真面目な話かと思いきやすぐさまネタ話にスイッチバック。話の切り替えの早さは随一と言われた本音の十八番である。
「・・・・・帰るよ」
「・・・・拗ねないでください。後で好きにしていいので」
「私も好きにしていーよ~」
「・・・・それで手を打ってあげる」
「やった~」
「ではまた真面目な話に戻りますが。本音と更識姉妹の関係はどういったものでしょうか」
そして今度はまた真面目な話に舞い戻った。のだが、あちゃーと言いたげな感じでフェルは頭に手を当てた。
「主人と従者だよ~。最も~、かんちゃん・・・・、簪ちゃんと~だけどね~。たっちゃんは~、お嬢様って呼んでるよ~」
「えぇ・・・・・・」
そして頭を抱えるティナ。何かあったのだろうか、それを推察しようと本音が考えようとしてフェルが口を開いた。
「もしかして、FBIって言っちゃった?」
「なるほどね~」
「間違ってはないし支援ももらえるけど、本当は違うからねぇ」
「・・・・・・・・・はい」
観念したようにティナが頷いた。その目は酷く濁っていた
「本音?もしかしなくても、バラしてないよね?」
「うん~、もちろんだよ~。不思議な友達二人がいるって言ってるよ~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれ~?どうしたの~?」
本音のその言葉に今度はフェルも揃って膝をついて手を地面につけた。俗にいうorz状態である。
「だからさぁ・・・・・・。そんな風に言われてると、バレたときのショックってすごく大きいんだよ!?」
「え~、そうかな~?」
「そうですよ。特に親身になっていた人がそういう人ということになれば、最悪本音も含めて疑心暗鬼になりますよ」
「それは~、嫌だねぇ~」
だが表情はにへらっとしている。完全に反省する気がないようだ。
「・・・・・・静寐との会話が終わったら三人に話すよ。本音のことだから虚さんにも言ってるんでしょ?」
「あ~、バレた~」
「・・・・・・フェルは大丈夫なのですか?」
「もうこんなの必要経費だよ。コラテラルダメージだよ」
「・・・・・では、私は何も言いません」
二人が頭を抱えつつ、本音は愉悦な顔でそれを見つつ、三人は本音が作ったゲートをくぐった。
「そういえば前にリンネから聞いたんだけど、忘れ物置いてきたんだって~?」
「・・・・・それが?」
「忘れ物を取りに行くんだったら~、来年の冬アニメが始まるぐらいに行けばいいかもね~」
「あぁそういう?」
「今はそのときではないというやつですね?私達もそんな気がしていたので、今は行きませんよ」
――――――――――――――――――――――――
5分ほど経ってから、フェルとティナと本音が帰ってきた。フェルとティナを追いかけるようにして出ていったが、そもそも別件だったらしい。要らないのに気を使ってくれたみたいで大きめのジュースを買ってきてくれていた。ちなみにフェルとティナのお話に関してはつつがなく終わったらしい。
そしてその簪が作った友人を呼んだのだが・・・・・
「えーっと・・・・、皆さんお揃いでどうしたんでしょうか・・・・」
「あれ?クラスメイトのアストラルさん?」
何故か一組のアストラルさんが来た。その後ろにいるちみっ子が簪の友達らしい。
「はじめまして。妹がお世話になっています。姉のレナです」
「え?姉?」
まさかの姉だった。ちみっこい上にあんまり似ていないが姉妹・・・・なのはお互い様だからこの話はもうやめておこう。
「これはご丁寧にどうも。僕は」
「知ってます」
「あ、それはどうも」
なんだろうか。つっけんどんな返答しか返ってこない。知らないところで何かがあったのだろうか。
「あ、ごめんなさい!その、レナは・・・・・、話すのが苦手で・・・・・・」
と思ったら、話したいことが多すぎて詰まってるやつだこれ。確かに、3人しかいない男性操縦者の内の一人に呼ばれたとなると、そりゃそうなるわ。声優に会った時とか、本当に限界化したし。
「ち、ちょっとユイ!?」
「なんとなーく分かったわ。それやったら別にかまへんよー」
「むぅ・・・・・・・」
レナの反応としては、何か引っ掛かりを覚えるけれどもとりあえず脇に置いておいて。鍋をかき混ぜつつうどんをひと煮立ちさせれば完成。
「中々に豪華よね」
「ナマモノは早い目に使わないと腐るからな」
「確かに」
「いい匂いだねぇ〜」
今日の献立はフグ鍋である。もちろん、トラフグは高くて手に入らないため、別の食用フグであるが。それでもフグであることには変わらないので、高級食だと思っていた人達は驚いていたが。
――――――――――――――――――――――――
『ご馳走様でした(!)』
「ほいほい。お粗末さまでした」
「やっぱり拓海は立派な主夫になるわよ」
「主夫ってお前なぁ・・・・・。共働きならともかく、ヒモは勘弁してくれよ・・・・・」
料理を食べ終わって拓海が食器を洗おうと回収したのだが、実家が大衆食堂らしいナギや、よく家でも料理をする刀奈や簪達が少しでもお礼をということで洗ってくれることになった。・・・・・・そんなことをすると、タクの事だからこれのお礼をって言い出すよ?タクって律儀だから、相手の善意にもお礼をしようとするし。
「お義兄ちゃん?邪な事とか考えてない?」
「失敬な。確かに皆薄着だから少しは考えたけどさ。その辺の煩悩は退散させたから大丈夫なはずや」
「悩殺しに行った方がいいのかしら?」
「いや、それされたら流石に通報するわ」
というか、話し方まで変えなくて良いはずなのに、ティナってば他人モードになってるし。流石にこの中で知人がレナと私とフェル位しかいないから、なんだろうけど。というかレナは何時私達のことに気がつくのかな?
「っていうか〜、ナギナギってスゴく手際が良いよね〜」
「実家が実家だから、洗い物は得意なんだ。料理の方はまだまだ修行中だけど」
「もうちょっと皆と仲良くなったら、ナギのその店に行ってみたいね」
「けど、今からもうちょっと先までは無理・・・・・・かな。お父さんもお母さんも世界一周旅行に出かけちゃってて、何時帰ってくるのか分からないんだよね」
「そうなんだね〜」
ナギの素性は調べてみたから騙されることは無かったけど、ほとんどは騙されたみたい。害もないから放っておくけどね。流石に裏を調べようとしても出なかったから放置してるんだけど。私の情報網をくぐり抜けるとすれば・・・・・・・やっぱりあの人しか居ないかなー?
とりあえず、あの事を教えなきゃいけないし、彼女達の紹介もしないといけないからねー。
「ん?このBGMは?」
唐突に流れた着メロにタクが辺りを見回すけれども見つからない。だって
「あら。家の仕事のメールね」
「ですね。しかもかなり急を要するようです」
「お、お姉ちゃん?」
「大丈夫よ。簪ちゃんも連れていかないとまずい案件なのよね」
更識姉妹がかなり慌て始めたのを見て、その他大勢は不審がった。当たり前の反応ではある。
「どしたん?何かあったんか?」
「えっとですね。更識に対して緊急招集がかけられまして。余程のことがない限りは無いのですが・・・・・」
「内容が余程の事だったってことですね?」
「ええ、そうなのよ。だから、私の部屋に行くわね?」
「そりゃかまへん・・・・・というか喋ってたりしてたらもうこんな時間か。じゃあ自由解散にするか」
たまーに鋭いタクがこっちにとって良い案を出してくれた。こういう時は嬉しいんだけどね〜。突発性難聴とか起こさないからまだ良いんだけど、それでも鈍感だからまだまだ修行して欲しいなぁ〜。
「今日はありがとうございました。鍋料理、美味しかったです」
「アストラルさん・・・・・だとどっちを指してるか分からんな。ユイさんもレナさんも、何時でも寄ってってかまへんで〜。一応クラスメイトなんだし、困った時はお互い様やし」
「それは・・・・・・ありがとうございます」
「私からも。ありがと」
そう言って、ユイとレナは出て行った。まぁ、レナはこの時間になるとほとんど休眠モードになるから仕方ないんだけどね。
「夜竹さんも鷹月さんも鏡さんも、食器洗いしてくれてありがとうな」
「い、いやいや。お礼を言うのはこっちの方だよ」
「美味しいご飯も食べさせて貰えたし」
「何より色々お話が出来て嬉しかったよー」
じゃあまたあしたーって言って三人も帰っていった。と言っても隣だから帰る必要はほとんど無いはずなんだけど。
「ほんっと、お義兄ちゃんって義理堅いよねー」
「そうね。貴女のお兄さんは真面目すぎるわよね?」
「だって堅物じゃないけど生真面目だからねー」
「それどっちやねん。褒めてるんか貶してるんか」
「どっちでもいいでしょー?じゃあ私も帰るね〜」
「ご馳走様でした。今度は私が奢る番ね」
「いやいや、対価は求めてへんから」
そんな感じでティナとフェルも帰った。
「じゃあ拓海。簪ちゃんと本音ちゃんを借りるわね?」
「いや、モノじゃないんだからさぁ・・・・・・」
「じゃあ、行ってくる」
「気ぃつけてな〜」
タクはタクでやる事があるはずだし、1人残して全員が部屋から去った。誰と通信してるかは知らないけど、脅威でも無いしほっとこ〜。
次はあれですね。説明会になると思います。
ではでは〜