いつの間にか☆8の評価が入ってる…。
読者の皆様のこの作品への対応が常に作者自身の予想をうわまわっているので驚きです。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
それでは、本編スタート!!
⇒ハヤテside
修学旅行から帰ってきた次の日は休日だった。
なにもするでもなく椚ヶ丘市内をぶらついていた僕の興味を引いたのは、電柱に貼られた一枚のチラシだった。
“バイト募集”
デカデカと書かれたその一文字に興味を持った僕は、本校舎の生徒がいないかを確認し、そのチラシをはがした。
小さい頃から働き詰めだったが故にここのところ働いていない日があることに不安を感じていたところだったのでちょうどいい。
そう思いながらその住所に向かった。
~~~~
「松来軒…うん、ここで間違いないな。」
チラシの住所に沿って進んでいくと、そこにあったのはそんな名前のラーメン屋だった。
あまり聞いたことのない店名だし…お客さんの数も少ないので…そこまで繁盛していないのだろうか?
…だったらなんでバイトなんて募集していたのだろうと思いましたが…
「よし、行こう。
すみませーん!!」
それでも働かせてくださるのなら、と嫌なイメージを捨て、店の扉を開いた。
そこには───
「へいらっしゃい!
…って、綾崎じゃねーか。」
クラスメートの一人、村松君がいた。
「…え?
なんでここにいるんですか?」
まさか、村松君もバイトで…?
「なんでって…ここ俺んちなんだよ。
親父がラーメン屋やっててよ…俺は店の手伝いやってるってとこだな。」
「へぇ~。
ここ村松君の家だったんですね。」
「そーいうお前はなんでここ来たんだよ?
見たところメシ食いに来たって感じじゃねぇ…。
金ねぇし、そうじゃ無くてもお前は自炊出来るしな。」
そうだった。
村松君がいたことの衝撃が強すぎて本来の目的を忘れるところだった。
「えっと…このチラシを見てやってきたんですけど…僕でも大丈夫ですかね?」
「チラシ?…ああこれか。」
「あ…でも僕、履歴書とか用意するの忘れてたんですが…」
しまった~。
バイトのことで頭がいっぱいで履歴書のこととかすっかり忘れてた…。
「別にいいよ、お前だったらな…。
料理の腕も一級品だし、他人への対応の仕方も完璧だからな。
それに、お前の境遇は理解しているつもりだからな。
親父にはうまいこと言っとくよ。」
「村松君…。」
普段は悪ぶっているけど…こんな優しい一面があるのかと失礼ながら思ってしまった。
「それとな、一つ頼まれてほしいんだが…。」
「…どうかしたんですか?」
「いやな…うちのラーメンってさ、端的に言って不味いんだわ。
こんなんじゃいまどきやっていけねーよってくらいになぁ…。」
「たしかに客が少ないように思っていましたけど…そのためだったんですね。」
「その通りなんだがよ…遠慮ってもんを知らねえなお前。
まあ、何が言いたいかと言うと…味の改良を手伝ってくれってことだ。
神の舌とか持ってるイメージあるからな。
ここでバイトする事学校に黙っててやるからさ、な!?」
「神の舌って…どこぞの巨大料理学校とか牛耳ってませんから。」
「そんな事はいいとして、こっちが頼んだ時はよろしく頼むぜ。
それとよ…クラスでもよろしくな。
寺坂よりお前とつるむ方がおもしろそうだからな。」
「はい!!
こちらこそ、よろしくお願いします!!」
びっくりする事が多かったけど…バイトが決まったことと友達が増えたこと、この二つは僕にとって大きな収穫だった。
arosの、サンデーの目次コメントに漫画家でもないのに答えてみた
Q.「おふくろの味」と言えば何を思い浮かべますか?
A.卵焼きの中心にタラコを丸ごと一個入れたもの
マジでおいしかった。
「今回の話でセリフがまだ一つも無いのが後一人になったな。」
「その人の初ゼリフはあれじゃ無いとダメだって。」
※もちろん、律とイトナは入れないで言っています。