暗殺者のごとく   作:aros

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まだ火曜日なのにUAが3000を超えた…。
予想外でした…。


今回から6月です。
今月の第二目標にしていたので、入れて良かったと思っています。




それでは、本編スタート!!


第27話 湿気の時間

▷ハヤテside

 

最近、雨が多くなってきました。

 

 

6月…梅雨の季節だ。

 

 

湿気が多くなるため、蒸し暑い…。

 

 

 

そんな中、気になることが一つありました。

 

 

殺せんの頭が膨らませた風船のように大きくなっていることです。

…他の方々にしても、真面目に授業に取り組んでいながらも、それが気になって集中出来ていないようでした。

 

 

{殺せんせー、その33%ほど巨大化した頭部についてご説明を。}

流石に流すことが出来なくなったのか、律さんがそれを問いただしました。

というか、あれで33%なんですね…。

「ああ、これですか…。

湿度が高いので…水分を吸ってふやけました。」

湿気でふやけるって…お煎餅じゃないんですから…。

どうやら、雨粒は全部避けて来たらしい。

…ん?

雨粒を避ける…?

何か、都合の悪いことでもあるのでしょうか…?

顔を雑巾みたいに絞って水分を出す殺せんせーを見ながら、そんなことを考えていました。

 

 

 

▷渚side

 

その日の放課後───

 

 

最近では珍しくハヤテ君と帰っていなかった。

双方に用事が無い場合は必ずと言っていいほど一緒に帰っていたので少し寂しかったりする。

 

 

「…!

ねぇ…あれ。」

そんな時、岡野さんが見つけたのは───

 

 

 

「どうしたんだよ。

…って、前原じゃんか。

お盛んだねぇ、彼は。」

クラス外の女子と一緒に帰る前原君の姿だった。

 

 

 

「ほうほう…。」

どこかで聞いたことのある声がしたのでそちらを向くと…

「前原君、駅前で相合い傘…と。」

メモ帳にそんな事を書き記す殺せんせーがいた。

三学期までに生徒全員のノンフィクション恋愛小説を出す予定らしい。

第一章が杉野の話だと聞き、本人は出版前に殺すと意気込んでいた。

「じゃあ…女子編はハヤテ君に関することが多そうだね。

片岡さんと速水さんはまだ気になりかけてる程度だけど…それ以外の人は狭間さんと原さん以外皆少なからず好意寄せてるからね。」

「気づいてねーのは本人だけ…。」

僕の言葉に杉野が同意した。

自分が好意を寄せる神崎さんが、ハヤテ君のことが好きだと理解しているようで、その顔には悔しさが見てとれた。

「あと…前原君の章は長くなるね。

一緒にいる女子がしょっちゅう変わってるし…。」

 

 

 

そんな時、数名の男子が二人のところにやってきた。

すると、前原君と一緒にいた女子がその男子達の方に走っていった。

その内の一人に、前原君といた理由を述べていたが…言い訳にしか聞こえなかった。

だが…前原君が口を開いた瞬間、まるで“自分は悪くない、悪いのは前原君だ。”とでもいうかのように前原君を責め立て始めた。

そして、男子達が次々と前原君を足蹴にしていく。

もう見てられないとばかりに杉野が飛び出そうとしたその時───

 

 

 

 

「やめなさい。」

 

 

 

 

歩道に横付けされた車からそんな声が響いた。

車窓を開けて見えたその顔は…理事長先生だった。

 

 

「ダメだよ。

暴力は、人の心を…今日の空模様のように荒ませる。」

そう言って間に入っていく。

「さ…これで拭きなさい。」

前原君の前で片膝をつき、自身のハンカチを差し出しながらそう言った。

だが───

「危うく、この学校にいられなくなるところだったね…君が。」

次に出た言葉は受け入れることが出来なかった。

なんだそれ!?

その言い方じゃ、悪いのが前原君だけになるじゃないか!!

彼は被害者なのに!!

用事は済んだとばかりに去っていく理事長先生の車を見ながらそんな事を思っていた。

それでスッキリしたのかそこから去っていく男子達と前原君と一緒にいた女子。

 

 

 

失意のためか、落ち込む前原君の頭上に───

 

 

 

 

 

 

そっと傘を差したのは───

 

 

 

 

 

 

「水も滴るいい男、と言えど…そんなずぶ濡れのままじゃ、風邪をひいてしまいますよ。」

 

 

 

 

 

片手でスクールバッグとレジ袋を持ったハヤテ君だった。

 

 

 

 

▷ハヤテside

 

「綾崎…?

お前、なんで…!?」

僕がここにいることが不思議だったのか前原君が聞いてきた。

だけど、その質問に答えるより早く───

 

 

 

「前原!!

大丈夫か!?」

杉野君を先頭に渚君達がやってきました。

「渚君、皆さん…いたんですね。」

「それはこっちのセリフだよ!

今日は用事あるって言ってたのに…こんなところで何やってるの!?」

「用事っていうのは…まあぶっちゃけ言ってただのお買い物なんですけどね…。

数日分の食材買い終えて帰ろうとしたところで…理事長先生が前原君に何か言っているのを見たので来ただけです。」

その言葉に納得したのか、渚君はそれより後を言おうとしなかった。

 

 

 

「綾崎以外は…さっきのやりとり見てたんだろ?

だったらさ…聞かせてくれよ。

相手が弱いと見たら…誰だってああいう事しちゃうのかな?」

その言葉の答えは沈黙だった。

 

 

 

…いや、あるとすれば───

 

 

 

怒りからか、教室の時より膨らんでいる殺せんせーがいることでしょうか。

 

 

 

 

「仕返しです。

…理不尽な屈辱を受けたのです。

 

 

 

 

 

屈辱には屈辱を…彼女たちを飛びっきり恥ずかしい目に遭わせましょう。」

 

 

よく分かりませんが…

 

 

 

 

ヤッチャイマショウカ───




次回もお楽しみに!!
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