暗殺者のごとく   作:aros

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皆さん、お久しぶりです。
先週の火曜日から一週間仕事で、投稿不可能でした。

前回までは一時間目と二時間目の間でしたが、今回は四時間目が始まる直前(昼休みが四時間目の後と考えている)まで時間を進めます。

今回は長いです。
それでは、本編スタートです。


第4話 実力の時間

⇒渚side

 

 

 

綾崎君が鈍感で天然ジゴロだと分かってから時間は進み、次は烏間先生が担当する体育という名の訓練だ。

 

 

 

「なぁ綾崎、お前体育にちゃんとついてこれるのか?」

「ついていけるかどうかは置いておいて、できる限りのことはやろうと思います。」

「というか前原、俺達だって訓練始めて間もないだろ。」

「言うなっての磯貝」

「俺としちゃついてこれるのか本当に心配なんだが。」

「まぁ、木村君は朝のアレを目の前で見たわけですからね。」

 

 

 

この二、三時間で綾崎君はもうクラスに馴染んでいる。

このコミュニケーション能力の高さは感心せざるを得ないと思った。

 

 

 

ちなみに、いちいち自己紹介のために会話が途切れるのもいじらしいということで、菅谷君が似顔絵付きの座席表を渡していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は綾崎君の実力を見てみたいと思う。綾崎君、そのナイフを俺に当ててみてくれ。」

どうやら、烏間先生も綾崎君の実力が気になるようで、今日の体育は彼の戦闘技術の確認にしたようだ。

「え?確かに怪我とかしなさそうですけど、いいんですか?」

「無論、当たらないように捌くし、反撃もする。全力で来てくれて構わない。」

綾崎君の疑問に答える烏間先生だが、あれは当たらないという自信があるからこそのものだろう。

実際僕達がナイフを振りかざしてもいっさい当たらないからね。

 

 

「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます。」

「そうしてくれ。始めるタイミングは君の自由にしてくれ。」

 

 

「綾崎の腕前はどんなものか、確かめるとするか。」

「ま、使えるに越したことはねーけどな。」

岡島君と三村君の会話が聞こえてきた。

かく言う僕も彼の実力は気にはなる。

 

 

 

 

「じゃあ、行きます…よっ!!」

「…ッ!?」

烏間先生がオーバーに避けた。

それもそのはず、なぜなら……

「は、速ぇ!!」

「距離を詰めるまでが全く見えなかった!」

「木村よりも速かったんじゃねーか!?」

皆のいう通り、とにかく速いのだ。

それだけじゃない、ナイフを振るう動きに無駄がない、たとえ避けられても次の動きにすぐに切り替えられるよう最小限にしかナイフを振っていない。

 

 

 

「隙あり!」

「しまっ!?」

烏間先生もナイフを避けることで手一杯だったようで、足元ががら空きになっていたようだ。

その隙を狙って綾崎君は足払いを仕掛けた。

それにより体勢を崩された烏間先生に向かってナイフを向け突っ込んでいく。

 

 

烏間先生にナイフを当てられる。そう思っていたそのとき───

 

 

 

 

 

 

ズドドドド

地響きと共に猪が走ってきて綾崎君を突き飛ばした。

 

 

 

その隙に体勢を立て直す

あともうちょっとだったのに……

「いい動きだった。あの時猪がいなかったら確実にナイフを当てられていただろう。」

烏間先生はそう評価したが、この状況だと慰めているだけにしか聞こえなかった。

 

 

 

 

 

「…さて、綾崎君個人の実力は分かった。次は二人でのコンビネーションを見てみたい。誰かやってくれるという人はいるか?」

その言葉に緊張が走った。

それもそうだろう。あんな素早い動きと高度なナイフ技術についていけるとは到底思えなかったからだ。

周りも「出来るか?」や「ついていけるわけがない。」などの言葉が聞こえてきている。

「渚、お前は出来るか?」

「無理。絶対足手纏いになると思う。」

杉野から聞かれるもその返事がこれだった。

 

 

「いないのなら仕方ない。こちらで…「やります。」…ッ」

誰も名乗り上げないのを見かねた烏間先生が選ぼうとしたそのとき、岡野さんが名乗りをあげた。

「岡野さん、いいの?」

その岡野さんを心配してか隣にいた茅野が声をかけた。

「うん。考えて決めたことだしね。」

その言葉に心配いらないというように返す岡野さん。

「よし、それじゃ行ってくる。」

そう言って綾崎君の下に向かって行った。

 

 

 

 

 

▷ひなたside

 

 

 

「よろしくね、綾崎」

「えぇ、こちらこそよろしくお願いします。」

即席のタッグである私たちは一応の礼儀としてよろしくと言い合った。

そして、軽い作戦会議の後烏間先生の前に陣取った。

 

 

 

 

「よし、では始めようか。」

そう言って構える烏間先生。

多分、さっきの綾崎との模擬戦で気を引き締めたのだろう。

そして、開始と共にさっきと同じように烏間先生に突っ込んでいく綾崎とそれを予想していた様子で避ける烏間先生。

「さっきとパターンが同じだ!それではヤツに…ッ」

感づかれると言おうとしたであろう烏間先生の声は途切れた。避けた先に私がいたことに気づいたのだろう。

「…なるほどな。綾崎君の特攻はフェイクで、本命は避けた先の岡野さんだったか。自分を囮に使ったこともそうだが、岡野さんのいる方向に誘導したことも感心せざるを得ないな。」

私の攻撃をバックステップで回避した後の烏間先生の第一声はそれだった。

「くっ、まだまだ。」

「出来るところまでやらせてもらいます。」

その一言で闘志を燃やした私たちは烏間先生に再び向かって行った。

 

 

 

烏間先生にナイフを当てようと綾崎が再び向かって行ったので、今度こそとさっきとは別の方向から向かっていった。

しかし、さすがに気づいたのか烏間先生は綾崎の攻撃を避けた後近づいていた私の腕を掴み横に投げた。

そこには烏間先生に向かって走ってきた綾崎がいた───

 

 

「「え!?うわぁ」」

私と綾崎は正面衝突と相成った。

 

 

「ゴ、ゴメン綾崎。大丈夫!?」

「えぇ、岡野さんは大丈夫ですか。」

「う、うん。私は大丈夫。」

「ならいいんですが、ええと……」

綾崎が言いよどんだ?どうしたんだろう。

「…?どうしたの?」

思わず聞いてしまった。

「じゃあ……その……そろそろ降りてもらえませんか?重くはないんですが、その、近すぎて……」

その言葉に今の状況を確認した。

どうやら私は綾崎を押し倒しているようだ。

恐らく、先ほどの正面衝突によるものだとすぐに結論付いた。

「~~~~ッ///」

顔が赤くなるのを感じ、とっさに飛び退いた。

 

 

 

なんなのかな、この胸の高鳴りは…。

顔も熱いし…もしかして…。

でも、あり得ない。

だってさっきの話を聞いてから…私は歩っちの事を応援するって決めたのだから。

 

 

 

 

 

▷渚side

 

 

 

「綾崎君、次はエアガンを使ってあの的を撃ち落としてくれ。」

いろいろあった綾崎君のナイフ技術の確認が終わり、次は、綾崎君の射撃技術の確認だ。

「綾崎の射撃技術はどうなんだろうな。」

「もしナイフ同様高い技術を持っていたら前衛と後衛両方出来るオールラウンダーね。」

磯貝君と片岡さんが綾崎君の射撃技術について議論していた。

 

 

 

 

そして、綾崎君がエアガンを構え、発射した。

撃った時の姿勢も狙いも完璧だ!

 

そして、綾崎君の放った対せんせー用BB弾は的の中心に吸い込まれて───

 

 

 

 

 

 

カァ-- パクッ  バサッ

いこうとしたところで、カラスにBB弾を持って行かれた。

 

 

 

 

この日綾崎君は合計20発撃って命中は10発(外れたうち10発とも中心にあったが、何らかの現象で逸れたもの)だった。




というわけでハヤテの実力をクラスの皆に見せました。


つーか、女子が全然名前が出てこない。



暗殺教室のSSハーレム系作品の王道メンバー(神崎、倉橋、速水、矢田)はとりあえず後回しにします。


さぁ皆さん、この作品で暫くの間邪道をお楽しみください。

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