暗殺者のごとく   作:aros

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活動報告にてアンケート(というかアイディアの募集)をさせていただいてます。
そちらの方もよろしくお願いします。



どうでもいい話ですが…7月編が半分も来てないんですよね…。
あれだけ内容が濃かったのに…。



それでは、本編スタート!!


第54話 期末の時間

▷渚side

 

プールでの騒動があった日から2日が経過した。

 

 

 

今日からテスト期間だ。

そのため僕たちは、中間テストの時と同じように殺せんせーの高速強化テスト勉強会を受けていた。

夏の午後ということもあり…教室では暑くて勉強に集中出来ないということで、中間テストの時とは違い…グラウンドのそばの木陰でする事になったが…。

 

 

 

「おいタコ…ここどーやって解けばいいんだ?」

「ああここですか…それなら───」

寺坂君と殺せんせーのそんなやりとりが聞こえてきた。

中間テストの時はあまりやる気を見せていなかった寺坂君も今回は真剣にやっている。

苦手科目が多いうえに今までまともに授業を受けていなかったため殺せんせーの鉢巻きは未だにNAR○TOのままだったが…。

 

 

 

寺坂君がやる気になったのは彼の影響だろう…そう思いハヤテ君の方を見た。

 

 

 

プールでのダムの爆発に巻き込まれ大怪我を負い入院したハヤテ君だったが…殺せんせーの手当てがあったこともあり、昨日の昼に退院できたようだ。

だが…念のためその日1日は休むようにと烏間先生から言われたらしい。

…もとから頑丈なため、退院するまでの期間が短かったことはあまり驚かなかったが…奥田さんとハヤテ君がお互いに名前で呼び合っていたことには驚きを隠せなかった。

 

 

 

「よし、出来た!!

殺せんせー…答え合わせお願いします。」

「どれどれ…。

一問だけとても惜しい間違いをしていますね…ここのスペルは───」

今は復帰して試験勉強に全力で取り組んでいる。

中間テストの時のハヤテ君用の分身は鳩時計だったが…今回は顔の形は丸のままだったが、鉢巻きに2000の技を持つ男が主人公の特撮ヒーロー番組にて主人公が変身する戦士の赤の形態の顔が描かれていた。

殺せんせー曰わく、得意不得意の幅が狭くなってきたので五教科全ての成績をさらに上げていこうということらしい。

 

 

 

「そういえば…殺せんせー、今回も全員50位以内を目標にするの?」

ふと、中間テストの時に掲げていた“あれ”をどうするのかが気になったので聞いてみることにした。

「いいえ。」

間髪入れずに返ってきた答えはそれだった。

「あの時は総合点ばかり気にして急ぎ過ぎました…。

やはり生徒それぞれに合うような目標を立てるべきですね…。

そこで今回は…この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました!」

この教室にピッタリ…?

その言葉にクラスメート全員が反応した。

「先生は触手を失うと動きが悪くなる…これはシロさんが言ったことですが、実際その通りなんです。」

イトナ君が初めて来たあの日に言っていたことか…。

ハヤテ君曰わく…ド○ゴン○ールのナメッ○星人の再生と同じ原理らしい。

そう思っていると…殺せんせーは対先生物質を詰めたピストルで自分の触手の一本を撃ち抜いた。

「一本失っても…その影響は出てきます。

ご覧なさい…分身の維持が出来ず一部が子供の分身になってしまいました。」

確かに小さい分身が混ざってるけど…分身ってそういう減り方するものだったっけ?

普通は何体かが消えるものじゃないのかなぁ…?

「さらに一本減らすと…子供の分身がさらに増え、親分身が家計のやりくりに苦しみます。」

なんか…切ない話になってきたな…。

「もう一本減らすと…父親分身が蒸発し、母親分身は女手ひとつで子供達を養っていかなければなりません。」

『重いわ!!』

結局何が言いたいんだよ!?

「まあ御託は置いておくとしましょうか…。

色々試したみた結果…触手一本を失うごとに先生は20パーセントほどの運動能力を失います。」

それがテストとどう関係するんだろうか…?

 

 

 

「…本題に入ります。

今回のテストで教科ごとに学年一位を取った者には…返却時に触手を一本破壊する権利をあげましょう。」

───ッ!!

それって…!!

「それはつまり…総合順位と五教科それぞれで誰かが学年一位になれば…六本もの触手を破壊出来ます。

そしてこれこそが…ここ暗殺教室の期末テストです。

賞金100億に近づけるかどうかは…君達の成績にかかっています。」

その言葉に…一人を除く皆、目に見えてやる気になった。

この先生は…やる気を引き出させるのが本当に上手い。

 

 

 

▷ハヤテside

 

風が出てきたということで教室に戻って六時間目、得意科目が似通った人達での勉強会が行われていた。

 

 

 

「綾崎、ここなんだけど…。」

「あ、ここですか…それなら───」

 

 

 

僕は速水さんと一緒に試験勉強をしていた。

まあ…最初から速水さんと一緒にしようと考えていたわけではないが…。

僕が誰と一緒に試験勉強をするかで悩んでいたところに千葉君がやってきて───

 

 

 

───一緒にやるやつがいないんだったら、速水と一緒に勉強したらどうだ?

お互い国語が得意だしな…悪くないんじゃないか?

 

 

 

と言ってきたのだ。

断る理由もなかったしすぐに速水さんに声をかけてこの勉強会が始まったわけだ。

まあ…誘った理由を聞かれたとき千葉君に勧められたらからと答えた時、溜め息をつかれたが…。

 

 

 

他の皆も、今回のテストに暗殺成績がかかっているため全力でテスト勉強に励んでいる。

 

 

 

と、そこに携帯のバイブ音が響いた。

 

 

 

「あ、悪りぃ俺だ。

って、進藤か…なにがあったんだ?」

杉野君の携帯からだったらしく、皆の集中を妨げたことを謝り携帯を取り出した。

どうやら…球技大会の時のピッチャーからの電話だったらしい。

「おう進藤か。」

{『ああ、球技大会では世話になったな…。

あの時の借りは高校で返すとお前に言ったが…お前がまともに進学出来るのかが心配になってな…。』}

杉野君の携帯のスピーカーからそんな声が聞こえてきた。

「はは…相変わらずの上から目線で…。」

{『というのもな…E組からの脱出は不可能になりつつあるからだ。

会議室にA組の生徒が集まってる。』}

これは見下してるんじゃなくて…忠告してくれているのか…?

{『すでに知ってるだろうが…俺達三年のクラスでの序列は…最下層にお前らE組がいて、その上にB組からD組…そして頂点に成績優秀者で構成されたA組がある。

そのA組全員が集結して自主勉強会を開いているところなんて初めて見た。』}

そう来たか…。

前回みたいに、いきなりテスト範囲を変えるようなことはしないよう烏間先生が理事長先生のところに釘を刺しに行っているが…このやり方ではたとえ文句を言われたとしても生徒が自主的にやったことだ、と誤魔化すことが出来る。

{『その勉強会で音頭を取る中心メンバーはこの椚ヶ丘が誇る“六英傑”と呼ばれる天才達…その内5人だ。

 

 

 

中間テスト総合三位!!

他を圧倒するマスコミ志望の社会知識!!

放送部部長…荒木鉄平!!

 

 

 

中間テスト総合四位!!

人文系コンクールを総ナメにした鋭利な詩人!!

生徒会書記…榊原蓮!!

 

 

 

中間テスト総合六位!!

五位を奪った赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼!!

生物部部長…小山夏彦!!

 

 

 

中間テスト総合七位!!

性格はともかく語学力は本物だ!!

生徒会議長…瀬尾智也!!』}

「え…おい進藤…なんだよそのナレーションみたいなやつ…お前が口で言ってんの?

つーか、さっき聞きそびれたけど…なんで5人なんだよ…あと一人はどうした。」

{『あ…う、うん。

こういうの一回やってみたかったんだよ。

六英傑のあと一人か…そいつなら端の方でただ黙々と勉強してるよ。

 

 

 

中間テスト総合一位!!

文武両道という言葉を体現した存在。

剣道部部長…桂ヒナギク!!

 

まあ桂には、他の六英傑の奴らとは馬が合わないから必要以上に関わろうとしないという噂もあるが…あれを見てるとその噂は本当なんだろうな。

それで総合順位が高いから他の奴らも文句の一つも言えないときた。

 

 

 

音頭を取っているあと一人を紹介するぞ…。

中間テスト総合二位。

支配者の遺伝子を受け継いだ天才。

生徒会長浅野学秀…あの理事長のひとり息子だ。』}




次回もお楽しみに!!

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