暗殺者のごとく   作:aros

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本編に入る前に原作のこの話について言いたいことがあるので聞いてください。



磯貝の持っている予約票…どうみても日付が7/2なんですよね。
前話の前書きでも言いましたがあれだけ濃い話が多かったのに…というか、何回か夜中のシーンがありますよね…?



言いたいことも言いましたし、本編スタート!!


第55話 息子の時間

▷ハヤテside

 

{『浅野学秀…人望厚く成績は常に最上位。

成績優秀者であるが故にプライドの高いA組の猛者達を纏め上げられるほどのカリスマ性が彼の指導力の高さを裏付けている。』}

進藤君が杉野君の携帯越しにそう言ってくる。

{『それに加え…全教科においてパーフェクトの浅野と桂、それと各教科のスペシャリスト達…6人合わせて“六英傑”だ。

教えることに関しては教師より腕は上の奴らばかりだ…桂がいなくてもなんの問題もない。

まあその桂も…成績優秀なうえ綺麗な見た目をしていて、言動も凛々しいために…男子はおろか女子も嫉妬する前に憧れの視線を向けるほどだからな…いるだけでやる気を引き出させることが出来る。

そうなれば…ただでさえ優秀なA組の成績がさらに伸びる。

このままだとトップ50はA組がほとんど独占するだろう…奴らはお前らE組を本校舎に復帰させないつもりだろう。』}

「…。

ありがとな進藤。」

少し間をおいて杉野君が放った言葉は…それだった。

「口は悪いが心配してくれてんだろ?

でも大丈夫。

今の俺らの目標はE組から脱出することじゃない。

けどな…その目標のためには、A組に負けないくらいいい点数を取らなきゃならないんだ。

だから…心配せずに見ててくれ…頑張るから。」

そう…今回のテストには暗記成功が直に関わっている。

だから…全員本気でやるつもりだ。

{『…。

ふん…勝手にしろ。

お前らE組の頑張りなんて俺の知ったことじゃないからな。』}

そう言って進藤君は電話を終わらせた。

 

 

 

期末テスト…気を引き締めていかないと!!

今進藤君がくれた情報と、球技大会の後にヒナギクからかけられた発破でなおさらそう思った僕だった。

 

 

 

▷渚side

 

「渚、茅野…これから本校舎の図書室でテスト勉強しようと思ってるんだけど…一緒にどうだ?」

放課後になり、帰り支度をしていたところに磯貝君がそう言ってきた。

「ずっと前から期末を狙って予約しておいたんだ。

俺達E組は基本的に後回しにされるから…コイツはプラチナチケットみたいなものだな。」

さすが磯貝君…抜かりない。

 

 

 

でも───

「ハヤテ君は誘わなかったの…?」

磯貝君がハヤテ君を誘わないはずがない…それなのに、ハヤテ君の姿が無いことに疑問を抱いた僕は磯貝君にそう聞いた。

すると、磯貝君は後頭部を掻きながら───

「最初はハヤテも誘おうとしたんだけどな…先に寺坂達が声かけてたからな…。」

そう言ってきた。

なるほど…最近、ハヤテ君を誘うのは早い者勝ちという取り決めが僕たちの中でされている。

だから…寺坂君達が声をかけたことで、引き下がらざるを得なかったのだろう。

「そういうことなら…分かった、行くよ。」

そう言って、僕たちは磯貝君の後を追った。

 

 

 

その後、近くで話を聞いていた中村さんと神崎さん、奥田さんの3人が図書室に行くことになった。

 

 

 

▷学秀side

 

「理事長、あなたの意向通り…A組生徒の成績の底上げに着手しました。

これで…満足ですか?」

理事長室に入ってすぐ、僕は理事長にそう報告した。

 

 

 

だが───

 

 

 

「浅野君…必要なのは結果だよ。

実際にトップを独占しなくてはいい報告とは言えないよ。」

返ってきたのはそんな言葉だった。

まあ…この程度の報告で満足しないのは分かっていた。

「E組が他を上回ることがあってはならないというあなたのその理念は分かりますが…なぜそこまでこだわるのかは分かりませんね。

確かにE組の成績は上がってますが…それでも、限界というものがある。

僕らA組に及ぶとは到底思えない。

それが出来るのは…よくて赤羽と綾崎の2人だけでしょう?」

E組の成績を落とすためとはいえ、少々やりすぎではないか…そう思った僕は理事長に問いかけた。

 

 

 

「私が君に教えたいのはそこだよ…浅野君。」

その疑問に答えるためか…理事長は椅子を反転させ、そう言ってきた。

「いつの時代でも…弱者と強者の立場というものはいとも簡単にひっくり返るものだ…。

強者の座に居続けること…それこそが最も大変なことなんだ。

そうだな…A組生徒全員がトップ50に入り、なおかつ5教科全てにおいてA組が一位を独占する…それが具体的な合格ラインだ。」

なるほど…そうきたか。

では手っ取り早くここに来た目的を果たすとしよう…。

「ではこうしましょうか理事長…。

その条件を僕の力でクリアできたら…その時は生徒としてではなく息子として…ふたつほどおねだりをしたいのですが。」

「…おねだり?

父親に甘えたいとでも言うのかい?」

僕の提案に理事長がそう聞いてくる。

まあ…普通ならそう考えるだろう。

 

 

 

「いえいえ…僕はただ、知りたいだけです。

 

 

 

E組のことで…

 

 

 

       何か隠していませんか?」

 

 

 

その言葉を聞き理事長が目を大きく見開いたのを見逃さなかった。

「どうもそんな気がしてならない。

今年度に入ってからのあなたのE組への介入は…いささか度が過ぎるようにしか思えない。

 

 

 

まさかとは思いますが…教育業以外になにかヤバいことでもやらせてらっしゃるのでは…?」

実際、今年度に入ってから不審者を目撃したと相次いで噂されている。

根も葉もないデマだろうが…この噂が理事長のE組への介入に関わっているのなら───

 

 

 

「それを知ってどうするつもりなのかな…浅野君。

まさか…それをネタにして私を支配しようとでも言うのではないだろうね…?」

理事長は僕にそう聞いてきた。

そんなこと…聞かれるまでもない。

「当然でしょう。

この僕に…全てを支配しろ、と教えたのはあなたですよ…?」

「…フフフ。

さすがだ…それでこそ私が最も長く教えてきた生徒というものだよ。

だが…この学校に入って以来一度として学年1位になったことがないのによくそんなことが言えたね…。」

ぐ…人が気にしていることを…。

「ところで…先ほど聞きたいことがふたつあると言ってなかったかい…?

それも私を支配するためのものなのかな?」

そっちについて聞いてきたか…。

「いいえ…そっちはただ個人的に気になっただけです。

綾崎ハヤテ…彼はいったい何者なのですか?」

「ほう綾崎君か…。

なぜ、彼のことが気になったのかな…?」

「彼は…中学三年という受験に影響の出かねない時期に…しかもE組に編入してきた。

それなのに…中間テストではE組らしからぬ成績を出している。

なにか…とてつもない事情を抱えているのではないですか…それが知りたいだけです。」

それを聞いた理事長は、目に同情のようなものを浮かべると───

「悪いが…そのおねだりだけは聞くことは出来ないな…。

彼については…むやみやたらと語ることは出来ないんだ。」

───そう言ってきた。

「分かりました…では、期末テストが終わり次第E組の秘密を聞き出したうえで首輪をつけて飼ってあげることにしましょうか…一生ね…。」

「フフフ…楽しみだね。

君を社畜として飼い殺せる日が来ることが…ね。」

 

 

 

▷渚side

 

「おや…E組の皆さんじゃないか。」

図書室でテスト勉強をしていた僕たちに突然そんな声がかけられた。

誰からなのかとそっちを見ると───

「もったいない…君たちにこの図書室は豚に真珠じゃないのかな?」

そこにいたのは…浅野君と桂さんを除く六英傑だった。

「そこは俺らの席だ…分かったらとっとと帰れザコ共。」

「ここは俺達が予約取った席だ…そんなことを言われる筋合いは無い。」

瀬尾君の発言に磯貝君が反論した。

「君達は本当に記憶力が無いなぁ…。

この学校じゃ…成績の悪いお前たちE組はA組に逆らうことは出来ないの。」

だが…それで引き下がるような相手ではない。

今度はこの学校の制度を出してきた。

「さっ…逆らえます!!

私達E組が次のテストで全科目1位になれば…そんな大きな顔は出来ないはずです!!」

意外なことに、それに反論したのは…奥田さんだった。

ハヤテ君の影響によるものなのかは知らないが…4月の頃よりも、奥田さんの積極性は増している。

精神的に成長したなぁ…と感傷に浸っていると───

 

 

 

「口答えしやがって…いや待てよ…確かに、一概に学力無しとは言い切る事は出来ないな。

1教科だけなら一応勝負出来そうなのは揃っているし、赤羽は全教科で勝負出来る。

中間テストの時に浅野が綾崎の成績を見て発展途上かもしれないなんて言ってたしな…。」

「面白い…じゃあ、こういうのはどうだろうか?

俺達A組と君達E組の間で…5教科でより多く学年トップを取ったクラスが…負けたクラスにどんな事でも命令する事が出来る。」

荒木君がそんな勝負を持ちかけてきた。

なるほど…それなら負けた方は大きな顔は出来ないはずだ。

「自信がねぇんだったらやめといた方がいいぜ?

なんならこっちは…命かけても構わないぜ。」

瀬尾君がそう言いきった直後…僕たちは4人に文房具や指を突きつけた。

「命は…そう簡単に賭けない方がいいと思うよ?」

僕がそう言った後、4人は素早く飛び退き───

「じょっ…上等だ!!

そう言うからには受けるんだな…この勝負!!

死ぬよりキツい命令してやるから覚悟してやがれ!!」

───そう言って去っていった。

 

 

 

図書室だというのに騒がしくしていたため…その時図書室にいた生徒たちによって…この騒動は全校の知る所となった。

 

 

 

この時はまだ知らなかった───

 

 

 

このA組との賭けが…後に、僕たちの暗殺を大きく左右する事を…。




次回もお楽しみに!!
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