暗殺者のごとく   作:aros

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感想への返信でも言いましたが…手刀連さん、誤字報告ありがとうございました。



今回の話ですが…1教科における時間は50分、テストは一日4教科(一日目…英・理・社・国、二日目…数・家・美・保体)としております…ご理解の方をお願いします。



それでは、本編スタート!!


第57話 5教科の時間

▷ハヤテside

 

-英語-

 

 

 

(よし、今のところ順調だ…。)

テスト開始からすでに45分が経過し…最終問題の一つ前の問題を解き終えたところで僕はそう心の中で呟いた。

 

 

 

(文章問題か…って、あれ?)

最終問題に取りかかろうと問題文を見ると…なぜか、その文章問題を見たことがあるような気がしてきた。

いったいどこで───

 

 

 

───先生、こういう繊細な反逆に憧れてましてねぇ…ぜひ2ヵ国語で読んでください。

 

 

 

───ッ!!

そうだ…殺せんせーが熱心に薦めてきたあの本だ!!

だったら…丁寧な文章にせず、雑で簡潔な口語体にすればいいはず…よし、出来た。

 

 

 

そう考え、答えを書き終えたところでテスト終了のチャイムが鳴った。

 

 

 

-理科-

 

(あ…ここはこの前愛美さんに教えてもらったところだ。)

国語力を身につけてもらうべく愛美さんとの勉強会では、僕が分からないところを愛美さんに教えてもらう事もたまにある。

今回のテストにはその部分が使われていた。

 

 

 

そして───

 

 

 

(ボルタ電池が充電出来ない理由…か。

確か…ボルタ電池は充電時に生成される水素ガスを溜めることが出来ないため充電に必要な逆反応を起こせないから…だったはず。)

 

 

 

これで…いいはずだ。

 

 

 

-社会-

 

 

 

しまった…。

首相の会談の回数を憶えていなかった…。

 

 

 

他の問題で点数を稼ぐかぁ…。

 

 

 

▷三人称side

 

期末テストにて、ハヤテが順調に進めていく一方で…ヒナギクはすでに限界寸前だった。

 

 

 

学校に行く前までは37.3℃の微熱だったためテストを受けに来ていた。

(※平熱の定義として多くあげられるのは36.5℃前後、それ以上から37.4℃までを微熱と言います。

また、それ以上から38.4℃までが日常生活をかろうじて出来る範囲です。

ちなみに…この作品の作者は高校時代に39.6℃の高熱(一般的に38.5℃以上だと立ち上がるとこも歩くことも困難になるそうです)を出して点滴のお世話になった事があります)

だが、体温は下がるどころか徐々に上がっていき…本人は知らないが4時間目開始の時点で38.4℃を越えようとしていた。

 

 

 

そして、テストが配られ名前を書いたところで…ヒナギクは…倒れた。

 

 

 

そして…次の日───

 

 

 

▷学秀side

 

昨日、いきなり桂さんに倒れられたことには驚いた…。

 

 

 

体調を崩してまでテストを受けに来ていたのは…テスト欠席でE組行きとなるのがいやだったからかな?

今年度のE組に…テスト欠席が理由で落ちた人が一人いるため僕はそう思った。

 

 

 

だが…桂さんは今日、親から絶対安静を言い渡されたようで学校にすら来ていなかった。

 

 

 

釈然とはしないが…総合一位は僕がもらった!!

 

 

 

▷カルマside

 

あーあ…皆揃って目の色変えちゃってさぁ…。

 

 

 

通常運転でサラッと勝つのが完全勝利ってものなのに…。

 

 

 

ま、それは俺が教えてやればいいだけだしね…。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン───

 

 

 

▷三人称side

 

こうして…全てのテストが幕を下ろした。

 

 

 

その後、それぞれの教科の担当教師による公平な採点が行われた。

 

 

 

そして───

 

 

 

▷ハヤテside

 

「さて皆さん…全教科の採点結果が届きましたよ。」

 

 

 

期末テスト当日から3日後…朝のホームルームが終わり、床に散らばったBB弾を片付けていた僕たちに向かって殺せんせーがそう言ってきた。

 

 

 

A組との賭けのこともあり、皆すぐに片付けを終わらせ席についた。

 

 

 

はたして、結果は───

 

 

 

「…おっと忘れるところでした。

今日からこのクラスに加わる新しい仲間を紹介したいと思います。」

 

 

 

───え!?

「殺せんせー。

その新しい仲間というのは…殺し屋ですか?」

そう聞いた僕に皆のなぜ知らないのかというような視線が向けられた。

「ハヤテお前…烏間先生からの一斉送信メール見てねぇのかよ…。」

前の席から菅谷君がそう言ってきた。

「え…烏間先生からメールなんてありました?」

「昨日送られてきたろ…?」

昨日…?

昨日は一度も携帯はなってないが…。

その疑問は…次の瞬間に解消した。

 

 

 

「そういえば…渡すタイミングを見失って先生も忘れてました…綾崎君、これを。」

そう言って殺せんせーが渡してきたのは、僕の携帯だった。

「え…?

なんで殺せんせーが持ってるんですか?」

「あのプールでの一件で壊れたみたいなので…先生が修理していたんです。

本当はすぐにでも渡したかったのですが…綾崎君はテスト期間中引っ張りだこだったので渡しそびれてしまいまして…なので先生も忘れていたのです。」

なるほど…烏間先生からのメールを知らなかったのはメールを見ていなかったからではなく、単純に無かったからだったのか…。

あ…本当にメールが来てる。

本校舎の生徒だった…つまり暗殺未経験者というわけか。

「そうだったんですか。

ありがとうございました…殺せんせー。」

「ヌルフフフ…では新しい仲間を紹介しましょうか。

入ってきてください。」

殺せんせーのその一言の後、教室の扉が静かに開かれ───

 

 

 

───そして、僕たちは皆…絶句した。

 

 

 

なぜなら…黒板前まで歩いていく彼女は…本来ならE組に来るはずのない生徒だったからだ。

 

 

 

教卓の横で立ち止まった彼女は、僕たちの方を向くと…肩にかかった髪を後ろに払うと───

 

 

 

「桂ヒナギクよ。

これからよろしくね。」

 

 

 

僕たちに向けてそう言った。




arosのサンデーの目次コメントに漫画家でもないのに答えてみた。

Q.思い出のゲームソフトはありますか?

A.さわるメイドインワリオ
DSで初めてやったゲームなので(…無くしましたけど。)
ゴージャス楽しいです。



次回もお楽しみに!!

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