さて、カルマVSグリップの勝負を見ていきましょう。
…ブラックの設定の親に捨てられた時期について書き足しておこうと思いますのでよかったら見てください。
それともう一つ、岡野のカルマの呼び方の資料が無かったので名前の呼び捨てにしたんですが…違ったら感想欄で指摘してください。
それでは、本編スタート!!
⇒カルマside
「愚かぬ…。
こんな柔い物で俺を倒せると思ったのかぬ?
もっといい武器を探すべきだぬ。」
「そんなんで勝てるとは思ってないし、武器だって必要ないよ。」
俺の振り下ろした観葉植物の幹をへし折ったおじさんぬが言った事に俺がそう返した。
そのもっといい武器ってのはもう持ってるしね。
そう考えていると、今度はこっちの番だとばかりにおじさんぬが両手を構えて飛び出してきた。
さっきはあんな事言ったけど…もし掴まれたりなんかしたら即ゲームオーバーだ。
だけど───
(掴まれなければどうって事ないんだよねぇ…。)
そう思いながら伸びてくるおじさんぬの腕を避け、時には俺の腕で逸らしていく。
(こういうのこっそりやっといて正解だったね。)
俺はそう考え、フッと笑みを見せた。
⇒渚side
すごい…。
殺し屋の男の攻撃が始まってかなりの回数の攻撃を繰り出されているのに、カルマ君は一度もくらってない。
どこであんな技術を…そう思っていると───
「体育のナイフ訓練で烏間先生が使っている防御テクニックですねぇ。
私が見た限りでは、彼は自分の番以外では烏間先生の動きを観察するように見ていました。
見て盗み自分のものにするのは技術向上の基本です。」
殺せんせーがそう解説してくれた。
言われてみれば烏間先生のそれと似ているような気がする。
でも、少しだけ違う部分もあるような…?
「それだけではありません。
彼らは皆さんの目を盗んで技術向上に励んでいました。」
殺せんせーがさらにそう言ってきた。
───彼ら?
いったいどういう意味なんだろう?
「そういえば、この前教室に早く着きすぎたからって山の中を探索してたんだけど…カルマと綾崎が思いっきり戦ってるの見たけど…それの事?」
「ええ、それであってます。
ただカルマ君は、その戦闘を技術の研鑽目的でしていたようですが、数回やるうちに綾崎君の素手における戦闘技術の一部を吸収したようですね。」
思い出したように言った岡野さんの言葉を肯定した殺せんせーがそう解説した。
───えぇ…なにその化け物…。
元から強いカルマ君がヤバい方向に進化しちゃったように思えるんだけど…。
そういえば、朝教室に入ったらボロボロの二人…がいるなんて事がたまにあったけど…あれそんな事してたんだ…。
とは言うけど…。
「つってもよぉ…今防戦一方じゃねーか。
確かに負けねーかもしれねーが…あれじゃ勝てもしねーだろ。」
僕の考えている事とまったく同じ事を寺坂君が殺せんせーに指摘した。
それに対し、殺せんせーは───
「それは分かっています。
カルマ君だってそれは分かっているはずです。
もうじき動くはずですよ。」
ヌルフフフ…と笑いながらカルマ君に視線を向けたままそう言った。
⇒カルマside
(さっきから聞こえてんだけど、殺せんせー…。)
後ろからの声に無言でツッコみつつおじさんぬを蹴り、距離を取る。
「さーて、後ろにネタバレされたわけだけど…こっからは俺のターンね。
おじさんぬ同様素手のタイマン勝負でね…。」
そう言って構える俺におじさんぬはフッ…と微笑むと構えてこう言った。
「なるほどぬ…挑発に乗って正解だったぬ。
お前となら…仕事では味わえぬフェアな戦いが出来そうだぬ。
どこからでもかかってくるぬ。」
「へぇ…じゃあ、行くよ。」
そう言って俺はおじさんぬの前に走り込んで延髄切りを放つ。
でも、それは腕で防がれた。
防がれるのは読んでいたので気にする事もなく、上体への攻撃を続けていく。
「くっ…!!」
上体ばかりで油断させたところで向こう脛…所謂弁慶の泣き所を蹴りつけると、さすがにそこは効くのかその場にしゃがみこんだ。
それをチャンスと見た俺はおじさんぬに突っ込み…そして───
───ボシュゥ!!
そんな音とともに俺の視界を煙が包み込んだ。
⇒渚side
煙が消えると同時にカルマ君が倒れていく。
今のガスって…そう思っていると、殺し屋の男が不敵な笑みを浮かべだした。
「これ以上長引かせるつもりはないのでぬ…“スモッグ”のガスを使わせてもらったぬ。」
やっぱりそうだったのか…。
象を倒す事の出来るガスをまともに受けてはもう終わりだ。
「それのどこがフェアだ!!
素手の勝負にそんなん出すなんて汚ぇぞ!!」
その所業に吉田君が怒鳴るけど───
「“素手だけ”とは俺は一度も言ってないぬ。
それに、形に拘りすぎてはこの仕事を長く続けるなど出来ぬ。
俺はそうしてここまでやって来たぬ。」
なんとでも言え、というように鼻であしらわれた。
「さて、ここで長話をしていては使った意味が───」
───ボシュゥ!!
そろそろとどめを刺そうとしたのかカルマ君の方を向いた男の顔をガスが包み込んだ。
「奇遇だねぇ…。
俺もあんたも同じ事考えてた。」
顔から手が離れたカルマ君はそれと同時にそう言った。
カルマ君が持ってるのってあれだよね…今あるのはありがたいけど、なんでそんなもの持ってるの!?
というか…あの言い方からしてカルマ君、ガスを吸ってないよね?
「はぁ…やっぱり何か企んでた。」
その様子を見ていた桂さんが呆れるようにそう言った。
「ヒナは気づいてたの?」
「ええ、相手に突っ込んでいく直前に大きく息を吸い込んでいたように見えたからね…。
それに、赤羽君が素手での一対一って言った時に何故か違和感を感じたからかしら。」
「違和感あって当然だろ桂。
あいつが守るはずがねぇ約束、それはな…。」
片岡さんの疑問に桂さんはそう答え、それに寺坂君が返した。
「なにしてんの寺坂。
人数使って縛っとかないとこのおじさんぬに勝てるわけが無いっての。」
「“素手でタイマンをしてやる”事だ!!」
カルマ君の呼びかけに応じた寺坂君は、男に思い切り飛び乗った。
それに続くように腕や脚に飛び乗り、動きを封じた。
「高い所苦手なのによく見れたね。」
「窓の近くまで行かないようにして下を見なければいいのよ。」
行っても意味が無いと考えた僕がそう桂さんに言うとそんな答えが返ってきた。
なるほど…自分が高い所にいると考えなければ大丈夫なのか…。
「超次元サッカーアニメでも使われたやり方ね。」
「不破さん?」
というかそれ覚えてる人いるかな…。
⇒カルマside
「な、なぜ…お前が…そのガスを…持っていたぬ…。」
「ああこれ?
さっき下で会った毒使いのおっさんが使わなかったやつをなんかあった時のためにって拝借しといたの。」
皆で縛り上げ終えたところでおじさんぬが聞いてきた。
出来れば最上階まで取っておきたかったんだけど…使い捨てな所がもったいないね…。
「もう一つ、聞かせ…るぬ。
なぜ…俺がガス攻撃をする、と分かった…のだ…ぬ。
俺は、素手以外を…見せなかったはず…なのぬ…だ。」
「なんでってそりゃ…素手以外を警戒してたからに決まってんじゃん。」
おじさんぬが素手での戦いをしたいと思っていたのは分かっていた。
でも───
「いくら素手の戦いがしたかったと言っても…俺達の足止めが目的なら手段を選んでる場合じゃ無いと思ったからね。
だから…警戒してたのはおじさんぬにプロとしての意識があるって信じてたからだよ。」
俺がそう言うと、おじさんぬはフッ…と笑みをこぼした。
「…見事だ…ぬ、少年よ。
この勝負…楽しかった、ぬ。」
あのね、おじさんぬ…いい感じに終わらせようとしてるけどさぁ。
まだ終わってないんだよね…。
「何言ってんの?
俺はまだ全然楽しくないんだけど。」
「…なんだぬ、それは。」
俺が取り出した物についておじさんぬが聞いてくる。
何ってそりゃ───
「わさび&カラシ~。
これからおじさんぬの鼻の穴にねじ込もうって思ってるんだ。」
周りの皆がひいてるように見えるんだけどこんだけ拘束して動けなくなってるところを見逃すつもりなんてあるわけないじゃん。
「限界まで鼻に突っ込んだら専用クリップで鼻塞いで…俺とハヤテ君の荷物に入ってたこのブート・ジョロキアを口に詰めれるだけ詰めてさるぐつわで蓋をして…これまたハヤテ君の荷物に入ってた玉ねぎを剥いて穴塞いだガチャカプセルに詰めて目元に貼って処置完了。
今こそプロの意地を見せるときだよ、おじさんぬ。」
そう言って爽やかな笑顔を向け───
┌────┐
つ│みせられ│◯
│ないよ!│
└────┘
~数秒後~
楽しかったなぁ~おじさんぬの調教。
arosのサンデーの目次コメントに漫画家でもないのに答えてみた
Q.子どもの頃に大好きだった「むかし話」「童話」を教えてください。
A.昔から本はかなり読んでたので難しいお題ですが、強いて言うなら…『桃太郎』ですかね。
岡山県民ですし。
次回もお楽しみに!!
今まで出席番号の話を前書きでしましたっけ?
どうだったか忘れたので教えてくださいお願いします。