暗殺者のごとく   作:aros

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前の週と今の週でUAにものすごい差があるなぁ。




そんな事は置いといて、タグ追加しました。




では、本編スタート!!


第8話 大人の時間

⇒渚side

 

 

 

教室内は今、嫌悪感に包まれていた。

 

 

 

その原因は、言うまでもなく今教卓で授業もせずにタブレットをいじっているビッチねぇさんにあるのだろう。

 

 

そう思って教卓に顔を向けると、ビッチねぇさんと目があった。

すると、ねぇさんが上唇を舐めたので背筋が凍りついてしまった。

あの後本当に僕が今まで集めた情報を聞き出されたのだ。だが、あの様子を見るにそれを軽視しているように思えた。

 

 

 

 

「なービッチねぇさん、授業してくれよー。」

あ、ビッチねぇさんがコケた。

こういう時、さすが前原君って思うんだよね。

それにつられてクラス中からビッチねぇさんという声が聞こえてきた。

「あーーー!!ビッチビッチうるさいわね!!まず正確な発音が違う!!それだとただのやらしい女よ!!あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!」

そこら辺が気になったんだ…

「正しいVの発音を教えたげるわ。まず歯で下唇を軽く噛む!!ほら!!」

お、やっと授業する気になったんだ。

そう思って言われた通りにすると、

「…そう、そのまま一時間過ごしてれば静かでいいわ。」

そんな事を言ってきた。

だ、騙された…

 

 

 

 

 

 

⇒惟臣side

 

 

 

「怪しい三人組を呼び込んだそうだな。聞いてないぞ。」

授業も終わり昼休み、俺はイリーナを呼び出し説明の要求をしていた。

たしかに方法に制限はしていなかったが、これは明らかに生徒達の学生としての生活に支障を来す恐れがある。

「…ああ、腕利きの口は固いし、私に惚れて無償で手足になってくれる。彼らの協力で仕込みは完了。今日殺るわ。」

そう彼女は自信満々に言った。

 

 

 

 

 

───だが、奴をナメてかかっていると手痛いしっぺ返しをくらうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

⇒渚side※惟臣sideとほぼ同時刻

 

 

 

「何なんだよあの先生!!」

ガンッ!!と聞こえてきそうなほどに力を込めた拳を机に落としながら杉野がそう叫んだ。

「そうですよね~。ロクに授業もしないのに先生を名乗っているんじゃ無いって思いますよね~。」

その叫びに綾崎君が返した。

普段通りの口調のはずなのに、どこかトゲがあるように感じる。

それもそうだろう。勘違いとはいえ、キスをされたのだ。怒っていない方がおかしいのだ。

「綾崎ちゃんはビッチねぇさんの暗殺成功すると思う?」

綾崎君にそう聞いたのは彼と一緒にお昼にしようとここまでやってきた倉橋さんだった。

あの体育の時から彼女は隙あらば綾崎君に近づこうとしていた。

生物に関する話ばかりだったが、綾崎君といる時の倉橋さんの様子は明らかに乙女のソレだった。

そういえば、倉橋さんはどんな猛獣でも捕まえられそうな強い人が好みだと言っていたような気がする。それで綾崎君のあの実力、そりゃ惚れるわ。

話が脱線した。その倉橋さんの質問に綾崎君は、

「そうですね…失敗すると思います。いや、むしろ失敗してほしいと願っています。」

「し、辛辣だね~。」

「当たり前です!!いきなりキスされたんですから。心を許した人以外にキスするなって前の彼女に言われましたから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

静寂───

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハァ!?』

「あ、綾崎君って彼女いたの!?」

「…ええ、でも…幼稚園の頃の話ですよ。」

『紛らわしい言い方するなー!!』

び、びっくりした~。いきなり彼女とか言い出すから。

「それで、その子に女の子との付き合い方とかとにかくいろいろな事を教えてもらったんですよ。」

なるほど、今の綾崎君を形作ったのはその子ってわけか。

天然ジゴロになるとは思ってないだろうけど。

 

 

 

 

「じゃあ、今は彼女とかいないの?」

倉橋さんの必死の問いに綾崎君は───

 

 

 

 

「ええ、そうですね。」

そう言い放った。

(((ホッ)))

その一言で胸をなで下ろした女子が数名いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

-五時間目-

 

この日の体育(訓練)は射撃訓練だった。

 

 

 

「…おいおいマジか。2人で倉庫にしけこんでくぜ。」

その最中、そんな三村君の声が聞こえてきた。

見ると殺せんせーとビッチねぇさんが倉庫へと歩いていた。

デレデレした顔の殺せんせーだったが、僕には何故かそれだけだとは思えなかった。

 

 

 

「…烏間先生、私達……あの女の事、好きになれません。」

ビッチねぇさんについてクラスを代表して片岡さんが烏間先生に苦情を言った。

「…すまない。プロの彼女に一任しろとの国の指示でな。だが、わずか1日で全ての準備を整える手際…殺し屋として一流なのは確かだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

──数秒後

 

 

ドドドドドドド!!

倉庫から銃声が聞こえてきた。

まさか、実銃!?

やっぱり僕の情報全然アテにしてなかったんだ!?

 

 

 

 

しばらくして、銃声が鳴り止み、そして───

 

 

 

 

「いやあああああ!!」ヌルヌルヌル

 

 

 

「な、何!?」

「銃声の次は鋭い悲鳴とヌルヌル音が!!」

岡島君、ヌルヌル音って何?

 

 

その後しばらくヌルヌルと言う音と悲鳴は続いた。

その間、綾崎君は顔を赤くして横を向いていた。

 

 

 

「めっちゃ執拗にヌルヌルされてるぞ!!」

「行ってみよう!!」

何をされているのかが気になった皆が倉庫へと向かう。

と、そこに殺せんせーが倉庫から出て来た。

「殺せんせー!!」

「どうだった!?」

岡島君、その聞き方は無いよ…

「いやぁ…もう少し楽しみたかったですが、皆さんとの授業の方が楽しみですから。六時間目の小テストは手強いですよぉ。」

「…あはは。まあ、頑張るよ。」

教師としてあるまじき言葉が聞こえた気がしたが、聞かなかった事にした。

その時、ビッチねぇさんが出て来たが…

(((健康的でレトロな服にされている!!)))

ブルマ姿で、恍惚の表情を浮かべていた。

「まさか…わずか一分であんな事されるなんて…」

そういいながらビッチねぇさんは倒れた。

(((どんな事だ!!?)))

「…殺せんせー…何したの?」

気になって聞いてみてしまった。

「…さぁねぇ。…大人には大人の手入れがありますから。」

そういう殺せんせーの顔は──

「悪い大人の顔だ!!」

 

 

 

 

 

教室に戻る僕たちの後ろでビッチねぇさんが悔しそうな表情をしていたが、気にしないことにした。




終わった。



では、さよなら~

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