読んでくれている人がいるのはとても嬉しいです。
今回も楽しんでいって下さい。
それでは、本編スタート!!
⇒渚side
次の日の英語、ビッチねぇさんは苛立ちを露わにしていた。
それもそうだろう。なんせ、殺せんせーを殺そうとして見事に失敗したのだから。
「あはぁ~。必死だね~ビッチねぇさん。ま、あんな事されちゃプライドズタズタだろうね~~~。」
「あれは流石に予想外でしたけど……。」
後ろからカルマ君と綾崎君の会話が聞こえてきた。
綾崎君の言ったあれとは恐らく殺せんせーの報復のことだろう。
「先生。」
「…何よ。」
「授業してくれないなら殺せんせーと交代してくれませんか?一応、俺ら今年受験なんで…。」
いつまで経っても授業をしないビッチねぇさんを見かねた磯貝君が受験をするように促した。
その磯貝君に対するビッチねぇさんの返答は───
「はん!あの凶悪生物に教わりたいの?」
これだった。
「地球の危機と受験を比べられるなんて…ガキは平和でいいわね~。」
ビッチねぇさんの独白は続く。
「それに…聞けばあんたたちE組って…この学校の落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今更しても意味ないでしょ。」
───人には、触れてはいけない線というものがある。
───ビッチねぇさんはやすやすとそれに触れたのだ。
「そうだ!!じゃあこうしましょ。私が暗殺に成功したら1人五百万円分けてあげる!!あんたたちがこれから一生目にすることの無い大金よ。無駄な勉強するよりずっと有益でしょ?だから黙って私に従い「ふざけるな。」───」
そんな教室の雰囲気を気にすること無く続けていたビッチねぇさんの独白を止めたのはいつの間にか教卓までやってきていた綾崎君のその一言だった。
「な…何よあんた、教師に向かって…」
「あなたのようなロクに授業もせず、自分の好きなようにやっている人は教師でも何でも無い。第一、人が全て金で動くと思ったら大間違いだ。あなたのような人を過小評価しか出来ない人間はここには必要ない!!」
「そーだ出てけくそビッチ!!」
「殺せんせーと代わってよ!!」
敬語が抜けた綾崎君の叫びに反応するかのようにクラス中からビッチねぇさんに対する怒号が飛んでいく。
もはや、殺すという言葉にすら怯んでいなかった。
…でも茅野、巨乳に対する不満を混ぜるのはやめようよ…
⇒惟臣side
「何なのよあのガキ共!!こんないい女と同じ空間にいれるのよ?ありがたいと思わないワケ!?」
「ありがたくないから軽く学級崩壊しているんだろうが。」
何故、俺がこの女の自業自得を愚痴として聞かなくてはいけないのだろうか…。
「いいから彼らにちゃんと謝ってこい。このままここで暗殺を続けたいのならな。」
「なんで!?私は先生なんて経験ないのよ!?暗殺だけに集中させてよ!!」
その態度がダメだと言っているのだが…
「……仕方ない、ついて来い。」
ここにいるために必要なことを教えてやる。
「…なにしてんのよ、あいつ?」
今俺たちの目の前には、ぶどうジュースを飲みながらせわしなく触手を動かす奴がいた。
「テスト問題を作っている。どうやら水曜六時間目の恒例らしい。」
「…なんだかやけに時間かけてるわね。マッハ20なんだから問題づくりくらいすぐでしょうに。」
なにも知らないのならその疑問が出てくるだろう。
だが───
「ひとりひとり問題が違うんだ。」
「えっ…」
「生徒に見せてもらって驚いた。苦手教科や得意教科に合わせてクラス全員の全問題を作り分けている。高度な知能とスピードを持ち、地球を滅ぼす危険生物。そんな奴の教師の仕事は完璧に近い。」
「生徒達も見てみろ。」
「…?遊んでるだけじゃないの。」
端から見たらそう思うだろう。だが───
「俺が教えた“暗殺バドミントン”だ。動く目標に正確にナイフを当てるためのトレーニングだ。暗殺など経験のない彼らだが、もちろん賞金目当てとはいえ勉強の合間に熱心に腕を磨いてくれる。暗殺対象と教師、暗殺者と生徒、あの怪物のせいで生まれたこの奇妙な教室では…誰もが2つの立場を両立している。」
つまり、この教室で暗殺をしたいのなら───
「お前はプロであることを強調するが、もし暗殺者と教師を両立できないなら、ここではプロとして最も劣るということだ。ここに留まって奴を狙うつもりなら、見下した目で生徒を見るな!!」
そう俺が言った時のイリーナの顔は何かを思案するようなそんな顔だった。
⇒渚side
そんな出来事があった次の日
クラス内では珍しい組み合わせがあった。
それは───
「うおお!!綾崎お前バイクについて詳しいのな!!」
「ええ、分かりますよ。」
綾崎君と吉田君の2人だ。
「今度家来いよ!!本物見ながら語り合おうぜ!?」
「いいですよ。今度お伺いしますね。」
「あいつ吉田懐柔しやがった…」
「ああいうところは見習わないとね。」
と、その時───
ガララッという音が響き、ビッチねぇさんが入ってきた。
それだけでクラスの空気が重苦しくなった。
「you're incredible in bed! リピート!!」
皆キツネにつままれたような顔になった。
「ホラ!!」
「…ユ、ユーアー インクレディブル イン ベッド」
どういう意味なんだろう?
「アメリカでとあるVIPを暗殺したとき、まずそいつのボディーガードに色仕掛けで接近したわ。その時彼が私にいった言葉よ。意味は“ベッドでの君はすごいよ…”よ。」
中学生に読ませる文章じゃないよ!!
ビッチねぇさんがいうに、外国語を短期間でマスターするには、その国の恋人を作るのが手っ取り早いらしい。
なので、ビッチねぇさんの授業では外人の口説き方を教えてくれるらしい。
「受験に必要な勉強なんてあのタコに教わりなさい。私が教えられるのはあくまで実践的な会話術だけ…もし…それでもあなたたちが私を先生だと思えなかったら、その時は…暗殺を諦めて出て行くわ。……そ、それなら、文句ないでしょ?…あと、悪かったわよいろいろ。」
クラス中から笑い声が聞こえてきた。
「大丈夫ですよ。」
そこに綾崎君が話しかけていった。
「申し訳ないという心があるのならまだ関係の修復は出来るはずです。
あなたにはそれがあります。
ですから、まだやり直しが聞きます。」
「なんか、普通に先生になっちゃったな。」
「もうビッチねぇさんなんて呼べないね。」
「呼び方変えないとね。」
皆が認識を改めたことに感動するビッチねぇさんだが───
「じゃ、ビッチ先生で」
その一言で凍りつくことになった。
もうビッチで定着しちゃったし、それでいいかな。
「そんなワケでよろしくビッチ先生!!」
「キーーーーッ!!やっぱり嫌いよあんたたち!!」
ちなみに、かわいそうだからと綾崎君だけはイリーナ先生と呼ぶことにしたらしい。
⇒イリーナside
全く、なんなのよあいつら!!
綾崎以外なんでファーストネームで呼んでくれないのよ!!
とまあ生徒達への不満はここまでにして、と
ガララッ
「ねぇカラスマ~、ちょっと教えてほしいんだけど~」
「なんだ?もう教えることは無いはずだが。」
「あるでしょう?
綾崎がなんであそこまで悲しそうな目をしているのか、それを教えてほしいのよ」
終わったぁ~
頑張ったぁ~