ガルパン日和   作:アセルヤバイジャン

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私の表現で誤解が生まれているようですが、主人公は別にルルーシュとスザクの継承とかそのままの性能とかじゃありません。
単にわかりやすく説明する為にルルーシュとスザクを足して割ったと表現しただけで、そのものではありません。
個人的にルルとスザク足して割っても十分超人だと思っているのでそういった表現を使っただけで、主人公は当然頭ではルルには勝てませんし、スザクほど人間離れしていません。
そもそもルルの頭の良さもスザクの身体能力も、幼い頃から壮絶な人生を送ったからこそ身についたものだと思っています。
逆にこの主人公は、持って生まれた身体能力を持て余し、前世が病人だったから加減が分からずやり過ぎてしまい、結果目立ってしまって大洗に逃げてきたと言うヘタレです。
あくまで主人公は応援者、もしルルそのままの頭脳を持って使えていたらみほちゃんが要らない子になってしまいます。
応援して支えると言う立場にしたいので、控えめな表現を目指しました。




そして私としては色々とさせてきたつもりでしたが、主人公が何もしていない、居ても居なくても関係ない要らない子と断言されてしまったのはお恥ずかしい限りです。
やはりリハビリとは言えプロット無しに書くものじゃないですね、この作品は完結したら折を見て削除か公開設定を変更して封印したいと思います。
見て下さった方はありがとうございました、感想もありがとうございます。
また別の作品でお会い出来たら嬉しいです。



そのじゅう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マウスの登場に、大洗学園側は防戦一方に陥った。

 

その装甲と重量の前に、大洗学園側の攻撃は一発も通らない。

 

いや、なんかマウスの後ろをうろうろしていたⅢ号に流れ弾が被弾して撃破になったが。

 

「今がこの場所だから……無線使います!みほちゃん、聞こえるか?そこから南へ抜けた所に川がある、小さな川だが通るには橋を渡るしかない」

 

ビル崩し、崖崩しは禁止されているが、橋落としは禁止されてない。

 

とは言え川が小さい、この大きさじゃ落としきれない。

 

だが落として撃破出来なくていい、上部をこちらに晒してくれれば後は…。

 

『了解しました…カメさんチーム、アヒルさんチーム、協力して下さい!』

 

指示に従い、南へマウスを引き付けながら移動するみほちゃん達。

 

マウスは誰彼構わず撃ってくる、フラッグ車だけを狙っている訳じゃないのが助かる。

 

『橋の手前でウサギさんチームとレオポンチームは左右へ、カメさんアヒルさん、マウスを引き付けて下さい』

 

『分かりました!』

 

『本当に大丈夫なんだろうな…!』

 

橋を渡りきったカメさんとアヒルさんチームが、執拗に攻撃してマウスの注意を引く。

 

マウスは一瞬迷ったが、橋を渡り始める。

 

そして橋の真ん中で反撃を開始する。

 

やはりでかい、橋が完全に隠れてしまっている。

 

だが。

 

『今です、後輪の下辺りを狙って下さい!』

 

みほちゃんの合図に合わせて、左右に展開していたレオポンチームとウサギさんチームの砲撃が、後輪の下、橋の接合部に着弾する。

 

マウスの重みと衝撃で、橋が折れて片側が落下。

 

『ダメだよみぽりんっ、あれじゃ上がってきちゃう!』

 

武部さんの叫び通り、マウスの後方部分が落ちただけで、斜めになった橋の上にマウスは健在。

 

巨体を唸らせながら、坂道になった橋を登り始めている。

 

『いえ、これで行けます!カメさん、アヒルさん!』

 

『了解~!』

 

『バレー部ファイトぉっ!』

 

カメさんチームが砲撃を行い、マウスの主砲を横に向かせる為に注意を引く。

 

首を振った所に、マウスの前方部を乗り越えたアヒルさんチームが、そのままマウスの上に伸し掛かり、砲塔を無理矢理横に向かせる。

 

『おいどけ!軽戦車!』

 

『いやです、それに八九式は中戦車だし』

 

『軽戦車じゃないしぃ』

 

マウスの車長が叫ぶが、斜めになった車体に、中戦車とは言え戦車の重さと車体が伸し掛かり、砲塔を正面に向ける事が出来なくなる。

 

『今です、麻子さん、華さん!』

 

『任せろ』

 

『決めてみせます…!』

 

そこへ橋の反対側からあんこうチームが来て、折れた橋のギリギリで停止。

 

車体が重さで前のめりになっていき…主砲がマウスの露出したスリットを捉える。

 

『撃て!』

 

みほちゃんの声と共に主砲が放たれ、砲撃の衝撃であんこうの車体は上に持ち上がりすかさず冷泉さんが車体をバックさせる。

 

あんこうチームのテクニックが無ければ出来ない芸当だよな…。

 

脆いスリット部分を砲撃されたマウスからは白旗が上がり、無事撃破。

 

会場の歓声がこちらにまで響いてくる。

 

マウスが油断して橋を渡ってくれて良かったな…これがダメなら無理矢理足止めしてアヒルさんチームが上り、高い場所に陣取った攻撃で狙うしかなかったかな…。

 

マウスを撃破し、後続の黒森峰が到着する前にポイントに移動する大洗チーム。

 

そして最後のみほちゃんの作戦、フラフラ作戦が開始される。

 

これはみほちゃんが試合前から提案していた作戦であり、黒森峰のフラッグ車との1対1の状況を作り出し勝機を狙うというもの。

 

まだ相手は10両以上、対してこちらは5両。

 

まともにやりあったら撃ち負ける、如何に相手をバラけさせ、相手のフラッグ車を誘い込むかが鍵だ。

 

住宅地を逃げ回るウサギさんチームを除いた大洗チーム。

 

最後尾のアヒルさんチームが相手を挑発し、狭い路地へと誘い込んでいく。

 

そして狭い路地を利用し、段々と別れていく大洗学園チーム。

 

それに釣られて、バラバラになっていく黒森峰。

 

最後尾を行く重戦車を、隠れて追いかけてきたウサギさんチームが捉えた。

 

任せてくれと言っていたが、何をする気だ…?

 

最後尾のエレファントの前に飛び出し、砲撃を浴びせるウサギさんチーム。

 

当然相手のエレファントは怒り、執拗に追いかけ始める。

 

黒森峰でもここまでおちょくられると、まほさんの指示から離れるのが出てくるんだなぁ…。

 

狭い路地に誘い込み、何度も角を曲がっていくウサギさんチーム。

 

戦略大作戦とか叫んでたが、考えたなぁ…。

 

回り込まれたエレファントが旋回しようとするが、狭い路地で重戦車のエレファントが旋回なんて出来る訳がなく。

 

おまけに砲塔も回転しない。

 

だが、流石重戦車、ゼロ距離の砲撃でも貫通しない。

 

『……薬莢、捨てるとこ』

 

……え、誰今の声?

 

え、丸山?喋った!?

 

俺がどうでもいい事に驚いていると、丸山が指摘した場所を同時攻撃し、見事にエレファントを撃破してみせた。

 

あの子、あんな声してたんだ…。

 

フラッグ車を執拗に狙う黒森峰かと思われたが、カメさんアヒルさんチームの車体の小ささを活かしたおちょくり攻撃に、どんどん隊列から離脱していく。

 

あ、またあの車両会長に履帯破壊されてる。

 

しかしアヒルさんチームの挑発、見事なもんだなぁ…。

 

後続を行く今度はヤークトティーガーを捉えるウサギさんチーム。

 

逃げるヤークトを追いかけるウサギさんチームだが…その先は大通りだ!

 

『停止ぃっ!!』

 

咄嗟に澤君が叫び、急停止するウサギさんチーム。

 

案の定、大通りで旋回したヤークトが待ち構えていた。

 

良く気付いたな…本当に成長したよ1年生チーム。

 

だがヤークトに迫られ、逃げ回る羽目になるウサギさんチーム。

 

機転を利かせ、ヤークトに張り付くことで主砲を回避するウサギさんチームだが、このままだと危ない…。

 

『ヤークト、西住隊長の所に向かわせちゃいけない、ここでやっつけよう!』

 

立派に成長した澤君の指示で、決意を固めるウサギさんチーム。

 

『一か八かだけど…長野先輩直伝、崖落としだよ!』

 

『あいあいあいっ!』

 

崖落としって…俺が昔、重戦車を始末するのに山岳地帯で使ったアレか?

 

なんで知ってるんだ澤君。

 

背後に迫るのは崖…ではなく、水の流れていない川。

 

そこに出た瞬間、合図と共に砲撃して急旋回。

 

砲撃の衝撃とウサギさんチームが邪魔になり、視界が悪かったヤークトはそのままガードレールを突き破って川へ落下。

 

見事にひっくり返って白旗判定が出た。

 

だがウサギさんチームもひっくり返り、白旗判定。

 

重戦車2両撃破、それもM3で。

 

大金星だな、後でたっぷり褒めておこう。高い高いグールグルで良いかな、阪口とか喜ぶし。

 

ウサギさんチームの無事を確認し、最終段階に入るあんこうチーム。

 

廃校跡に入り、そのままあんこうチームは校舎の中へ。

 

その後を黒森峰のフラッグ車…まほさんが追いかけ、校舎の中へ入った所で横合いからレオポンチームが校舎の入り口を塞ぐ様に現れる。

 

まほさんに付き従って来た車両は3両、残りはアヒルさんとカメさん相手に追いかけっこの真っ最中。

 

ここでレオポンが足止めを出来れば、黒森峰側は増援を送れない。

 

この為に、エレファントとヤークト、そしてマウスが邪魔だった。

 

流石のレオポンも、あいつら相手では分が悪いからな…。

 

校舎の中庭を走るあんこうチームと黒森峰フラッグ車。

 

後退はしない…西住流だもんな、まほさんに逃げるという選択肢は無いか。

 

1対1の勝負に出るみほちゃんとまほさん。

 

後は純粋な力量勝負か…みほちゃんが思い描いた通りになったな。

 

後続はレオポンが足止め中、まほさんが仕掛け、校舎の中庭の中を逃げ回るあんこうチーム。

 

途中、榴弾で校舎を破壊、あんこうチームの足止めを行ってきたが、みほちゃんの機転で追撃を避ける。

 

その間も、街中を逃げ回るアヒルさんチームとカメさんチーム。

 

物陰からの奇襲で相手の履帯をまた破壊する事に成功したカメさんチームだが、反撃に放たれた砲撃で電信柱が折れて道を塞がれてしまった。

 

そこに追撃が加えられ、白旗判定。

 

『西住ちゃーん、ごめん、後は頼んだよー!』

 

会長の履帯破壊のおかげで、レオポンに殺到する車両の数が減らせた。

 

まだ耐えられる。

 

だが街中を逃げ回っていたアヒルさんチームが撃破されてしまい、これで残り2両。

 

アヒルさんを追いかけていた3両が増援に駆けつけるまで…3分って所か。

 

高速で砲撃戦を行うあんこうチームと黒森峰フラッグ車。

 

その時、遂にレオポンチームが戦闘不能に陥った。

 

だが、校舎の入り口は破壊されたレオポンが仁王立ちしていて通れない。

 

これでまだ時間が稼げる。

 

だが時間がない、後はもうみほちゃん達の技量に頼るしかない。

 

勝負に出るみほちゃん達。

 

大きく回り込みながら砲撃するあんこう、反撃してくる黒森峰フラッグ車。

 

被弾しても構わず回り込み、火花を上げながら側面から後方へと回り込んでいく。

 

聖グロのダージリン相手にやったあの方法か…!

 

履帯が破損し、車輪が壊れるのも構わず回り込んでいくあんこう。

 

冷泉さんの見事な操縦で、黒森峰フラッグ車の後ろを取った。

 

轟音。

 

互いの砲撃が命中し、巨大な黒煙が上がる。

 

煙が晴れると、そこには車体側面を掠める様に破壊されたあんこうと、車体後部を完全に撃ち抜かれた黒森峰フラッグ車の姿が。

 

「――――よしッ!」

 

『黒森峰フラッグ車、走行不能。よって、大洗学園の勝利!!』

 

蝶野さんの声が響く中、ガッツポーズをする俺。

 

みほちゃんの、いや、みほちゃん達全員の努力の結果が、今目の前に大きく表示されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回収車で運ばれ、ピットへと戻ってくるあんこうチーム。

 

それを出迎える大洗学園チームのメンバー達。

 

戦車を降りようとするみほちゃんだが、まだ勝利が信じられないのか、それとも気が抜けたのか、力が入らなくて降りられないと言う。

 

「みほちゃん、お疲れ様」

 

「叢真さん…はい、お疲れ様です!あ…きゃっ」

 

戦車に登り、車長席からみほちゃんを引っ張り出す。

 

そしてそのままお姫様抱っこの状態で戦車を降りる。

 

軽いな…こんなか弱い女の子に、廃校の危機を背負わせてたのか…。

 

地面にそっと下ろすと、まだフラフラしているみほちゃんを武部さんと秋山さんが支える。

 

頑張ったあんこう事IV号戦車を労うみほちゃん達。

 

性能で勝るティーガー相手に、よく頑張ったもんだ…。

 

河嶋先輩がお礼の言葉を述べようとするが、感極まって大泣きし始めてしまう。

 

結構泣き虫なんだなぁ、河嶋先輩。

 

「私達の学校、守れたよ…ありがとうね」

 

「いえ、私の方こそ…ありがとうございました」

 

会長がみほちゃんに抱きつき、互いにお礼を言い合う。

 

思えば最初は脅す側と脅される側だったのに…これもみほちゃんの人誑しの効果かねぇ。

 

「ありがとうそど子ぉぉぉぉ!」

 

「ちょ、離れてよっ!?」

 

なんかあっちでは冷泉さんが園さんに抱きついている。

 

あれか、例の遅刻欠席免除とか言う約束の件か。

 

今までのが消えたのは良いが、今後も遅刻欠席しないようにしないと意味がないぞ冷泉さん。

 

「大丈夫だ、長野さんが居るからな。今後も朝頼むぞ」

 

俺かい。

 

もう冷泉さんが俺の心読んでも驚かなくなったわ。

 

来年も戦車道をやるぞと気合を入れるバレー部。

 

次こそは頑張ると気合を入れるアリクイさんチーム、君達は先ず体力付けようか、トレーニングメニュー考えて上げるから。

 

同じく重戦車キラー目指して頑張るという1年生達。

 

頼もしいが、あんまり無茶しないでくれよ。

 

そして、破壊された戦車を徹夜で直して明日には自走出来るようにすると宣言する自動車部。

 

やっぱり人間離れしてる…彼女達に比べたら俺なんて大した事ないなぁ。

 

「それはありませんよ」

 

五十鈴さん…貴女まで…。

 

「勝鬨でござる、ほら長野殿も!」

 

「はいはい…」

 

「「「「「えいえい、おー!」」」」」

 

歴女チームの勝鬨の声が響く中、黒森峰側へと走っていくみほちゃん。

 

……俺も一応、挨拶しておくか。

 

優勝を讃え、手を差し出すまほさん。

 

その瞳には、妹の成長を見られて喜ぶ、優しい姉としての彼女が見て取れた。

 

…なんだ、結局まほさんも、みほちゃんが大好きなんじゃないか。

 

西住流とはまるで違う、みほちゃんの戦車道を、一番評価していたのはまほさんだったって事か。

 

「叢真も、よくみほを支えてくれた…ありがとう」

 

「俺は何もしてませんよ…全部、みほちゃんの頑張りです」

 

差し出された手をそっと握る。

 

こうしてると本当に頼れる人なのになぁ。

 

「ところで、何時黒森峰に来てくれるんだ?短期留学という形もあるが…」

 

「女子校でしょうが。まほさんまで何考えてるんですか」

 

頼れる人の筈なのになぁ!

 

ダージリンと言い、アンチョビと言い、カチューシャと言い、なんで俺を転校させたがるかな。

 

全部女子校じゃないか、無理だっての。

 

「もー、お姉ちゃん。ほら、叢真さん行こう?」

 

「あぁ…それじゃ、また」

 

「あぁ。デートは何時でも待っているからな」

 

お願い、最後まで頼れるお姉ちゃんで居て?恋愛ポンコツは要らないの。

 

みほちゃんに連れられ、少し歩くと、みほちゃんがまほさんの方を振り向いた。

 

「お姉ちゃん!」

 

「ん?」

 

「やっと見つけたよ、私の戦車道!」

 

そう言って俺の手を握るみほちゃん。

 

そっか、みほちゃんも見つけたか…自分だけの戦車道を。

 

ただ、なんでまほさんに見せつける様に手を握るのみほちゃん?

 

ほら、若干お姉さんの目が怖いんだけど。

 

「つ、次は、負けないわよ…」

 

あぁほら、まほさんの雰囲気に気圧されて逸見さんが決め台詞言えないじゃないか。

 

「私も負けません、恋も、戦車道も!」

 

「み、みほ…?」

 

「みほちゃん…?」

 

「行きましょう、叢真さん!」

 

笑顔のみほちゃんに連れられていく俺、今気の所為じゃなければみほちゃん…。

 

いや、そんな、まさかな。

 

大勢の観客の前、ステージの上に並ぶ大洗学園チーム。

 

優勝旗を手にして、少しふらつくみほちゃんを後ろから支えてあげる。

 

『優勝、大洗学園!』

 

観客の盛大な拍手、応援に来てくれたライバル達の称賛の声。

 

優勝したというその証明。

 

しかし、名ばかりの監督である俺が一緒に並んでいいのだろうか。

 

辞退しようとしたら、みほちゃん達に引っ張られて並ばされてしまった。

 

皆握力強くなったなぁ。

 

その後は一泊して翌日、電車で大洗の街まで戻ってきた。

 

昨日は大変だった、母からどうして戦車道に復帰したことを教えてくれなかったのと怒られるわ、いや別に復帰した訳じゃないし。

 

マスコミに俺が長野叢真であると気付かれて質問責めに遭うわ。

 

全て隊長であるみほちゃんと、頑張った生徒達の功績ですと褒めちぎって俺は何もしていない事をアピールしたが。

 

マスコミ取材を俺に押し付けた罰だ、全員褒めちぎってやったわ。

 

輸送車両から戦車を降ろし、一息つくメンバー達。

 

自動車部、本当に一晩で全部直しちゃったよ。

 

やっぱりちょっと頭が良いだけの俺なんて大した事ないんだな…世界は広い。

 

「それはないですよ叢真さん」

 

み、みほちゃんまで…?

 

もう俺、あんこうチームに思考ダダ漏れなの?サトラレなの?

 

「隊長、なんか言え」

 

帰ってきてそうそうの会長の無茶振り。

 

皆がみほちゃんを見つめる中、注目されて困ったみほちゃんはわたわたした後、元気にパンツァーフォーと叫んだ。

 

それに唱和するメンバー達の声が、大洗の駅前に元気に響き渡った。

 

大洗の街中を戦車で凱旋する大洗学園チーム。

 

俺はあんこうチームの戦車に乗せてもらい、優勝旗を手にして軽く振る。

 

風に靡く優勝旗の重さが、今は心地いい。

 

中学時代、戦車指揮をした時には味わえなかった、清々しい気持ち。

 

やっぱりあれかな、みほちゃん達とだからこう感じるのかな。

 

信号を曲がると、そこには沿道に詰め掛けた大洗の人達。

 

皆がおめでとうと叫び、手を振ってくれている。

 

その中には五十鈴さんの母親やあの時の車夫がまた号泣してる。

 

秋山さんの両親や、冷泉さんのお婆さんの姿もある、なんかお婆さんが凄い巧みなステップ踏んでる、元気過ぎる。

 

武部さんが街のお年寄り達に笑顔で手を振っている、本当に同年代以外にはモテモテなんだよな武部さん。

 

俺が手にした優勝旗を振ると、歓声が一層大きくなる。

 

「ねぇ、帰ったら何しようか?」

 

「お風呂入って…」

 

「アイス食べて…」

 

「それからぁ…」

 

「戦車乗ろうか!」

 

「うん…!」

 

みほちゃん達の会話に、思わず笑みが溢れる。

 

本当に、ここは居心地が良い…。

 

今ここに居られる事を、改めて俺は、神に感謝した。

 

「叢真さん、今度は叢真さんも戦車に乗りましょう?」

 

「俺は良いよ…俺は、みほちゃん達の戦車道を見ているのが、一番好きだから…」

 

そう、俺は、みほちゃん達の優しく暖かく清々しい戦車道を見るのが、大好きになっていた。

 

これからも、見守っていけたら……何も言うことはないな。

 

大洗の学園艦が正面に見える。

 

あぁ、帰ってきた。

 

守れた場所に、帰ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




と言う訳で本編完結です。
オリジナル日常編、劇場版、最終章と書く予定でしたがこれで終わらせて頂きます。
最後まで見て下さってありがとうございました。
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