ガルパン日和   作:アセルヤバイジャン

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秋山さんかわいい(´・ω・`)



みほちゃんはもっとかわいい(´・ω・`)



そんなかわいさを表現したい…したい…したい…(´・ω・`)


あんこうのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえ、ですから、そういった仕事は…」

 

連盟からの電話に断りを入れているが、一向に諦めてくれない。

 

もうアイドルのマネごとは勘弁して欲しいのだが。

 

「はい…はい…いえ、別にそういう理由では…」

 

連盟側も色々と提示してくるが、地位や名誉が欲しい訳じゃない。

 

「え、戦車道の備品…?それは…」

 

消耗品や燃料、その他雑品など戦車道はお金がかかる。

 

だから大洗も20年前に一度戦車道を止めている。

 

今は連盟からの助成金と色々な部活からの義援金で回しているが…。

 

毎日の練習で消耗品は消えていくし、弾も安くない、だが練習を控えろなんて言える訳がない。

 

そんな事をしたら、努力と根性で今のレベルまで到達出来た履修生達に申し訳が立たない。

 

「わ、分かりました…ですが、あまり派手な事は…えぇ、はい、ではまた後日…」

 

電話では話が詰められないと言われ、連盟に顔を出すことになった。

 

上手いことノセられた形だが、備品の提供は正直美味しすぎる…。

 

「まぁ…ちょっと俺が我慢すれば良いだけだしな…」

 

それで少しでも大洗学園の戦車道が潤えば…。

 

はぁ、サンダースやプラウダ、聖グロが羨ましい、こんな事で悩まなくて済むのだから。

 

アンツィオや継続なら分かってくれる悩みだな…。

 

「いっそ戦車くれとでも言ってみるか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋山さんの場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポロロンとギターを奏でる。

 

眼の前では焚き火が燃え、そこに翳してある飯盒と鍋からは湯気が吹き出している。

 

「もうすぐ出来ますからねぇ~」

 

その鍋の中身をかき混ぜながら、鼻歌を歌うのはラフな私服姿の秋山さん。

 

同じく私服姿の俺と違い、エプロンを装備している。

 

「いやー、長野殿とこうして野営出来るなんて夢のようであります!」

 

「ははは……」

 

はて、なんでこんな事になったのだろうか。

 

ギターを奏でながら今日あったことを反芻してみる。

 

今日は朝から冷泉さんを起こし、授業を受け、戦車道の練習を監督し。

 

それで帰ろうとしたら、明日は休みだから野営しませんかと秋山さんに誘われて。

 

ホイホイついて行ってしまった。

 

なんでも何も俺が流されただけじゃないか。

 

焚き火の傍らには、秋山さんが用意した野営装備にテント、寝袋もある。

 

飯盒やコッヘル、金属製食器は全て秋山さんの自前のもの。

 

この中で俺が持ってきた物なんて食材とギター、蚊取り線香位である。

 

完全に秋山さんにおんぶ抱っこだ、料理も手伝おうとしたが任せて下さい!と輝く笑顔で言われて、俺は大人しく座ってギターを奏でるしか出来なくなった。

 

と言うか、今更だが秋山さん、二人っきりで野営とか不味いと思うんだ。

 

ご両親が心配するぞ。

 

「あ、両親には友達と野営すると言ってありますから心配いりません!」

 

男友達の部分が抜けてますぞ秋山殿!

 

みほちゃんと言い冷泉さんと言い、危機感が足りなくて困る。

 

俺だって男なんだぞ、ヘタレだけど。

 

それとも信頼されているのだろうか、だとしたら少し嬉しい。

 

「さぁ、出来ましたよ!秋山特製野営料理です!」

 

飯盒で炊いたご飯、野菜とウィンナーたっぷりのスープ、それに俺が買ってきた魚の塩焼き。

 

野営と言うには豪華な食事だ。

 

プラウダでは良く演習中にボルシチなどをご馳走になったが、それらと比べても引けを取らない。

 

戦車道やってる乙女って、料理の腕前高いよな…アンツィオとかアンツィオとかアンツィオとか。

 

聖グロ…?

 

イギリス…英国…うなぎ…うっ、頭が!

 

「さぁどうぞ、召し上がって下さい長野殿!」

 

「あぁ…頂きます」

 

秋山さんから食器を受け取り、スープに口をつける。

 

コンソメ味が効いた、体の中から温まる味だ。

 

野菜もゴロゴロ入っており、いい味がウィンナーから出ている、いやこれソーセージか?

 

「いやぁ、感激であります、長野殿とこうして野営出来るなんて、夢のようであります!」

 

「大げさな…」

 

初めて会った時から思っていたんだが、秋山さんの俺への好感度と言うか尊敬度は少々度が過ぎている。

 

みほちゃんに対しても崇拝に近い感情が見えるが、何故か俺に対しても似たような物を感じる。

 

だが、俺のファンクラブのような、ドロドロとした物は感じない。

 

なんだろうな、不思議な感じだ。

 

「秋山さんは俺の事を昔から知っている口ぶりだが…やはり男が戦車道に関わっている物珍しさからか?」

 

「いえ、そんなんじゃありませんよ。そうですね……長野殿は覚えておりませんよね」

 

何気なく訪ねたら、少し寂しそうに微笑まれてしまった。

 

え、俺、秋山さんと昔会ったことあったっけ…?

 

記憶力は良い方なんだが、秋山さんみたいな子に会った記憶は無いぞ…?

 

「小学生の時です、母に連れられて戦車道の卓上演習の大会に連れて行って貰った事があります」

 

戦車道が大好きな秋山さんだ、戦車道に関連する大会やイベント毎にはよく連れて行って貰っていたらしい。

 

「その大会会場で、私は母とはぐれて途方に暮れていました。大きな大会で人も多くて、どうしようかと泣きそうになっていたら…」

 

大丈夫か?と長野殿が声を掛けてくれたであります!と笑顔で告げる秋山さん。

 

はて、大会で…?

 

迷子を保護した経験は…一度ある、だがあれは男の子だ。

 

戦車道の卓上演習の大会に、同い年位の男の子が居たことに珍しさを覚え、つい声をかけた記憶がある。

 

懐かしい、試合時間まで彼の母親を探しながら、戦車道の事を話し合ったのを覚えている。

 

戦車道は女性の競技だ、卓上演習では偶に男性も居るが、殆ど女性なのでつい嬉しくてその男の子と友達になった。

 

名前は交わさなかったが、短い間で仲良くなれたのは嬉しかったのを覚えている。

 

「そして長野さんは、私の母を見つけるとそのまま試合に赴いて、優勝し、こう言ってくれたのであります!『今日の勝利は、今日出来た名も知らぬ友人に捧げます』と…私、感動のあまり母に縋り付いて大泣きしてしまったでありますよ!」

 

え。

 

あ。

 

言った。

 

確かに言った。

 

会場の何処かで応援してくれている、名も知らぬ友人の為にと。

 

いやだが、あれは確かに男の子だった。

 

だって、パンチパーマだったし!

 

「これ、その時の写真であります!」

 

そう言って秋山さんが取り出したスマホに取り込まれた写真、そこには大会モニュメントの戦車の前で、並んで肩を組んで笑う、幼い頃の俺と、パンチパーマの男の子の写真。

 

……覚えてる、あの子だ。

 

あの時の男の子だ。

 

え……。

 

この写真を秋山さんが持っていると言うことは…あの時の男の子は……秋山さんンンン!?

 

「あ、この頃の私、父に憧れてパンチパーマにしてたんですよぉ。中学からはパーマ禁止だったので、止めちゃいましたけど」

 

「うぇぇぇぇぇぇッ!?」

 

あの戦車大好き少年が、秋山さん…!?

 

た、確かに、顔立ちに面影があるし、秋山さんのお母さんどっかで見た覚えがあるなと思っていたけど…。

 

そんな…俺の名も知らぬ友人は…男の子だと思ってたのは……秋山さんだったのか…。

 

「お、俺、てっきり男の子だとばかり…」

 

「あぁ、それは仕方ないであります、武部殿にも男の子にしか見えないと言われましたし」

 

なんてこった。

 

まさかあの時の子が秋山さんだったなんて……分かるかい!

 

「だから長野殿と同じ学校と知った時は嬉しかったであります。でも、長野殿はその時戦車道会から離れて、メディアへの露出も一切していなかったので、何か訳があるのかと思って…」

 

声を掛けられずにいた、と。

 

世間は狭いとはよく言うが、まさかあの時の子が秋山さんだったとは…。

 

「そんな長野殿と一緒に戦車道を出来て、こうして野営まで出来るなんて、私感激です!今日はいっぱい戦車やミリタリーについて語り合いましょうね!」

 

そう言って笑顔で笑う秋山さん、その笑顔は、母親が見つかって、別れる時のあの子の笑顔と同じだった。

 

なんで気付かなかったんだろう…こんなにも近くに居たのに。

 

黒歴史として、昔を思い出さないようにしていたからだろうか。

 

秋山さんは覚えていてくれて、瓶底眼鏡をしていても俺だと分かってくれたのに。

 

……最低だな、俺は。

 

「長野殿?どうしたでありますか?」

 

「いや……秋山さんが好きな戦車ってなんだったかな」

 

「私ですか?7TP双砲塔型やナヒュール中戦車ですね、長野殿はどの戦車なんですか?」

 

「俺は…そうだな…」

 

戦車の話をしている秋山さんは本当に生き生きしている。

 

記憶の中にある、あの日のあの子と同じで。

 

だからだろうか、俺は懐かしい気持ちになりながら、秋山さんとの戦車談義を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むにゃ…にしずみどのぉ~……えへへ…」

 

「………眠れん」

 

狭いテントで並んで寝袋に収まり、熟睡している秋山さんの横で、俺は無駄に意識してしまい眠れずにいた。

 

本当に、みほちゃんと言い冷泉さんと言い、危機感が無さ過ぎる…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みほちゃんの場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん………まいりました」

 

「ありがとうございました」

 

みほちゃんが敗北宣言をし、俺の勝利が決まった。

 

卓上演習とは言え、戦車道大会を制して、自分の戦車道を見つけたみほちゃんはひと皮もふた皮も剥けていた。

 

局地戦に持ち込まれたら負ける事も多い。

 

本当に、相手の隙を突くのが上手い。

 

卓上演習で敗北したのは、あの娘以来か…成長したなぁ、みほちゃん。

 

「あ、もうこんな時間…どうします叢真さん、夕ご飯どこかで食べて行きます?」

 

「そうだな…五十鈴さんに聞いたお店だが、美味しい海鮮丼のお店があるらしい。行ってみようか」

 

「いいですね、そうしましょう!」

 

戦車倉庫の2階、休憩や作戦立案などに使われる部屋を出ながら、今夜の夕飯を考える。

 

五十鈴さんの紹介だ、先ずハズレはないだろう。

 

「先に上がります」

 

「お疲れ様です~」

 

「あ、おつかれー」

 

「気をつけてな」

 

まだ戦車の整備を続けている自動車部に声を掛けると、汗を拭いながらナカジマさんとホシノさんが答える。

 

残りの2人は…戦車の中か。

 

毎日楽しそうに戦車を弄っているが、彼女達の協力が無ければ大洗戦車道は殆ど何も出来なかっただろうな。

 

本当に助かった。

 

後で差し入れを持っていこう。

 

「自動車部の人達、本当に頼りになりますね」

 

「そうだな、ナカジマさんはマイペースと言うか冷静沈着だから小隊規模の指揮を任せられるし、あの我が儘兵器のポルシェティーガーを主戦力として使えるんだ、もう大洗戦車道に無くてはならない存在だな」

 

走行中のポルシェティーガーを走らせながら直すなんて、果たしてどれだけの整備士が可能な技なのだろうか。

 

「でも、今の大洗には、皆さん全員が必要ですよ。そうじゃなければ、お姉ちゃん…黒森峰に、うぅん、そもそも大会で勝てませんでした」

 

「そうだな…」

 

ギリギリの綱渡り、常に背水の陣で戦ってきた大洗戦車道チーム。

 

どのチームが欠けても勝てなかった、それくらいの厳しい戦いだった。

 

「アヒルさんチームは今じゃ大洗で一番の練度だからな、戦車が戦車なら立派な撃墜王になれるレベルだ」

 

「そうですね、でも御本人達は八九式が大好きみたいですし」

 

宴会でも八九式を馬鹿にするなと叫んでたしな。

 

陽動、索敵をやらせたら大洗1だろう。

 

本音を言えば、もっと良い戦車に乗せてあげたいのだが…やはり連盟にお願いして…いやしかし、本人たちが今の戦車を5人目のバレー部員と明言する程気に入っているからなぁ。

 

「カバさんチームは、やはり三突の火力が頼りになりますよね」

 

「己の役割を言わずとも理解してくれるからな、機動防御戦術では外せない要になる」

 

歴女だけあって戦争や戦車にも詳しいカエサルやエルヴィンのお蔭で、カバさんチームは実に頼りになる。

 

最近ではアンツィオの戦術や操作技術を勉強しているらしく、猛特訓中だ。

 

……後は、俺にソウルネームを付けようとするのさえ止めてくれれば言うことはないのだが。

 

「ウサギさんチームは……本当に成長したな、今じゃ立派な戦車乗りだ」

 

「あはは、澤さんが確り皆を纏めてくれてますからね。大会じゃまさか重戦車2両も撃破するなんて思いませんでしたし」

 

みほちゃんも予想外だったウサギさんチームの活躍。

 

あれで自信を付けたのか、重戦車キラーを自称しているが…うーん、自信がある事は良いことだしな…。

 

ちょっとトラブルメーカーなメンバーが多いだけに、心配でもあるが。

 

「お、ここか」

 

「ちょっと隠れ家的なお店ですね」

 

商店街から外れた住宅地の中に、目当てのお店はあった。

 

こじんまりとしたお店だが、学園艦にあるお店は大抵こんな物だ。

 

外縁部にお店を構えている所は結構大きなお店が多いが。

 

「らっしゃい!」

 

「2人、カウンターで良いかな?」

 

「はい、構いませんよ」

 

「それじゃカウンターで」

 

「あいよ!」

 

威勢の良い板前さんに2名だと告げ、カウンター席に座る。

 

お寿司屋さんか、学園艦のお寿司屋に外れ無しと言われている、腕利きの職人じゃないとお店が出せないと言う謎の決まりがあるらしい。

 

「海鮮丼が美味しいと聞いたんですが」

 

「私もそれを」

 

「あいよ、海鮮丼二人前ですね!ウチのはネタが新鮮だから美味しいよ!」

 

学園艦だからな、海産物だけは豊富だ。

 

逆に野菜が限定されるので、珍しい野菜などは港に寄港しないと手に入らない。

 

学園艦によっては農業科が広大な船内で野菜を育てているのだが、大洗は小さい方だからな。

 

聖グロはあれだけ大きいのに野菜の栽培に力を居れてないので青物が少ない。

 

だから料理が……止めよう、悲しくなる。

 

「カメさんチームは頼りになるんだが…会長の気分屋さえ無ければなぁ」

 

「あ、あははは…でも、河嶋先輩や小山先輩も頼りになりますし」

 

カメさんチームはムラが強い。

 

何故なら会長が働く時と働かない時で戦闘力が大幅に上下するからだ、乱高下と言っても良いレベルで変わる。

 

会長が最初から本気出してくれていれば、サンダースやアンツィオで苦戦しなかったろうに…。

 

まぁ、あまり会長にばかり頼るのは良くないというあの人なりの意思表示と言うか、教えなんだろう。

 

ただ、河嶋先輩のあの謎砲撃だけは悩み所だ。

 

何故あぁも砲弾が明後日の方向に行くのだろうか…。

 

「カモさんチームは命令に忠実、的確に行動してくれますから隊長として心強いですね」

 

「風紀委員だからなぁ、命令は決まり事として遵守してくれるから」

 

部隊指揮をする上で最も頼りになるのが命令を遵守し遂行してくれる存在だ。

 

急な作戦変更や撤退指示にも素直に従ってくれる戦力と言うのはこの上なくありがたい。

 

あの黒森峰ですら、隊長のまほさんの指示を聞かずに目先の獲物を追いかけてしまう車両が出る位だ。

 

そう言った意味では、カモさんチームは安心出来る。

 

車両が重戦車なのもあってレオポンと並んで守りの要になる。

 

「アリクイさんチームは……たぶん、センスは抜群にあるんだよ。ただ…」

 

「ただ?」

 

「圧倒的に体力がない」

 

「あ~…」

 

戦車道は体力勝負な面が強い、武道だからな。

 

どのポジションも一定の体力と筋力、そして判断力を要求される。

 

ねこにゃー達はネットゲームではトップランカー、恐らくセンスは人一倍高い。

 

だが圧倒的に筋力体力が足りていない。

 

そこが改善されれば、恐らくかなりの戦力に化ける筈。

 

今後に期待だな。

 

「へいお待ち!」

 

「お、美味しそうだ」

 

「わー、綺麗な海鮮丼」

 

みほちゃんの言う通り、綺麗に盛り付けられた海鮮丼。

 

中央のイクラとウニが輝いている。

 

他に白身魚にマグロ、イカにエビに卵焼き、オーソドックスだが逆にこういうのは料理人の腕前がもろに出る。

 

五十鈴さんがお勧めするだけあってこれは美味しそうだ。

 

「頂きます」

 

「いただきまーす」

 

手を合わせ海鮮丼を食す、うん、思った通り美味い。

 

「美味しい~、美味しいですね叢真さん」

 

「あぁ、五十鈴さんがお勧めするだけはあるな」

 

セットの味噌汁も、カニが入っていていい出汁が出ている。

 

これで値段が千円ちょっとなのだからかなり当たりの店だ。

 

まぁ学園艦のお店だからな、学生が手を出せない値段じゃ商売出来ないか。

 

「あの……叢真さんから見て、私達はどうでしょうか…?」

 

「…あんこうチーム?それなら、間違いなくトップエースだ。戦力の要、部隊の大黒柱。無くちゃならない存在だな」

 

「あぅ…改めて言われると恥ずかしいですね…」

 

何を言うか、純然たる事実だ。

 

みほちゃんの指揮能力、冷泉さんの操作能力、五十鈴さんの砲撃の腕前、秋山さんの的確な情報と、それに負けない装填手としての腕前。

 

武部さんの情報伝達能力も欠かせない。

 

あんこうチームが居なければ、大洗の戦車道は立ち行かなくなる事は確実だ。

 

それだけ重要なチームであり、同時に弱点でもある。

 

みほちゃん達が落ちたら、一気に部隊が崩壊するからなぁ。

 

「まぁ、偉そうな事を言えば、どのチームも欠けちゃいけない存在だよ。今の部隊だからこそ、優勝する事が出来た、それは間違いない」

 

お飾りな監督の俺が言うことではないが。

 

「……でも、長野さんが居なければ、私達はここまで頑張れませんでしたよ。応援して、激励して、見守って、帰りを待ってくれている存在が居る、それだけで、気持ちが強くなれるんです」

 

みほちゃん……。

 

いかん、不意打ち気味な言葉に、思わず顔が赤くなるのが分かる。

 

本当に、みほちゃんは不意打ちが得意だ…。

 

「さて、帰ろうか。送っていくよ」

 

学園艦内とは言え、女性を一人帰らせるのは心苦しい。

 

「ありがとうございます……あ、それじゃぁ…あの…その…」

 

「ん?」

 

「手…繋いでも良いですか…?」

 

モジモジと恥ずかしそうにしながら、みほちゃんがそんな事を口にした。

 

俺の手でいいならいくらでも貸してあげるのに。

 

何せ持ち主である俺の許可なく手や腕を取っていく人が居るからな、アッサムさんとかノンナさんとかカルパッチョとか!

 

ミカさんなんか背中を取るからな、毎度毎度怖くて仕方がない。

 

「あぁ……行こうか」

 

「あ…はい!」

 

みほちゃんの小さな手をそっと握り、歩き出す。

 

こんな小さな手で、学園廃校と言う危機を乗り越えてきたみほちゃん。

 

本当に、みほちゃんには敵わないな…。

 

「えへへ…こうしてると、なんだか恋人みたいですね」

 

「う…改めて言われると…なんだか恥ずかしいから止めていいか?」

 

「ダメですダメですっ、もう少しだけ…」

 

「分かりました、お嬢様」

 

みほちゃんのお願いを、断る術を俺は持たない。

 

彼女の笑顔が、とても眩しいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




断る術を持たない、脅されているから(違



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