ガルパン日和   作:アセルヤバイジャン

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お昼寝回とプロレス回(嘘


カバさんカメさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北関東のとある県、そこが俺の生まれ故郷。

 

のどかな自然と、人情味溢れる人々に囲まれて、幼少期の俺は育った。

 

幼い頃、裸足で駆け抜けた原っぱ、父と虫取りに入った森。

 

祖父に連れられて冒険した山々。

 

一年を通して海の上である学園艦の生活に慣れた今の俺には、何もかもが懐かしく感じる。

 

車が一家に一台どころか、一人一台レベルで溢れている県だが、生憎俺は車を持っていない。

 

バスを乗り継いで辿り着いた実家。

 

祖父の代から住んでいる家が、変わらずそこにあった。

 

「ワンワン!」

 

「ただいま、豆太」

 

豆柴の豆太の歓迎を受けながら、庭を通って玄関へと向かう。

 

「あら、おかえり叢真」

 

「ただいま、母さん」

 

玄関を開けて出迎えてくれたのは、相変わらずどこか子供っぽい自分の母の姿。

 

童顔なのも合わさって、今だに姉弟と間違われる事がある、恐ろしい話だ。

 

「お父さん、叢真が帰ってきたわよ~」

 

「……やぁ、おかえり、叢真」

 

奥から顔を出したのは、柔和な笑顔を浮かべた父、こちらは年相応の見た目をしている。

 

俺の容姿が良いのは、主に母の影響なのだろうなと思う。

 

体格は父似なのだが。

 

「お爺ちゃん達呼んでくるわね、荷物置いてゆっくりしてて」

 

「今日は泊まっていくんだろう?」

 

「あぁ、ありがとう」

 

離れに暮らしている祖父と祖母を呼びに行く母を見送り、荷物とお土産を置いて居間に父と座る。

 

久しぶりの我が家、空気が懐かしい。

 

「色々と大変だったみたいだけど、元気そうで良かったよ」

 

「あぁ、うん…でも俺は見守るしか出来なかったから…」

 

父の言葉に、大洗での出来事を振り返る。

 

今でも綱渡りだったなと思う戦車道での一連の出来事。

 

逃げ込んだ先で、まさかあんな事になるなんて思いもしなかったな…。

 

「おう、帰ったな叢真」

 

「爺さん、ただいま」

 

「まーまーまー、元気そうね叢ちゃん」

 

「婆ちゃんも元気そうで安心したよ」

 

母に連れられて、離れに暮らしている祖父と祖母もやってきた。

 

二人共、冷泉さんのお婆さんに負けず劣らずの元気な姿に安心する。

 

「よし、行くぞ叢真」

 

「爺さん…行くって何処へ?」

 

嫌な予感。

 

「山だ。久しぶりに訓練を怠ってないか見てやる」

 

「………ですよねー」

 

今でも筋骨隆々な祖父。

 

何せ元陸自の自衛官で、富士教導隊の出身。

 

長年教官も務めた、生粋の武闘派。

 

戦車道をやっていてそのまま陸自へ入った母を自分の息子と見合いさせた、俺が生まれる切っ掛けを作った人でもある。

 

昔から、何かと俺を鍛えようとしてくれた人であり、何度も近所の山でサバイバルを行ってきた。

 

父がどちらかと言うとインドアな事もあり、自分の訓練に付いてこれる俺を大変気に入っているらしい。

 

他の孫にはしないからな、訓練…。

 

「父さん、長旅で疲れてるんだから今日位良いじゃないか」

 

「そうですよアナタ、叢ちゃんが帰ってきて嬉しいからって山は無いですよ」

 

「叢真、今夜は好きな物用意しておくから頑張ってね!」

 

父と祖母は折角俺が帰ってきたのだからと山行きを引き止めてくれるが、祖父の頑固かつ某ハートマン軍曹っぷりをよく知る母は最初から引き止める気ゼロだ。

 

「五月蝿い、俺には叢真を立派な男児に育てる義務があるんだ、黙ってろ。行くぞ叢真」

 

「了解、爺さん…行ってくるよ」

 

言葉はキツいが、不器用な祖父なりの愛だと思って大人しく祖父に付いていく。

 

祖父の車に乗り、いつもキャンプや訓練で使っている山へ。

 

道中、祖父が重い口を開いた。

 

「……どうだ、彼女でも出来たか」

 

「出来ないよ、そういう人も居ない」

 

「お前は俺に似ずに見た目は良いんだ、そろそろ彼女の一人や二人出来ても良い頃だろ」

 

2人も出来ちゃ駄目でしょう。

 

ひ孫を期待しているのだろうが、生憎俺にそういう相手は居ないんだよ爺さん。

 

「戦車道、また始めたんだろう、戦車道乙女にいい相手は居ないのか」

 

「居ないって。皆良い子だけどそういう目じゃ見れないよ」

 

真剣に戦車道に打ち込んでいる彼女達に失礼だ。

 

「それじゃ、見合いした相手とはどうなった。西住流の娘や島田流の娘と見合いしただろ」

 

「どっちとも見合いしただけで進展はないって。そもそも島田流のは流石に不味いし…」

 

あの子、まだ12…いや、13だったか。

 

どちらにせよまだ幼い女の子だ。

 

いやまぁ、まほさんと見合いしたのも似たような年齢の時だったけど…。

 

でもあの子と見合いした時、まだあの子は10歳だぞ…。

 

そう言えば、最後にあの子に会ったのはもう二年も前か…。

 

あの頃はお兄ちゃんお兄ちゃんと慕われていたが、今はもう駄目だろうな。

 

案外、学校で好きな子でも出来てるかもしれないし。

 

……ちょっと寂しいな、妹が巣立っていった気分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

この後滅茶苦茶祖父と訓練した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カバさんの場合

 

 

 

 

 

 

 

「………んん…?」

 

微睡みの中からぼんやりと意識が覚醒する。

 

視界を遮る何か…顔の上に乗っているそれを、頭を動かして退ける。

 

……なんだ、本か。

 

顔の横に落ちた本、その向こうにはスヤスヤと眠るたかちゃん…違う、カエサルの姿。

 

「………………ゑ」

 

なんで、至近距離にカエサルの顔が…。

 

腕に伝わる感触は、丁度人の頭の重み。

 

……俺の腕枕で、カエサルが寝てる…?

 

「なん……え?」

 

起き上がろうとして反対の腕を上げようとするが、そちらにも何かが乗っている感触と重み。

 

顔を向けると、そこには帽子をしてないエルヴィンがすやすやと眠っていた。

 

「なんで……はぁ…!?」

 

段々と体の感覚がハッキリしてくると、両足と言うか太もも辺りにも何か重みがある。

 

頭を上げて下半身を見れば、そこには左衛門佐とおりょうの頭が。

 

腕枕で寝ているカエサルとエルヴィンを避ける形で、2人が足を枕に寝ていた。

 

「………なんでだ」

 

なんだこの状況。

 

見上げれば見覚えのない天井、古い日本家屋のそれが見える。

 

俺の家じゃない。

 

………あぁ、ここ、カエサル達のシェアハウスだ。

 

段々と記憶がハッキリしてきた、寝起きの突然の事態に頭が一瞬真っ白になったが。

 

そうだ、確か今日は休みなのを利用して、カエサル達に借りていた歴史書を返しに来たんだ。

 

歴女チーム4人が暮らす和風2階建ての家、表札までソウルネームの念の入り。

 

そこに、夏も近づいてきた事もあってスイカを土産に訪れて…。

 

休みということもあり、全員が私服姿で出迎えてくれた。

 

それぞれに借りていた歴史書を返し、新たに戦車道で役立ちそうなのを見繕って貰い…。

 

話が脱線して俺のソウルネームが何が良いかになり、ラインハルトが提案され、「それだっ!」のユニゾン唱和が出たので「絶対にノゥ!」と拒否した。

 

俺の何処が黄金の獣殿と似ていると言うのだろうか、真逆だろ…。

 

それでその後、カエサルが切ってくれたスイカを5人で頂いて、新しく貸してもらう歴史書を見ながら他愛ない会話をしていて…それで俺が寝てしまったのか。

 

風通しの良い縁側に畳と言う立地条件が仇となり、俺は睡魔に襲われて…。

 

本をアイマスクに、寝てしまったのだろう。

 

だが、それで何故、歴女チームの枕にされている状態になるのか。

 

これが分からない。

 

恐らく、俺が寝てしまって暇を持て余したのだとは思うが…なんで俺を枕にお昼寝になるのか。

 

左を見る。

 

カエサルが俺の方を向いて横向きに眠っている。

 

右を見る。

 

エルヴィンが仰向けで眠っている。

 

右足はおりょうが、左足には左衛門佐がそれぞれ枕にして眠っている…。

 

……凄く気持ちよさそうに眠っているので、なんだか起こすのが心苦しいが。

 

年頃の女の子に、と言うか同年代に枕にされてじっとしているなんて無理な訳で。

 

「おい、カエサル、エルヴィン、左衛門佐、おりょう、起きてくれ、おーい!」

 

声を掛けながら腕や足を揺らす、微妙に痺れている…どの位枕にされていたのだろうか。

 

「ん……んん…」

 

「ん~…ふぅ……」

 

「……やぁ…」

 

「むぅ……ん…」

 

「おいこら、起きろ、起きてくれ、特に左衛門佐起きろ、それ以上上に上がるな!」

 

熟睡しているのか中々起きない、左衛門佐が寝返りをうって頭が腿から股関節に移動してしまった。

 

「おーい、起きてくれ、こらたかちゃん起きろ!」

 

「んー…たかちゃんじゃない……カエサルだ…」

 

反応出来るなら起きてくれ。

 

「んん……あれ…?」

 

やっとカエサルの目が開いた。

 

そしてしょぼしょぼと目を擦ってから、やがてパッチリと目が開く。

 

「あ………」

 

「……おはよう」

 

「……わあああああああっ!?」

 

暫く俺の顔を眺めていたカエサルだったが、突然真っ赤になって叫びながら飛び起きた。

 

「んん~~~……なんだ…?」

 

「…なんだ、どうした…?」

 

「んー、なんぜよ…?」

 

カエサルの声に、残りの3人が目を覚ます。

 

「あ、いや、そのっ、違うんだこれは!?」

 

「うるさいぞカエサル……って、しまった、長野殿が起きてる!」

 

「うわぁっ、熟睡してしまった…!」

 

「やってしまったぜよ…!」

 

慌てるカエサルと、俺が起きている事に気付いて次々と飛び起きるエルヴィン達。

 

「お前達……」

 

「あ~、その、これはだな…」

 

「なんだ、その…あまりにも長野殿が気持ちよく寝ているものだから…」

 

「その、つい…魔が差してな…」

 

「ちょっとした好奇心ぜよ…」

 

ジト目で見つめると、恥ずかしそうに言い訳を口にする4人。

 

ほほう、つまり好奇心から俺の腕枕や腿枕を堪能したと。

 

「お前達な……少しは女の子だって自覚を持たんか!」

 

いくら寝ているとは言え、それに添い寝するとか、少しは危機感を持たんかい!

 

「いやその、むしろ女の子だからこそ興味があったと言うか…」

 

「うむ、抗えない魅力だった…」

 

「そうだそうだ、あんな魅力的なのが悪い!」

 

「そうぜよ」

 

人のせいにするな!?

 

何が魅力的なんだよ、ただ野郎が寝てるだけだぞ!?

 

「長野殿はもう少し危機感を持った方がいいな、あまりにも無防備過ぎる!」

 

「そうだ、女しか居ない家で無防備に昼寝するとか、間違いがあったらどうする気だ!」

 

「長野殿はもっと自分が狙われているという事を意識した方が良いぞ!」

 

「あんまりにも無防備だから誘っているのかと思ったぜよ!」

 

あれ、なんか俺が悪いみたいな流れになってる…?

 

いや、確かに女の子の家で眠ってしまった俺も悪いけど…えー。

 

「そんなだからヒナちゃ…カルパッチョから「叢真さんは誘い受けね、間違いないわ」なんて言われるんだぞ!」

 

「あんまり我々を誘惑しないでくれ、女にだって我慢の限界というものがあるんだ」

 

「長野殿は自分からまな板の上に乗りに行く鴨状態なんだぞ、分かってるのか」

 

「自分がどれだけ美味しい存在か、もう一度理解し直すぜよ」

 

「ア、ハイ…スミマセン…」

 

逆に俺が4人から怒られる流れになってしまった…。

 

おかしい…確かに寝落ちした俺も悪いが、そんなに言われる程の事じゃない筈…。

 

寝てる男の腕や足を枕に熟睡してる、女の子としての危機感が足りない彼女達の方が危ないから悪い筈なのに…。

 

「全く、我々だから良かったものの、これがカルパッチョ達ならどうなっていたか…今頃大変な事になっていたぞ」

 

カルパッチョさん、貴女親友からこんな風に思われてますよ、ちょっと自重しましょうね。

 

「まぁ、寝落ちする程我々に警戒心を解いてくれてると考えれば、嬉しいんだけどな」

 

「そうだな、だがそれとこれとは別だ」

 

「正座するぜよ長野殿、一度じっくりと自分が如何に無防備かよ~く分からせてあげるぜよ」

 

か、勘弁してくれませんか皆さん…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後滅茶苦茶お説教された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう女の子の家じゃ寝落ちなんてしないよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カメさんの場合

 

 

 

 

 

 

 

「会長、俺ってそんなに無防備ですかね…」

 

「突然なんだ長野」

 

「ん~、なんかあったの長野ちゃん」

 

生徒会室で、小山先輩から出されたお茶をひと口頂いてから、相変わらず干し芋を食べている会長に聞いてみる。

 

あまりにも唐突な質問に、河嶋先輩が目を丸くしている。

 

「いや、カエサル達にもうちょっと危機感を持てとか、無防備なのを理解しろとか、誘い受けで誘惑するのは止めてくれとか言われまして…」

 

「お前、何やったんだ…」

 

「カバさんチームに注意されるとか、よっぽどだよね~」

 

「長野くん、本当に何をしたの?」

 

いや、ちょっと寝落ちしただけなんですけどね。

 

「女しか居ない家で無防備に寝落ちしただぁ!?貴様、自分が何をやったか分かってるのか!?」

 

そこまで言われる程!?

 

「ま~長野ちゃんが悪いねー、うん、そりゃ悪いよ、有罪」

 

酷い!

 

「あははは…長野くん、カバさんチームが真面目な子ばかりで良かったわね」

 

カバさんチームが真面目なのは同意しますけど、そんな危機だったんですか俺…。

 

「貴様、確か前にストーカーに襲われたと聞いたが、そんな無防備だから襲われるんだぞ!」

 

「失敬な!あの時はちゃんと対策もしてましたよ!」

 

だから未遂で済んだ。

 

いや、誘拐されかけたから未遂じゃないか…。

 

「対策ってどんな~?」

 

「実家に帰らずにホテル住まい、移動は基本的に飛行機、ボディガードが24時間警戒」

 

「ガチじゃないか!それでも襲われたって逆にそのストーカーが凄いわ!?」

 

ですよね。

 

「それで女性恐怖症になって、大洗に逃げてきたんでしょ」

 

「なんで知ってるんですか会長」

 

「分かるって、長野ちゃん最初の頃は常に異性と距離を取って絶対に触れ合わない様にしてたもん。瓶底眼鏡なんて用意して顔を隠してさ~」

 

「そうだったのか…」

 

「流石会長、鋭いですね~」

 

気付いてたのは会長だけのようですけど。

 

「まぁ、西住ちゃん達のお蔭で治ったみたいだけど…逆にそれで戦車道履修者に対して無防備になっちゃったっぽいね~」

 

「0か100かしかないのか貴様は」

 

「まぁまぁ桃ちゃん」

 

「桃ちゃん言うな!」

 

まぁまぁ桃ちゃん先輩。

 

「貴様、今頭の中で桃ちゃん言っただろ、顔で分かるぞ顔で!」

 

やだ河嶋先輩鋭い。

 

「ん~、でも確かに長野ちゃんが無防備過ぎると戦車道にとって良くないよね~。年頃の子ばっかりな訳だし、よいしょっと」

 

「あの、会長…」

 

「大洗でまた襲われても困るし、ここは1つ、長野ちゃんの無防備誘い受けを直した方がいいねぇ」

 

「か、会長ぉ!?」

 

「あらぁ~…」

 

あの、会長…。

 

「それと、俺の膝に座るのと、何の因果関係が?」

 

「いやー、だから長野ちゃんが無防備なんだって」

 

いや、そういう話ではないと思うんですけど…。

 

「会長っ、なにやってるんですか!破廉恥ですよ!」

 

「だってプラウダの隊長が、長野ちゃんの膝の上は最高だって言ってたからさー」

 

犯人はカチューシャか。

 

いやまぁ、確かにカチューシャをよく膝の上に乗せてたけどさ…戦車に同乗させて貰った時とか。

 

彼女はあの通り小柄も小柄なので、俺が間に収まると丁度いいらしい。

 

俺が居ない時?知ってるか、カチューシャの戦車は車長席が上げ底なんだ。

 

「いやー、確かにこれは癖になる座り心地だねぇ、長野ちゃん私の椅子になるバイトしない?干し芋食べ放題だよはい」

 

「もが…!やりませんて…あむ」

 

口の中に突っ込まれた干し芋を一度手に取り、丁重に断るが干し芋は食べる。

 

カチューシャならまだしも、会長だと流石に恥ずかしい。

 

「恥ずかしい、程度で済んじゃうんだから、長野ちゃんの私達への無防備っぷりが分かるよね~」

 

え、恥ずかしい以外に拒む理由なんてあるの…?

 

「そういう所だよ長野ちゃん」

 

「そういう所だぞ長野」

 

「そういう所だよ~長野くん」

 

なんか生徒会総攻撃に晒された。

 

解せぬ。

 

「普通の男の子なら興奮しちゃう事も恥ずかしいで済んじゃうんだから、長野ちゃんの無警戒無防備っぷりも根深いね~」

 

「あの、会長が女性として意識されてないって可能性は…」

 

「かーしま、それって私が魅力がないって事?」

 

あ、ちょっと会長怒ってる。

 

「いえ!そんな事はありません!ですが、長野が小山のようなスタイルにしか興味がないと言う可能性もあります」

 

「えぇぇぇ~!」

 

勝手なことを言う河嶋先輩と、頬を染めていやんいやんと照れる小山先輩。

 

あの、人を勝手にグラマラス好きにしないでくれません?

 

「そこん所どうなの長野ちゃん、小山みたいな猛烈ボディじゃないと女として認めないの?それとも私とかカチューシャみたいな子でも興奮するの?」

 

「それどっちを答えても俺の評価が最低野郎になるじゃないですか…ちょ、なんでこっち向くんですか!あぁっ、足でホールドしないで下さいよ!?」

 

「会長ぉぉぉ!?やりすぎですよ!」

 

「あらら~…」

 

「にひひ、だいしゅきホールド攻撃~。長野ちゃんが無防備だから悪いんだぞー」

 

理不尽!

 

カチューシャと違って会長は確信犯だから余計に恥ずかしい。

 

くそ、腕力強いな!ガッチリホールドされて退かす事が出来ない。

 

「失礼します、あの会長、今度の部隊内紅白戦のことなん…です……けど………」

 

「あ、やべ」

 

みほちゃん!?

 

「……………失礼しました」

 

「みほちゃん待って!?誤解、誤解だから!」

 

「あちゃー、ばっちり見られちゃったね長野ちゃん」

 

何を呑気に!

 

「退いて下さい会長っ、みほちゃん待ってくれ、誤解なんだ!」

 

慌てて会長を膝から降ろして生徒会室を飛び出す。

 

待ってくれみほちゃん!あぁもう居ない、足速いな!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで少しは危機感とか警戒心持ってくれるかねぇ~」

 

「無理なんじゃないですか」

 

「ですねぇ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公は異性に対する感覚がお子ちゃまです(´・ω・`)


だから何でもかんでも恥ずかしいで済んじゃいます(´・ω・`)

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