みほちゃんとの予期せぬ再会から半日、食堂で昼食の時間。
元女子校と言う事で本当に女子が多く、男子は肩身が狭い思いを強いられている(集中線
まぁ女子が多い事で浮かれている1年生が多いが、一ヶ月もすれば今の2年生のように大人しくなるだろう。
今日も今日として隅の方で地味に食事を、と思っていたのだが。
「あ、長野さん!一緒にお昼食べませんか!」
いやん、目をキラキラさせたみほちゃんに捕捉されてしまった。
それだけならまだいい、相席しているクラスメイトらしき女子が2名居るではないか。
その2人は突然見知らぬ男子をお昼に誘うみほちゃんの姿に驚いているし。
「紹介しますね、今日お友達になった武部 沙織さんと五十鈴 華さんです」
「え、えっと、こんにちわ」
「こんにちわ、みほさんのお友達の方ですか?」
俺の返答を聞かずに、相席の女子2人を紹介してくるみほちゃん、君何時からそんなぐいぐい来る子になったの…?
武部さんの方は何やら慌て、逆に五十鈴さんの方は平然としている。
「初めまして…長野 叢真です」
「あ、あの!2人はどんな関係なのかな!?」
興奮気味に聞いてくる武部さん、恋愛事に飢えているのか鼻息が荒い。
「なんと言えば良いか…子供の頃からの顔見知りと言うか」
戦車道卓上演習の大会で顔を合わせる程度の関係…あと姉とお見合いした男と言うアレな関係か。
どちらも詳しく言うと俺の過去に直結するので濁すしかない。
「へー、幼馴染って奴かー」
「そこまで親しい訳じゃないんだけどね…」
武部の言葉に照れながら答えるみほちゃん、幼馴染と言うには関係が薄いしな。
「どうぞ、一緒にお昼にしませんか」
そう言ってみほちゃんの隣を示す五十鈴さん、迷ったが断ってみほちゃんを落胆させるのは避けたいので、恥を忍んで相席させて貰う事に。
「長野君って同級生だよね、あんまり印象無いけど何組なの?」
「沙織さん、失礼ですよ」
「そうだよ、今はこんな眼鏡してるけど長野さんの素顔って「みほちゃんストップ!」ほえ?」
俺の素顔のことを口走りそうになるみほちゃんを慌てて止める。
「みほちゃん、君がここに転校してきた様に、俺も理由があってこの眼鏡なんだ…どうか、内密に…ね?」
「あ…う、うん…知ってたんだ…?」
「気になって調べたら直ぐに出てきた、後は想像すれば…ね」
「ちょっとちょっとぉ!二人してなんの内緒話なの?あやしいんだけどー!」
急に内緒話を始めた俺達を、興奮気味に問いただしてくる武部さん。
五十鈴さんはあらあらと何やら楽しそうである。
「な、なんでもないの!ね、長野さん!」
「うんむ、何でも無い、何でも無いんだ」
「あやしいなーあやしいなー」
その後、食事が終わって俺がその場を離れるまで、武部さんの疑惑の視線に晒される俺だった。
クラスの男子の会話から、女子の履修科目に戦車道が復活になったと聞こえて思わずむせる俺。
そんな馬鹿な、廃止されてから20年は経っているのになんで今更…。
とは言え戦車道が復活したからと言って、俺の事が知れ渡る訳ではない。
逆に心配なのは、俺と同じで戦車道から逃げてきたみほちゃんである。
どうやら生徒会が戦車道復活に並々ならぬ力を入れているらしく、経験者を大々的に募集しているとか。
もしみほちゃんの事が知られればスカウトに走るだろう、何かと無茶をやるここの生徒会の事だ、脅しくらい余裕で掛けてくる事は予想も簡単だ。
と、他人の心配をしていたら、その生徒会から呼び出しを受けた。
嫌な予感しかしないまま出頭したら、相変わらず干し芋食ってる会長がニンマリと笑って口を開いた。
「長野ちゃーん、ちょっと戦車道のコーチやってくれない?」
嫌な予感的中。
「意味が分からないのですが…」
「んー?なんでー?」
「俺は男ですよ?戦車道をやった事もない素人です、その素人にコーチとか…無理でしょう」
そう、普通の男なら戦車道をやる経験なんて無いのだ。
だから断れると思っていた。
だが、副会長の小山先輩が、封筒から何かを取り出し、デスクの上に広げた。
「ほぅわぁッ!?」
「ほっほー、その反応は珍しいねー、やっぱりこれ、長野ちゃんなんだー」
それは、俺の黒歴史。
例の6校で今だに販売されている、当時戦車指揮を行った俺の写真やDVD。
それが、デスクの上に広がっていた。
「な、何故これが大洗に…!?」
「んー、アンツィオ高校に行った時にお土産としてねー、いやー、同姓同名かと思ってたんだけど確信が持てたわー、かーしまー」
「はっ、失礼するぞ」
「ちょっ?!」
唖然としていると、広報の河嶋先輩に眼鏡を奪われた。
「ひゃー、写真通りの美形、なんで眼鏡なんかで隠せてるのか不思議だねー」
「わぁぁぁ、凄くカッコいい…勿体無いよぅ」
「貴様、本気でアイドルやった方が良いんじゃないか?」
三者三様の感想に、思わず片手で顔を隠す。
「と言うわけで、もし断るならこの写真を新聞部に掲載させて…DVDを全校放送しちゃおっかなー」
ねぇ、盤上のプリンスさん?と笑う、いや、嗤う会長。
そこまでバレているとなると、もう惚けるのは不可能。
「俺は男です…戦車道大会には参加出来ませんよ」
「大丈夫大丈夫、長野ちゃんには文字通り戦術指揮のコーチをお願いしたいだけだからさー。西住ちゃん、知ってるよね?西住ちゃん一人に全部任せるのも酷だと思ってさ~。彼女を助けると思ってお願いするよー」
ズルい話だ、ここで俺が断ればみほちゃんに負担が伸し掛かる。
俺とみほちゃんの関係がどこまで知られているのか不明だが、少なくとも俺が見捨てられない程度には親しい事は知られているらしい。
「俺が何かしたとして、勝てるとは限りませんよ」
「戦場の魔術師が言う言葉とは思えないねー、アンツィオの奇跡、あっちの学校で散々聞かされたんだけどなー」
「アンツィオは最低限の戦力が揃っていた、そして戦場と状況、相手の心理状態が合わさって導き出された結果です。だが今の大洗ではその最低限の戦力もない…そうでしょう?」
一年間通っているが、戦車のせの字も見たことがない。
いや、なんかやたら凄い自動車部の話は聞いたことがあるが。
「会長、ここまでして俺を引き入れようとしてるんです、当然理由があるんですよね」
「あるよー、全国大会優勝って言う理由がね」
「………優勝しなければ何かを失う、そう言う事ですか」
「…っ、何の事かなー、そんな大げさな話じゃないんだけど」
「なるほど、事は学校全体が関わる事と言う事ですか、それなら納得が行く」
「………なんで分かったのかな?」
理由は簡単である、言葉の端々に必死さが伺える事、河嶋先輩が苛立っている事、小山先輩の落ち着きの無さ。
それらを合わせて考えれば、生徒会、もしくは学校全体に不利益がかかる事態と言う事が予想出来る。
そして失うという単語を発した途端、全員の雰囲気が変わった。
これで確信を得た、それだけだ。
「……俺自身、この学校は気に入っています、やれるだけの事はやりましょう」
黒歴史を全校生徒にバラされる、それだけは避けないとならないし。
「その言葉が聞きたかったよ長野ちゃーん!」
そんな会長の言葉を背中に、俺は河嶋先輩から眼鏡を取り返し、生徒会室を後にした。
この分だとみほちゃん、既に巻き込まれてるな…心配である。
「いやー、流石卓上の帝王、おっかないおっかない」
「私も、腰が抜けるかと思いましたよぉ~」
「下手なアイドル顔負けな美貌なだけに、余計に怖かったな…」
「よしよし、桃ちゃんよく耐えたね~」
「桃ちゃん言うな!」
「何にせよコーチと隊長の目処は立った、後は人数と戦車だねぇ」
戦車道の授業開始の日、今日もゾンビの如く歩く冷泉さんを背負い登校する羽目に。
憂鬱な気持ちで集合場所へ赴くと、そこそこの人数の少女達が集まっていた。
だが少ない、戦車の種類にも依るがこの人数では5両、多くて7両しか動かせないだろう。
そもそも、そんな数の戦車を今だに保有しているかも怪しいのだが。
「あれ…長野さん?どうしたんですか?」
「みほちゃんと同じで会長に脅されてな…」
俺に気付いたみほちゃんが話しかけてくる、すると他の女子も俺に気付いて男子がなんで?と言う視線で見てくる、ツラーイ。
「えー、長野さんも戦車道やるの?」
「いや、俺はコーチと言うか、マネージャー的な事をやらされると思う」
「コーチ…経験者なんですか?」
「経験者と言えば経験者なんだが…説明が難しいな」
「長野さんはね、卓上演習って戦車道の競技で何度も優勝してる凄い人なんだよ!」
武部さんや五十鈴さんの質問に困っていると、あっさりとみほちゃんが俺の事をバラす。
「へー、みほより凄いの?」
「私なんてもう何回も負けてるよー、勝てる人なんて私は知らないもの」
いかん、みほちゃんがどんどん俺のハードルを上げに上げて来ている。
そして何やらくせっ毛が愛らしい少女がキラキラした目で俺を見てくるのは、もしやバレているのだろうか。
やがて生徒会の3人がやってきて、戦車道を始める事を宣言。
例のくせっ毛の少女が戦車の種類を聞くが、そんな良い戦車が残っているとは考え難い。
倉庫の扉を開くと、案の定ボロボロな状態なIV号戦車が一台だけ。
だがみほちゃんはそんなIV号戦車に近づくと状態を確認し、行けそうだと判断したようだった。
しかしあれはD型か?ボロボロで良く分からんが。
一両だけでは話にならない、この人数では最低5両は必要だ。
「んじゃぁ皆で探そっか」
そんな生徒会長の言葉にざわつく面々、まぁ無いなら探すしか無いよな…。
武部さんが話が違うと落ち込んでいるが、会長にカッコいい教官を紹介すると言われて途端に元気になった。
教官って、戦車道なのだから女性では…いや、よそう、俺の勝手な予想で混乱させたくない。
飛び出していった武部さんと、その後を追う五十鈴さんとみほちゃん。
「長野さんも行こう?」
「あぁ…」
みほちゃんに誘われて俺も付いていく事に。
しかし会長、見事に俺の紹介をスルーしたな、1年生があの男の先輩なんだろうとチラチラ見てくるんだが。
まぁ良いか。
一路学園の駐車場へやってくるが、当然戦車なんて無い。
それより気になるのは木の陰からこちらをキラキラした目で見てくるくせっ毛の少女である。
移動すると付いてくるので、みほちゃんが意を決して話しかけ、一緒に行くことに。
秋山 優花里と名乗った彼女に、名乗り返すと、みほちゃんの事は知っているらしく嬉しそうに敬礼していた。
「俺は長野 叢真…「やっぱり!あの長野殿なんですね!?」――あ、あの?まさか…」
俺の事を知ってるのかと焦るが、彼女は目をキラキラさせて饒舌に話し始めた。
「5歳で卓上演習の大会に特別出場、優勝した上にその後も連覇を重ね、前人未到の公式戦20連覇を成し遂げた現代の孔明!そのあまりの強さと美貌から盤上のプリンス、卓上の帝王、戦場の魔術師と言う数々の異名を持つ不敗の天才!戦車道以外でもマルチな才能を発揮してギネス記録も多数持つまさに日本が生んだ奇跡!あぁ、まさか同じ学校に通えるなんて夢にも思いませんでした!」
「お、おう…」
俺の黒歴史を全部言われてしまった。
「えーっ、長野さんってそんな凄い人なのー!?」
「長野…長野…もしかして、将棋、囲碁、チェスの同時試合でプロ相手に勝利したあの長野さんなんですか?」
武部さんが驚いた様に叫び、五十鈴さんが俺の黒歴史をまた一つ穿り返した。
将棋と囲碁とチェスを同時に、それぞれのプロ相手に勝負するというテレビ企画で俺が勝利した事を言っているのだろう。
なんでそんな無茶な企画を受けた中学生の俺、そして勝ってる俺ェ。
「瓶底眼鏡なんてしてるから最初は分からなかったんですけど、やっぱり長野殿なんですねぇ!感激です、西住殿と長野殿、戦車道界の有名人にこうして会えてるなんて!」
秋山さんは好きな事になると止まらなくなる性格のようだ。
「ね、ねぇねぇ!長野さん、眼鏡取って見せて!私もテレビで見たことあるかも!?」
「いや、ちょ、やめ、やめてぇー!?」
抵抗虚しく眼鏡を奪われる。
いや、本気で抵抗すれば平気なんだが、女の子相手に乱暴な真似は出来ないので結局言葉での抵抗になるわけで。
「きゃーーーっ!すっごいイケメンっ!?なんでなんで、なんで隠してるの勿体無いー!!」
「あらぁ…確かに凄い美貌ですねぇ」
「でしょー、戦車道界隈じゃアイドル顔負けなんだよ長野さんって」
「あぁ、やっぱり私の目に狂いは無かった!感激です!」
あーもう滅茶苦茶だよ…俺は手早く武部さんから眼鏡を奪い返すと顔を隠す様に装着。
「アイドル扱いは苦手なんだ…察してくれ」
「あ…ご、ごめん…」
「すみません、はしゃいでしまって…」
「ごめんね、長野さん…」
「す、すみません!つい興奮してしまって…」
流石みほちゃんとその友人、俺が困っている事に気付いて直ぐに謝ってくれた。
「それより戦車を探そう」
「そ、そうだね、林の中とかかなぁ」
「行ってみましょう」
話を変える為に戦車探しへ。
林の中を進むと、五十鈴さんが鉄と油の匂いがすると言って歩き出す。
言われてみれば、確かに微かに鉄さびと機械油の匂いがするが…俺並の嗅覚とか凄いな五十鈴さん…。
進んだ先にあったのは38(t)…野ざらしの割には状態が良いな。
電話で生徒会に連絡、自動車部が回収するとのことだが…本当に何者だ大洗の自動車部…。
その後も無事に戦車が見つかり、5両が揃った。
しかしIV号戦車に38(t)戦車、八九式中戦車にIII号突撃砲F型、そしてM3中戦車リー…
「これ、売れ残りだな…」
「あ、あはは…」
見事に重戦車や使い勝手の良い戦車が無い、数も少ない。
これで戦車道をやれと言うのだから生徒会も無理難題を押し付けてくれる。
その後、教官がやってくるのに合わせ戦車の清掃が始まった。
全員が運動着に着替えて…失礼、約一名水着で、戦車を掃除する。
それをただ眺めていると非常に変態チックなので俺も掃除に参加する。
「ぶおっ!?」
が、突然の水が俺を襲う。
何かと思えば巫山戯た1年生が俺の方に水を向けてしまったらしい。
「あぁ!?」
「す、すみません先輩!」
「いや、気にしないでいい…」
だが顔面から浴びてしまった、眼鏡を外して髪を掻き上げ、水気を飛ばす。
「………ん?どうした?」
「せ、先輩…カッコいい…!」
「やだ、滅茶苦茶色っぽい…!」
「と言うかエロい、水に濡れてエロいよ先輩…!」
ハッ!?しまった、つい眼鏡を外してしまった!
素顔を見られた、慌てて眼鏡を付けて1年生の方を向くが…1年生だけじゃなく、バレー部や歴女チーム、と言うか全員が俺を見ていた。
「………見た?」
「「「「「見た」」」」」
「あははー、こうなったらもう長野ちゃんの事話しとくけど、実は長野ちゃんってねー」
そう言って、俺の改めての紹介が始まる。
数々の俺の黒歴史を語る会長と、恥ずかしさに悶て背中を向ける俺。
刺さる、歴女チームの「長野と言う事は、もしや長野業正の子孫!?」と言う言葉や、1年生の熱い視線。
バレー部の「スポーツも万能!?なら是非バレーのコーチも!」と言う期待。
背中にザクザク刺さりまくる!
「何をやってる、さっさと掃除を済ませないか!」
そんな状況を打破してくれる河嶋先輩の一言、助かった。
俺は視線から逃れるようにそそくさとIV号戦車の中に入り、掃除を始めるのだった。
「散らかってるけど、どうぞー」
あの後、掃除が終わった戦車は夜通しで自動車部が直すらしいが…本当に何者なんだ自動車部。
そして帰り道、戦車くらぶなどに立ち寄りながら他愛もない会話をしながら気づく、なんで俺普通にみほちゃん達と居るんだと。
話題が丁度、みほちゃんの部屋に行くという話になったので、俺は遠慮させて貰おうとしたのだが。
何故か俺まで一緒に行く事になってしまった。
ボコられグマのボコだらけの部屋、女子の部屋に入るのって何気に初めて…あぁいや、何度かあったか。
入ったと言うより拉致された、と言うが、アレは。
部屋に入ってから早速夕飯の支度を始める、が、秋山さんは飯盒でご飯を炊こうとするわ、五十鈴さんは指を切るわと微妙に役に立たない。
自然と、コンタクトを仕舞う武部さんと目が合う。
「……長野さんは行ける?」
「任せろ、自炊歴は長い」
何せ1年以上自炊している上に料理は趣味だ。
お菓子作りだってお手の物である。
「それじゃ野菜の下処理お願い」
「肉じゃがで良いんだな、任せろ」
五十鈴さんから包丁とじゃがいもを受け取り、手早く皮むき。
コツは包丁の根本を使って剥くのだ。
「まぁ、お上手なんですね」
「一人暮らしが長いし、料理は趣味だからな」
「おー、これは予想外の戦力、よーし私も」
眼鏡を装着した武部さんが合流し、夕飯の支度を進める。
出来上がった料理を更に盛り付け、俺用の皿も用意してみほちゃんのデスクを借りる。
テーブルでは4人が限界だからな。
「と言うか、男子って本当に肉じゃが好きなんですかね?どうなんです長野殿」
「都市伝説じゃないんですか?ねぇ長野さん」
「あー、恐らく肉じゃがが好きってのは少ないだろうな。家庭料理で基本となる工程を殆ど含んだ料理が肉じゃがで、肉じゃがを美味しく作れる=家事が上手いって方程式が男の中に出来上がってるんだろう。一種の目安だな、肉じゃがを作れる女性なら他の料理も美味い筈だっていう考えが根底にあるんだろう」
実際俺は肉じゃがよりカレーが好きだと話すと、そっかぁと落ち込む武部さん。
いや、美味しいぞこの肉じゃが、自信を持つと良い。
「ほんと!?やったー、イケメン王子のお墨付きだー!」
「頼むから、イケメン王子とかは辞めてくれないか…」
1年生からの渾名が王子になっていると言う衝撃の事実に、俺はどこの野菜王子なんだと落胆。
そして料理を平らげ、どうでもいいが五十鈴さん俺並に食ってないか…?
マンションの前でみほちゃんと別れ、そして残りの3人を全員送っていく事に。
一応俺も男だ、遅い時間に女の子だけで帰す訳には行かないからな。
しかし、今日だけでかなりの人数に俺の素顔がバレたな…騒ぎにならなければいいが…特に1年生。
きっとたぶん主人公の化物並の体力は使われる事のない設定と化すな(確信