働くらんらん細胞(´・ω・`)
prprしてもいいのよ?(´・ω・`)
原田たち男子とヒロインズが付き合う可能性?あるよ!(´・ω・`)
ガルパン最終章が一度も延期せずに次々に発表されて、はんたーはんたーが一度も休載せずに完結して、アインズ様が平和に心穏やかに暮らせてイビルアイと子供作って、らんらんが世界中で流行る位の確率で!(´・ω・`)
原田と華さんがくっつく可能性?(´・ω・`)
皇国の守護者の連載が再開されて実写版デビルマンの続編が作られてパヤオさんがガルパン制作に参加する位の確率であるかもしれないね、違う世界線で(´・ω・`)
そんな事より白血球さんprprしたい(´・ω・`)
「隊長…?何をなさっているのですか?」
「エリカか、見ての通りだが」
代々黒森峰の隊長が使っている、戦車倉庫脇にある小屋。
その小屋の中で、入ってきたエリカがまほの奇行を目撃しての一言。
それに対して、何をおかしな事をと言いたげな態度で返すまほ。
「あの…私には、パンツァージャケットに顔を埋めて深呼吸しているようにしか見えないんですけど…」
「なんだ、ちゃんと認識しているじゃないか。その通りだ」
その通りだ。じゃねーよとツッコミたいエリカ。
だが相手は敬愛する隊長であるまほ、そんな事は出来ない。
「しかもそれ…長野さんのジャケットじゃ…」
エリカが引きつった顔で指さしたそれは、叢真用に作られた特注のジャケット。
折角作ったので本当は叢真にプレゼントされる筈だったのだが、叢真が脱いだのをまほが回収。
そして現在はそのまほによって顔を埋めて深呼吸の対象である。
「そうだぞ。みほのジャケットに見えるか?」
「いえ見えませんけど…」
なんでそこで副隊長が出てくるの、とツッコミたいけどツッコめないエリカ。
「こうしているとな、叢真の温もりや香りを感じられて安心出来て、胸がぽかぽかするんだ…お前も体験してみるか?」
「い、いえ、遠慮しておきます…」
戻れなくなりそうなので、と心の中で付け足して遠慮するエリカ。
「そうか。さて、堪能したしもう香りも薄くなったから洗濯に出して保管しないとな」
「でしたらそれは私が…」
「私がクリーニングに出しておきますよ」
「きゃぁっ!?居たの小梅!?」
「はい、ずっと後ろに」
「声かけなさいよ怖いわね!?」
叢真が使ったジャケットを綺麗にして次に使う時まで保管する事にしたまほ、そんな雑用は自分が…と名乗り出たエリカだが、背後から突然赤星が名乗り出たので思わず悲鳴を上げるエリカ。
まほの姿にインパクトあり過ぎて気付かなかったからか、赤星の気配遮断が高いのか。
「備品の買い出しがありますから、一緒にクリーニング屋さんに出してきますよ」
「そうか、なら頼む。代金は戦車道で出す」
「はい、では行ってきます」
まほからジャケットと帽子を受け取り、小屋を出ていく赤星。
それを見送るエリカが振り返ると、名残惜しそうにしているまほ。
「もう少し堪能してからにするべきだったか…」
「はぁ……」
憧れの隊長の見たくなかった姿に、ハイライトが仕事放棄しそうになるエリカ。
これも長野さんが悪いのかな…いやいや本人が知らない責任まで押し付けるのは可哀想…と悩むエリカ。
叢真効果でぽんこつ化しているまほを元の頼れる隊長に戻すのが、エリカの今後の課題である。
「これ…みほさんに真空パックで送ったら喜んでくれるかしら…ふふふ」
クリーニング店までの道を歩きながら、ジャケットに顔を埋めて深呼吸する赤星。
その目のハイライト先輩は、転校しちゃった模様。
ショートコーナー、今日の大洗~一般女子生徒の日常~
「ねぇ今日どこ寄ってく?」
「たまには外縁部のお店行こうか」
「いいねー」
女子高生の放課後らしい会話をして歩く女子生徒達。
これが黒森峰なら今日の練習どうする?たまには体力作りを重点的にやろうか。いいねーとなる、悲しい。
校門への道を歩いていると、遠くの方で轟音が響いた。
「あ、戦車道の練習かな。毎日大変だよね、戦車の練習したり整備したり。作戦とかも全部自分達で考えてるんでしょ?」
「西住さん格好いいよねー、プラウダ戦での姿、すっかりファンになっちゃったよ」
「自動車部の先輩達も格好いいよね、下手な男子より素敵だもん」
きゃっきゃっと笑いながら自分達の学校が誇る戦車道履修生達の事を話す生徒達。
全校生徒(最下層の連中は除く)が戦車道履修生達の活躍は知っているし、その結果自分達の学校が廃校の憂いから解放された事も伝わっている。
決勝戦は大勢の生徒が応援に駆け付けたし、現地に行けない生徒の為に学園内に特設ステージまで用意した。
その為に、優勝した戦車道チームはアイドル状態である。
おまけに可愛い子も多いので、男子もファンが多いのだが…。
「長野くんも、今戦車道の活動の一環で他の強豪校に視察に行ってるんだってね」
「やっぱり有名人だとそういう仕事があるんだ…あ、私長野くんのプロマイド買っちゃった~、アンツィオ版だけど」
「いいなー、私も通販で買っちゃおうかな、サンダース版の奴」
話題に登る叢真、戦車道の生徒達が人気になっても全然男子と接点がない理由が、彼である。
戦車道の元アイドルで大会連覇記録保持者、おまけにイケメンで性格は紳士、そして砲弾を振り回す。
そんなのが傍に居ては、みほ達に手出し出来る男子など居ない訳で。
あと叢真の友人である斎藤が怖いという理由もある。
中には原田のように叢真をライバル視して勝負を挑むのも居るが、残念ながらみほ達からは名前どころか存在すら認識されていない。
まさか叢真(と斎藤)のせいでモテるチャンスが消滅してるとは、沙織も思うまい。
まぁその代り、同性の後輩や同級生からは人気(モテて)なのだが、沙織は。
「でも流石に今から戦車道を選ぶのは…ねぇ…」
「ついて行ける気がしないよね…戦車も無いらしいし」
「長野くんと仲良くなれるチャンスだけど…バレー部の事もあるしねぇ」
苦笑して肩を落とす生徒達。
彼女達もみほ達の活躍を見て戦車道に興味を持ったのだが、桃の罵声が飛ぶ隊列訓練や傍から見て過酷と分かる操縦訓練、自動車部のとんでも整備能力、その他いろいろな練習。
それらを見ていると、とてもじゃないが今から入るのは無理だと思う生徒達。
叢真が練習を手伝っているバレー部なら…と思って参加した生徒達が、過酷過ぎるバレー部の練習に逃げ出した噂も広がっている。
男子生徒でも「無理ゲー」と言う程の訓練なのだ、そりゃ逃げても仕方ない。
戦車の練習した後にそんな練習をするバレー部がおかしいのである。
「あと西住さん…戦車に乗ると性格変わるらしいし…」
「うん、軍神って呼ばれてるんだってね…」
「私この前、なんか凄い怖い雰囲気の西住さんが、長野くんを正座させて説教してる姿見たよ…」
声のトーンを落として会話する生徒達、戦車に乗ると性格が変わる人が居る(優花里)、軍神と呼ばれている(ネット)、あの長野叢真を正座させて説教が出来る(おねこ爆弾事件)。
それらの情報が混ざって、みほは彼女をよく知らない生徒からは「一見優しそうだけど戦車に乗ると性格が代わって軍神として君臨している凄い人」と思われている。
悲しい連想ゲームの結果である。
「あれだね、遠くから応援するのが1番だね…」
「うん、間違っても敵に回しちゃダメだね」
「自動的に戦車道履修生と長野くんも敵に回るもんね…」
冷や汗を流す生徒達、実に正しい対応である。
なお叢真を敵に回した男子が一部居るが、どうなったかはあえて語るまい。
こうして今日も、みほは自分が知らない所で恐れ敬われ、噂されるのだった。
BC自由学園の場合
「さて…やってきたは良いが迎えは無しか…」
BC自由学園の学園艦、その最上部のゲートに立つが、見渡す限りでは迎えの姿はない。
一応今日到着する事は伝えてあるが…学園に直接来て欲しいとあるし、迎えは居ない模様。
まぁその方がこっちとしてはありがたい。
アンツィオとか黒森峰みたいな歓迎はもう勘弁して欲しいから。いや本当に。
1番理想的なのが聖グロだったな、顔見知りの子1人だけってのが安心出来る。
いやその後初対面の下町系お嬢様が追加されたけど。
プラウダは初対面でその上ロシア語が基本な人来ちゃったし。
ゲートから出て街を歩いていく、基本的に学園艦の中で1番大きな建物が校舎なので一発で分かる。
学園艦によっては工場とか大きな建物があったりするけど、サンダースみたいに。
「フランス風か…本校がマジノ女学院なんだから当たり前か」
フランス風の建物や街並みを眺めながら歩く、いやフランス行ったこと無いけど。
そもそも俺海外行ったこと無い。
世界大会だけは出場辞退してたからな、俺。
他所の学園艦行けばそのモチーフにした国の文化や料理は体験出来るしなぁ…。
アンツィオとか。ローマよりローマしてるし。
あと言葉が100%通じるのが安心出来る。
プラウダだけはロシア人が住んでる事もあって何とか覚えたけど。
あとイタリア語も一応行ける、英語も日常会話レベルなら大丈夫だし。
でも東北弁は勘弁な!
ニーナとアリーナの会話に一切入れなかった苦い思い出がある…。
「特産品はワインか…そういやマジノもワインが自慢だったな…」
お店で売られているワインやぶどうジュースの瓶を眺める。
名産と書かれており、BC自由学園でぶどうを生産し、マジノに送ってワインにしていると書かれている。
そういやマジノじゃ授業でワインとぶどうジュース作りをしてるんだよな、しかも律儀に伝統製法である足踏みワイン。
その為だけに女子校として設立されたらしいし。
女子中高生が作る足踏みワインとして、大人気らしい。
これだけ聞くと変態くさいが、まぁ伝統製法らしいから味がいいんだろ。
そうだと思いたい、女子中高生の足踏みだからって理由だと世の酒飲みの印象が変態一直線である。
で、分校であるBC自由学園でもマジノに倣って足踏みワインやジュースを作っているとの事。
後はフランス風なだけあって、それに倣ったお土産や名産が多い。
あんまりフランス料理って縁がないからなぁ…俺高級料理より屋台とか下町の味の方が好きだし。
たぶんアンツィオが原因だな、あとサンダース。
街中をヘリが飛んでいたり、スクーターで走る生徒が居たり。
日傘さしてたりフランスパンを持っていたりと、全体的に優雅な印象が強い。
「あのお姉さんが言ってたような荒れてる印象は無いな…」
実に平和だ。
そんな感想を懐きながら学園に近づくと、何やら大声が聞こえてくる。
「なんだ…?」
1人2人が騒いでいる声じゃない、大勢が叫んでいる声だ。
少し足早に街を駆け抜け、十字路を曲がると、その原因が目に入る。
「定食ーーー!定食ーーー!!」
「学食に定食を!うどんを!蕎麦を!!」
「ノーモアエスカルゴ定食!ノーモアフォアグラ定食!!」
プラカードや横断幕を持って叫んでいる、生徒達。
「そんなモノを入れたら品が下がるわ」
「これだから外部生は…」
「ナイフやフォークが使えるようになってから口を開いて下さる?」
そんな生徒達と対立するようにして立つ生徒達。
前者は気が強そうな…けどぱっと見普通な感じの女子生徒達。
対して後者は、日傘や豪華な扇子などを持った、いかにもお嬢様という雰囲気の生徒達。
髪型もそんな感じである。
「もうカタツムリや脂っこいフォアグラは飽き飽きなのよ!」
「日本なんだからうどんやご飯があるべきでしょう!」
「カタツムリじゃないわ、エスカルゴよ!」
「なんて横暴な、BC自由学園の生徒としての誇りはないのかしら」
先頭に立つ生徒達が言い合う。
前者の生徒達は一致団結して抗議しているが、後者の生徒達は一部が対抗しているだけで後は冷めた目で見ているだけ。
「あー……対立ってこういう事ね…」
食文化の対立かぁ…これは根が深い問題だぞぉ…。
恐らくだが、前者が高校から入ってきた受験組、後者のお嬢様達がエスカレーター組なんだろうな。
長年フランス風の校風に慣れてきたエスカレーター組と、途中から来た受験組じゃ、その辺の感覚が噛み合わないのだろう。
と言うかエスカルゴ定食とかフォアグラ定食とか、凄いの出してるなBC自由学園の食堂。
エスカルゴ定食というパワーワード、フォアグラ定食はどっかで聞いたけど。フォアグラハンバーグ定食だっけか。
受験組のプラカードには「食卓に醤油を」とか書かれてる。
え、無いの醤油?日本人には致命傷じゃないかそれ?
よく平気だなエスカレーター組…中学生の時からそれだから慣れてしまったのだろうか。
しかし徹底しているなBC自由学園…他の学校じゃモチーフの国の料理以外にちゃんとうどん蕎麦ラーメンあったのに。
黒森峰でもちゃんと食堂のメニューにあったぞ、カレーうどんとか。
因みにアンツィオの料理はイタリア“風”料理が主である、屋台で本格イタリア料理とか学生には無理だからな…。
普通にたらこパスタとか売ってる、俺も大好物だ、ペパロニが自分のパスタ以外が良いんスか…って泣きそうになるからこっそり食べてるけど。
意外と思われがちだが、聖グロだってちゃんと日本食が提供されてる。
ダージリンだって夏にはそうめん食べるんだゾ。
しかも流しそうめんでな!自分達で竹切って作るんだぞ、戦車道乙女のあの行動力と熱意は何なんだろうな。
オレンジペコとローズヒップ、ニルギリは1年生だから未経験か、今年もやりそうだな…。
去年はダージリンがザルごとひっくり返して全部流したから途中で詰まって、大変な事になった。
アッサムさんに怒られてその後はルクリリが丁寧にやってくれたけど。
大洗でもやるかな…どっかに竹藪あったかなと考えながら、言い争いを続ける群衆に近づく。
いや、近付きたくないけど、学園の中への道がここしか見当たらないんだよね…。
邪魔にならないように通り過ぎようとしたら、睨み合っていた視線が突然俺に向いた。
え、何、俺何かした…?
「貴方…ここは女子校よ?何堂々と入ろうとしてるの?」
「そうですわ、この先は観光地ではないのですよ」
双方の代表っぽい子に咎められた、言われてみれば当然である。
今まで巡った学校は案内が居るか、何度も訪れた学校だから特に咎められなかったけど。
先に守衛とか探せば…でもそんなの見当たらなかったしな。
「えぇっと、俺は用事で戦車道関係者に会いに来たんだけど…」
「はぁ?戦車道?男なのに?」
「ちょっと貴女、お止しなさい。怯えているじゃありませんの。大丈夫ですか?あちらの生徒達は野蛮で下品ですので近づかない方がよろしいですわよ」
「ちょ!何突然良い子ちゃんぶってるのよ!?」
素直に戦車道の人に用があると伝えたら、余計に俺を睨む受験組、対してエスカレーター組の人が俺の手を引いて受験組から遠ざけながら笑う。
その対応に当然怒る受験組。
「まぁ失礼な。用があって訪れた殿方に牙を剥くなんて下品なんですから。それで、素敵なお方、何か証明になる物はございますかしら?」
「ちょっとアンタ!相手がイケメンだからって何色目使ってるのよ!?」
「失礼な!淑女として正しい対応をしているだけですわ!お黙りなさい!」
「えぇっと……一応連盟からの視察依頼で、こちらの学園の戦車道から招かれたんだけど…はいこれその書類」
リュックから書類を取り出して見せる、ちゃんと俺の名前と連盟のサインが入っている。
警察も納得して解放してくれるちゃんとした書類である。
「確かに…日本戦車道連盟のサインもありますわね。失礼しましたわ、ようこそBC自由学園へ、歓迎いたしますわ素敵なお方」
「は、はぁ…ありがとうございます…」
それは良いんだけど、なんで寄り添ってくるの。
「ちょっと!何盛ってるのよ、その人が困ってるでしょ!」
「失礼な!誰が興奮した雌猫ですの!?」
「何が雌猫よ、アンタなんか盛りのついた犬よ犬!雌犬よ!」
わぁお、口が悪い。
雌犬言われた方は顔を真赤にして閉じた扇子をギリギリ言わせている。
「いやー、大変失礼しました、ちゃんとした訪問ならそう言って下さいよお兄さん。それで、戦車道でしたね、それならこの先の場所に戦車倉庫があるんですけど、道が分かりにくいから案内しますよ」
「い、いや、別にそこまで…」
「まぁまぁ良いから良いから!」
先程まで不審者を見ている目だったのに、急に好意的になった。
ちょっと女子~、態度急変過ぎない?
「まぁなんてはしたない!相手が素敵な殿方と分かった途端にこの態度の変わり様…これだから外様は」
「最初から色目全開の淑女(笑)には言われたくないわね!なぁにが素敵なお方(ぽっ)よ!この温室育ちのなんちゃって外国人が!」
「失礼な!列記とした日本人ですわよ!」
「ならうどんやご飯を認めなさいよ!日本人のソウルフードでしょうが!」
「それとこれとは別問題ですわ!なんでもかんでも食べ物につなげて、浅ましいったらありはしないわ!」
「あの、もう行っていいかな…」
俺を挟んで喧嘩しないでくれます?なんで2人共俺の腕を引っ張りながら喧嘩するの?ねぇなんで?
「お兄さんもそう思いますよね!?日本の学校なのにうどんとかご飯とか醤油が無いなんてあり得ないですよね!?」
「そんな事ございませんわよね!?伝統と気品、その為に必要な料理なのだから守るのは当然ですわよね!?」
わぁい飛び火したぞぉ。
食に関しては根深い問題だから触れたくないんだけどなぁ、俺部外者だし。
でも仕方ないからそれっぽい事を口にする。
「双方の言うことも分かるけど、食ってのは生きる上で大事な事だ。お互い譲れない物があるだろうけど、そこは冷静に話し合いの場を設けて、ちゃんと理由を添えて話すべきだと思う。食べる事は生きる事だ、そして色々なモノを食べるのは人生を豊かにする、ここは一度、冷静になって双方の主張を考えるべきじゃないかな。戦争してるんじゃないんだ、譲歩する事だって可能な筈だから。それに、こんな事で争ってたら、折角の可愛い顔が台無しだよ?」
「「か、可愛い…!?」」
どうだ!?俺必殺のそれっぽい事を言ってお互いに考えさせる作戦!
最後に容姿を褒めておけば大抵の女性は矛を収めてくれる!アイドル時代の苦い経験からの方法だ!
なんで容姿を褒めると矛が収まるかは知らんけど!(口説いている事を理解してない
「………こ、今回はお兄さんに免じて引き下がってあげるわ…」
「……こ、こちらも、少しは考えて差し上げますわ…」
顔を赤くしながら双方俺を引っ張るのを止めてくれる。
良かった助かった…。
後ろに並んでいた生徒、特に受験組がブーブー言っているが、代表だったらしい生徒が宥めて解散させている。
食の問題は根深いからなぁ、これで解決するとは思えないし。
と言うか、食堂を運営している所が納得しないと駄目な訳だし。
学園なら要望を集めて出せば通るだろうけど、生徒が運営してると生徒会とかの管轄かな…。
大洗だと水産科・農業科・栄養科で学校の食堂は運営されている。
食堂のおばさんこと免許持ちの職員が居るが、作っているのは大半が生徒である。
「さて、素敵なお方。戦車道でしたわね、それでしたらこの先の倉庫で練習を行っておりますわ、ささ、私が案内を…」
「ちょっと待ったぁ!何さらっと人の役目奪ってるのよ!?これだからエスカレーター組は…!」
「なんですの、私の親切心を侮辱する気ですの!?」
まーた始まったよ…本当は仲良しだろ君ら…。
「この先ですね、1人で行けますから結構です。では失礼します」
「「あぁ!そんなぁ…!」」
もう付き合っていられないので睨み合う2人の間を抜けて校舎の先へ。
周りの生徒、特に受験組に写真撮られてるけど、まぁいいか。
全く、学園に着いたと思ったら変な騒ぎに巻き込まれた。
あのお姉さんが注意するだけはあるな…。
暫く通路沿いに進んだら、校舎から隣接する大きな倉庫が見えてきた。
あれが戦車倉庫か…規模はそれなりに大きいな、サンダーズやプラウダ、黒森峰ほどじゃないけど。
おっと、また何か言われないように書類を出しておくか。
書類と言っても、戦車道連盟が発行した身分証みたいな物だ。
連盟のサインと俺の名前と写真、そして訪問理由が書かれている。
そんなに大きくないので折って財布に入れておいた。
なので聖グロを飛び出した時も置いて行かずに済んだ。
これが無かったら補導からの学園と連盟への連絡コースだったな…危ない危ない。
後で聖グロに置いてきた荷物回収しないとなぁ…でも行きたくないなぁ恥ずかしいから。
書類片手に歩き出すと、戦車倉庫前に並ぶ戦車が目に入る。
「えーと、あれなんて戦車だっけ…」
急な訪問なので、保有戦車の資料が無い。
マジノと同じでフランス製戦車を配備してるらしいけど、俺フランス戦車はルノー系しか知らんし。
えーとなんだっけ、マジノ相手にした時に見た…ソミュアだっけアレ。
あっちのデカいのはマジノでも見なかったな…。
仕方ないので携帯を取り出して写真を撮って、情報求むと書いたメールに添付して送る。
すると直ぐに返信が来る、やけに早いな。
『ごめん!砲撃戦中でゆかりん手が離せないの!by沙織』
ありゃ、今紅白戦中か。
秋山さんと武部さんには悪いことをしたな、謝罪のメールに返信不要と書いて送っておく。
タイミングが悪かったな…そうなると…ちょっと気が進まないがあの人にお願いするか。
同じメールを送信すると、今度は電話が来る。
「もしもし」
『貴方の夜の諜報員、アッサムよ』
ハハ、開幕下ネタジョーク、飛ばしてるなこの人。
冷静沈着なお嬢様な癖に、ブラックジョークとか下ネタ大好きだからなこの人、油断ならない。
『メール見ましたわ、フランス製戦車ですね。何が聞きたいのかしら?』
「性能と特徴、あと弱点があれば」
『了解ですわ。先ずは1枚目の写真の戦車、ソミュアS35騎兵戦車。機動力が高くて航続距離も長い、火力はまずまず。弱点としては火力が頼りないって所かしら。八九式に比べたら格段に上ですけど』
おいやめろ、八九式を虐めるんじゃない。
『2枚目の戦車はARL44でしょうね、大洗でも使っているルノーB1bisを参考にして作られた、厚い装甲と強力な主砲を持つ重戦車…なのですけど、B1bisを参考にしたからか足回りが悪くて機動性に欠けるのが弱点ですね。校章からみてBC自由学園かしら、我が聖グロリアーナを飛び出してそんな所にまで渡るなんて…浮気症な人ですね』
流石のデータ主義のアッサムさん、すらすらとデータが出てくる、たぶん愛用のパソコンを操作しているのだろうけど。
因みに秋山さんはパソコンなんて使わずに全部暗記している、性能からスペックデータ、使われた戦争から逸話まで全部。
やっぱり大洗の生徒はおかしい(確信
膨大な知識に加えて、高速装填が出来る身体能力に高いサバイバル能力、偵察としての能力に加えてみほちゃんに助言や進言も出来る戦術理解度と発想、更に砲手も通信手も操縦手も出来て車長もたぶん出来る。
あれ、あんこうで1番凄いのって秋山さんじゃね?
他の4人はそれぞれ一芸特化型だけど、秋山さんだけオールマイティーな上に全能力が高いという…。
この事が知れたら、みほちゃんに次いで引き抜きの話が殺到するな、秋山さん…。
因みにみほちゃんは操縦が下手である、俺より下手である。
「情報ありがとうございます、助かりました」
『この程度ならいつでも。それより長野さん、また仮面ライダーに出演なさるんですって?恥ずかしがる割には意欲的なんですね、完成を楽しみにしてますわ』
「え……」
なにそれ俺知らない。
『あらやだ、ダージリンが呼んでるわ。それじゃ長野さん、またお会いしましょう。あぁ、置いていった荷物はルクリリが管理していますからご安心を。では』
そう言って電話が切れる、切れる直前にダージリンの『こんな言葉を知ってる?』と聞こえたが丁度切れた。
「えぇー……」
呆然と携帯を見る、俺また仮面ライダーやるの?聞いてないんだけど。
アッサムさんも何でそんな事を知って…あぁ、そう言えば聖グロには情報処理学部とかいう諜報組織があって戦車道のバックアップしてるんだっけ…。
道理でアッサムさんが俺のプライベートよく知ってる筈だよ…こわいなー、とづまりすとこ。
予想外の情報で俺の精神力が削られたが、BC自由学園の戦車の特徴と性能は知れた。
本人達に聞けば良いだろって?
それがね、他所から見た情報って大事なんだよね。
何せ戦車道の選手にとって、戦車は大事な相棒。
だから良い所はとことん褒める、けど弱点は言わないか誤魔化す。
なので客観的な情報は重要なのだ、戦車道の実戦指揮に関わるようになってから学んだ。
さて、情報も得られたし責任者に会って最低限の仕事はするかな。
サンダースみたいにパーティーして帰って許されるような仲じゃないし。
初めての学校だし、教師とか学園長に挨拶も必要になるかもしれないな…。
「そこの君、何をしているんだ」
さて誰に声をかけようかと探してたら、逆に声を掛けられた。
視線を向けると、金髪でセミロング風の、美人だが可愛いより格好いいという容姿の女子生徒が立っていた。
後ろには同じ格好をした生徒が多数、何となくお嬢様っぽい印象が強い。
校門の所で争っていた生徒達、そのどちらとも違う服装…パンツァージャケットかな?
となると戦車道の選手か、丁度いいな。
「困るな、部外者の、しかも男性が勝手に立ち入っては。ここは女子校なんだぞ」
「突然失礼します、自分はこういう者なのですが…」
警戒している様子の生徒に、書類を見せようとする。
「ふむ…なるほど。そういう事か」
「え?」
だが相手は書類を見ずに、俺の肩に手を置いて上目使いで挑発的に見つめてくる。
「この押田のファンなんだろう?私に会いたいあまりに学園にまで潜入するとは…いけない子だ」
「は?」
何この人、突然妙な事を言いだしたぞ。
「男性のファンは初めてだが、そうか私もそこまで有名になったか…ふふ、歓迎しようじゃないか、私の可愛い子犬ちゃん」
「は?」
何この人、急に馴れ馴れしく肩組んできたぞ、え、そっち系の人?
ヅカなの?タカラなヅカ系なの?
なんだよ子犬ちゃんって、俺そういうイメージないよ、みほちゃんに犬で例えたらシェパードとか言われたよ。
なおケイさんからはシベリアンハスキーとか言われた、眼力が似てるとか何とか。
「おい押田、何をしてるんだ、その男子はなんだ?」
俺が押田という女性に困惑していると、別の方からやはり同じパンツァージャケットを着て帽子を被った女子生徒を先頭に、選手達が歩いてくる。
こちらの選手達は、お嬢様っぽい雰囲気がない、受験組と似た雰囲気だ。
「ふん、君には関係ないだろう安藤。あぁいや、紹介して上げてもいいかな?私の可愛いファンだからね」
「は?」
「はぁ?」
俺の声と安藤と呼ばれた、浅黒い肌に三白眼っぽい目をした女性の声がシンクロする。
「見たまえ、私の男性ファン第1号だよ」
そう言って俺を安藤と呼ばれた生徒の方に向ける、凄い勝手な事を言われてるんですけど何なのこの、何なの。
「お前のファンだと……?ん……?どっかで見たような…?」
「ふふん、悔しいかい?そうだろうそうだろう、こんな極上の男子が私のファンとしてわざわざ学園に侵入してまで会いに来たんだからね!」
俺の顔を見て何やら思い出そうとしている安藤という女子に対して、芝居がかった動作で勝手な事を言う押田という女子。
やっぱりヅカなの?タカラのヅカなの?月組なの?
「…………いや、違うね」
「なに?」
「この安藤のファンなんだろう?青年!」
「は?」
グイッと手を引かれて安藤という女子の方に引っ張られた、そして勝手な事を言われた。
だからなんでそうなるの?飢えてるの?ファンに飢えてるのここの人達?
「貴様!安藤、その手を離すんだ、美麗な花が怯えているじゃないか!」
「分からないか押田?彼は歓喜に震えているのさ、この安藤の前にな!」
「いや、意味がわからないよ」
助けて魔法少女、あ、駄目だそんなの居ないわこの世界。
魔法少女マジカル☆パンツァーとか言う企画はあったらしいけど。
戦車召喚して戦う魔法少女、エグいと言われてお蔵入り。
なおモデルが西住流と島田流の家元だったので捻り潰されたという噂がある。
しほさんとあの人の魔法少女姿か……何故だろう、豚みたいな顔した生物が「見せられないよ!ウワキッツ」とか書かれたプラカード持って遮ってくる。
そんな下らない事を考えている俺を挟んで、言い合いを続ける女子2人。
周りの生徒はそんな俺達を囲んでそうだそうだーと煽っている。
何この状況…。
「汚い手で高嶺の花を汚すのはやめてもらおうか!」
誰が高嶺の花だよ、そんな扱い受けたこと無いわ。と言うか男に向ける言葉じゃないぞ。
「お前こそ、温室育ちの世間知らずの癖に勝手な事を言うな!青年とは世界が違うと理解しろ!」
これ案に俺が庶民って言われてる?いや確かに庶民だけどさ。
「こんなに美麗な美貌が貴様ら外様と同じだと?バカを言うな、彼はこちら側だ!」
「いいや違うね!青年から感じるオーラはお前達バカ貴族とは違う、こちら側の物だ!」
なんでそんな事分かるんですかね…俺無意識で庶民オーラ出してるの?
俺の前で拳の応酬を始める、押田と安藤。
このやり取り知ってる、進研ゼ…違う、さっき見たやつだ。
2人の言い合いから察するに、押田という生徒側がエスカレーター組、安藤という生徒側が受験組か。
本当に戦車道内でも争ってるのか…よく続いたな戦車道。
「この分からず屋が!」
「お前こそ!」
片や蟷螂拳みたいなの、片やよく分からない構え。
なんだこのキャットファイト。
あれ俺何しに来たんだっけ?
あぁそうか、名産のぶどうジュース買いに来たんだった、早く買って郵送してもらって帰らないと。
アライッペが俺を待っている(錯乱
「すと~~~~~っぷ!!」
「「!?」」
「大洗に帰ろう…そうしよう……ん?」
帰ろうとしたら、突然聞き覚えのある声が響いた。
掴み合ったまま止まった2人と同じ方向を見ると、人垣の上に掲げられたファー付きの扇子が。
すると人垣が割れて、その先には扇子を掲げている少女と、それに付き従う様に立つ生徒が2人。
全員パンツァージャケットを着ている。
また増えるのかとげんなりしていると、先頭の少女は優雅に扇子で自分を仰ぎながらやってきて俺の前で掴みかかった状態の2人の前に立つ。
「押田、安藤。どいてちょうだい」
「「は、はい!」」
慌てて組み合いをやめて姿勢を正し、後ろに下がる2人。
それに満足そうに頷くと、扇子を閉じて後ろに控えていた1人に手渡す。
「さて…Mon cheri!叢真様!」
「うお――ッ!?」
そして突然俺に向かってダイブ。
頭突きかと思ったが、手が腰に回されたので抱きついて来たのだと理解。
なんだなんだ突然!?
「お会いしたかったわ、叢真様。貴方のマリーよ、忘れてないわよね?」
「ま、マリー…?マリーって……マリーか!?」
「そうよ、マリーよ!ようやく会えたわ、もう、許嫁をこんなにも放置するなんて酷い旦那様ね!」
「「い、許嫁!?マリー様の!?」」
突然の事に驚く、俺と周りの生徒達。
驚いてないのは俺の胸の中に居る少女…マリーとそのお付きの生徒2人だけ。
1番驚いているのが先程まで喧嘩していた2人。
「ようこそわたくしの学園に、歓迎しますわ叢真様!」
そう言って笑うのは、あの日の笑顔のままのマリーだった。
どうしてこうなった。
ざますさんが居ない?ごめんなさい、それ次回作からなんですよ(´・ω・`)
どうしてこうなったまほりんと小梅さま、黒森峰の天使枠はエリカチャン!(´・ω・`)
なお苦労人というポジも付いてくる模様(´・ω・`)
クソ雑伏線回収(´・ω・`)
BC自由学園組は資料が少ないから妄想で補っております(´・ω・`)
エスカルゴ定食というパワーワード(´・ω・`)
大洗パークホテルで食べられるそうです(´・ω・`)
らんらんはそれより鉄板ナポリタン食べたいわ(´・ω・`)ズビズバ