ガルパン日和   作:アセルヤバイジャン

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ほのぼの(純愛)が大好きです(´・ω・`)


ほのぼの(肉食)もしゅき(´・ω・`)


そのなな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラウダ、黒森峰も順当に勝ち上がっていく全国大会。

 

次のアンツィオ戦に向けて入念な準備を続ける大洗学園。

 

そんな大洗で俺は監督として……

 

「次!近藤!」

 

「はい、お願いしますっ!」

 

何故か、バレーをやっていた。

 

いや、本当になんでだ、その監督じゃないぞ俺。

 

「根性ー!」

 

「根性も良いが相手をよく見ろ!」

 

「はいコーチ!」

 

もうすっかり磯辺さんからコーチ呼びだよ俺。

 

おかしい、俺は一応戦車道の監督役の筈なのに、何故バレーを…。

 

あれはそう、確か戦車道の練習が終わって…。

 

「コーチ!バレーの指導も是非お願いします!」

 

「は?ば、バレー?」

 

「はい!運動神経抜群と噂のコーチなら、きっと私達をもっと上の段階まで引っ張り上げてくれると信じています!」

 

何その無駄に厚い信頼。

 

俺別にプロじゃないよ、ちょっと卓上競技が得意なだけの男の子だよ?

 

そう説明しても、磯辺さんの熱意は曲がらず、そしてその後ろで熱い視線を向けてくる残りのバレー部のキラキラとした視線も止まらない。

 

ま、まぁ、練習を見るだけなら…そう折れたのが俺である、情けない。

 

だが逆に考えよう、これも一種の監督と隊員とのコミュニケーションだと。

 

試合中俺に出来る事はなにもない、だからこそ、試合前や試合後のコミュニケーションが大切になるんじゃないかと。

 

俺への信頼が生まれれば、俺が立てた行動指針にも従ってくれるだろう。

 

そんな事を考えながら、バレー部の練習するコートにお邪魔し。

 

「河西!そんなアタックで相手のブロックを通せると思うのか!こうだ、手首のしなりを生かして鞭のように撃つんだ!」

 

「なんて強いアタック…勉強になります、コーチ!」

 

「ブロックは相手の予兆を見逃すな、必ず動作の切っ掛けが出る、それを見逃さずに飛べ!」

 

「はいっ、もう一回お願いしますっ!」

 

気付いたらなんか熱血コーチをやっていた。

 

これで良いのか俺、確かにバレー部の信頼得てるけどなんか違うんじゃないのか俺。

 

「これで良いのだろうか…」

 

「コーチ、もう一本お願いします!」

 

「よし、行くぞ!」

 

とりあえず終わってから考えよう。

 

「思うに、監督はコミュニケーションが足りない」

 

「ぐっ、痛い所を…」

 

「よって、今度は我々と語り合おうじゃないか!」

 

バレー部の指導を終えた俺を待っていたのは、歴女チームのエルヴィン。

 

左右を左衛門佐とおりょう、背後をカエサルに囲まれた。

 

歴女包囲網…!逃げられない…!

 

「それで、長野殿はどの偉人が好きなのだ?ん?」

 

「やはり長野殿は長野業正の子孫なのか?」

 

「イタリア語やラテン語には興味は無いか?」

 

「幕末史について語り合うぜよ」

 

あ、違う、こいつら俺とのコミュニケーションじゃなくて自分達の趣味に染めたいだけだ。

 

怪しいオーラを放ちながらジリジリと近づいてきているのがその証拠だ。

 

やめろ、やめてくれ、俺はそっちの世界には行きたくないんだ、ソウルネームなんて要らないんだ!

 

黄金の獣とか俺には到底似合わないんだ、だからこれ以上変な渾名は増やさないでくれ、アッアッア!

 

 

 

 

 

 

「あれ?長野さんは?」

 

「なんか、ちょっと旅に出るとか言って今日はお休みなんだって。麻子届けてそのまま消えちゃったよ」

 

「旅ぃっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗でみほちゃんが驚いている気がする。

 

早朝に冷泉さんを届けて、その足で大洗学園艦の飛行場へ。

 

昨日の内にチャーターしておいた飛行機に乗り込み、俺は大洗の学園艦を飛び出した。

 

いや、別に本当に逃げ出した訳じゃない。

 

丁度いいので偵察代わりにアンツィオへ顔を出しに行くことにしたのだ。

 

何だかんだでアンツィオには縁がある、低迷していた戦車道を盛り返す為に、中学時代から何度も招かれているからだ。

 

アンツィオは大洗と同じで戦車道が衰退し、現在やっとアンチョビが立て直しに成功した所だ。

 

俺がアンツィオを率いた中学時代なんて、履修生が少なくて本当にギリギリの車両数で勝負する事になっていた。

 

聖グロが慢心全開で、同じ車両数で勝負すると言い出さなければ危なかっただろう。

 

その後、アンチョビが入学して立て直しを開始し、2年生のペパロニとカルパッチョの助けを借りて、現在は1年生だらけだが42人にまで履修生が増えたと聞いた。

 

一回戦の相手のマジノ女学院にも苦戦しつつも勝利した事から、その練度も高くなっている事が伺える。

 

「間もなくアンツィオ高校学園艦上空です」

 

「ありがとう」

 

パイロットの言葉に答えながら、パラシュートの準備をする。

 

着陸?しないしない、お金がかかるからな。

 

それに何処からの飛行機か記録が残るから、俺が大洗に住んでいる事がバレてしまう。

 

故に俺が他の学園艦に移動する時は何時も上空までチャーターした飛行機で飛んで後はパラシュートである。

 

船で入るとそっちも追跡されてしまうから、これが一番確実なのだ。

 

まぁ……馬鹿な方法だとは俺も思う。

 

だが父親に相談した結果、推奨されたのがこの方法で他に良い方法も無かったので…。

 

中学時代はこの移動方法で良く全国各地の大会に赴いていたものだ、無駄にお金かかってるって?知ってる(震え声

 

ストーカーに付け狙われていた時は有効な手だったんだよ…。

 

「お気をつけて」

 

「行ってくる」

 

パイロットの見送りの言葉に片手を上げて答え、大空へ飛び出す。

 

眼下にはアンツィオの学園艦。

 

もう何度も降下しているので着地地点は見慣れている。

 

コロッセオ近くの大通り、生徒や観光客が行き交うそこに、狙いを定めて滑空。

 

限界高度に達した所でパラシュートを開いて着地に備える。

 

丁度人気がない場所を選び、衝撃を殺すようにして着地。

 

風に流されるパラシュートを、手早く回収していく。

 

観光客が何だ何だと騒ぐが、逆に生徒は俺の事を知っているので手を振ってくる。

 

「きゃー!長野さーん!」

 

「来てくれたんですねー!」

 

「やぁ、お邪魔するよ」

 

外行き100%の笑顔で生徒に手を振る、中学時代散々鍛えられた営業スマイルだ。

 

当然眼鏡はしていない、だから知っている生徒からは熱い歓声が、知らない生徒は釣られてキャーキャー言っている。

 

相変わらずノリと勢いが良い、戦車道履修生は更にノリと勢いが良い。

 

「アンチョビはコロッセオかな?」

 

「はい、丁度今集会やってますよ!」

 

アンツィオでアンチョビ、ドゥーチェと言えば一発で通る。

 

それ位彼女は有名で人気だ。

 

パラシュートを手早く畳み、アンチョビ達が何時も練習しているコロッセオへ足を向ける。

 

「あ!長野さーん!」

 

「え、本物!?」

 

街中を走り回るCV33から生徒が手を振ってくるのに振り返したり、屋台の料理に釣られたりしながらコロッセオに辿り着くと、丁度アンチョビが見覚えのない戦車の上でポーズを取っている所だった。

 

あの戦車が、購入したって言うP40か…。

 

アンツィオ初の重戦車、そりゃ嬉しくてポーズも取りたくもなるか。

 

「ん?お、おぉお!叢真じゃないかっ!」

 

「久しぶり、アンチョビ」

 

「何だ何だ、来てくれるなら連絡の一つでも寄越せば良いのに!よく来てくれた、歓迎するぞぉっ!」

 

戦車の上から俺に気付いたアンチョビが、生徒達を掻き分けて俺に抱きついてくる。

 

イタリア式の挨拶だと分かっていても照れる。

 

「うそ、長野さん!?」

 

「長野さんだー!長野さんが来てくれたぞーっ!!」

 

俺に気付いた生徒達で、沸き立つコロッセオ。

 

この歓迎ぶりは相変わらずである。

 

「見ろ、叢真!これが我が校の新しい切り札!P40重戦車だーっ!」

 

「良く買えたな、大変だっただろう」

 

「あぁ、叢真が起こしたアンツィオの奇跡で、連盟から出た報奨金が無ければ足りなかった所だ。本当に、感謝しているぞ!」

 

俺が中学時代、聖グロにたった4両の戦車で勝った試合はアンツィオの奇跡と呼ばれ、今の1年生どころか全校生徒に知られているらしい。

 

だからアンツィオに来ると、戦車道履修者じゃなくても俺の事を知っている。

 

と言うか、学園艦が俺の当時のプロマイドやDVD(!?)を公式販売している。

 

俺は拒否したのだが、母の言葉には勝てなかったよ…。

 

「そう言えば、遅くなったが一回戦突破おめでとう」

 

「ありがとう、いや、だが我々の快進撃はまだまだ続くぞ!次の大洗にも勝って、アンツィオは弱く…じゃない、強いって事を証明するのだ!」

 

「「「「「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」」」」」

 

アンチョビの言葉に、唱和されるドゥーチェ。

 

本当に、ノリと勢いだけは何処にも負けないな…。

 

しかしそのノリと勢いを利用した作戦を立てれば、この上なく強力な力になる。

 

折角来たのだ、俺も偵察らしく、一つアンツィオ側の作戦でも引き抜いてみよう。

 

すまんなアンチョビ、今の俺は大洗の人間なんだ…。

 

「それで、次の試合はどんな作戦を――「叢真さん」ヒェッ!?」

 

作戦を聞こうとしたら、背後から語尾にハートマークが付きそうな熱いねっとりとした声で名前を呼ばれ、思わず悲鳴が漏れた。

 

あぁ、居る、背中に、俺の背中に張り付くようにして、彼女が、彼女が居る…!

 

「来てくださったんですね…私、とっても嬉しい…」

 

「か、かかか、カルパッチョ…い、いつの間に…」

 

背後に、と言うか背中に張り付いて指先で背中をクリクリと弄ってくるのは、アンチョビの片腕、カルパッチョ。

 

幼い頃から戦車道をやっていて、その為に俺についても一番詳しいと自負している少女。

 

そして、何故か俺の好みを把握している謎多き女の子。

 

「おぉカルパッチョ、丁度良かった、これから叢真の歓迎会を開こうと思うんだが、どうだ?」

 

「名案ですドゥーチェ。それなら、これが必要ですね♪」

 

え?ガチャって、何、何か腕に冷たい感触が…まさか、これ、手錠!?

 

「な、何をするのだカルパッチョ!何故叢真に手錠を掛ける!?と言うか何処から出したんだそれ!」

 

「か、カルパッチョさん?な、何故俺に手錠を…?」

 

両手に手早く掛けられたのは、ピンク色した手錠。

 

プラスチック製だが、結構本格的な作りをしている。

 

「だって、逃げられたら困るじゃないですか。ね?大洗学園の長野叢真さん?」

 

ヒェッ

 

な、何故、何故バレてる!?

 

「お、大洗…だと?」

 

「…何のことかなカルパッチョ、冗談がキツいぞ」

 

愕然とするアンチョビと、努めて冷静に振る舞う俺。

 

だが内心冷や汗でダラダラである。

 

「私、大洗に親友が通ってるんです。たかちゃん、て言うんですけど、そのたかちゃんからの写真に、叢真さんが写り込んでたんですよ…」

 

誰だよ。

 

俺の写真を撮った奴にたかちゃんなんて渾名で呼ばれるような子は居ない……あ。

 

まさか、歴女チームの事か!?

 

そう言えば昨日、何か写真撮られたけどあれか!?

 

「試合前の相手校への諜報活動は禁じられてません。でも、もし見つかって捕まった場合、その生徒は試合終了まで捕虜として相手校で過ごすと言う暗黙のルールがあります」

 

「う、うむ、確かにそう言う形にはなっているな…所属校を教えてくれないから気にはなっていたが、まさか大洗学園に居たとは…叢真、信じていたのに…!」

 

「す、すまんアンチョビ、だが分かってくれ、俺はもう大洗の人間なんだ…!」

 

別に好き好んでアンツィオと敵対したい訳じゃない。

 

ただ、俺ももっと大洗の戦車道の一員として出来ることがあるんじゃないかと思ってだな。

 

つい、偵察に来ちゃった訳で。

 

「で・す・の・で♪叢真さんには今日から大洗との試合終了までここで私達と過ごして頂きます!」

 

それはそれは素敵な笑顔で言い切るカルパッチョさん、でも俺は見た、彼女の瞳の奥で輝く、ハートマークを…。

 

いかん、喰われる…!

 

「叢真が、アンツィオで…!そんな、夢にまで見たあの小説の様な学園生活が出来るのか…!?」

 

「そうですよドゥーチェ、毎日叢真さんと会って、毎日同じ学校に通って、毎日一緒に過ごせるんですよ♪」

 

あぁ、アンチョビが、アンチョビがカルパッチョに洗脳されていく…!

 

毎日一緒にって、学年違うじゃないかアンチョビ…あと俺男子だからアンツィオには通えないだろ…。

 

「長野さんがアンツィオに通う…!?」

 

「つまり長野さんと、先輩と夢のスクールライフを…!?」

 

「漲ってきたぁぁぁぁっ!」

 

ヒィッ、他の生徒まで!?

 

これは不味い…まさかバレるとは思ってなかったが…仕方がない。

 

「アンチョビ、カルパッチョ」

 

「な、なんだ叢真、お弁当ならちゃんと私が作ってあげるぞ!?」

 

「お部屋は私がちゃーんと準備しますから、心配ないですよ?」

 

アンチョビは兎も角カルパッチョさん怖いです。

 

「すまないがそろそろ帰らないとなんだ、だから……ふんッ!」

 

バキリと音を立てて手錠が壊れる。

 

金属製なら危なかった…。

 

「な…!」

 

「え…!」

 

「また試合で会おう!」

 

呆然とする2人の隙をついて、その場から走り出す。

 

ハハハハ、サラダバー!もとい、サラバだ!

 

「お、追えー!叢真を逃がすなーっ!なんとしても捕まえるんだーっ!」

 

「逃げたぞー!追え追えー!」

 

「逃がすなーっ」

 

「ナニをしてでも捕まえるんだーっ!」

 

おいこら、誰か不穏な事叫んだだろう!?

 

そんなツッコミを入れる暇も無く、俺はコロッセオの壁を駆け上がり、そのまま通路へと飛び込む。

 

その後を、カルパッチョを先頭にアンツィオの1年生達が追いかけてくる。

 

くぅぅ、まさかこんな事態になるとはー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこ行ったー!」

 

「あっちだ、あっちを探せ!」

 

狭い裏路地を走り抜けていく生徒達を眼下に、両足を開脚して通路の壁と壁の間に蜘蛛の様に張り付いて息を潜める。

 

人気が無くなったのを確認して、ツツツツーと壁から降りてくる。

 

「この分だと港は危ないな…飛行場も抑えられたかもしれん…」

 

帰りは何時も陸地行きの船に乗って帰ってたからなぁ。

 

そっちが抑えられたら逃げ場が無い。

 

どうしたものか…そう思案していたら迫る気配に気付けなかった。

 

「タックルーっ!」

 

「ぐふぉっ!?」

 

体重の乗った見事なタックルで倒される俺、慌てて起きようとすれば迫る両手。

 

咄嗟に両手をかざし、ガッチリ組み合う状態になる。

 

「うひひ、長野先輩見つけたー♪」

 

「ちょ、近い、近い近いっ!」

 

顔をぐぐぐっと近づけてくる生徒に対して、反射的に顔を反らすが、仰向けの状態ではそれ以上顔を反らせない。

 

「暴れんなよ…暴れんなよぉ…♪」

 

「ちょ、いやっ、やめてぇッ!」

 

言葉だけ聞くとあれだが、襲われているのは俺である。

 

「アンチョビ姐さんからは、ナニをしてでも捕らえろって言われてるんスよー♪」

 

「言ってない、絶対そんな意味深な事言ってないぞアンチョビは!」

 

あの乙女なアンチョビがそんな事言う訳がない!

 

「はぁはぁ、憧れだった長野先輩とデキるなんて…!」

 

「待て、冷静に話し合おう、な!畜生、力強いなっ!」

 

両手を押し返そうとするが、全力で体重を掛けて押し倒しに掛かってくる。

 

その顔には見覚えがある、確かえーと、ペパロニの相方で操縦手の…!

 

「アマレット、イきまーす♪」

 

「のおおおおお!?」

 

目の奥にハートマークを浮かび上がらせた子、アマレットが顔面を突き出して来る。

 

「おんどりゃーっ!」

 

「へぶぅっ!?」

 

が、その時勇ましい声と共に、アマレットが吹き飛んだ。

 

「ぺ、ペパロニ…!?」

 

「大丈夫っすか旦那!?おいこらアマレット、お前何考えてんだ旦那を襲うなんてっ!」

 

そこに居たのは、コックの格好をしたペパロニだった。

 

「きゅ~……」

 

「ちっ、気絶してやがる。大丈夫っすか旦那、何か騒がしいから来てみりゃアマレットが襲いかかってたんでビックリしたっすよー」

 

「あ、ありがとうペパロニ…ペパロニは俺を捕まえないのか?」

 

「え?なんで旦那を捕まえないとなんすか?鬼ごっこっすか?」

 

「いや、知らないなら良いんだ、助かった、本当に…」

 

ストーカーに攫われた時並にピンチだった、大洗で平和な時間を過ごしたからか、俺を肉食獣の如く狙っている人も居ると言う事実を忘れかけていた…。

 

まさかアンツィオにも居るとは…。

 

「何か知らないけど、旦那が困ってるなら自分が力になるっすよ!」

 

「ペパロニ…!」

 

お前は天使か。

 

あぁもう本当に、俺の癒やしはお前とみほちゃんだよ。

 

「見つけましたよ叢真さん!」

 

げぇ、カルパッチョ!(ジャーンジャーンジャーン

 

だが慌てる俺の前に、ペパロニが立ち塞がる。

 

「おいおいカルパッチョ、旦那を追い回すなんて何考えてやがる!事と次第によっちゃぁ私が相手になるぜ!」

 

いかん、ペパロニに惚れそうだ。

 

って何で俺がヒロインみたいな扱いになっているんだ…。

 

「あの場に居なかったのねペパロニ。いい、叢真さんは大洗学園の生徒だったの、今日は諜報活動の為に、このアンツィオに来たのよ!」

 

「な、なんだってー!?」

 

あ、あれ、ペパロニ?

 

そんな一瞬で信じちゃうの?

 

「そして、諜報活動で捕らえられた生徒は、試合終了まで捕虜として過ごす事になるの。つまり、叢真さんと学校生活が送れるのよペパロニ!」

 

「なん…だと…!?」

 

あ、これアカン奴だわ。

 

絶対アカン奴だわ。

 

「既にドゥーチェから捕縛命令が出てるわ、どんな手を使ってでも叢真さんを捕らえろと…」

 

ヒィッ、カルパッチョの瞳の奥でハートマークが燃えてるよ…!

 

どろどろに燃えてて怖いよ…!

 

「旦那との学校生活…毎日私の料理を食べて貰える…毎日…毎日…」

 

ブツブツと呟くペパロニ、ダメみたいですねぇ…。

 

こっそり逃げようとしたら、背後を別の生徒に塞がれる。

 

「今よ、捕らえて!」

 

「っ、どりゃーっ!!」

 

「きゃーっ!?」

 

ペパロニ!?

 

俺の退路を塞いでいた生徒を、ペパロニが押し倒した。

 

「行って下さい旦那!自分に構わず!」

 

「ペパロニ、お前…!」

 

俺を優先して…アンチョビの命令に背いてまで…!?

 

「へへっ、旦那との学校生活も良いけど、やっぱり旦那には自由に生きて欲しいっすからね!」

 

ペパロニ…!

 

「くっ、愛してるぞペパロニーっ!」

 

「自分もっすよ旦那ー!また会いましょーっ!」

 

思わず本音をぶち撒けながら走り出す俺と、手を振るペパロニ。

 

すまんペパロニ、散々アホの子だなんて思ってた俺が悪かった!

 

お前は俺の天使だ!

 

「待ちなさーい!」

 

「ここからの俺は…本気だッ!!」

 

ペパロニがくれたチャンス、無くしてなるものか!

 

「そんな!?壁を走って…!?」

 

「ちょ、すごっ!?」

 

「ニンジャだ、ジャパニーズニンジャだ!」

 

「ジッサイ凄い!」

 

壁を駆け上り、屋根に飛び移り、そのまま建物の反対へ消える俺。

 

ペパロニ、また会おう…!

 

 

 

 

 

「えへへ…愛してるって言われちった…♪」

 

「いたたたた…あれ、長野先輩は?私の夢の時間は!?」

 

「あ?ねぇよそんなもん」

 

「ちょ、ペパロニ姐さん痛い痛い痛いー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルパッチョ達を撒いたのは良いが、アンツィオから脱出する方法を考えないと。

 

ここじゃ俺の顔は知られてるから、戦車道履修者以外からも追われる可能性があるし、油断出来ない。

 

「長野殿、長野殿、こっちこっち!こっちですよー!」

 

「あ、秋山さん…?」

 

聞き慣れた声に顔を向ければ、建物の影から顔を出す秋山さんの姿が。

 

その服装はアンツィオの制服姿。

 

「秋山さん、また潜入してたのか…」

 

「ビックリしましたよ、長野殿が空からパラシュートで降りてきたと思ったらこの騒ぎですもん」

 

カメラ片手に安堵している秋山さん、サンダースに続いてアンツィオにまで潜入するとは。

 

この子、本当に何者なの。

 

「情報は入手しました、早く大洗に帰還しましょう」

 

「だがどうやって…」

 

「私が使った、コンビニ船を使いましょう、長野殿なら簡単に忍び込めますよね?」

 

そりゃ出来るけど。

 

コンビニ船か、盲点だったな。

 

あれは普通の船と違って、各学園艦を巡る船だ、途中港に寄港して荷物を積み込むからその時降りれば良いか。

 

「では参りましょう!」

 

「あぁ、さっさと帰ろう…」

 

とんだ訪問になってしまった、次からは気をつけなくてはな…。

 

その後、秋山さんの誘導でコンビニ船に忍び込み、彼女と一緒に大洗まで戻った。

 

密航する事になるとは…身体能力が高くて助かったな本当に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに試合は大洗学園が勝った。

 

 

 

 




本編アンツィオの省略芸しゅき(´・ω・`)
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