ガルパン日和   作:アセルヤバイジャン

9 / 35
調子が良いので連続投稿(´・ω・`)



書ける時に書かないとね(´・ω・`)







そのきゅう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌な予感が当たった。

 

プラウダの2両を最初に撃破したのに浮かれて、そのまま逃げる車両を追跡。

 

まんまとカチューシャの策にハマってしまい、相手フラッグ車に気を取られている隙に包囲されてしまった。

 

みほちゃんが咄嗟の判断で、大きな建物に立て籠もったが…これは不味いな。

 

暫くするとプラウダ側から降伏勧告の使者が送られ、全員土下座したら許してやると伝えられた。

 

本当に身長に関してコンプレックスなんだなカチューシャ…。

 

俺としては膝に乗られる関係で今の大きさが丁度いいんだが。

 

それは兎も角、このままでは怪我人が出かねない状況に、降伏も考えるみほちゃん。

 

通信の許可さえあれば、作戦に口出しが出来ると言うのに…!

 

隔離スペースに置かれた無線機から聞こえる会話に、ギリギリと手を握り込む。

 

監督やコーチをやる人が少ない筈だ、試合中無力な自分に耐えなければならないのだから。

 

そして、終に、河嶋先輩の口から、廃校の言葉が出てきてしまった。

 

あぁ、やっぱり廃校なのか…統廃合の可能性も考えいてたが、完全な廃校か…。

 

学園艦の廃校は、つまり学園艦自体の廃棄を意味する。

 

学園艦は解体され、生徒は文部科学省が割り振った学校へと移る事になる。

 

多少の都合は受け入れて貰えるが、皆が離れ離れになる事は確実だ。

 

諦めムードとなり、泣き出す生徒も居る中、みほちゃんの声が響く。

 

まだ終わった訳じゃない、来年も皆と戦車道をやりたいからと。

 

「みほちゃん…」

 

戦車道が辛くて、本当に辛くて逃げてきたのに。

 

逃げた先で無理矢理戦車道をやらされて辛かっただろうに。

 

だが今は、戦車道が楽しいと彼女は笑っている。

 

あぁくそ、本当に彼女は強いな…。

 

みほちゃんの言葉に従って、修理や作戦会議を始める生徒達。

 

だが天候は悪くなる一方だ。

 

吹雪いてくる中、競技を続行するかどうか審判団でも協議が始まる。

 

「長野君、プラウダ側の降伏勧告に対して、どう答えるか判断する為に、無線通信を許可します。ただし、降伏するかしないかの判断だけです、作戦を伝えたりするのは認められません」

 

「蝶野さん……分かりました」

 

戦況が停戦状態に陥った為、審判団が続行するのか降伏するのかの確認の為に俺の元へ蝶野さんがやってきた。

 

監督役だからか、こういう時に判断する為に俺は居る。

 

「全員、聞こえるか」

 

『長野さん…?』

 

「今、審判団から降伏するのか続行するかの判断をしてくれと通達があった」

 

『…っ!』

 

「完全包囲された状況、安全のことも考えて監督として降伏を決める必要がある…」

 

『長野さん…』

 

「……監督として、降伏する事を勧める」

 

『そんな…!』

 

「だが!」

 

『っ!?』

 

「だが、長野叢真として、大洗の生徒の一人として、言わせてくれ…降伏はしない、君達は…お前達はまだ負けちゃいない!必ず突破口がある、だから…諦めるな!」

 

『長野さん…!』

 

「こんな、こんな事しか出来ない情けない監督だが…戦ってくれ、そして、全員無事に帰って来てくれ。頼む…」

 

『…はい、必ず、無事に!戦います、私達は諦めません!』

 

「以上だ…身体に気をつけて」

 

『はいっ』

 

「……続行、で良いのね?」

 

通信機を置くと、蝶野さんが念押ししてくる。

 

「まだみほちゃん達の心は折れてません…俺に出来る事は、そんな彼女達を信じて待つ事です」

 

「分かったわ。貴方も頑張ってね」

 

そう言って蝶野さんは審判団の元へ帰っていく。

 

「………糞がッ!」

 

テーブルに拳を叩きつけると、テーブルが真っ二つに割れる。

 

こんな身体をしていても、卓上競技で勝てる頭を持っていても。

 

俺には何も出来ない。

 

ただ無事と勝利を祈る事しか、俺には出来ない。

 

それが無性に……情けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…皆さん、聞きましたね、長野さんが、叢真さんが見守ってくれています!私達は、帰りを待つ叢真さんの為にも、学園の為にも、勝たなきゃならないんです!」

 

「はいっ!長野殿が、あの長野殿が信じて待っていてくれるんですから!」

 

「そうだよ、長野さんが見守ってくれてるんだから!」

 

「こうして美味しい食事も用意して下さって…私達は、長野さんに見守って頂いているんですから」

 

「……美味い」

 

「コーチのパンとシチューで根性100倍です!」

 

「まだまだやれますっ」

 

「諦めるのは早いですっ」

 

「まだマッチポイントじゃないです!」

 

「試合を見守るしか出来ないのだ、きっと歯痒い思いをしているだろう…」

 

「長野殿がまだ戦えると判断したのだ、我々はまだやれる!」

 

「料理を食べて、決戦に備えるぜよ」

 

「プラウダの生徒、ボルシチとか食べてるらしいけど、こっちは長野先輩手作りのシチューとサンドイッチだもんねー!」

 

「先輩ってプラウダとかじゃアイドル並の人気なんでしょぉ?その手料理なんだからきっと羨ましがるよ~」

 

「むぐむぐ…おかわり!」

 

「……………」

 

「紗希、お肉ばっかりじゃなくて野菜も食べなきゃ」

 

「にひひー、あんなに熱い台詞言われたんじゃ、落ち込んでなんて居られないねー」

 

「そうですね…西住、もっと士気を上げるんだ、隊長だろう!」

 

「え、えっと、そうですね……う~んと…お、踊りましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通信機から、いや、会場のモニター列車のスピーカーから聞こえる歌声に、思わず力が抜ける。

 

モニター画面では、みほちゃん達が、全員であんこう踊りを踊る姿が。

 

何がどうしてそうなったのか、だが、見る限り全員元気そうだ。

 

良かった、士気は折れていない。

 

若干、斜め上の元気さだが。

 

やがて降伏勧告の制限時間となるが、みほちゃん達は降伏はしないと告げる。

 

その言葉はカチューシャに伝えられ、吹雪の中戦いが始まる。

 

包囲網に薄い場所があるが、あれは罠だな…。

 

そうなると…敢えて厚い場所を抜ければ、勝機はある。

 

カメさんチームを先頭に、突撃していく大洗学園チーム。

 

カチューシャの目論見通り包囲の薄い方を突くと見せかけて、包囲の分厚い方へ向かっていくみほちゃん達。

 

カメさんチームの見事な一撃で包囲の第一陣を突破するが……あぁ、あれ河嶋先輩じゃなくて会長か。

 

河嶋先輩が当てたのかと思って思わず身を乗り出してしまった。

 

カメさんチームが後方の包囲車両を受け持ち、離脱していくみほちゃん達本隊。

 

4両相手に散々暴れまわるカメさんチーム。会長、そんなに上手いならもっと最初から本気出して下さいよ…。

 

みほちゃん達が抜けるのを確認し、撤収するカメさんチームだが…帰還叶わず撃破された。

 

ノンナさんが乗る車両か…伊達にプラウダの副隊長をやっていないな。

 

プラウダの追撃から逃げ続けるみほちゃん達。やがて窪地を抜けると、あんこうチームとカバさんチームは窪地の入り口に身を隠し、敵をやり過ごす。

 

その間にフラッグ車のアヒルさんチームを守りながら逃げるウサギさんチームとカモさんチーム。

 

さて、相手フラッグ車だが…カチューシャの事だ、罠を張りながらどこかに身を隠している筈。

 

そうなると窪地内の街跡か…えぇい、こういう時通信で伝えられたらどんなに良いか…!

 

追撃部隊をやり過ごし、窪地に戻るみほちゃん達。

 

カチューシャは2両消えた事に気付いて…ノンナさんが居るんだ、気付いている。

 

が、たぶんカチューシャが構わず追えと指示飛ばしてるんだろうなぁ、あの子はそういう所がある。

 

ノンナさんだけだったら探されていたな…って不味い、追撃部隊にIS-2が追いついた!

 

あれの射程と威力は一発で大洗側の装甲を抜いてくる…!

 

自分達の事は構わず、アヒルさんチームのガードに出たウサギさんチームが、IS-2の一撃に走行不能になる。

 

あの正確無比な砲撃…ノンナさんか!

 

「だがこちらもフラッグ車を見つけた…みほちゃん…」

 

街跡を逃げ回るフラッグ車、下手に雪原に出ると的になると判断して逃げ回ってるのか。

 

護衛のKV-2が出てくるが…あれは主砲の発射速度に難がある、一発躱せば後はあんこうとカバさんなら装甲を抜ける。

 

撃破するが、同時にカモさんチームがやられた…敵に回すと本当に怖いなノンナさんは…。

 

砲撃の雨に晒されるアヒルさんチーム、だがその砲撃を次々に避けて逃げ続ける。

 

最初はあんなに拙かったのに…成長したな、アヒルさんチーム。

 

バレー部の練習、もっと熱心に協力してやろう、あれだけ頑張っているのだから。

 

だがその逃走も、ノンナさんの一撃の前に呆気なく終わってしまう。

 

当たったか…!

 

「だが、こちらも当てたぞ…!」

 

画面には、雪の中から砲身だけを露出させたⅢ突の姿。

 

その前には、黒煙を上げるプラウダのフラッグ車。

 

カバさんの主砲の至近距離砲撃、当たれば確実に装甲を抜く、後はアヒルさんチームが生きていれば…。

 

「………いよしっ!」

 

思わず両手を握って立ち上がってしまう、画面の中、履帯をやられながらも走り続けるアヒルさんチームの姿が。

 

『大洗学園の勝利!』

 

アナウンスと同時に、俺は隔離スペースから飛び出して走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みほちゃん!」

 

「叢真さんっ!」

 

雪原を走り、みほちゃん達が集まる場所へ。

 

そこにはカチューシャとノンナさんも居て、みほちゃんと握手している所だった。

 

あれ、みほちゃん俺の事名前で…?まぁ良いか。

 

「やったなみほちゃん、よくやった!」

 

「きゃっ、そ、叢真さん…!」

 

思わずみほちゃんの両脇に手を入れて思いっきり持ち上げてグルグルと回ってしまう。

 

この時眼鏡が落ちてしまうが、構わない。

 

待つのが俺の仕事なら、こうして称えるのも俺の仕事だ。

 

「むー!ソーシャ、カチューシャの事忘れてない!?」

 

「はははは、ははははは…お、おっと、すまんすまん」

 

「もー、ビックリしましたよ叢真さん…」

 

足元でむくれるカチューシャと、降ろされて胸を撫で下ろすみほちゃん。

 

「カチューシャも良くやった、見事な戦術だったよ」

 

「当然よ、なんてったってカチューシャですもの!高い高いしてもいいのよっ?」

 

「分かった分かった、ほら!」

 

気分が良いのでカチューシャを抱き上げ、グルグルと回る。

 

こうしていると幼女で遊ぶ危ない人に見えるのは気の所為だろうか。

 

まぁいいか、今はとても気分が良い。

 

「せんぱい!桂利奈もっ!」

 

「よーし良いぞ、どんと来い!」

 

やってきたウサギさんチームから阪口が飛びついてくるのを片手でキャッチ、カチューシャを降ろして今度は阪口をグルグルしてやる。

 

「楽しそう、先輩私もー!」

 

「あー、じゃぁ私もぉ!」

 

「じゃぁじゃぁ私も!」

 

「…………」

 

「分かった分かった、順番な」

 

1年生達を順番にグルグルしてやると、最後に残ったのは澤君。

 

「あ、わ、私はいいです…いいですってばぁ!きゃぁっ!?」

 

「はははは、遠慮するな!」

 

今日は何時になくハイって奴だー!

 

「あ、あははは、黙って待つのって凄いストレスになるもんね…」

 

「長野殿、珍しくハイテンションでありますな」

 

「でも顔が良いから超似合う~、写メ撮っとこ」

 

「……おい長野さん、私も行けるだろう」

 

「麻子さんたら」

 

「あぁもう面倒だ、全員やってやる!」

 

俺の宣言に、数名が恥ずかしさから逃げの姿勢になるが、逃さんよ。

 

結局全員高い高いグールグルした。

 

ノンナさんもした。

 

凄い笑顔でキラキラしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝戦へと駒を進め、相手は黒森峰。

 

今日は戦車の整備と黒森峰対策。

 

黒森峰の保有戦力は、元黒森峰の生徒だったみほちゃんがよく知っている。

 

助かったな、俺は黒森峰と縁がないし、流石に秋山さんを投入するのは気が引ける。

 

色々な部活が義援金を出してくれたが、戦車を買うには足りない。

 

河嶋先輩が言う通り、今ある戦車をアップグレードするしかないだろう。

 

しかし20対7か…絶望的な差だな。

 

あー、流石に黒森峰じゃ橋落としや崖崩しに引っかかってくれそうにないしなぁ。

 

そもそもあれ、危険過ぎるってんで俺がやってから禁止になったんだよな…。

 

まぁ危険と言うか、救助に時間が掛かり過ぎるって理由が主だが。

 

相談していると小山先輩の携帯が鳴り、自動車部からレストア終了との連絡が来た。

 

アレが使えるようになるか…。

 

広場を走るのは、レストアが完了したポルシェティーガー。

 

秋山さんがキラッキラするほどのレア戦車であり。

 

「まぁ地面にめり込んだりー」

 

履帯が土を掘り上げ、その場で沈下していくポルシェティーガー。

 

「加熱して、炎上したりー」

 

背部から黒煙を上げ、遂には出火するポルシェティーガー。

 

「壊れやすいのが難点ですけど」

 

「まともに運用出来んな…いや、大洗以外じゃ、運用出来んな」

 

テキパキと消火し修理を始める自動車部。

 

この自動車部以外じゃ運用なんて出来ないだろうなぁ、ポルシェティーガー。

 

それ考えると如何に異常かが分かるな、大洗の人材。

 

……なんだ、俺ってあんまり大した事ないじゃん。

 

「いえ、長野殿がそれ言いますか…」

 

「あれ、声に出てた?」

 

「はい、バッチリ…」

 

いかんいかん、ちょっと気が緩んでるな。

 

ポルシェティーガーは兎も角、ヘッツァー改造キットを購入し、カメさんチームの38(t)を改造する事に。

 

かなり無理矢理な改造だが、まぁなんとかなるだろう、自動車部が居るし。

 

「に、西住さん…」

 

「あ、猫田さん」

 

声がする方を見ると、瓶底眼鏡に猫のカチューシャをした猫背の女性が立っていた。

 

あの瓶底眼鏡……デキる。

 

「ぼ、ボクも今から戦車道って、取れないかな…」

 

「え」

 

「是非とも協力したいんだ…操縦はね、慣れてるから」

 

とてもそうは見えないが…いや、人材の宝庫な大洗だ、まだまだ眠っている人材が居るかもしれん。

 

「ありがとう、あ、でももう戦車がどこを探してもなくって…」

 

「あの戦車は試合には出ないの…?」

 

「あの戦車?」

 

「うん、こっち…」

 

猫田さん、ねこにゃーで良いですと言われたのでねこにゃーと呼ぶが、彼女の案内で着いた先は駐車場。

 

そこに、三式中戦車が鎮座していた。

 

おかしい、ここは1年生達が既に調べて…。

 

「あれ、この戦車使えるんですか?」

 

「ずっと置いてあったから使えないのかと思ってました」

 

知ってたんかーい!

 

例え壊れてても自動車部が直してくれるから、今度からはちゃんと教えなさい。

 

「はーい、先輩」

 

返事だけは良いんだからなぁもう。

 

とりあえず三式中戦車にねこにゃーさんを乗せるとして…メンバーか。

 

「あ、もう仲間を呼んであります」

 

「仲間?」

 

指さした先には、2人の生徒。

 

戦車を見て興奮している。

 

聞けば、ネットゲームの戦車ゲームでのフレンドらしい。

 

リアルでは初めましてだそうな。

 

慣れてるってゲームかーい!

 

いや、だが、貴重な戦力だ…しかし今からで間に合うか…?

 

「あ、あははは…」

 

みほちゃん、もう笑うしか無いって顔に出てるよ。

 

「と、所で、長野さんってあの長野叢真さんなのかな…?」

 

「どの長野叢真か分からんが、まぁ俺が長野叢真だ」

 

「ふぉぉぉぉ、あの盤上のプリンスとリアルで会えるなんて…!」

 

またそれか。

 

一番恥ずかしい渾名なんだよそれ。

 

中学時代に調子に乗った母のススメで、一時アイドルの真似事をさせられていた時の渾名だ。

 

いやー、今思い出しても恥ずかしい、歌に踊りに戦車にと、勉強せずに俺何してるんだろうと本気で思った時だ。

 

「デビュー曲のパンツァーダイブ、今も聞いてます…握手して下さい…!」

 

「的確に俺の黒歴史を抉ってくるな…」

 

「叢真さん、歌も歌ってたんですか?」

 

「オリコンチャート3位に入りました」

 

何の悪夢だと今でも思う。

 

歌手名はソーマだから俺と結び付く人は少ないのが救いか。

 

その後、着々と整備と補強を勧める戦車道履修生一同。

 

最初は動かすのも苦労していたのに、今ではもう一端の戦車乗りである。

 

本当に、人材の宝庫だな大洗。

 

………やっぱり俺、大した事ないよね?

 

「人外筆頭の長野さんが言う台詞じゃないな…」

 

「冷泉さん…声に出てた?」

 

「いや」

 

じゃぁなんで分かったの俺が考えてる事。

 

やだ、まるであの子みたい…!

 

「おばぁが退院した…これ、お土産のおはぎ」

 

何か風呂敷包みを背負っていると思えば、そうか、退院したのかお婆さん。

 

冷泉さんも心なしか嬉しそうだ。

 

決勝戦も見に来ると言うし、気合が入っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

土曜日から生花の展示会があり、五十鈴さんの作品が出るという事で皆で行くことに。

 

生花か…毎日病院に母が花を差し入れてくれたのを思い出すな。

 

前世の母に苦労を掛けたから、つい今の母の言うことを聞いてしまう。

 

それがあの大量の黒歴史の生産につながった訳だが。

 

「自慢の息子を自慢して何が悪いのよぅ!」が口癖だしな、母さん…。

 

金儲けとかじゃなくて、本当に俺の自慢がしたくて色々やってるから怒るに怒れないんだよなぁ…。

 

流石に行き過ぎたら怒るが。

 

色とりどりの生花が並ぶ中、五十鈴さんの作品は戦車を象った花瓶に生けられていた。

 

あまり美術的なセンスはないが、これが見事な作品だと言うことは俺でも分かる。

 

「来てくれてありがとう」

 

着物姿の五十鈴さんが出迎えてくれる、前々から思ってたが本当に和風美人だな五十鈴さん。

 

そりゃやっかみも来るよなぁ…。

 

随分前から、見知らぬ男子から感じていた視線。

 

アレは、俺に向けられた嫉妬の視線だった。

 

女子しか本来履修出来ない戦車道を、生徒会の指示とは言え特別に履修し、みほちゃんを始め美少女が多い中で一人だけ居る男子。

 

そりゃ他の男子からすれば羨ましく映るのだろう。

 

実際に戦車を動かす訳でもなく、女の子に囲まれて楽しそうにしている、と言うのが他の男子から見た俺らしい。

 

五十鈴さんとか、小山先輩とか、バレー部の近藤とか、男子人気が高い。

 

で、そんな彼女達と親しくしている冴えない瓶底眼鏡男子が居る。

 

当然嫉妬されてやっかまれる訳で。

 

この前校舎裏に呼び出されたので、両手にそれぞれ砲弾を持って行ったら、何故か全員が腰を抜かしてへたりこんだ。

 

おかしいなー、俺はただぶんぶんと砲弾を振り回して、ちょっと地面を砕いただけなのになー。

 

おかしいなー。

 

まぁ幸いにもお話で事は済んだのだが、今度は畏怖の視線に晒される事になった。

 

やだなぁ、ちょっと小石を素手で砕いた位で大げさな。

 

あと、最近知らない女子生徒からもキラキラした目で見られるのだが…。

 

どうも、戦車道の試合を見ていた生徒が、俺の素顔をバッチリ目撃していたらしい。

 

プラウダに勝った時かなぁ、あの後眼鏡が無い事に気付いて皆に見つけて貰うまで素顔のままだったもんなぁ。

 

「貴女の新境地ね…」

 

「お母様…!」

 

気付いたら五十鈴さんの母親が来ていて、何やら五十鈴さんの事を認めているようだった。

 

何があったのか知らない俺と冷泉さんは、揃って首を傾げるだけだったが。

 

まぁ、みほちゃんと五十鈴さんが嬉しそうなので良しとしよう。

 

週末が明け、全国大会を翌日に控えたこの日。

 

みほちゃんの掛け声に、全員が声を上げる。

 

「長野ちゃーん、長野ちゃんも監督として一言」

 

「みほちゃんの言葉で纏まったでしょうに…全く。えぇっと、正直ここまでこれたのは奇跡に近い。それも全て、みほちゃんを筆頭に、一人一人が努力した結果だ。きっと、みほちゃんだからこそ皆をここまで連れてきて、皆だからこそ、みほちゃんをここまで連れてきたんだと思っている。普段偉そうな事を言っておいて、試合じゃ何もしてやれない駄目な監督だが、最後の最後まで応援している、頑張ってくれ」

 

「「「「「おーっ!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、解散!」

 

河嶋先輩の言葉に従って、それぞれチーム毎に別れて行くメンバー達。

 

「ねぇみぽりん、みぽりんの家でご飯会やらない?」

 

「沙織さんの料理、食べたいです!」

 

「前夜祭ですねっ!」

 

「祭りじゃないだろ…」

 

「いいね、叢真さんも来ますよね?」

 

え、ナチュラルに俺も含めてくれるの?

 

時々思うけど、みほちゃんちょっと危機感足りなくない?俺一応男だよ?

 

それともあれか、まほさんの婚約者だから兄みたいな物として見られているのだろうか。

 

妹か…あの子を思い出すなぁ。

 

みほちゃん家に行く前にお店に寄り、お肉や野菜を買っていく。

 

武部さんの手元を見るに、今日はカツか…縁起を担いでいるのだろう。

 

「あー、長野さん自分だけヒレ肉買ってるー!」

 

「ぎくっ、良いじゃないか好きなんだから…」

 

「もー、変な所で子供なんだからー。…あれ、今の会話ちょっと夫婦っぽかった?」

 

そういう事は言わなくて良いから。

 

食材を買い込み、みほちゃんの家に。

 

俺が居る為、みほちゃんが新たに買った小さなテーブルを元からあるテーブルにくっつけて、6人が座れる様にする。

 

揚げ物も得意なのか、武部さんが揚げたカツは良い揚がり具合だ。

 

本当に女子力高いのに、何でこれでモテないんだろうな…。

 

例の嫉妬団からも、武部さんと秋山さんと一緒なのが羨ましくてと言う台詞は出なかった。

 

圧倒的に多かったのが五十鈴さんと小山先輩、次に多かったのが近藤やみほちゃん、そして冷泉さんと会長。

 

冷泉さんと会長の名前を口にした奴は念入りに脅しておいた。絶対ロが付くヤベー性癖だ。

 

食事をしていると、武部さんが重大発表があると言われ、思わず身構える。

 

婚約とか出てくる辺り、武部さんのキャラが伺えるな。

 

「アマチュア無線に合格しましたー!」

 

しかも2級である、これは確かに重大発表だ。

 

凄いな、その勉強を教えた冷泉さんも凄いが。

 

「分かった、試合に勝ったら私、婚約してみせる!長野さんと!」

 

「ぶっ!」

 

「汚いな…」

 

思わず咽て冷泉さんに口元を拭われる、ありがとう。

 

「なんで俺なんだ…」

 

「だって私の周りで親しい男子なんて長野さんだけだし、噂じゃ長野さん婚約者たくさんいるらしいじゃない!だから私も!」

 

「どーいう理屈だ…」

 

冷泉さんのツッコミが頼もしい。

 

と言うか俺、そんな噂になってたんかい。

 

いや、確かに自称許嫁とか居るけどさ…。

 

「そう言うみぽりんはどうなのっ?お姉さんが婚約してるんだし、長野さんと婚約したいとか思わないのっ?」

 

飛び火した。

 

と言うか何度も言うけど、まほさんは自称婚約者であって、俺認めてないからね?

 

ここ重要だからね?

 

「私は…皆と一緒に居るのが、今凄く楽しいから…沙織さん、華さん、麻子さん、優花里さん、そして叢真さん、皆の事が、大好きだから…」

 

「わー!西住殿に告られましたー!」

 

「嬉しいけど、みぽりん欲張りだねぇ長野さんまで好きだなんて…」

 

「あ、ち、違くて、そうじゃなくてね!」

 

「分かってる、分かってるからみほちゃん」

 

兄とか友達として好きって事だよね、うん、俺もそうだから。

 

「違うと思うぞ」

 

冷泉さん、お願い心を読まないで?

 

笑い声が響く部屋の中、夜は過ぎていく。

 

皆それぞれの思いを抱え、それぞれの決意と共に、明日に向かって。

 

そして、夜明けと共に、大洗戦車道のメンバーは、電車で目的地へと向かう。

 

決勝戦、最終試合のステージは富士総合演習場。

 

戦車道の聖地と言われており、全国の戦車道乙女達が目指す場所。

 

そして、大洗学園と黒森峰との、決戦の地。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

富士総合演習場は、朝から人で溢れていた。

 

戦車道全国大会の決勝戦を見る為に、全国のファンや戦車道乙女が集う。

 

出店や連盟の戦車が並び、見に来る人を楽しませている。

 

今年は大洗からも生徒達が駆けつけ、例年よりも人が多いと大会運営が言っていた。

 

「あれ長野さん、眼鏡はどうしたの?」

 

「あぁ…あれはもう要らないんだ」

 

「えー、どうして?長野さん目立ちたくないからって…」

 

「何時までも俺だけ逃げてたら格好悪いじゃないか」

 

武部さんの言葉に答えて、苦笑を浮かべる。

 

既に大洗の生徒にまで知られ始めている、ならこれ以上自分を隠していても意味がない。

 

だから眼鏡は置いてきた、もう俺には必要ない。

 

戦車道で目立つのが嫌で、アイドルみたいな自分が嫌で、本当に欲しいものが手に入らない自分が嫌で…。

 

それで逃げていた俺だが、みほちゃんが前を向いて、自分の道と向き合っているのだ。

 

何時までも、俺ばかり逃げていられない。

 

それに、会長からも言われている。

 

大洗にあの長野叢真が居ると知られれば、廃校なんて言い出さないだろうと。

 

そこまで有名な訳じゃないが、少しでも廃校撤回の役に立つなら…俺はアイドルでも踊り子でもなんでもやってやる。

 

気付けば好きになっていた場所が、今では全力で守りたい場所になっていた。

 

本当に、人生ってのは分からないもんだなぁ。

 

準備を進める俺達の元へ、ダージリンがオレンジペコを伴って現れた。

 

最初に練習試合をした時からは信じられない成長ぶりだと褒めるダージリン。

 

「あの、長野さん?その、私、何か失礼な事をしてしまったのよね?本当に、心からお詫びするわ、だから許して貰えないかしら…?」

 

「………ま、良いですよ。半分は意地悪でしたし」

 

「良かったですね、ダージリン様」

 

恐る恐る俺に話しかけてきたダージリンに、許しを出す。

 

まぁ、タイミングの悪さからちょっと意地悪してやろうと思っただけだし…。

 

「みほ、ダーリン!」

 

そこへジープに乗ってケイさんが現れる。

 

エキサイティングな試合を期待しているとみほちゃんを元気づけ、俺に投げキッスを向けてくる。

 

相変わらずだなぁこの人も…。

 

「ミホーシャ、ソーシャ」

 

ノンナさんに肩車されたカチューシャも応援に駆けつけた、しかしミホーシャか、カチューシャに渾名を呼ばれるとは、みほちゃんも随分気に入られたらしい。

 

アンツィオの姿が見えないが…どっかで宴会やって熟睡でもしているのだろう。

 

戦った相手とも仲良くなる、そんなみほちゃんに感嘆するダージリン。

 

それに対して、皆が素敵な人だからだと答えるみほちゃん。

 

本当に、みほちゃんはたらしだ。

 

人誑しだ、みほちゃんは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が始まった。

 

決勝戦、隔離スペースは少しだけ今までと違う所がある。

 

それは、隔離スペースに審判団の人が常駐し、俺の行動を見張っている。

 

正確には、俺がズルをしないか監視している。

 

今回、決勝にあたり、連盟が一つのルールを提示してきた。

 

大昔のルールだが、双方の戦車保有台数に隔たりがある場合に限り、保有戦力の劣る側に、監督からの指示権が与えられる。

 

回数は3回、時間は3分のみ。

 

その代り、隔離スペースには観客とは違うモニターが設置され、自校の様子だけが映される。

 

情報を制限される代わりに、作戦指揮を伝える事が可能になったのだ。

 

それが今回に限り、許可される事になった。

 

何故かと思っていたら、蝶野さんが連盟に通してくれたらしい。

 

そして連盟は、長野叢真と言う一種の偶像が居る事に目をつけた。

 

俺の様子も観客のモニターに小さくだが映されている。

 

今更になってだが、本当に監督としての仕事が出来るようになるとは…蝶野さんには感謝してもしきれない。

 

順調に移動するみほちゃん達。

 

武部さんの通信が全車両に届いている。

 

このまま目標地点まで…そう思っていた俺の背筋を、嫌な予感が駆け上がる。

 

「無線使います!全車警戒ッ、黒森峰が森を抜けてくるぞ!落ち着いて、蛇行しながら前方の森を目指せ!」

 

貴重な回数だが、出し惜しみは出来ない。

 

俺の通信が聞こえた全車両が、蛇行しつつスピードを上げる。

 

『…来た、全車叢真さんの指示通りジグザグに動きながら森へ!』

 

みほちゃんの指示が飛んだ直後に、砲弾の雨がみほちゃん達を襲う。

 

森の中をショートカットか…流石まほさん、やることが抜かり無い。

 

全車両がジグザグに逃げる中、突然三式中戦車…ねこにゃー達のチーム、アリクイさんチームがバックし始める。

 

なんだ、何が起きた…まさか操縦ミスか?

 

そんなアリクイさんチームがあんこうチームの前を横切った瞬間、砲弾がアリクイさんチームに命中してしまう。

 

いや、今の砲弾…確実にあんこうチームを、フラッグ車を狙っていた砲弾…。

 

「怪我の功名か…アリクイさんチーム良くやった、怪我は無いか!?」

 

『ごめんね長野さん、西住さん…もうゲームオーバーになっちゃった』

 

「いや、お前達がブロックに入らなければフラッグ車がやられていた、良くやった」

 

『えへへ、偶然だけど良かったナリ』

 

偶然だったのか、悪運が強いな大洗は。

 

「3分です」

 

「はい…」

 

咄嗟に森に逃げろとは指示出来たが、あまり有効な作戦を指示出来なかったな…。

 

やはり保有戦力に差があり過ぎる…やはり崖崩しを…いや駄目だ、あれは連盟に禁止されている…。

 

俺が考えている間に、黒森峰からの追撃を逃れる為、もくもく作戦が開始される。

 

全車両に自動車部が搭載した発煙装置、その煙に紛れて目的地を目指す。

 

重いポルシェティーガーを、他の車両に繋いで引っ張り上げる事で時間を短縮。

 

同時にアヒルさんカモさんチームで継続して煙幕を撒き続け、姿を隠す。

 

と同時に、カメさんチームが森の中から黒森峰の側面を攻撃、足止めをする。

 

危険な任務だが、会長達なら大丈夫だろう。

 

しかしこちらの作戦に乗ってこないな、流石まほさん、統率が取れている。

 

なんか機銃で攻撃しているのが居るが。あれもしかしてあの逸見って子か?

 

カメさんチームの足止めもあり、予定通り陣地を構築出来た。

 

後はどれだけこの状況で相手の数を減らせるか…。

 

あぁ、崖崩しが使えればなぁ…絶好のポイントなのになぁ…!

 

砲撃戦が始まり、黒森峰の車両を撃破する大洗チーム。

 

だが。

 

「ヤークトティーガーか…重戦車を盾に使う、西住流らしいやり方だ…」

 

下手な小細工は弄さない、正面から打ち破り押し潰す、それが西住流。

 

今更だが、なんでしほさんは俺へ見合いを申し込んだのだろう? 俺の戦術って西住流より、島田流の方が近いぞ。

 

相手によって戦術をガラリと変え、全く別物にして対応する、千変万化と言われた俺のやり方は、西住流とは程遠い。

 

いや、西住流みたいに出来ない訳じゃないが。

 

ジワジワと進行してくる黒森峰。

 

ここらが潮時か…。

 

みほちゃんも感じ取ったのか、撤退を指示。

 

それと同時に、事前に打ち合わせてあった作戦をカメさんチームが実行に移す。

 

プラウダの時からそうだが、カメさんチームには苦労をさせる。

 

だがみほちゃんと俺を引き込んだのだ、その位の苦労はして貰おう。

 

隊列の中に堂々と混ざるカメさんチームのヘッツァー。

 

色も合わさってまるで黒森峰側のようだ。

 

気付いた黒森峰の車両が対応しようとするが、密集した陣形、同士討ちになるから迂闊に撃てない。

 

そして離れた位置に居る車両が対応しようとするが、側面を晒した瞬間カバさんチームの餌食だ。

 

みほちゃん達本体と、陣形の中を動き回るカメさんチームに挟まれ、大混乱に陥る黒森峰。

 

ハッハッハッ、如何にまほさんが優れていようと、その部下全てが手足の様に従う訳じゃないからな。

 

車両が多ければ多いほど、この作戦は有効なのだ。

 

隊列が崩れた、後はポルシェティーガーのレオポンチームを盾に突破すればいい。

 

伊達にティーガーの名前を冠していない、黒森峰の砲弾を弾きながら突破していくみほちゃん達。

 

後は最後尾のカモさんチームが煙幕を張りながら逃げるだけだ。

 

順調に逃げるのだが、途中でレオポンがグズりだしたと無線が入る。

 

またかあの我が儘兵器め…。

 

だが流石は自動車部、走りながら直している。

 

…やっぱり俺、対して凄くないな、うん。

 

『いや、それはない』

 

冷泉さん、なんで無線機越しにツッコミ入れてくるの?

 

やっぱりあの子並なの貴女。

 

逃げるみほちゃん達を執拗に追いかけてくる車両が1両居たが、途中で勝手に履帯損傷して操縦不能に陥った。

 

よーしよし、プラウダが勝ち上がってくると思って運用していた重戦車なのが裏目に出たな。

 

みほちゃんの情報で、黒森峰の重戦車は足回りが悪い事は想定済み。

 

重い車体で動き回るのだ、燃料も何時まで持つかな?

 

とは言え、それで脱落するのは少数だろうな、まほさんがそんなに甘い訳がない。

 

追手を振り切り、川の前に辿り着くみほちゃん達。

 

後はレオポンを壁にして川を渡れば逃げ切れるだろう。

 

だが、ここで予想外のアクシデントが起きた。

 

『みぽりんっ、ウサギさんチームが!』

 

無線機から聞こえる武部さんの声、ウサギさんチームがエンストし、動けなくなってしまった。

 

川にゆっくりと流され始めるウサギさんチーム、だが気丈にも1年生達は自分達に構わず先に行ってくれと叫ぶ。

 

確かにこのままでは黒森峰に追いつかれる…。

 

だが隊長はみほちゃんだ。

 

みほちゃんが仲間を見捨てる?

 

ハハ、冗談がキツい。

 

『皆、少し待っていて下さい!』

 

ワイヤーとロープを結び、自分の身体にロープを巻きつけるみほちゃん。

 

あぁ、そうだ、それでこそみほちゃんだ。

 

俺が何か言う必要は無かったな…そっと無線機から手を離し、監視員に首を振る。

 

残り2回の指揮、有効に使わないとな…。

 

助走も付けずに、戦車から戦車へと飛び移るみほちゃん。

 

やっぱり戦車道乙女って人間離れしてる…俺も同じこと出来るけど。

 

逆に考えよう、みほちゃんも出来ると言う事は、俺はそんなにバケモノでもない…?

 

『それはないよ』

 

武部さんンンン!?

 

黒森峰が迫る中、ワイヤーを引っ張り繋いでいくみほちゃんとウサギさんチーム。

 

そんなみほちゃん達を援護すべく、砲撃を行う大洗チーム。

 

カバさんチームはなんだ、その、落ち込むな、Ⅲ突にはⅢ突の役割があるから…。

 

カメさんチームが足止めしようとするが、直ぐに対処されてしまう。

 

流石に三度目はないですって会長…。

 

ウサギさんチームを引っ張りながら川を渡り始める大洗チーム。

 

懸命な復帰作業で、何とかエンジンがかかる。

 

川を渡りきると、黒森峰からの砲撃が始まる。

 

ギリギリだったな…何とか黒森峰から逃げ遂せる大洗チーム。

 

さて、次は市街地での局地戦だが…まほさんには読まれているだろうなぁ。

 

別ルートから合流してきたカメさんチームを加え、橋を渡る。

 

そして最後尾に渡ったレオポンが、自動車部の腕前を遺憾なく発揮。

 

見事に橋を落としてみせた。

 

いいねぇ、これから毎日橋を落とそうぜ(橋ごと戦車を落とすのが得意な奴

 

市街地へと到達するみほちゃん達。

 

その進行方向に、黒森峰のⅢ号戦車の姿。

 

……1両だけ?妙だな…偵察にしては堂々としている。

 

足止めに使うにもⅢ号では突破される………何か隠し玉が居るのか?

 

重戦車か?いやでもただの重戦車ならこんな市街地に伏せておく理由がない……。

 

猛烈な嫌な予感がする、無線使うか!?

 

突破しようとしてⅢ号を追いかけるみほちゃん達…不味い、誘い込まれてる!

 

「使いま――遅かったか!」

 

無線使用を宣言する前に、Ⅲ号が止まり、その前を立ち塞がる様に遮る巨体。

 

史上最大の超重戦車…噂には聞いていたが、本当に運用している学校があるなんて…。

 

「マウス…!」

 

「無線使用しますか?」

 

「……いいえ」

 

もう遅い、誘い込まれた以上、いや、マウスを市街地に配置されていた以上、もう対策は倒すしか無いのだ。

 

みほちゃんが考える最終作戦の為には、市街地に居るマウスはどうしても邪魔だ。

 

そうこうしている間にカモさんチームが吹き飛ばされる。

 

大洗側の攻撃は、全てその装甲に弾かれていく。

 

レオポンの主砲すら弾くとか、本当にどんな装甲してるんだよ…!

 

カバさんチームも撃破され、これで残りは5両…。

 

ビル崩しで…あぁ駄目だ、これも俺がやって連盟から禁止されたんだった。

 

あぁもう、恨むぞ中学時代の俺ぇ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの表情、過去の自分の行動を後悔している顔ですね」

 

「そうなの?よく分かるわねノンナ」

 

「はい、よく分かります…」

 

 

 

 

 




主人公の思考が読まれているのは、主人公が心を開いてきたからです(´・ω・`)


つまり攻略されている(´・ω・`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。