幻想を捨てる吸血鬼   作:王者スライム

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男は考える

「お兄様、おはようございます。」

「ああ、おはよう。食事の準備は出来ているらしいから行こうか。」

「はい。行きましょう。」 

 

そう挨拶してきたのは、五歳になったばかりのレミリアだ。去年までは、お兄ちゃん呼びだったんだが……急に呼び方変わって、めっちゃ驚いたわ。何?本当に俺の妹は五歳なんかとか思ってしまったし……て言うか、レミリアってこんな性格なのか?原作やったこと無いから友人から聞いた事でしか分からんし……。だが、原作に俺の存在が居ないのは確かだ。幻想郷に男って霖之助と……雲っぽいやつ?しか居ない筈だし……設定上じゃあ、魂魄妖忌という人物しか居なかった筈だ。

 

考えられるとしては、これが二次創作のようにキャラが追加されているのか、それとも途中で死んでしまって居ない事になったのか……後者だった場合、俺やべぇじゃん。どうしようか……。まあ、そんなことを考えたって意味無いだろう。時がくれば分かるかもしれんし、今はこの吸生を楽しまないとな……妖生と例えた方が良いのか。そんなことを考えて居ると、食事の席についた。

 

「おはよう、父さん。」

「お父様、おはようございます。」

「二人ともおはよう。では、朝食を頂こうか。」

 

目の前にあるのはパンとスープとミルク……和食が食いてぇ……いや、仕方ないけど、さあ……何年もコシヒカリとかが食えないとなると結構キツイ。他にも和食には味噌汁とか焼き魚とか和風ハンバーグとか、豆腐とか寿司とか……いや、和風ハンバーグは和風なだけで和風では無かったな。こりゃあ、失敬。

 

味噌が作れれば味噌汁は簡単に作れるだろうが……麹とやらが無ければ味噌は作れないらしいし、あいにく普通の高校生として生きてきた俺は麹の作り方等知らない。知ってるのは発酵に使うという事程度である。まあ、時代がくれば作り方も分かるようになるだろうし、こればかりは待つしか無いだろう……それまで俺が生きていればの話だが。

 

今はこの食事で我慢すればいい。ちなみに俺の食事に人肉が無いのはスカーレット家って女子の方が人肉食べる率が高いとかなんとか。一応、食べるかどうか聞かれたが、食べないと答えるとそこで終わった。人肉は、食べず嫌いも珍しく無いらしい。アクター父さんの父さん……つまりじいさんも人肉は食べず嫌いだったらしいし。えっ、婆さんはどうだったのかって?バクバク食ってたらしいっす。怖いね。

 

まあ、そのじいさんも婆さんも生きては居ないらしいが……まあ、数百年生きてたらしいし、そこら辺は仕方ない、仕方ない。そんなことを考えながら食べてていたからか、もうすでに朝食は食べ終わっていた。えっ?会話はしないのかって?食事中に会話って言うのはなんか少し失礼なような気がするし……あれだよ、一緒に食べる事に意義があるんだよ。多分。

 

「ごちそうさま。」

「ごちそうさま。」

「ごちそうさまだな。」

 

ちょうどみんな食べ終わったようで、俺たちは食器を片付けに行く。なんか吸血鬼ってプライド高そうだから、食器の片付けとか、使用人に任せてそうだなぁとか思ってたけど案外自分でやっていたので結構驚いた。こういう驚きもいつか忘れるかもしれないから日記でも書くか?日本語で書けば誰も理解できないだろうし、収納も亜空間魔法でなんとかなるからな。よし、暇な時に書いておこう。

 

今はあの人にあれを習いに行くつもりだからな……さて、行くか。

 

 

 

 

 

 

 

「いいですか?その楽器音を出そうとするのではなく、自分がその楽器だとイメージするんです。では、一、二、三、はい。」

「ドーーー。」

「まだまだですね。まあ、初心者ですし当然ですが……とりあえずお手本を見せましょう。」

 

そして彼女は息を吸い、声を楽器の音として出す。その音は完全にギロを演奏した時の音に聞こえた。さらに彼女は声を変えていく。ピアノの高い音、低い音、バイヨリンの音等々様々な楽器の音に変えて声を出す……すげぇ。何この人……プロかよ……。いや、プロか。どの道のプロかは分からんけど。

 

「少し驚かせ過ぎましたかね。」

「これ……俺も真似できるんですか?」

 

思わず敬語になる。はっきり言うと真似出来る気がしない。どの道の天才なんだよこの人は……。て言うか、これって何年修行すれば出来るのだろうか……。何でこの人が使用人をやってるのかが気になってきた。絶対、吸血鬼の使用人とかにならなくても生きていけただろうに。

 

「敬語なんてやめてください。イリュージョン様は私の主人、トラジェディーアクター・スカーレット様のご子息様なのですから。」

「えっ、いや、その……技が凄くて思わず敬語になっただけだから問題無い。」

「お褒め頂いてありがとうございます。この技はトラジェディーアクター・スカーレット様にも一目おかれた技なんですよ。人間が吸血鬼の使用人をやるというのもおかしな話かもしれませんが……私はこの道を選んだ事を後悔しないでしょう。給料高いですし。」

「おい、最後。」

「おや、口が滑ってしまいましたね。この話はトラジェディーアクター様には後内緒に……では、私にもそろそろ仕事がありますので……では。」

 

そういうと彼女はそこから去っていった……多分あの人恐れ知らずなんだろうな……。




この時代にギロとかバイヨリンとかピアノとかあるか分からないけどあるってことにしてください。
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