何時間たったのだろう……修行に集中しすぎて寝るのを忘れていた。えっと今の時間は……三時か、レミリアはとっくの前に寝ている頃だろうな。吸血鬼とは言っても、子供で産まれてからまだ五年だし。
吸血鬼がいくら夜に活動する妖怪だとはいえ、産まれたばかりでは畏怖というものがほとんどない。だが、妖怪は人間からの畏怖がなければ生きてはいけない。一応、吸血鬼全体の畏怖のおこぼれがあるとはいえ、雀の涙なのだ。
なので、吸血鬼の子供には親から自分が存在でき、なおかつ生活に困らない程度に力が与えられる。だが、与え過ぎると今度は親がヤバい……そこで子供の睡眠時間を伸ばし、活動時間を減らしているのだ。
だいたい、レミリアの活動時間は七時から十二時である。短いとか言ってはいけない。仕方ないことなのだから。だが、成長していくにつれ活動時間を伸ばし、十五歳になるころには自分で畏怖を集めれるようにさせ親離れさせる訳だ。
俺の場合何故か昔から力を渡す必要がなかったらしく、今でも渡されていないらしい。それなのに普通に吸血鬼としての力を出せるから不思議だねってアクター父さんに言われた……そんな軽く終わらして良いのだろうか。
ちなみに時計とは言っても、この時代に原子時計など無いので、長い針と短い針を魔法で一定間隔で動かしている魔法時計だ。どうやって今の時間に合わしたか?星を見ました、合っているかは分からん。
前から思ってはいたけどもやはり魔法とか言うものは便利だ……まあ、俺には属性魔法とかそういう魔法には全く適正が無いんだから使えないけど、それでも不属性系統の魔法は使える。
不属性魔法は、属性魔法とは違い誰にでも使える魔法である。その代わり、属性魔法より使い勝手が悪いらしく、攻撃魔法なども便秘が悪いくせにとても弱い魔法しか使えないらしい。
なんで無属性魔法と呼ばないのかとアクター父さんに聞いてみると、無属性魔法という別の魔法もあるらしい。同じ系統として、未属性魔法、非属性魔法というのあるんだとか。
説明すると、無属性魔法はあらゆる属性に属していない魔法の事を言うらしい。だから、真逆の魔法でも無属性魔法だったりするのだ。無条件に物を破壊する能力、無関係に周りの人を回復させる魔法も無属性魔法である。
次に非属性魔法。非属性魔法は属性があるべきなのに属性が無い魔法の事だ。空中に火を生み出す魔法、植物を成長させる魔法なんかはこの魔法だ。ただし、同じ効果を起こせる魔法が別の魔法として属性魔法にあることが多いらしい。
不属性魔法はさっき説明したので最後に未属性魔法。未属性魔法はただの無属性魔法だが、ある属性魔法に適正がある者が使えばその属性魔法になる魔法だ。ただの魔力の弾を飛ばす魔法が未属性魔法だ。
ぶっちゃけ言ってしまおう……全部まとめてもほぼ一緒じゃね?未属性魔法は少し違うかもしれないがほかの三種類は全て同じ種類にしていいんじゃないだろうか。けど、なんか理由があるのかもしれないから強くは言えないが……そんな事はどうでもいいのだ。
属性魔法よりは弱いとはいえ、不属性魔法は便利だ。例えば
「風よ、風よ壁の全てを駆け巡り我に人肌を教えたまえ」
こんな感じで詠唱するだけで建物に居る人が何人居るのかなどが分かる。一応、属性魔法にも似たような魔法はあるし、属性魔法なら詠唱をカットすることもできるらしい。勿論、修行はいるだろうが。
まあ、誰にでも使えるところが不属性魔法のよいところだからな……あれ?なんか家に一人だけ居ないように見えるが……気のせいだよな?
そう思い人が居るところにできるマークを数える……マークの数は8個。やはりおかしい。使用人で5個、アクター父さんで一個、ゼラーフ母さんで一個、レミリアと俺で二個、合計9個筈だ。
次はマークの上の名前を見てみよう……家族の分はあるな。使用人A、使用人a、使用人α、使用人Mもある……じゃあ今、家に居ないのは使用人さんか……。
だが、なんでこんな夜に?アクター父さんなら分かる。アクター父さんは吸血鬼だから夜に行動するのは当たり前だし、外に出たのも新しい人の血や肉を家族に持って帰る為で理解できる。
だが、なぜ使用人さんが?使用人さんは化け物並だが、人間だ。吸血鬼の館で暮らすからある程度は夜型とはいえ、人間である。買い出しに行くとしても店が開いている昼に行くべきだ。
こんな時間なら妖怪とかが普通に出歩いてたりしてる筈だ。いくら使用人さんが化け物とはいえ、あまり外に出るのは躊躇するはずだ。外に出る理由がないならなおさらだ……もし理由があれば?
怪物である使用人さんは力だけではなく賢い。そして優しく、俺達吸血鬼家族の為になら命すら投げ出してしまいそうなほどだ。そして、最近アクター父さんは忙しそうだ。それは俺も人間との抗争があるのではないかと思うほどだ。
いくら吸血鬼でも大量の人間との抗争になれば数人は死んでしまうかもしれない。その吸血鬼のうち二人は子供なのだから当たり前だ。アクター父さんたちも俺達子供を庇って死んでしまうなんて事もあるかもしれない。
人間は吸血鬼より弱い。だが、それはそのまま戦った場合だ。人間の武器は物を扱う事であり、物を作る事だ。その作った物には吸血鬼対策武器などはゴロゴロとあるはずだ。それも一個ではなく何百個も。
当然、吸血鬼を殺しに行くならその吸血鬼対策武器を持っていくことだろう。だが、それは吸血鬼のしか効きにくい物の筈だ。そこを恐怖の象徴である使用人さんが攻めにいく。勿論吸血鬼対策武器が世界の恐怖である使用人さんには効かない。
そんな計画をアクター父さんが宇宙が産んだ恐怖を司る神の使用人さんに持ちかけたら勿論、その計画を成そうとするだろう。もしそうならば、今日はその計画の日だう。
……助けに行かなければ。ぶっちゃけてしまえば使用人さんだけでなんとかしてしまいそうな気がしないでもない。いくら修行を続けているとはいえ、俺は子供だ。さらに相手は吸血鬼対策をしっかりとしているだろう。
だが、行かなくてはならない。まだ、この予想が当たった訳では無いのだ。とりあえず、使用人さんがどこに行ったのか確認しに行くだけでいいのだ。
そう思った俺は、部屋を飛び出しさらに館を飛び出した。
「何なんだよアイツは!!」
「あの強さで吸血鬼じゃねえのかよ!!」
「近づきすぎるなよ!あの斧で吹き飛ばされるぞ!」
「近づく訳ねえだろ!向こうからやって来るんだ!」
とある真夜中の草原で人々はそう叫ぶ。およそ、三百人程たが、それぞれが鎧と武器を装備しているので軍のような物だろう。中には十字架を持つものも居る。
そしてその人々が何をしているかと言えば……たった一人の
新しく東方の恋愛小説である【殺す私と殺されるそいつ】を投稿しましたのでそっちもよろしくお願いします。