死んだ。神様に会った。転生した。
昨今のss界隈で当たり前のように目にするようになったジャンル。
やれやれ系、オラオラ系など転生人物の種類まで分類できる程に多様化している物語を読むことは社畜な自分にとって日々の貴重な癒しの時間であった。
であった。と過去形で表現したが、つまりはそういうことである。いざ自身の身に起こるとは思わなかったし、全く笑えない。
死因云々、神様とのあれこれは割愛するとして、俺は転生した。
特典として筆しらべの力を貰って……この力、自分使えないよなと思いながら。
誰かの呼びかけと体をゆする感覚で目を覚ます。今の自分は倒れているみたいだ。
体を起こして声のする方を向くと、キセルを持った白髪のある中年を過ぎたあたりかなという男性と黒髪でメイドのような服を着て肩に”武蔵”と書かれた腕章をつけた女性がいた。
少しぼうっとしていた意識が一気に覚醒する。転生先は境界線上のホライゾンの世界だったようだ。
酒井・忠次と武蔵が何か話しかけてきたが余りのショックに答えることもできず、呆然としていると武蔵にだっこされて酒井宅と思われる所に連れていかれた。……だっこ?
某探偵のように幼くなっていることに気づき、考えることをやめた。
それから、かくかくしかじかなやり取りがあり自分は酒井・忠次預かりとなり生活できるようになった。(雑)
武蔵の住人となり初等部一年に通いながら生活を始めてしばらく、俺は必死に勉強して体も鍛えていた。なにせ前世に比べて死というものがかなり身近にあるのだ。
二度目の死を早く迎えたくない俺にとって死のリスクを少しでも下げることは重要であり、そのために出来ることは積極的にやった。
この世界の特徴である術式、かなりざっくりに言えばファンタジーにおける魔法のようなもの、には酒井さんに連れられて浅間神社へ契約に行ったが何故か出来なかった。(棒)
いや~なんでだろうな~(棒)心当たりなんてないな~(白目)現実逃避もそこそこに特典である筆しらべについて検証してみた。
誰も見ていないことを確認して地面に筆をはしらせたり、宙に丸を書いてみたが何も起きなかった。他人から見たら完全にやばい奴である。
やっぱりあれは神様だからできるんじゃ……と思いながら、とはいえ何もしないわけにはいかないので時間があるときには絵を描くようにした。
主人公たちとは同じ年代で時々遊んだりした。既にこのころから外道成分ありありだった。一緒の学年なんてご都合展開だな~なんて思いながら日々忙しく過ごしていた。
転機は意外なとこからやってきた。枯れかけていた花になんとなく水をあげていて、数日後また綺麗に咲いた花の周囲から桜色の玉がぽわっと出てきたのだ。
これもしかしなくても幸玉じゃね?と、桜色の玉に触れると体に吸い込まれていき、感覚的だが自分の中の器?と流体(この世界で存在するために必要なエネルギー)が僅かながら増えた。
俺の考えが当たっているならと確証を得るために困っている人の手伝いなんかをして問題が解決すると。その人の周囲から幸玉が出てきた。
我ながら相当いい笑顔をしていたのだろう。一緒に手伝ってくれていたトーリが引いていた。
幸玉を得ることで俺の中の限界内燃総拝気量と流体が増え、筆に流体をためてその状態で大神で言うところの達人の筆さばきで描くことによって筆しらべが発動するようだ。
何故そんなことが分かったのか。夢の中に十三の筆神様とアマテラス様(あのお姿)が降臨され、ご親切に教えてくださったのである。(白目)
最後に「いつも見ていますよ(意訳)」「ワン!」と言われ目を覚ました。色々と覚悟が決まった。
覚悟ガンギマリした俺は武蔵中駆け回り、花の手入れや、人の手伝い、手助けをしていった。もちろん絵の修行も欠かさなかった。神様みてるからね。
自重しなくなったのもその頃からだった気がする。いやあ、人間って生きるためならどこまでもいけるんだなあ。
高等部に上がるころには「花咲野郎」だの「外道どもの外付け良心回路」だのあだ名がついていた。
以下ダイジェスト
ホライゾンが亡くなって自身も向こうに行こうとしていたトーリに
「一度も死んだことがない奴が粋ってんじゃねーぞ!!!」と訳の分からないことを言って勢いでこっちに引きずり戻し。
不仲であったナルゼとマルゴットに
「さあ今日はとことん語り合ってほしい。相互理解には正面からのぶつかり合いが一番だ。」
とごり押しして場を設け、二人のキャットファイト見ながら最後に三人でケーキをたべて仲直りさせ。
点蔵には金髪巨乳の彼女をマッチングさせ。
若気の至り、後で黒歴史確定の荒れていたネイトには
「来いよネイト。鎖なんて捨ててかかってこい!!」とストレスの発散に付き合い。
ノリキの兄弟たちの面倒を時々見たり。
ネシンバラの中二病談話に付き合い
「全て遠き理想郷と書いてアヴァロンと読むのはどうだろう。」「!!!!」と病気を再発させたり。
アデーレを餌付けしたり。
点蔵にまた金髪巨乳の彼女をマッチングさせ。
武蔵艦橋を花だらけにして武蔵さん含む八人の自動人形と写真を撮ったり。
ウルキアガと姉同盟を組んだり。
御広敷の机に「闇の〇音」や「ネメ〇ス」の絵を入れておいて幸玉を出したり。
喜美に「ドMなあんたにピッタリなプレゼントよ!!智、早くそのぶっといのを差し込んでしまいなさい!!」
とズドンの盾にされたり。
直政に「かわいい」と言って機関部の奴らにすごい目で見られ、それらを直政が張り倒したり。
点蔵にまたまた金髪巨乳の彼女をマッチングさせ。
鈴とベンチに座って話をしていたらいつの間にかお供え物のように食べ物が詰まれていたり。
イトケンやネンジと共にインキュバス体操をしていると、たまたまそれを見かけたナルゼが鼻血を出しながら幸玉を出したり。
筆しらべが少しだけ出来るようになり調子に乗って花を咲かせたところを浅間に見られて
「どこの神社に浮気したんですか!初めては私とって言ったじゃないですか!」と言われたところをナルゼが見ていて同人誌にされたり。
時々、道端で倒れている正純にご飯をおごりながら、父君に「今月の正純十選」という俺が描いた絵を渡したり。
俺の絵が商品になると思ったらしいシロジロ、ハイディと外道商談を繰り広げたり。
ハッサンとカレーについて三日三晩語り明かしたり。
ミリアムの散歩に付き合って彼女の車いすを押していると
「デートみたいね。」と柔らかい笑顔で言われドキッとしたり。
とまあ、自重しなくなった結果、最低系オリ主のようなことを随分とやらかしてしまったが後の祭りである。
これこそ若気の至り、みんなこんな奴がいて大変だっただろうに。仲間外れにしないでくれてありがとうねえ。
なんて昔のことを思い出していると。
「なあ、親友。今、上でちょっとさ、お前らホライゾンを救わなくてもいいよ。なんて言ってさ。かっこつかねえんだけど、やっぱオメエには言うわ。
ホライゾンをさ、救ってくんねえ?いや、マジでかっこつかねえんだけどさ。」
隣を歩く親友のからの声。その内容に苦笑いしつつ
「初めからそう言えばいいんだ。慣れないことしてかっこつけるから爆死するんだよ。しかも今の後ろの皆にも聞こえてるからな。」
「クッソ!オメエのキャラ真似してクールに決めれば後でこの場面の録画を見たホライゾンが素敵!抱いて!な感じになると思ったんだよ!!」
「「「「「「お前あの雰囲気でそんなこと考えてたのかよ!!!」」」」」」
馬鹿が変なポーズをとりながら階段を降りていく。突っ込んだ皆も苦笑いやら、やれやれといった感じで負の感情は見られない。
そんな皆を見ながら思う。うん、俺ももう一度覚悟を決めよう。
「心配するな。」
親友がこちらを見る。
「不幸は俺が受け取とめる。だから皆は、幸いの道を行け。」
我ながらでかいこと言っていると思う。最近のオリ主でもこんなこと言わないだろう。けれど、皆のの生きざまを見ていると、覚悟を見ると思うんだ。
皆のゆく道を支えたい。どこまでも応援したいって。笑顔を守りたいって。
ほら、こんな大口叩いてるのにそんな笑顔で
「「「「「「Jud!!!」」」」」」
そう言ってくれる皆のためなら、俺はどこまでも強くなれる。
俺、「狼・幸道」はそんなことを思いながら皆とともに行く。
俺の本当の戦いはこれからだ!!