幸運びのひと(仮)   作:hasuka

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妄想が爆発した。
引き続き、頭空っぽにして読んで下さい。


その二

「時が過ぎるのは早いもんだねえ。俺が老いたと言われるわけだ。」

臨時生徒総会を終えて、教導院から降りてくる彼らを見ながら、酒井・忠次は呟く。

これからホライゾン・アリアダストを救うためにK.P.A.Italiaとの戦いに臨むというのに、皆、自然体で笑っていた。

訓練ではない、下手をすれば命を落とす本当の戦争だ。けれど彼らに、過度な緊張や気負いといったものはみられない。

そこには、互いに対する確かな信頼や絆があった。

ほんと、子供たちはこっちの知らないうちに驚くほど成長するねえ。

 

歩いてきた彼らがこちらの正面で止まる。

一番前にいるトーリが言う。

 

「学長!さっき幸道とセージュン、あのヒゲのおっさんにネチネチ言われてたんだぜ?ちょっとぐらい助けてくれてもよくね?」

 

「はは、悪い。奴さん俺の事になると血圧上がるからね。けど倅、幸道がカウンター決めたし、正純君もブレてなかったから心配してなかったよ。」

 

倅、と呼ばれた幸道は肩をすくめながら

「親父から話を聞いておいて良かったよ。でもまあ、涙目の正純はちょっと見てみたかったね。」

 

「おい幸道!なんで今そんなことを言う!」

 

「はは、正純がかわいいのが悪い。」

 

顔を真っ赤にした正純が何か言おうとするが何も言えずに口をパクパクさせて、周りはこれだからコイツはという表情を幸道に向ける。

 

「ま、話の長い学長は嫌われるから、手短にね。

 1つ、現場においては頑張るな、努力するな。そんな余裕はないからさ。

 2つ、だから、今までの積み重ね。その全力を出すこと。

 3つ、必ず、ホライゾンを含めて、全員帰ってくるんだ。」

 

「Jud!」

 

トーリにホライゾンの入学推薦書を送り、歩き出した彼らを見送る。

見送ることしか出来ないことに少しの歯がゆさも感じる。すると、

 

「大丈夫だよ、親父。俺たちは今、幸いの道にいる。全部終わったらドヤ顔で教皇総長に言ってやりなよ。

 俺んところの生徒はすごいだろって。」

 

……まったく、いっちょ前に漢しやがって。

まるでもう勝利を確信しているような発言。10年以上前に己が保護し、以来今まで見守ってきた”息子”の言葉に笑みを得ながら、

 

「Jud、期待して待ってるよ。また、奴さんが悔しがる顔を見せてくれ。」

 

皆が手を挙げ、それぞれの持ち場へと歩いていく。

それを見届け、酒井も己の場所へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

なんか俺、自分から墓穴というかハードル上げてないか?

でも自重なんてしてたらどっかで死んでたし、まあいっかと開き直る。

そんなことよりもホライゾンの救出である。えーと、確か、

トーリがギャグみたいな感じで先走って開戦。皆がそれぞれの場所で頑張って。教皇総長の大罪武装でピンチ。それをトーリの上位契約でイーブンにして。

エロ不注意。ホライゾン救出後、宗重砲で大きな花火。

大体こんな感じだっかなと思う。戦場でエロ不注意なんて言葉が出てくるのが武蔵クオリティーだよなあ。

内心で笑っていると顔に出ていたのだろう。

 

「幸道殿?笑っておられるが、どうされたで御座るか?」

 

「いや、遂にトーリの全裸芸と自爆芸が全国デビューかと思ったら笑いが出た。」

そう言ってトーリを生贄にする。

 

『考えてみればサイテーよね。武蔵的にかなり恥なんじゃない?』

 

『ナイちゃん的にスベるに一票かな。』

 

「わかっているなら、言わなくていい。」

 

『まあまあ皆さん。スベってダメージ受けるのトーリ君だけですし、ここは暖かく見守ってあげましょう。」

 

「お、オメエら、敵か!敵だな?!見てろよ、その内オメエらも全国放送で脱がしてやっからな!!」

 

『んふふ。愚弟ったらその意気よ!ついでに幸道も脱いでいいのよ?いいのよ?』

 

投げた球が輝玉になって戻ってきた件。

こういう時は早めに爆発させるに限る……!!

 

「わかったよ喜美。この戦いが終わったらお互いに確かめ合いっこしようか。」

 

周りが信じられないようなものを見る顔を向ける。

 

『ガっちゃん!ガっちゃん!まだ戦いは始まってないよ!』

 

『ちょっと幸道!?あなたなんてことを言ってますの!?』

 

『葵姉君は固まってしまってるし!味方に被害を出さないでくれよ!狼君!』

 

「オメエ時々、俺よりも爆発するときあるよなあ。」

 

ふっ。自重することを止めた今の俺に怖いものはあんまりない。もはやネタにされるのにも慣れてしまった。

あ、夢の中での神様達との修行は別です。(震え) カミサマハウラオモテノナイステキナカタガタデス。

 

なんて話している内に関所の手前まで来た。騒いでいた皆も臨戦態勢になる。

そして、ネシンバラによる作戦説明が行われ

 

『━━そして、主役の二人。激を頼むよ。』

 

皆がトーリと俺を見る。……俺も?

マズイ、これは予想していなかった!何にも用意していない。考えろ、考えろ!

 

「ま、俺はもう皆に頼りにしてるぜ。って言ってるし。親友!ここで一発決めてくれよ!」

 

こんの、こんな時だげそんなこと言うのやめろよ!ハードル上がるだろ!あ、普段からハードル上げていたの俺だったわ。

こうなりゃヤケだ!更に自重を止めるぞジョジョーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

「諸君!」

 

点蔵は聞いた。幼き頃より、自分たちを支えてきた友の声を。

 

「もう一度言う。俺たちは今、幸いの道にいる!」

 

ウルキアガは聞く。誰かの不幸を良しとせず、時に疎まれながらも皆に関わり続けた友の声を。

 

『いいか諸君!握る拳に静かな理性を、纏う防具に熱い感情を籠めろ!それらを意思表示として戦うのがこの一戦のやり方だ。━━よく聞け諸君!』

 

ナイトは想う。自身も苦しみ、悩みながら「それでも」と言い続け走り続けてきた彼の言葉を。

 

『進撃せよ、進撃せよ、進撃せよ、だ!弱者であれという連中をぶち抜き、姫さんをこちらに引きずり出してやれ!』

 

喜美は笑みを浮かべる。弟を向こうに行かせずに連れ戻してくれた、想い人の声を聞いて。

 

「武蔵アリアダスト教導院、副長、狼・幸道がここに宣言する。俺たちの物語はここからがプロローグであると!

 俺たちはいかなる試練にも幸いを見つけていくと。俺たちは無知で、だから前に進むと。

 そして俺たちは━━、最後まで諦めないと!」

 

「最初の命令だ。総員、ホライゾン・アリアダストをこちらに連れてこい。最善の判断が死であると、そう思っているホライゾンを最善以外で溢れている

 こっち側に叩き出してやれ!」

  

彼がこちらに背を向けて、一息。

 

「返事はどうした?」

 

決まっている。言うことなど一つだ。全身から湧き上がる衝動を言葉に乗せる。

 

「「「「「「━━Jud.!!!」」」」」」

 

走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

うおおお!!セーフ!!危なかった、セリフの流れを覚えていなければ即死だった。

くそう、なんで決戦前にこんな心臓に悪いことをネシンバラは振ってくるんだ。のちのちシェイクスピアに色々チクってやる。

だが今はこの鬱憤、お前たちで晴らすぞK.P.A.Italiaーーー!!!

眼前に陣を引く戦士団を見据え、懐から筆を出す。そして、両腕に着けている智特製の封環を外す。

夢と現実で十数年。修行の成果、試させてもらうぞ!

 

「━━制限解除。」

「筆しらべ【風神】の型・<疾風>」

 

宙に筆をはしらせる。吹き飛べーーー!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

正面から接近する武蔵の学生達を迎撃せんとしたK.P.A.Italia戦士団は、突如起こった突風に吹き飛ばされ、宙を舞った。

静寂。突然の出来事に敵、味方ともに動きが止まる中、男の声が響く。

 

「さあて、ホライゾンまでの花道を描こうか」

 

戦いが、始まる。

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