(FE紋章の謎の世界に転生したので)海賊王に俺はなる!   作:大目玉

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「オレルアンの戦士たち」4

 また暴れやがったこの女。

 服を脱がせて押し倒すとこまでは、まあおとなしかったんですよ。

 ところが、股を開かせていざ突貫って段になって急に暴れだしやがった。半狂乱になって泣きわめき、カミュの名を連呼。

 シーダ、お前のことマグロって言ってごめん。マグロの方が数百、数千倍マシだわ。

 

 海賊のバイブル(と勝手に呼ばせてもらう)「ヴ○ンラン○サガ」で、海賊が村娘を犯っちゃうときに顔面殴っておとなしくさせるシーンがあったけどさ、真似するか迷ったよほんと。殴らなかったけど。

 

 とはいえ、無理矢理おさえつけてやることはやったんで、殴らなかったことに意味があるかといえば、自己満足しかない。もとが美人だからって顔が腫れてたり、あざがあったりする女を犯るのは正直ちょっと……ってのはあったし。

 

 ニーナは、ベッドの上でぐったりとしている。

 いまのうちにいろいろと話しておきたいことがあるんだが、とりあえず死なれちゃ困るから言い含めておくか。

 

「カミュってのは誰だ?」

 

 俺はわざとらしく聞いた。ニーナはぴくりと反応したが、反抗心から黙っている。

 

「当ててやろうか。グルニア王国の黒騎士団団長カミュだろう」

 

 意地悪く言うと、ニーナは驚いた顔で俺を見上げた。

 

「そんなに驚くことはねえだろう。黒騎士カミュの名は有名だからな。お前、グルニアの捕虜になっていた時はあいつの世話になっていたんだっけか」

 

 パレスが陥落したのが3年前。捕虜だったこいつが脱出したのが1年前だったな、確か。で、オレルアンに逃げてきて、数ヵ月間ここで過ごしてたと。

 

「……あなたには、関係のないことです」

 

 震える声で言って、ニーナは顔をそむけた。やっぱり、こいつにはカミュの名しかねえか。

 

「カミュに会いたいか?」

 

 俺がそう言ってやると、ニーナは肩をぴくっと動かした。顔はそむけたままだが、俺の話に興味を持って耳をそばだてているのがありありと分かる。ちょろいぜ。

 

「お前が俺に従うなら、会わせてやらないこともねえ」

 

 五秒ぐらいたってから、ニーナはのろのろと体を起こした。半信半疑の顔で俺を見る。

 

「そんなことができるのですか?」

 

「ああ。俺はいずれグルニアに攻めこむつもりだからな」

 

 当然のように言うと、ニーナは唖然とし、それからあからさまにがっかりした顔になった。

 

「じゃあ、お前は自力でカミュに会うことができるのか?」

 

「それは……」

 

 ニーナはうつむいた。ふふん、物分かりがよくてけっこうなことだ。

 

「ハーディンが死んだ以上、お前は俺に頼るしかねえんだよ。それともマケドニア軍に降伏してみるか? カミュに会えないまま処刑ってとこだろうが」

 

 処刑の言葉にニーナの顔から血の気が引いた。それから、決意を固めるように拳を握りしめて俺を見る。

 

「私に、何をしろというのです……」

 

「神輿になれ」

 

 俺は続けた。

 

「アカネイア同盟軍の総大将っていう綺麗なお飾りだよ。ハーディンにもそう扱われてただろう?」

 

 何の気なしにそう言ったのだが、ニーナは憤慨して俺を睨みつけた。

 

「ハーディンはちゃんと私を尊重してくれました。私の考えにも耳を傾けてくれて」

 

「へえ。じゃあ、お前の政略と戦略を簡単にでいいから説明してみろよ」

 

「……政……略?」

 

 あっ、こいつ未知の外国語をはじめて聞いた人みたいな顔しやがった。

 

「ハーディンがお前を尊重した、って、お前を王女らしく扱ったって意味か? それなりにまともな服と飯と寝床を用意して、そこそこ気の利く召使いを用意したとか? そんなんだったら大切な犬にいい餌やるのと変わらねえぞ」

 

 当てずっぽうで言ったのだが、図星だったらしい。ニーナは見る見る顔を赤くした。

 

「何を勝手なことを……!」

 

「だから、お前の考えとやらを言ってみろよ。政略と戦略だよ」

 

「そもそも、その政略と戦略というのは何ですか。私を騙すために、いい加減なことを言っているのでしょう」

 

 ええー。マジでそこからー?

 

「簡単に説明すると、政略はこれからぶん殴る相手を決めること、戦略はどうやってぶん殴るか、ぶん殴った後どうするかを決めることだ」

 

「言っている意味がわかりません」

 

「分かろうとする努力をしてんのか、てめえ」

 

 さすがに俺もイラッときた。さっきまでカミュの名前を叫びながら泣いていやがったくせに。

 体はいいんだけどなあ。レナよりもおっぱいでかかったし。

 

 どうも根っこからやらねえと駄目っぽい。

 俺はため息をつくと、質問を変えた。

 

「お前、ドルーアと戦う気なんだよな? たしかドルーア打倒の檄を飛ばしたはずだもんな? ハーディンは何て言ってた?」

 

「すべて自分に任せてほしい、必ずアカネイア・パレスを取り戻すと」

 

 あのターバン、やっぱりこの女をお飾り扱いしてやがった。いや、妥当だよ。教えるの疲れそうだし。

 しかし俺だってそうするとは言えないのがつらいところだ。

 

「あのな」

 

 俺はニーナに指を突きつけた。

 

「パレスを取り返すのも、ドルーアをぶっ潰すのも、お前のやりたいことだろ? それなのに当事者のお前が何も考えねえで一切合切よきにはからえってのはどうなんだ」

 

 ここまでストレートに言うと、さすがにわかったらしい。ニーナは顔をしかめた。

 

「ですが、私はそういうことを考えるのなんて……」

 

 俺はニーナに顔を近づけて凄みながら、そのおっぱいをわしづかみにする。

 

「考えろ。考えるんだよ。お前、いったい両親からどんな教育を受けてきた」

 

 そう言うと、何かを思いだしたのかニーナの両目から見る見る涙があふれた。あー、そういやこいつの両親とか親戚ってパレスが落ちたときにさらし首にされたんだっけか。

 

「いい両親だったのか?」

 

 俺が聞くと、ニーナはどうしてそんなことを聞くんだって顔をしたが、うなずいた。

 

「お父様も、お母様も、とても優しかった。あんな死に方をする人じゃ……」

 

「お前はそのお優しいパパとママの仇を討ちたくねえのか? パパとママのいたパレスに平和を取り戻したくねえのか? そんなことまで他人任せでいいと、本気で思ってるのか? お前は何一つせずにただ椅子に座って願っているだけで、誰かがそれを成し遂げて報告するのを待つだけでいいと?」

 

 ニーナは顔を歪めて俺を睨みつけた。それから頭を抱えて叫んだ。

 

「そんなわけない! そんなわけないけど……でも……」

 

「だから、考えろ、って言ってんだろ。さっきからよ」

 

 それにしても、アルテミスの定めだの歴史はそこそこ教えていたっぽい割に、為政者としての心構えや考え方は何も教えてやがらなかったんだな、ニーナの親父とおふくろは。

 あとボアとかあのへんの連中。おかげで俺が苦労する。

 

「ドルーアへの宣戦布告。パレスに平和を取り戻す。両親の仇を討つ。この三つをそれらしい文章にまとめろ。アカネイア同盟軍の総大将としてだ。それがお前の最初の仕事だ。できたら添削してやる」

 

 俺はベッドから下りると、シーツで適当に汗や一物の汚れを拭い、服を着た。ニーナをそのままにして部屋を出る。

 外ではシーダが控えていた。こいつ、いつからいたんだ。まあいいや。

 

「お前、しばらくニーナの面倒を見ろ。四六時中見張っていろとはいわねえが、なるべく目を離すな。あと、やつに要求されても刃物や長い縄や紐の類は渡すな」

 

 俺の言いたいことを正確に察したシーダは、責めるような口調で聞いてきた。

 

「ニーナ様を、そこまで追い詰められたのですか」

 

「あいつはもともと心が弱えんだ。支えのあるお前やレナとは違う」

 

 シーダにはタリスがあり、レナには信仰心がある。

 だが、話した感じだとアカネイア・パレスはニーナの拠り所になってねえ。よくて思い出の場所だ。

 ニーナの拠り所はカミュだ。だが、カミュが敵にまわっていることで、また会えれば、程度にしかなってねえ。

 カミュに会えるまでは泥水すすってでも生き延びてやる、ぐらいの気概があれば楽なんだが。

 

「ニーナ様を、そっとしておいてさしあげることはできないのですか」

 

「できねえ。あいつにはどっぷり修羅場に浸かってもらう」

 

 俺はそれ以上シーダにかまわず歩きだした。マチスたちの様子を確認しなけりゃならん。

 

「あいつしかいねえんだから仕方ねえだろ」

 

 独り言を呟いた。俺だって、ニーナみたいな悲観的で不安定でメンヘラ一歩手前で自分の意志があるのかないのかよくわからねえようなやつを担ぎたくはねえさ。

 

 だが、俺は海賊だ。

 

 マルスやハーディンなら、一国の王子や王弟って血筋と肩書きが強力な武器になる。アリティアは勇者アンリの建国した国だし、オレルアンはアカネイアともっとも結びつきが強い国だ。

 ドルーアへの宣戦布告も、グルニアやマケドニアとの交渉もその肩書きですませられる。

 ニーナはやつらに正義のお墨付きを与えるだけで、何もせずにお飾りをやっていればよかった。

 

 俺はやつらとは違う。シーダにタリス軍を名のらせればいけるかと思ったが、ハーディンの反応を思いだすと無理だろう。

 だったらニーナにやらせるしかねえ。この際だ。体も心もしっかり教育してやる。

 

 砦を出て、状況を確認する。アイルトンからは援軍のペガサスナイトを次々に討ちとっているという報告がきた。「まるでトンボ取りでもしているようだ」とのこと。

 

 マチスからは、ロシェとウルフを討ちとったという報告がきた。マチス自身は何度か深傷を負ったが、レナのリライブによって耐えきったらしい。レナも無事。

 

 ヴィクターは援軍のソシアルナイトを撃退中。アーマーナイトもついでに囲んで倒したそうだ。俺はヴィクターの援護をするべく、海賊たちを率いてそちらへ向かった。

 

 もうあとは消化試合だ。

 援軍を一掃すると、あとは城門を守っているアーマーナイトと、後方に控えている司祭を倒す。

 指揮官のムラクはナイトキラーを持っているが、海賊や戦士には関係ねえ。カシムと、トンボ取りで練度を上げたアイルトンに散々矢を射かけさせたあと、俺は海賊と戦士を繰り返し突撃させて、ムラクを倒した。




ガザック軍編成
ガザック  シーダ   アイルトン
カシム   ハンター  海賊
海賊    レナ    ヴィクター
戦士    戦士    マチス
ニーナ
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