(FE紋章の謎の世界に転生したので)海賊王に俺はなる!   作:大目玉

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「ノルダの奴隷市場」2

 南下してくるペガサスナイトの一団はカシムやアイルトンに命じて撃退し、それがすんだところでナイトキラーを持たせたマチスを先行させ、打って出てきたソシアルナイトやホースメンを倒す。

 城下町をうろつくならず者どもはミネルバが片付けた。

 俺たちは城下町に入った。

 

 この先、面倒なのは砦を越えてパレスに突入するときだ。シューターを片付け、火竜のショーゼンを片付け、スナイパーを片付けないといけない。いくつか手は考えてあるが……。

 ま、その前に、リンダだリンダ。俺はでかい城下町のノルダと呼ばれる区画に入り、町外れの奴隷市場へ向かった。

 

「奴隷はいらねえかい。今なら売れ残りの汚えガキばかりだから安くしとくぜ」

 

「よし、全員くれ」

 

 俺は太っ腹なところを見せて、一切値切らず、一人残らず奴隷を買った。その数実に三十人。

 

「ところで、さっそく一人味見してみたいんだが、部屋を貸してもらえねえか?」

 

 俺が頼むと、奴隷商人は気前よく部屋を用意してくれた。粗末なベッドが一つあるだけのしょぼい部屋だが、この際ヤれればいい。

 リンダはすぐに見つかった。男装してる少女なんて一人しかいねえからなあ。見つけるのは簡単だったぜ。

 

「わ、私は男です……」

 

 俺と二人きりになったリンダは、震えながらそう言った。可愛いねえ、ぐへへへ。とはいえ、こいつオーラ持ってるからな。気をつけねえと。

 

「そうか、そうか。じゃあ身体検査をしてみようか。服を脱げ」

 

 リンダは恥ずかしがるようにもじもじとしながら、ゆっくりと服の裾をたくしあげる。その瞬間、俺はばっと飛びかかってリンダの両腕をおさえ、ベッドの上に組み敷いた。

 体重をかけて動きを封じながら、リンダをうつぶせにする。背中に指を這わせると、一冊の魔道書がくくりつけられているのが分かった。

 

「あっ、駄目、やめてっ!」

 

 リンダが悲痛な叫びをあげる。俺はリンダの服をまくりあげて、魔道書を奪いとった。こいつの動きをじっと観察していてよかった。知らなかったら、たぶん不意打ちをくらっていた。危ない危ない。

 

「こんなものを隠してたのか-。いけないなー。先生が没収しまーす」

 

 俺は魔道書の角でリンダの背中を軽く叩くと、魔道書を部屋の隅に放り投げる。

 

「さて。俺はお前を買った。つまり、俺はお前のご主人様なわけだ。ご主人様と呼んでみろ」

 

「だ、誰が呼ぶもんですかっ!」

 

 おお、気が強くてけっこうなことだな。

 

「まだ主従関係というものをわかってないんだな。よしよし、その体にじっくりたっぷり教え込んでやろう」

 

 俺はリンダの服を乱暴にはぎとった。白い裸身が露わになる。

 細身だったんでちょっと不安だったが、少し痩せてるってぐらいだ。加減はしても、マリアの時みたいに諦めるほどじゃねえ。

 いただきまーす。

 

 

 ことをすませたあと、俺はほとんど放心状態のリンダを背負い、他の汚えガキども(最年少は八歳で、最年長は十四歳)を連れて同盟軍のテントに戻った。今、同盟軍は城下町の一角にテントを張っている。

 

 総大将のテントはちょっとした小屋ぐらいのでかさなんだが、そこにはニーナとシーダ、レナとマリアがいた。地面には絨毯が敷かれていて、椅子やテーブルも置いてある。居住性もそれなりにあるって感じだ。

 

「な、何を考えているのですか、あなたは!」

 

 奴隷を買ってきたと言ったらニーナに怒鳴られた。

 

「同盟軍の指揮官ともあろう者が奴隷を買うなんて! それもこんな子供たちばかり……」

 

「売れ残りだから安かったぞ」

 

 実にいい買い物をしたと笑顔で俺が言うと、ニーナは殺意を込めて俺を睨みつけた。拳が震えている。シーダとレナ、マリアも俺を非難するような目で見ている。そんなに悪いことなんか、この世界でも。

 

「レナ、ちょっと耳を貸せ」

 

 俺はレナを呼んで耳打ちする。レナは真面目な顔になって頷いた。

 

「よし、じゃあこいつらを連れていけ。シーダ、マリア、お前らもレナを手伝え」

 

 奴隷の子供たちはレナたちに引率されてテントから出ていった。俺とリンダ、ニーナだけになったところで、俺はニーナに言った。

 

「じゃあ、お優しいニーナ様に教えていただこうか。あのガキどもをどうする?」

 

「決まっています。すぐに家へ帰してやるように……」

 

「お前は、あのガキどもがさらわれて奴隷にされたと思ってるのか?」

 

「それ以外に何があるというのですか!」

 

 うーん、最近はマシになってきたとはいえ、さすがポンコツオブポンコツだ。

 

「その日の飯にも事欠く貧しい家が、子供を売って金に換えたとは思わねえのか?」

 

 俺が聞くと、ニーナはびっくりしたように目を丸くした。怒りが一気にトーンダウン。

 

「そう、なのですか……?」

 

「事情はこれから聞くとこだがな。お前が言ったように、どこかからさらわれたってのももちろんあるだろう。だが、たとえば戦争で孤児になって、ここまで連れてこられたってガキがいたらどうする? お前はそんなガキに、家へお帰んなさいと言ってやるのか?」

 

「それは……」

 

 ニーナはうつむいた。だが、すぐに顔を上げて俺を見つめる。

 

「ですが、やはり奴隷を買うというのはよくないことだと思います」

 

「こっそりじゃなくて、堂々と売ってたぞ。さすがに目抜き通りじゃなくて町外れだったがな」

 

「それは、ドルーアの……」

 

「この城下町には闘技場もある。奴隷剣闘士もいるはずだ。アカネイアがまったく関わってねえってことはねえだろ」

 

「でも、せめて、その奴隷商人を捕まえるぐらいは……」

 

「一人捕まえてどうなる? 奴隷商人が一人だけってことはねえ。他のやつらはもっとこそこそするか、他の町に移って目立たないよう商売をするだけだ」

 

 ついにニーナは反論できなくなったようで、またうつむいてしまった。うん、けっこう粘ったな。師として成長を実感する次第である。

 

「お前は奴隷売買をなくしてえのか?」

 

 この世界じゃ根絶は無理な気がするんだけどな。

 ニーナは警戒半分おびえ半分って顔で俺を見て頷いた。また何か言われるかもって顔だ。言ってやるんだけど。

 

「じゃあ考えろよ。パレスを取り戻したら、お前がここのご主人様だろうが。お前が法を考えろ。レナとかウェンデルあたりに相談しろ。原案ができたら見てやるから」

 

 そう言うと、ニーナはぱっと顔を輝かせた。

 

「案ができたら、すぐ実行に移してもいいのですか?」

 

「パレスを取り戻したら、だな」

 

 俺は笑って言った。

 

「だから今のうちに考えておけ。パレスを取り戻すのは俺がやってやる。立て直すのはお前の仕事だ」

 

 そのとき、俺が背負っているリンダがもぞもぞと動いて目を覚ました。

 

「おう、目が覚めたか」

 

 俺は下卑た笑みを浮かべてリンダを見る。リンダの顔には涙の跡が残っていた。

 

「い、嫌っ! 嫌っ!」

 

 リンダはおびえて取り乱し、暴れて、俺の背中から落ちた。絨毯の上に尻餅をつく。その様子にニーナは何があったのかを察して、俺を睨みつけ、俺とリンダの間に割りこむ。

 

「あなたは、またやったのですか……」

 

「俺の買った奴隷に何をしようと、俺の勝手だろう? 奴隷を買うってのはそういうことだ」

 

「それなら、この子は私が買いとります! 他の子供たちも……!」

 

 俺はおもいっきり変顔を作って突っぱねた。

 

「嫌ですぅー。売ってあげませぇーん」

 

「真剣に話を聞いてください! もう、ついさきほどまでは真面目だったのに……!」

 

 そのとき、リンダは自分をかばった女が誰なのか、やっと気づいたようだった。

 

「も、もしかして、ニーナ様なのですか!?」

 

 その言葉に、ニーナも驚いてリンダを振り返る。

 

「私を知っているのですか? たしかに、あなたの顔はどこかで……」

 

 ニーナは懸命に記憶をさぐる。リンダはニーナの前にひざまずいて訴えた。

 

「私はミロアの娘リンダと申します! ニーナ様にはもう何年も前のことになりますが、ご挨拶をさせていただいたことが……」

 

「あなたがミロアの……。ええ、思いだしました。よく無事で……!」

 

 ニーナはリンダの手を取って立たせると、優しく抱きしめた。

 

「今は俺様の奴隷だぞ」

 

 感動の再会に俺は容赦なく水をぶっかけてやった。白濁液はさっきぶっかけました。

 リンダはびくっと縮こまった。ニーナは俺の前に進みでて、必死に懇願する。

 

「お願いします。この子は私に引き取らせてください。リンダの父ミロアは、ミロア大司祭は、アカネイアのためにガーネフと戦って命を落としました。それ以後、ずうっとリンダは行方不明でした。奴隷商人に売られたという噂も聞いていました。今まで、私には想像もできないほど悲しい目にあってきたのだと思います。ミロアに代わって、私がリンダを守りたいのです」

 

「ふーん」

 

 ぐふふふふ。俺はいやらしい笑みを浮かべた。計画通り!

 

「じゃあ、リンダの分も俺に抱かれるか?」

 

 ミネルバに使った手だ。今後もこれでいこう。ワンパターンおおいに結構。俺が美少女とえっちできればそれでいいんですぅー。

 

「ど、どういうことですか、ニーナ様!?」

 

 リンダが食いついてきた。父親の仇を討とうって健気な女の子が、まさかニーナにセッ○ス代行頼むわけはないよなあ。

 ニーナはうやむやにしそうな気がするので、俺が説明する。

 

「俺はな、ニーナに協力する代償として、こいつの体を毎晩……ほとんど毎晩いただいているわけだ。そのニーナが、お前を助けたいという。俺が、抱くために、買った、奴隷であるお前を助けたいって」

 

 抱くために、を特に強調して言ってやる。

 

「まあ、俺としても馬鹿な子ほど可愛いって思うから……」

 

「待って!」

 

 リンダが叫んだ。俺を睨みつける。

 

「いいわ! あんたに……あんたに抱かれる。ニーナ様の分も! だからニーナ様に手を出さないで!」

 

 これは予想しなかった。おもいきったこと言うな。さすがオーラの使い手は違う。

 

「待ってください。私がリンダの分も、あなたに身を任せます。ですから……」

 

 すげえ! エロゲーみたいだ! 笑いが止まらねえ!

 

「わかった、わかった」

 

 俺はせいぜいもったいをつけて言った。

 

「リンダ、だったな。お前、魔道士だよな? 戦いの経験は?」

 

「……あまりないわ」

 

 リンダは悔しそうに答える。まあ仲間にしたらレベル1だったしな。問題はやる気だ。

 

「お前、父ちゃんの仇を討ちてえか?」

 

 リンダはこくりと頷いた。ヒラヒラする薄着を年頃の娘に贈るアレな親父って設定はDS版だしな。きっといい親父だったんだろう。

 

「今後一切抱かないってのは無理だが、数は減らしてやってもいい。お前、普段はニーナのそばにいろ。戦場では魔道士として働け。努力次第では、お前をガーネフの前まで連れていってやる」

 

 俺の言葉に、リンダは「はぁ?」ってな顔をした。分からんでもない。

 

「いったい何を言ってるのよ。ガーネフが何者なのか分かってるの?」

 

「お前よりはな」

 

 俺はふてぶてしく笑ってみせた。

 が、本音を言っちゃうと、マジでリンダ頼みなんでなんとか成長してほしいんだよな。マリクは殺したし、ウェンデルは頼りないし、レナやマリアはまったく戦闘向きじゃねえし。

 このあとガーネフ戦までに仲間になる予定のシスター、魔道士、司祭ってボアしかいねえし。

 ボアって。ボアってあーた。あいつ、成長率ワースト1のジェイガンの次に成長率悪いんだぜ。ちなみにボアの次に成長率悪いのはマリアだ。

(注:すみません。ワースト1はバヌトゥでした。次がジェイガン、ボア。マリアはワースト4ですね)

 これでリンダが駄目だったら、ウェンデルを説得してスターライト持たせて特攻させるしかねえ。チェイニーに変身させてスターライト持たせるのってできたっけ。ちょっと無理っぽいよなあ。

 

「ニーナ。あとは任せる。奴隷のこともちゃんとやっておけよ」

 

 俺は笑ってテントをあとにした。さて、次は大陸一か。


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