7つの歌姫と音楽の仮面ライダー “ビート”   作:よなみん/こなみん

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疾走してました。小南 桐絵です。
コラボ続きです。どうぞお読み下さい。

早く終わらせたい・・・(カタカタ


第32話 月の侵略者 黄金の軌跡 撃槍・ガングニール

鈴夢「・・・ジャンヌ・・・?」

ジャンヌオルタ「・・・!」

 

寝室。サーヴァント監視の元、ジャンヌオルタ、ジル・ド・レェを監禁している中、同室で寝ていた鈴夢が意識を取り戻す。

部屋にいた鈴夢のサーヴァントはガウェイン、玉藻、ジャンヌの3人。他のメンバーは館の修理に借り出されていた。

 

ガウェイン「マスター、お目覚めでしょうか」

鈴夢「身体が重い・・・戦兎さんは?」

玉藻「ご安心を、戦兎さんは無事。マスターは今、生死の狭間にいます。ささ、とりあえずご飯をお食べになって♪」

 

玉藻は軽めのご飯だが、おにぎりと味噌汁、お茶を鈴夢の寝てる布団の隣にある机に置く。

 

鈴夢「・・・やだ」

玉藻「やだ。ではないです。しっかり食べてください。ささお口を開けてください」

鈴夢「むー」

 

ジャンヌ、ガウェインとジャンヌオルタ、ジル・ド・レェはそんなやり取りを見ながら談笑していた。

 

ジャンヌオルタ「あれがマスター?わ、私たちと戦った時とは何か違う・・・みたいだけど?」

ジャンヌ「ええ。間違いなく貴女と戦ったマスターですよ。令呪もあるではないですか」

ジャンヌオルタ「そういう訳じゃなくて。子供みたいになってるわよ。いいの?」

ジャンヌ「ええ。むしろその方が萌えません?」

 

「何言ってんだこの聖女は」と心の中で思いつつ、ジャンヌオルタは鈴夢を見つめる。

玉藻が差し出すおにぎりを避ける鈴夢。その感じはまるでとかではなく子供そのものだった。

 

ジル・ド・レェ「・・・呪いのせいでしょうか。誠に申し訳ございません」

ガウェイン「気にすることはありません。この呪いが解ければ、きっと元のマスターに戻りますから」

ジャンヌ「邪ンヌ、マスターに話しかけてみませんか?」

ジャンヌオルタ「わ、私が!?」

ジャンヌ「ええ!きっと恥ずかしがりながらも返してくれますよ!」

 

少しおどおどとした後、覚悟を決めたかのようにため息をついたジャンヌオルタは、布団を後に、鈴夢の横までジャンヌと共に移動する。

近くに来た際、玉藻に少し睨まれるが、鈴夢がさらにおにぎりを避けると、玉藻はさらに鈴夢に攻撃を続ける。

 

ジャンヌ「ささ」

ジャンヌオルタ「ま、マスター・・・?」

 

ジャンヌオルタが可愛い声を出しながら鈴夢の名前を呼ぶと、同時にジル・ド・レェは録音していたが・・・それは別の話。

呼ばれた本人はゆっくりジャンヌオルタを見て・・・

 

鈴夢「ん。ジャンヌ?久しぶり・・・」

ジャンヌ「お久しぶりですマスター、ところでこちらの私に身に覚えはありませんか?」

 

まじまじと品定めするような視線がジャンヌオルタに突き刺さる。

見つめられている等の本人は頬を赤らめ、そっぽを向いていたがジャンヌに軌道修正される。

 

鈴夢「・・・ジャンヌオルタ」

ジャンヌオルタ「マスター・・・」

鈴夢「俺は君を許してない」

 

冷静に告げられるその言葉は、さながら彼女たちには死刑宣告のように聞こえたが、鈴夢は言葉を続ける。

 

鈴夢「それでも君を生かしたのは、生きることをやめて欲しくないからだ。戦って死ぬのが本望とかさ、嫌じゃん」

ジャンヌ「ええ。オルタには私の分も頑張って生きて欲しいです」

ジャンヌオルタ「や!やかましいわね!アンタは生きてるでしょうが!」

 

ワイワイと盛り上がる部屋・・・ジャンヌオルタの顔には、何時しか笑顔が表情に出ていた。

 

 

―――

 

 

剣崎「敵の襲撃がないな」

ジークフリート「妙だな。俺達がここに飛ばされた時には沢山いたものだが」

剣崎「そうなのか」

 

フロンティアの機関部であろう部分を歩く一同は、警戒しながら出口を目指していた。

敗走したサーヴァントたちの死骸がところどころ落ちているが、全て核の部分を貫かれていた。

 

剣崎「・・・!」

ゲオルギオス「聞こえましたか!剣崎殿!」

剣崎「戦闘の音だ!行くぞ!」

『チェンジ』

 

剣崎はカードを通し、仮面ライダーカリスへと変身、ジークフリート、ゲオルギオスも剣を出し、それぞれ音が聞こえる場所まで駆ける。

 

ジークフリート「無事か!援護に来たぞ!」

 

そこにいたのは氷、雷を放っているスーツを纏った少年、そして長刀を構えた和の戦士だった。

 

諸葛孔明「援軍か。丁度いい。手伝ってもらおうか・・・アサシン!」

佐々木小次郎「援軍?全く・・・いいタイミング出来てくれる!」

 

シャドウサーヴァントを振り切ると、ジークフリート、ゲオルギオス、剣崎がいる位置まで下がってくれる。

 

剣崎「貴様らはどうしてここに?」

諸葛孔明「さぁな。召喚されたかと思えばこうなっていた。おかげで抵抗せざるをえなくなったよ」

ジークフリート「一体誰が・・・」

 

その時、剣崎たちが集まる場所にスポットライトが当たる。色とりどりの色で、彼らの姿はハッキリと映し出されてしまう。

 

剣崎「何っ!」

佐々木小次郎「困ったな、祝福されるのはあまり好きではないな」

剣崎「そういうものなのか!?」

 

孔明、ジークフリート以外が動揺する中、ツカツカと、彼らの前を歩く影がいた。

その影は彼らの前で止まると、手を挙げ、元気な声を上げる。

 

BB「レディース、アーンド、ジェーントルメーン!」

諸葛孔明「とんだ登場だな。BB」

剣崎「BB・・・?」

 

目の前に現れた少女は、なんとも言えない姿をしていた。服をマントのように羽織り、妖艶な動きでこちらに寄ってくる。言うならば淫魔だ。そしてヤンデレだ。

 

BB「もう酷いなぁー!私はあなた達を待ってたんですよ!」

ジークフリート「待っていた、だと?」

諸葛孔明「なるほど・・・誘い出されていたのか」

 

その直後、BBが指を鳴らすと彼らの周りの死体が蘇るように身体を起こす。

今にも崩れそうな身体が維持できているのは、BBが魔力を送っているからだ。彼女にはマスターの権限である令呪を独自に持っていた。

BBが手を下ろすと死体・・・「アンデット」たちは各々の武器を手に取り目の前の障害を排除すべく前進する。

 

ジークフリート「厄介だな。海底だから宝具も使えない」

諸葛孔明「おまけに物量作戦と見た。ここを突破するのは難しいぞ」

 

海底で剣崎たちが本気を出せば、この状況は確かに厳しいかもしれない。

もし彼らが本気を出し、この状況を切り抜けようものなら、まずフロンティアが壊れかねない。それにそれを出して剣崎・・・その他のサーヴァントが無事ている保証はない。

 

剣崎「どうする」

諸葛孔明「・・・ともかく突破口を作らなければここから脱出も出来ない。アサシン、先導を頼めるか」

佐々木小次郎「あぁ、任せたまえ」

ジークフリート「君一人では手間がかかるだろう。俺も前に出るぞ」

 

佐々木小次郎、ジークフリートが各々構え、孔明は眼鏡を掛け直して、剣崎はカリスアローを敵へと向ける。

そこから数秒もしないうちに孔明が手を合わせ、前衛の2人が駆ける。

剣崎は一陣の風となり、孔明の周りによってくる「アンデット」たちを蹴散らしていく。

身体を切り裂き、頭蓋骨を矢で貫いていく。

孔明も雷、氷の魔術を使い「アンデット」たちを蹴散らしていく。

 

ジークフリート「道は開けた!進むぞ!」

諸葛孔明「後退する、行くぞ」

剣崎「了解」

 

ジークフリートが手を振る位置まで、剣崎と孔明は走っていく。

佐々木小次郎が出口を守る中で、3人はアンデットたちの大軍を抜ける。

・・・が、そこまでだった。

 

BB「ざんねーん、時間切れでーす!」

ジークフリート「これは!」

 

BBの声か聞こえた瞬間。剣崎達が通って来た道が塞がれてしまう、佐々木小次郎はため息をつき、刀を構え直す。

 

剣崎「お前・・・ハメたのか」

BB「なんの事かな?BBちゃんには分からないなぁ〜」

ジークフリート「佐々木!無事なのか!」

 

2人が佐々木小次郎の方を振り向くと、彼に大量のアンデットたちが迫ってきていた。

佐々木小次郎は渋々と刀を取り出し、静かに構える。

その額には・・・わずながら汗が出ていた。

 

剣崎「くそっ!俺が行く!それまで・・・!」

佐々木小次郎「止めないか。剣崎一真」

 

佐々木小次郎は静かな、それこそ冷静な声で告げる。

その声には迷いなどなく、自分の運命を理解したような声だった。

 

佐々木小次郎「我らは英霊だぞ?それこそ死など覚悟の上。その覚悟がなければこの戦場に立っておらんよ」

剣崎「・・・」

佐々木小次郎「行け、守りたいものがあるのなら・・・な」

 

その直後、剣崎はジークフリートに腕を捕まれ連れていかれる。佐々木小次郎は一人、大軍の中へ突っ込んでいく。

 

佐々木小次郎「さらばだ。次は良いマスターに恵まれたいものだな」

 

その言葉を最後に、彼の刀は吹き飛ばされた・・・






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