7つの歌姫と音楽の仮面ライダー “ビート” 作:よなみん/こなみん
疾走してました。小南 桐絵です。
コラボ続きです。どうぞお読み下さい。
早く終わらせたい・・・(カタカタ
鈴夢「・・・ジャンヌ・・・?」
ジャンヌオルタ「・・・!」
寝室。サーヴァント監視の元、ジャンヌオルタ、ジル・ド・レェを監禁している中、同室で寝ていた鈴夢が意識を取り戻す。
部屋にいた鈴夢のサーヴァントはガウェイン、玉藻、ジャンヌの3人。他のメンバーは館の修理に借り出されていた。
ガウェイン「マスター、お目覚めでしょうか」
鈴夢「身体が重い・・・戦兎さんは?」
玉藻「ご安心を、戦兎さんは無事。マスターは今、生死の狭間にいます。ささ、とりあえずご飯をお食べになって♪」
玉藻は軽めのご飯だが、おにぎりと味噌汁、お茶を鈴夢の寝てる布団の隣にある机に置く。
鈴夢「・・・やだ」
玉藻「やだ。ではないです。しっかり食べてください。ささお口を開けてください」
鈴夢「むー」
ジャンヌ、ガウェインとジャンヌオルタ、ジル・ド・レェはそんなやり取りを見ながら談笑していた。
ジャンヌオルタ「あれがマスター?わ、私たちと戦った時とは何か違う・・・みたいだけど?」
ジャンヌ「ええ。間違いなく貴女と戦ったマスターですよ。令呪もあるではないですか」
ジャンヌオルタ「そういう訳じゃなくて。子供みたいになってるわよ。いいの?」
ジャンヌ「ええ。むしろその方が萌えません?」
「何言ってんだこの聖女は」と心の中で思いつつ、ジャンヌオルタは鈴夢を見つめる。
玉藻が差し出すおにぎりを避ける鈴夢。その感じはまるでとかではなく子供そのものだった。
ジル・ド・レェ「・・・呪いのせいでしょうか。誠に申し訳ございません」
ガウェイン「気にすることはありません。この呪いが解ければ、きっと元のマスターに戻りますから」
ジャンヌ「邪ンヌ、マスターに話しかけてみませんか?」
ジャンヌオルタ「わ、私が!?」
ジャンヌ「ええ!きっと恥ずかしがりながらも返してくれますよ!」
少しおどおどとした後、覚悟を決めたかのようにため息をついたジャンヌオルタは、布団を後に、鈴夢の横までジャンヌと共に移動する。
近くに来た際、玉藻に少し睨まれるが、鈴夢がさらにおにぎりを避けると、玉藻はさらに鈴夢に攻撃を続ける。
ジャンヌ「ささ」
ジャンヌオルタ「ま、マスター・・・?」
ジャンヌオルタが可愛い声を出しながら鈴夢の名前を呼ぶと、同時にジル・ド・レェは録音していたが・・・それは別の話。
呼ばれた本人はゆっくりジャンヌオルタを見て・・・
鈴夢「ん。ジャンヌ?久しぶり・・・」
ジャンヌ「お久しぶりですマスター、ところでこちらの私に身に覚えはありませんか?」
まじまじと品定めするような視線がジャンヌオルタに突き刺さる。
見つめられている等の本人は頬を赤らめ、そっぽを向いていたがジャンヌに軌道修正される。
鈴夢「・・・ジャンヌオルタ」
ジャンヌオルタ「マスター・・・」
鈴夢「俺は君を許してない」
冷静に告げられるその言葉は、さながら彼女たちには死刑宣告のように聞こえたが、鈴夢は言葉を続ける。
鈴夢「それでも君を生かしたのは、生きることをやめて欲しくないからだ。戦って死ぬのが本望とかさ、嫌じゃん」
ジャンヌ「ええ。オルタには私の分も頑張って生きて欲しいです」
ジャンヌオルタ「や!やかましいわね!アンタは生きてるでしょうが!」
ワイワイと盛り上がる部屋・・・ジャンヌオルタの顔には、何時しか笑顔が表情に出ていた。
―――
剣崎「敵の襲撃がないな」
ジークフリート「妙だな。俺達がここに飛ばされた時には沢山いたものだが」
剣崎「そうなのか」
フロンティアの機関部であろう部分を歩く一同は、警戒しながら出口を目指していた。
敗走したサーヴァントたちの死骸がところどころ落ちているが、全て核の部分を貫かれていた。
剣崎「・・・!」
ゲオルギオス「聞こえましたか!剣崎殿!」
剣崎「戦闘の音だ!行くぞ!」
『チェンジ』
剣崎はカードを通し、仮面ライダーカリスへと変身、ジークフリート、ゲオルギオスも剣を出し、それぞれ音が聞こえる場所まで駆ける。
ジークフリート「無事か!援護に来たぞ!」
そこにいたのは氷、雷を放っているスーツを纏った少年、そして長刀を構えた和の戦士だった。
諸葛孔明「援軍か。丁度いい。手伝ってもらおうか・・・アサシン!」
佐々木小次郎「援軍?全く・・・いいタイミング出来てくれる!」
シャドウサーヴァントを振り切ると、ジークフリート、ゲオルギオス、剣崎がいる位置まで下がってくれる。
剣崎「貴様らはどうしてここに?」
諸葛孔明「さぁな。召喚されたかと思えばこうなっていた。おかげで抵抗せざるをえなくなったよ」
ジークフリート「一体誰が・・・」
その時、剣崎たちが集まる場所にスポットライトが当たる。色とりどりの色で、彼らの姿はハッキリと映し出されてしまう。
剣崎「何っ!」
佐々木小次郎「困ったな、祝福されるのはあまり好きではないな」
剣崎「そういうものなのか!?」
孔明、ジークフリート以外が動揺する中、ツカツカと、彼らの前を歩く影がいた。
その影は彼らの前で止まると、手を挙げ、元気な声を上げる。
BB「レディース、アーンド、ジェーントルメーン!」
諸葛孔明「とんだ登場だな。BB」
剣崎「BB・・・?」
目の前に現れた少女は、なんとも言えない姿をしていた。服をマントのように羽織り、妖艶な動きでこちらに寄ってくる。言うならば淫魔だ。そしてヤンデレだ。
BB「もう酷いなぁー!私はあなた達を待ってたんですよ!」
ジークフリート「待っていた、だと?」
諸葛孔明「なるほど・・・誘い出されていたのか」
その直後、BBが指を鳴らすと彼らの周りの死体が蘇るように身体を起こす。
今にも崩れそうな身体が維持できているのは、BBが魔力を送っているからだ。彼女にはマスターの権限である令呪を独自に持っていた。
BBが手を下ろすと死体・・・「アンデット」たちは各々の武器を手に取り目の前の障害を排除すべく前進する。
ジークフリート「厄介だな。海底だから宝具も使えない」
諸葛孔明「おまけに物量作戦と見た。ここを突破するのは難しいぞ」
海底で剣崎たちが本気を出せば、この状況は確かに厳しいかもしれない。
もし彼らが本気を出し、この状況を切り抜けようものなら、まずフロンティアが壊れかねない。それにそれを出して剣崎・・・その他のサーヴァントが無事ている保証はない。
剣崎「どうする」
諸葛孔明「・・・ともかく突破口を作らなければここから脱出も出来ない。アサシン、先導を頼めるか」
佐々木小次郎「あぁ、任せたまえ」
ジークフリート「君一人では手間がかかるだろう。俺も前に出るぞ」
佐々木小次郎、ジークフリートが各々構え、孔明は眼鏡を掛け直して、剣崎はカリスアローを敵へと向ける。
そこから数秒もしないうちに孔明が手を合わせ、前衛の2人が駆ける。
剣崎は一陣の風となり、孔明の周りによってくる「アンデット」たちを蹴散らしていく。
身体を切り裂き、頭蓋骨を矢で貫いていく。
孔明も雷、氷の魔術を使い「アンデット」たちを蹴散らしていく。
ジークフリート「道は開けた!進むぞ!」
諸葛孔明「後退する、行くぞ」
剣崎「了解」
ジークフリートが手を振る位置まで、剣崎と孔明は走っていく。
佐々木小次郎が出口を守る中で、3人はアンデットたちの大軍を抜ける。
・・・が、そこまでだった。
BB「ざんねーん、時間切れでーす!」
ジークフリート「これは!」
BBの声か聞こえた瞬間。剣崎達が通って来た道が塞がれてしまう、佐々木小次郎はため息をつき、刀を構え直す。
剣崎「お前・・・ハメたのか」
BB「なんの事かな?BBちゃんには分からないなぁ〜」
ジークフリート「佐々木!無事なのか!」
2人が佐々木小次郎の方を振り向くと、彼に大量のアンデットたちが迫ってきていた。
佐々木小次郎は渋々と刀を取り出し、静かに構える。
その額には・・・わずながら汗が出ていた。
剣崎「くそっ!俺が行く!それまで・・・!」
佐々木小次郎「止めないか。剣崎一真」
佐々木小次郎は静かな、それこそ冷静な声で告げる。
その声には迷いなどなく、自分の運命を理解したような声だった。
佐々木小次郎「我らは英霊だぞ?それこそ死など覚悟の上。その覚悟がなければこの戦場に立っておらんよ」
剣崎「・・・」
佐々木小次郎「行け、守りたいものがあるのなら・・・な」
その直後、剣崎はジークフリートに腕を捕まれ連れていかれる。佐々木小次郎は一人、大軍の中へ突っ込んでいく。
佐々木小次郎「さらばだ。次は良いマスターに恵まれたいものだな」
その言葉を最後に、彼の刀は吹き飛ばされた・・・
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