7つの歌姫と音楽の仮面ライダー “ビート” 作:よなみん/こなみん
どうも皆さんお久しぶりです。こなみんです。
よなみんと合同でツイやってます。
@hsironeko_FGOACまでどうぞ。
受験と資格勉強、そしてバイト等で死んでました。平日は業後に講習と面接練習ですよ。毎日ボロくそ言われて精神死んでます。
それではお読みください。
コラボ相手の方々、お待たせして申し訳ございません。
フロンティア内部の剣崎、戦兎たちの戦いを鈴夢たちは遠くから見ていた。
映像の発信元は戦兎が着けているカメラからだった、彼の視点が、鈴夢たちの目には映っていた。
医療室には、クリス、鈴夢、ジャンヌオルタ、ジャンヌ、玲音と帝がいた。
「あれは・・・アルターエゴか」
「アルターエゴ?奴等はどう言う存在なんだ」
アルターエゴ。BBによって産み出された、いわゆる分身みたいな存在である。しかし、彼女本体とは性格が違い、爪の大きなアルターエゴ、パッションリップは穏やか、ヤンデレであり、メルトリリスも、ヤンデレ、引っ込み事案の少女である。
鈴夢の記憶の中には、彼女たちと、そして・・・と死闘を繰り広げた記憶があった。
「・・・俺。行きます」
「鈴夢!?」
「んな無茶な」
身体を支えながらも、歩きだそうとする鈴夢をクリスは支える。玲音と帝は映像を見ながら、軽い筋トレをしていた。
戦兎からの映像にはパッションリップしか映っておらず、隣には切歌と調は居たが、響と剣崎は居らず、別のメルトリリスを相手していると理解した。
玲音たちは汗をタオルで拭くと、モニターで戦う戦兎の視線に映っているパッションリップを睨む。彼女は闇が深い目をしており、その戦い方は全てを消すかのようなやり方だった。
『・・・あの人が欲しいんです。欲しいんです・・・欲しいんです・・・だから、退いてください。迎えに行かなきゃ・・・私の・・・私の王子様を』
『退くか!アイツが戦ってるのに俺が退けるか!』
戦兎は大きな爪を躱しながら、攻撃しようとするが、彼女の身体の身のこなしと大きな攻撃によって戦兎、そして切歌と調の攻撃は阻まれる。
玲音たちはベルト、そしてヘルメットを手に取ると外へ出ようとするが、出るところで鈴夢に止められる。
「玲音さん・・・帝さん・・・俺も。俺もお願いします」
「却下。怪我人は寝とけ」
「帝。行こう」
玲音たちは鈴夢の同行を却下すると、廊下を走り、ガレージへと走る。
鈴夢はクリスに寝かされ、クリスは部屋をあとにするが、クリスが部屋を後にした瞬間。ジャンヌオルタは鈴夢を肩に抱え、外へ飛び出る。
ジャンヌも後へ続き、窓から外へ出ると、そこにはオルタの召喚した竜が待機しており、三人はそのまま空を飛び、フロンティアのある海まで急ぐ。
「竜・・・鈴夢か。怒られるの俺なんだよなぁ・・・」
空を飛ぶ竜を見て、一海は怒られることを覚悟した・・・。
◇
「・・・くそっ!爪の大きさはなんなんだよ!」
パッションリップと戦う戦兎から思わずそんな声が漏れてしまう。だが、パッションリップはそんなことなど気にせず、無邪気に狂気の刃を戦兎たちに向け突き立てる。
戦兎が刃を受け止め、調と切歌がリップへの接近を試みるが、リップの動きはその見た目とは裏腹にクソ早い。
迫ってくる2人に対して、少し早めに後ろへ下がり、下がった分の距離を利用してか、腕がピンポイントで二人に飛んでくる。
「・・・早くやられてください。そして早く王子様を助けなきゃ・・・」
「ダメデス!戦兎さん!接近は私たちに任せるデース!」
「戦兎さんは腕を抑えてください!出来れば後ろに下がらせないで欲しいかな!」
「無茶言うよね?でも・・・悪くないっ!」
三人はほぼ同時に飛び出て、いち早く戦兎がリップに絡む、振られてくる腕をしっかりと受け止め、がっちりとその場から離さないように固定する。
「調!行くデス!」
「切ちゃん!行くよ!」
その戦兎の後ろから二人の影がいきなり飛び出る。お互いに刃をリップに向け、突き立てながら接近する。
リップは後ろに下がろうと再び足に力を入れるが、後ろには下がれなかった、視線を下に向けると、戦兎が足を思いっきり踏んでいたからだ。
「どいてください」
「やだね・・・二人とも!今だ!」
二人は思いっきり刃をリップに刺すが、何故か刃は全て彼女にたどり着く前に止められてしまう。彼女は悪魔のように微笑むと、二人を返り討ちにし吹き飛ばしてしまう。
戦兎を追い越し、二人は後ろに吹き飛ばされる。戦兎もそれに釣られ後ろを向いてしまう。
「切ちゃん・・・!調ちゃん・・・っ!?しまっ・・・!」
「遅いですよ」
その隙にリップは懐まで迫って、戦兎のボディに爪を突き刺す。ライダーアーマーは予想より固く、貫通は防いだが、彼女の爪が予想より痛かったのか、戦兎の口から苦痛の言葉が漏れる。
「ぐうっ・・・あっ・・・!」
「痛いですか?でも我慢してくださいね」
そのまま彼女は戦兎を壁に叩きつける。戦兎は意識を辛うじて保っており、次に飛んできた彼女の爪をあと少しで届くギリギリのところでかわしきる。
「・・・まだ意識があったんですね。厄介・・・」
「・・・困ったな。俺じゃあ勝てねぇ・・・」
◇
「・・・剣崎さん!私が突っ込みます!」
「援護する。突っ込め」
『ファイア』
響が前へ出て、目の前のメルトリリスに向かって突っ走ると、その後ろから剣崎(ギャレン)が炎の弾丸を放つが、メルトリリスは軽い動きで軽やかに躱す。
普通に触れれば燃えるだろう炎を諸共せず、響と己の武器で戦う。
「どうして戦うの?悪い気はしないわ、早く諦めて頂戴」
「どうして戦うんですか!?同じ人を愛しているのに!」
二人の言葉がほぼ同時にぶつかる。剣崎はその隙に二人の傍まで接近し、新たなカードを通す。
『ロック』
接近に気づいたメルトリリスはすぐに距離を取ろうとするが、気づいた時には足は石化していた。
ラウズカード、『ロック』は対象を石化させる効果を持っており、本編では決して使われることは無かった。
(・・・思いも寄らないところでカードが役に立つ、これだからやめられない)
そのまま次のカードを通し、拳を振り上げる。
『アッパー』
強化された拳はメルトリリスの顔・・・ではなく、お腹に当たり、そのまま身体が持ち上げられる。
「がぁっ・・・!」
「・・・」
持ち上げられた身体はそのまま剣崎たちの後ろに飛ばされ、後ろに頃がる。
「小細工は終わりか?他に面白いことがあるなら見せたらどうだ?」
「・・・ふふっ」
そう言うと、メルトリリスは何故か姿を消してしまう。突然とかではなく、すっと、煙のように消えていった。
「・・・本体ではないのか」
「剣崎さん。行きましょう」
「だな・・・その前に。ここを早めに抜けるぞ」
銃を手に取った剣崎が見据える先には、大量のメルトリリス、その複製体が道を塞いでいた。
数は時間を増すごとに増えていた、剣崎は、キングフォームで一掃しようとも考えたが、フロンティアか耐えれるかは分からず、保留にしていた。
(・・・どうする。ここままでは・・・)
その時、後ろから閃光が弾ける。
「剣崎さん!」
「っ!?」
後ろから閃光が弾けると同時に、剣崎たちの道を塞いでいたメルトリリスの複製たちを薙ぎ払う。
「誰だっ!?」
「俺ですよっ!剣崎さん!」
そこには鈴夢を筆頭とした、四人が立っていた。うち、二人は旗を掲げ、一人は本を手に持っていた。
鈴夢の横にいた二人の旗持ちは剣崎の前に立つ。鈴夢と本持ちは剣崎たちの横まで来る。
「・・・鈴夢。来たのか」
「ええ!だってこれは俺の問題ですから・・・しょうがないですよね」
「・・・玲音たちは」
「全部一海さんに押し付けました。後悔はしてない」
(一海・・・すまんな)
剣崎は心の中で一海に謝りつつ、廊下を見る。廊下は先程までの地獄絵図のような光景から打って変わり、綺麗なものになっていた。
「剣崎さんは奥へ、恐らくそこにBBがいる」
「・・・鈴夢は?」
その時、剣崎の目に映ったのは覚悟を決めた鈴夢の顔だった。その目には僅かだが必死の覚悟を感じた。
「・・・わかった。・・・死ぬなよ」
「剣崎さんも。ご武運を」
その言葉を最後に、2人は道を別れ進んで行った。