冴えない彼女の育てかたアフター   作:青嵐未来

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第八話 ゲームの話をするとしよう

 出海ちゃん達二人と紅坂さんを引き合わせた次の日、俺は件の二人とは別に、伊織に呼び出された。

 

 呼び出された、んだけど……。

 

「来たか…………」

 

 (ボディ)を求める吸血鬼のような声を上げたのは伊織でなく、昨日も会ったはずの紅坂朱音だった。

 

「さ、倫也君、突っ立ってないでとりあえず座ったらどうだい?」

 

 俺が突っ立ってる理由を作り出したうちの一人には言われたくない。

 

「伊織……紅坂さんを呼ぶなら俺にも一言言っておいてくれよ……」

 

 紅坂さんがいる理由もなんとなくわかるから、別に断らないのに……。

 

「いやね、僕がここに着いたときに朱音さんから電話がきてね。場所を教えたら近くに居たみたいですぐ来たんだよね」

 

「いや、速めにこっち側の認識の共通化を図っときたいと思ってな」

 

「にしては、少し速くないですか? 真司と詩羽先輩がプロットを上げてくるの2週間後ですよね?」

 

 だからまだ余裕があるはずなんだけど……。

 

「あと4~5日もしたら進捗も分かると思うんで、俺達の打ち合わせはそのあとでも大丈夫だと思うんですけど…………」

 

 そこで伊織が口を開いた。

 

「いや、倫也君。速めに準備しておくに超したことはない。下手すれば、あと3日くらいでプロットが上がってくることもあり得る。そうすれば、僕達が意思疎通を図る時間は必然的になくなってしまう」

 

 

 ────は? 今なんて?

 

「ち、ちょっと待てよ伊織。速ければあと3日で、なんだって?」

 

「僕の予想だと速ければあと3日でプロットが上がってくることもあるって言ったんだけど?」

 

「さすがに速すぎないか? いくらあの二人でもあの企画のプロットを創るのには骨が折れるぞ?」

 

「いや~、そこらへんはたぶん朱音さんも同じことを考えてるんじゃないかな~と」

 

「え!? 本当ですか!? 紅坂さん!?」

 

「ま~な。あの二人でならあり得る。ま、大方、実際に作る時間より、意思疎通に使う時間の方が多いんじゃね~の」

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

『なんて呼んだらいいのかな。誠司くん? それとも、お兄様?』

 

『お前の好きなように…………巡璃、それとも、瑠璃?』

 

 

 ──────。

 

 

 やっぱり面白いなぁ、cherry blessing。

 

 今日からあの霞先生とプロットを創ることになった僕は、自分がこのサークルに入る大きな理由になった『cherry blessing~巡る恵みの物語~』を徹夜でプレイしていた。

 

「これを書いた霞詩子と共同でシナリオつくるのか…………。やべ、すっげぇわくわくしてきた」

 

 僕の部屋は倫也先輩の部屋と同じくらいで、部屋の棚にはこの2~3年で増加したラノベやマンガ、その他、倫也先輩に布教されたゲームなどが詰まっている。

 

 パソコンの両脇にはそれぞれ違うフィギュアまで置いてある。

 

 

 あぁ、シ○ンと、○衣は見てるだけで癒される…………。昇天しそう…………。

 

 

 っとと、危ない危ない。意識が次元の果てに飛び去るところだった。そろそろ約束した時間だ。

 

 急いで着替えて、リュックサックにパソコン等必要なものを詰め込む。

 

「行ってきまーす」

 

「あんまり遅くならないようにね~」

 

 

 …………倫也先輩の家じゃないんだから、都合よく親が出張なんてことは無いですよ?

 

 それはともかく。

 

 電車に乗って倫也先輩から聞き出した霞先生の自宅の最寄り駅まで向かう。

 

 待ち合わせ場所は、駅近くの喫茶店。

 

 国道に面していて、喫茶店にしてはやたらと大きい。

 

 ドアをくぐって店内に入ると、店員さんがパタパタとこちらにやってきた。

 

「いらっしゃいませ。1名様でよろしいでしょうか」

 

「あ、えと待ち合わせてるんですけど……霞さんっていますか?」

 

 まだ待ち合わせの10分前だが、いるだろうか。

 

「はい、いらっしゃいますよ。こちらへどうぞ」

 

 店員さんに連れられて、店の奥に入っていく。

 

「こちらでございます」

 

「ありがとうございます」

 

 そこにあったのは、もともと待ち合わせをしていた霞先生、の隣に、向かい合って座り、睨み合う出海と柏木先生という構図だった。

 

 

「ああ、来たわね竹宮君」

 

「お久しぶりです、霞先生」

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