神なる転生のデイストーリー   作:青木 翼/ペンシルバー

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お試し投稿最終話『v=gt の計算式』

現世に帰ってきたぜ!」

意気揚々に叫んだ僕であったが、出口から出た時に感じたのは違和感であった。

最初は違和感の正体が何なのか分からなかったが、数秒も経たないうちに気づくことができた。

 

よくよく考えてみれば、神様はどんなところに出口を作ったのかは言っていなかったし、僕自身も疑問に思わず駆け出してしまった。

だからと言って、さすがにこの位置はありえないだろう。

 

真っ直ぐ走っているのに月が見えるって時点で違和感を感じるべきだったのかもしれない。

 

僕は地上から遥か上空で落下を始めた。

 

 

 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 

ハイスピードというのは嫌いじゃない、むしろ好きではある。しかし、僕はジェットコースターやフリーフォールといったアトラクションはあまり好きではなかった。

グッと落ちる瞬間、股間の少し上辺り(膀胱付近)がフワワッとなるあの感覚が苦手だったのだ。

 

だが、今の僕にはあの感覚が苦手であるという気持ちは全く無く、それは克服しただとかってわけではなく、それ以上の感情が上乗せされているだけだ。

「あばばばばばばばば。」

言葉はまともに話せやしないし、目もまともに開けられない。どれくらいの高さから落ちているのかも、どれくらいのスピードで落ちているのかも分からない。

恐怖とかそういった感情はどこにもない。

 

体感では数十秒だが、実際は数秒しか経っていない頃であっただろうか――脳内に誰かの声が聞こえる。

『け……くん………えるか………聞こ…る……返事………れ。』

思考がまとまっていないから聞こえないなのか、単に声が届いていないのか分からない。

『そ…体には………ネルギー……逆噴……るんだ!』

「あびばば?」(訳:神様?)

脳内に響く声には心当たりがあった。それは神様の声だった。

しかし、声の主が見当ついても肝心の内容が頭に入ってこない。

『ふんば………うんこ……俺の……タイミング………ぎてを………。』

神様がアドバイスをくれている、つまり内容が分かればこの状況を打破することができる。

「あびばば、ぼぶびっばいいっえくあはい。」(訳:神様、もう一回言ってください。)

『こち……からし……伝えられな……。』

前半はよく分からなかったが、伝えられない?と言った?

それは僕から神様に伝えられないってことなのか、神様から僕に伝えられないってことなのか、どっちだ?

『……ばって……うんこをひ……出すように………右………ルギーを噴射………………………。』

どうやら途切れ途切れになるのは僕の精神の問題ではなく、向こう側の問題らしい。

『……………………。』

すると、完全に通信が切れてしまった。

仕方ないので、聞こえたワードだけを拾ってみる。

 

 

・踏ん張る

・うんこ

・エネルギー

・噴射

 

 

なるほど、排便の勢いで飛ぶってことだな…………ってそんなわけあるかい!

 

 

しかし、そうも言っていられない、視界に映る地面は徐々に近くなっていく。このままでは後少しで激突してしまう。

(背に腹は変えられねぇ。)

僕は空中で体勢とズボンを少しずらし、腹に力を込める。

「ハァァァァァァァァ!!」

これでもかと言う力で腸の中身を押し出そうとするが、いかんせん、この肉体はさっき手に入れたばかり。お腹の中には何も入っていない。

「ァァァァァァァァァァ!!」

 

後数秒で地面に激突する。

 

僕は二度目の死を覚悟した。その時であった。

(こ、これは!?)

僕の右手が熱い……恐る恐る見てみると、右手が神々しく光っているのだ。

(これがエネルギーか!)

うんこを捻り出すのではなく、うんこを捻り出すようにエネルギーを捻り出すってことだったのだ。

 

紛らわしい!

 

地面に着くかどうかの瀬戸際、僕は右手のエネルギーを放出した。

 

そして、僕の意識は途切れた……。

 

――― END ―――

 




今まで読んでくださってありがとうございました。
作品紹介でも書いてある通り、続きはアルファポリスというサイトにて掲載しております。


さて、ここから先は作者の独り言になるのですが、一つの作品を作るのは時間と労力がかかるものですね。
もちろん自分が書きたくてやっていることなんですが……それでも……って思っている最近です。


読者の今日が良い日になりますように!!
さようなら!!
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