最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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132話 迫る脅威 その2

 

 砂漠のグリモワール王国……色々と不穏な動きのある国家ではあるが、春人達はその国との協力関係が必要と考え訪れた。

 

 国王であるカースド・リオンネージュへの謁見は難しいかもしれないと思えたが、予想よりも早く実現した。

 

 

「久しぶり……でもないか。まさか、また会うことになるとは思わなかったぞ」

 

「ええと……俺もです。陛下」

 

 

 カースドは春人の姿を見て、明らかに動揺している節があった。ビビっているという言葉が正しいのかもしれない。そんな雰囲気だ。

 

 

「早急の用件があるとマーカスから聞いてはいるが……何用だ?」

 

 

 カースドの隣には化学部門担当大臣であるマーカスが立っていた。それ以外にも魔法部門担当のリヒャルトの姿もある。それ以外には名も知らぬ護衛が複数名いるだけだった。

 

 

 春人側は彼とアメリア、それからミルドレアの3人が訪れていた。サキアも含まれてはいるが影状態になっているので姿は見えない。

 

 

「カースド殿。神官長の立場から言わせてもらいますと、そちらのマーカス殿が開発した新兵器は非常に脅威だと言わざるを得ない。投下された場合、何万人という犠牲者が出るかもしれないからだ」

 

「ミルドレア・スタンアーク殿……」

 

 

 以前のテラーボム投下を契機として各国を牽制しているグリモワール王国。ミルドレアの立場からすれば警戒せずにはいられなかった。

 

「しかし、今は警戒している時ではない。闇の軍勢という勢力を知っているか?」

 

「闇の軍勢? それは確かリヒャルトから聞いてはいるが。なんでも北方の国々を滅ぼしているとか」

 

「その通りだ。話を聞く限りではその軍勢は東のアルカディア島からの敵軍である可能性が高い」

 

「東のアルカディア島……? その島は確か……」

 

 

 カースドの表情が変化した。彼も伊達に一国の国王をやっているわけではない。アルカディア島の伝説も知っているのだ。

 

 

「ランファーリという神に滅ぼされたのではないかという文明だ。それと同名の人物が闇の軍勢にいた……これはおそらく偶然ではないだろう」

 

「そんなことが……」

 

「テラーボムを容認したくはないが、現状では強力な攻撃になるのは間違いない。我々に協力してくれないか?」

 

「……」

 

 

 本来は春人が言うはずの事柄だったが、ミルドレアが代わりに全てを話した形だった。国家の重鎮という肩書きがある為に彼が話した方がいいのは確実だが。

 

「協力か……確かにマッカム大陸全土が脅かされている状況では、国家間の争いなどは些細なものか」

 

「そういうことだ。脆弱な権力争いなどは、平和な時期にしていただけるとありがたい」

 

 

 ミルドレアの言葉は突き刺さるものであったが、カースドとしては言い返せるものではなかった。意味の分からない勢力が迫っているのだ。国家間の争いなどしている状況ではない。

 

 

「お前達の進言は大きなものだが……考えねばならないか。しかし、こちらも単純に首を縦に振るわけにはいかない」

 

「ではどうすれば……?」

 

「彼らと戦ってもらおうか」

 

「ん?」

 

 カースドの合図で現れたのは4人組だった。春人はその顔を知らないが……。

 

 

「レヴァントソードのリーダーのルインスキーだ。お前達からも1人、戦う者を出せ」

 

 

 春人達の前に現れたのSランク冒険者であるレヴァントソードの面々であった。リーダーのルインスキーが前に出ている形だ。

 

 

「うわ……脳筋っぽい連中ね」

 

「これは戦わねばならないということか……」

 

 

 アメリアもミルドレアも頭を抱えてしまったが、現状はそのようである。二人は春人に目をやった。

 

 

「え……俺?」

 

 

 戦う相手。アメリアもミルドレアも春人を指名しているのだ。春人は頭を抱えるしか出来なかった。

 

 

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