最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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133話 レヴァントソード その1

 

「ハーミット・ルインスキーだ。よろしくな」

 

「……高宮春人」

 

「変な名前だな」

 

 

 春人とルインスキーの二人は素手の状態で立ち会っていた。春人は自分の名前を変に思われることには慣れていたが、ここで言われるとは思っていない。

 

「冒険者パーティ、レヴァントソードのリーダーなんですよね?」

 

「そういうことだ。お前はソード&メイジのリーダーなんだろ?」

 

「どうですかね。アメリアと二人のパーティなので、どちらがリーダーとかはないですけど」

 

「砂漠の依頼では随分と稼いだそうじゃないか。羨ましいね」

 

「ああ……あれですか」

 

 

 春人はあの時のことを思い出す。メガスコーピオン達との戦いの日々だ。春人からすれば大した相手ではなかったが、通常の冒険者の感覚で言えば、まさに死闘ともいうべき戦闘……命を懸けても倒せないほどの相手なのだから。

 

 

 

 二人はたわいもない会話をしているが、その周囲の方がむしろギスギスしていた。彼ら二人はそれほどでもないのだが。

 

 

「ミルドレア、ルインスキーの強さはどんなものかしら?」

 

「わからんな。見ただけではレベル換算が難しい。自分の強さを隠すことに長けているのかもしれんな」

 

「ふ~ん、まあ春人より強いってことはなさそうだけどね」

 

「あんな化け物が何人もいてたまるものか」

 

 

 アメリアとミルドレアはルインスキーの強さを測りかねてはいたが、春人が負けることはないだろうと考えていた。それでは相手側……レヴァントソードの面子はどうだろうか。

 

 リーダーのルインスキーを除いた3人……男一人の女二人の面子だった。

 

 

「高宮春人……かなりの実力者と見受けられます。ハーミットさんでも果たして倒せるかどうか」

 

 

 レヴァントソードの回復係であるニナ・オールが言葉を発した。春人のことをかなり評価しているようだ。残りは二人……双子のカヤック・デストロイとマジニ・デストロイの二人だ。

 

「僕はハーミットが勝つ方に賭けるかな。あの人が負けるところは想像できないし」

 

「お前もかカヤック。私もあの男が負ける姿は想像できんな」

 

 

 どちらも22歳の男性である。性格はやや異なっているがどちらも冷静沈着なことに変わりはなかった。このチームはハーミット・ルインスキーがムードメーカーになっているのである。4人は自らを正義の味方ではないと語っている。金次第ではどんな汚いことでもやってみせると公言していた。実力が伴っているために厄介この上ないのだが……。

 

「ルインスキーさん、素手での勝負にしませんか? 刃物を持つと色々危ないでしょうから」

 

「武器を使えば俺を殺せると判断したのか? 随分と舐められたものだな」

 

「そんなつもりはありませんが……」

 

 

 春人としては人間にユニバースソードを抜くのは避けたかった。自分が強すぎるための余裕と言えるだろうか。素直に武器を捨てたのはルインスキーの方からだった。しかし……彼は武器を捨てるやいなや、真っ向から突進してきたのだった。

 

「うっ!」

 

「おらっ!」

 

 

 すんでのところでユニバースソードを手放し防御することに成功した。しかし、ギリギリだった。もう少しおそければ春人はパンチをまともに受けていただろう。

 

(こいつ、素手での戦いは素人だな。見たところかなりの実力者のようだが……素手での戦いであれば俺が勝つか)

 

 

 春人の受け流しの技術を見てすぐに素人だと判断したルインスキー。その表情は笑っており、勝利を確信しているようだった。

 

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