最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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139話 闇の軍勢、討伐戦 その3

 

「北の大地からの襲撃とマシュマト王国内部からの混乱……読まれていたか。まあ、それは意味を持たないがな」

 

「どういうことだ?」

 

「戦力差のことを言っているんだ。北のオードリー周辺には俺が作った闇の軍勢3000体近くがいる。グロウ、アインザー、ランファーリの戦力も考えれば、今頃、向かった者達は死んでいるだろう。残念なことだったな」

 

「随分と余裕をかましているけれど、本当に大丈夫なの? ここにはレヴァントソードも来ているのよ。残党狩りを申し出てくれたけれど」

 

 

 春人とアメリアの他にはアルフリーズにはレヴァントソードも来ていた。実力差を考えてか、彼らは周囲の残党狩りを任せられることになったが。ルインスキーも春人に負けたので特に文句を言うことはなかった。

 

 

「俺とシルバの二人を前にして、そちらも二人……舐めているのは果たしてどっちかな?」

 

「来るわ、春人!」

 

「わかってる!」

 

 

 レヴィンの言葉を聞いていると隣のシルバが一気に突進してきた。春人はユニバースソードで受け止めるがかなりの衝撃が走る。シルバの拳にはメリケンサックのようなものが付けられていた。鈍い金属音が周囲に鳴り響く。

 

 

「私の攻撃を受け止めるとは……確実に仕留められたと思いましたが……」

 

「レヴィンが話している途中で攻撃を受ける経験は前にもしているからね」

 

 

 前というのはランファーリのことを指している。あの時もレヴィンの言葉の途中で不意打ちを受けたのだ。あの時の一撃と今の一撃を比較する。

 

 

「ランファーリの方が重たい一撃だった。シルバと言ったかな? あんたはそれほど強くはないようだな」

 

「何を馬鹿な……この私に対してなんという言い分でしょうか。アンバーロードのトップの実力をお見せしなければならないようですね」

 

 

 執事のような外見のシルバ・ケレンド。言葉こそ丁寧ではあったが、その表情は怒りに満ちていた。春人の言葉に対してイラつきを覚えたのだろう。

 

 

「はああああああ!」

 

「だあああああ!」

 

 

 ユニバースソードの連撃とシルバの拳による連撃が重なり合う。金属音はさらに高音になっていった。

 

 

「な、なに……!?」

 

「勝負ありかな?」

 

 

 激しい金属音の結果、ユニバースソードは無傷、シルバのメリケンサックは金属がすり減っていた。このまま戦えばどうなるかは火を見るより明らかだ。

 

 

「そんな馬鹿な……レヴィン様よりいただいたこの武器に傷を付けるなど……!」

 

「はあ!」

 

 

 シルバの言葉など聞いていない春人は強力な蹴りをシルバにお見舞いした。

 

 

「ぐはっ!」

 

 

 腹を蹴られたシルバはそのまま壁に激突してしまう。ここまでは1000レベルを超える春人単独行動による攻防だ。サキアの補助は必要としていなかった。サキアも攻撃補助に加わっていれば、メリケンサックはとっくに粉々になっていただろうか。

 

「ぐ……こんなことが……! 賞金首ランキング3位のこの私が……!」

 

 

 犯罪者で構成される賞金首ランキング。シルバはその3位に該当していた。アインザーよりも上の為、実力も相当に高いはずなのだが……春人には通用しないようだ。

 

「サキア、あの男の実力はどの程度かな?」

 

「はい、マスター。私でも倒せるレベルではないかと思われます。その時点でマスターが負ける要素はありませんでした」

 

「なるほど……レベル換算で言えば500以下ってところかな」

 

「その通りです」

 

 

 シルバの実力は十分に高いと言える。しかし、相手が悪すぎたのだ。ただ、それだけのことだった。Sランク冒険者に十分なれる実力者なのだから。

 

 

「シルバを軽くあしらうとはな。少しは楽しめそうじゃないか」

 

「今度はボスが相手か」

 

「ふはははは、余裕だな。それだけ強いと自分が最強で他の人間などゴミくず同然に見えて来ないか?」

 

「俺はそんな人間じゃないんでね。それに……最強だなんて思っていない」

 

「ほう……これは殊勝な心掛けだな」

 

 

 自分と同等レベルの者達は存在している。それが分かっているからの春人の態度だった。本当に相手になるレベルの者がいなかったら、もう少し驕っていたかもしれないが。

 

 

「勘違いを正してやろう。お前の命を授業料としてな。この世界にはお前など相手にならない化け物が存在しているのだ」

 

「それがレヴィンだと言いたいのか?」

 

「その通り。くっくっくっくっ。俺こそ最強の人間なり」

 

 

 レヴィンは何かを詠唱し始めた……その直後、黒い騎士達が現れる。

 

 

「あれは……」

 

「召喚術式ね。春人気を付けて、かなりの強敵かもしれないわ」

 

「わかった」

 

 

 アメリアは参戦する気はないようだ。春人に任せた方が安全だと考えてのことだろう。

 

「まさかこの魔法を使うことになるとは思わなかったぞ。お前を強敵と判断して、最初から全力を出してやろう」

 

「その黒騎士を呼び出すことが全力なのか?」

 

「ふふふ、この黒騎士たちは闇の軍勢よりも高レベルの騎士達だ。くくくく、これらの騎士達を相手にしながら俺と戦えるかな?」

 

 

 現れた黒騎士達は全部で30体。明らかに前の騎士達よりは高レベルの雰囲気を纏っていた。これらの騎士達と戦いながら、本体であるレヴィン・コールテスと戦わなければならない。

 

「お前を倒せばアルフリーズの内部破壊を止められるということだな。全力で倒させてもらうよ」

 

「くくく、その意気だ。せいぜい、抗ってみろ」

 

 

 お互い強力な闘気を纏い臨戦態勢になった。サキアは影に隠れて万が一の時に攻防補助ができるように待機している。

 

 お互いの派閥で最強の者達。その二人による戦いが始まろうとしていた……。

 

 

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