最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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144話 闇の軍勢を倒して…… その2

 

「そうか、一旦、戻るんだな」

 

「まあ、それもいいだろう」

 

 

 ナラクノハナのディランとリグドは春人に向かってそんな言葉を口にした。ニルヴァーナも春人に視線を送っている。

 

「あんたは早く、誰か一人に絞るべきだね。そうじゃないと、色々大変だろ?」

 

「あはは……ニルヴァーナさん、それは……」

 

 

 図星を突かれてしまい、春人としては苦笑いをするしかなかった。現在は全員がアルフリーズに集結している状況だ。レヴァントソードのメンバーだけはグリモワールの仕事に出掛けてしまったが、それ以外は別れを惜しんでると言えばいいのだろうか。

 

 

「ナラクノハナは東の調査船の仕事に参加するんですか?」

 

「そのつもりだぜ。俺達もSランク冒険者になれるわけだからな。その門出としてはちょうどいい依頼だと思ってな」

 

 

 ディランはかなり乗り気なようだった。リグドやニルヴァーナとは雰囲気が違うが彼らも参加することに異議はないようだ。

 

「ニルヴァーナさんの遠距離射撃には本当に助けられました。あなたが参戦することはマシュマト王国にとっても大きな利益になるでしょう」

 

「やめてよ……まったく。私なんて接近戦に持ち込まれたら何もできないんだから。あんたに褒められたらむず痒くなるよ」

 

 

 謙虚なニルヴァーナはレナに褒められることを敬遠しているようだった。嬉しいことではあるのだが、相手を格上だと認識しているからだろうか。

 

「レナ達も第二陣の募集には参加するのよね?」

 

「そう……私達も東の島に向かう」

 

「そうですわね。タナトスを召喚できますので、戦力にはなるかと思いますわ。それに……あの蒼い魔獣のことが気になって仕方ありませんの」

 

「蒼い魔獣……」

 

 

 レナ達が苦戦したレオタイガーのことを指している。ジラークが以前に持ってきた図鑑にも載っていなかったモンスターだ。比較的近い年代に生まれたことになる。

 

「レベルはどのくらいかわからないの?」

 

「私とルナの二人がかりでも勝てなかった相手ですので……少なくとも600は超えているかと思いますわ。タナトスを召喚できていれば勝てたのでしょうけれど……なかなかに危ない相手でした」

 

 

 レナとルナがこうして元気に立っていることが、ある意味では奇跡と呼べる事態だったのかもしれない。

 

 それほどに彼女達の戦いはギリギリだったのだ。ニルヴァーナの援護があって、なんとか倒せたという状況だった。

 

 

「アルカディア島はいろんな意味で興味がありますわ。是非とも参加させてくださいませ」

 

 

 現在のところ、マシュマト王国の募集に応募する意志があるのはソード&メイジとナラクノハナ、それからビーストテイマーのメンバーということになっている。

 

 

「アルマークとイオはどうするんだい?」

 

「僕達は止めておきます。レベルが違い過ぎますし、アーカーシャに素直に帰ろうかなと」

 

「そうだよね、アルマーク。それがいいと思うよ」

 

「そっか……」

 

 

 センチネルのメンバーは参加しない方針のようだ。

 

 

「ネオトレジャーは参加するの?」

 

「センチネルよりもさらに弱い私達では無理でしょう? リッカだって参加する気はないみたいだわ」

 

「まあ、そもそもアルカディア島に興味なんてないしね」

 

 

 リッカの言葉は強がりも含まれていた。実際にはランファーリと呼ばれる存在が気になって仕方ないのだ。しかし、敢えて関わらないように考えていた。自分がどうなるかわからないという恐怖もあるのかもしれない。

 

 

「私が考えることは1つよ。春人が無事に帰って来て欲しいだけ」

 

「リッカ……大丈夫だよ。俺は簡単にやられないさ」

 

 

 直接的なリッカの言葉に春人はついつい素直に返してしまった。しまった……と後悔するがそれも遅く……。

 

「春人? 今の言葉はどういう意味? まるで帰りを約束する夫婦みたいな印象があるんだけど?」

 

「春人さま、今のはいただけませんわ」

 

「春人……どういう意味で言ったの?」

 

 

 アメリア、レナ、ルナから総突っ込みを受ける春人であった。自業自得とはいえ、たじたじになってしまう。

 

「いや、違うよ! そんな深い意味はなくて……ただ心配してくれたことに対する返答というか……!」

 

「春人が強いのは皆知ってるから、そういう返しもあるんだろうけど……なに、春人? リッカの外見がそんなに好みなのかしら?」

 

「いや、アメリア! だからそれは……!」

 

 

 アメリアもここぞとばかりに嫉妬している様子だった。なんだかんだ許しつつも、自分が一番春人に近いというプライドは持っているのだろう。春人もリッカの外見を気に入っているのは間違いないので、簡単に否定も出来ない。それだけに余計な事態を生んでしまうのだが。

 

「まあ、どうでもいいことだが……俺も参加することにはなりそうだ」

 

「ミルドレア、あんたも参加するんかい?」

 

「ああ、アルトクリファ神聖国にとっても、現在のアルカディア島の情勢を調べるのは有意義だろうからな」

 

 

 春人達の恋模様には興味がないミルドレアだったが、アルカディア島への興味は人一倍あると言っても過言ではなかった。

 

 

「春人、私の身体はいつでもあんたに捧げる所存だから。興味があったら言ってよね」

 

「なっ!」

 

「ななっ!」

 

「まあ、はしたない!」

 

「いやらしすぎる……」

 

 

 春人を巡る女のバトルはその後もしばらく続くことになった。ギルド内部は非常に騒がしいことになっていたが、周囲の男連中からすればたまった話ではない。羨まし過ぎる光景が続いていたのだから。妻子持ちのザック・ボンバーディアにとっては面白い光景だったそうな。

 

 逆に書記長のネラ・オルカストから見れば邪魔以外のなにものでもなかったという……。

 

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