最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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146話 久しぶりの帰還 その1

 

「なんだか久しぶりに感じるな……アーカーシャ」

 

「結構、離れていたわよね。こうして戻って来ると安心するというか」

 

 

 故郷への凱旋と言えばいいのだろうか。春人とアメリアは久しぶりの帰還に思うところがあるようだった。彼らが出払っている間、色々なことがアーカーシャでも起きていたが、ネオトレジャーの面々から口頭で聞くくらいしかできなかった。

 

「やっぱりこっちの方が安心するわね。遠出は控えたいものだわ」

 

「リッカらしい答えだな。私は遠出も悪くなかったと思うが、闇の軍勢みたいな連中とはもう会いたくないな」

 

「それは私も同じ気持ちだわ」

 

 

 ネオトレジャーのリッカ、ナーベル、ミーティアの3人はそれぞれの想いを口にしていた。直接戦闘には参加しなかったナーベルとミーティアだが、闇の軍勢のような強敵とはもう会いたくないというのが本音なのだろう。

 

「闇の軍勢……か」

 

 

 そんな中、リッカだけは別の物思いにふけているようだった。心がここにないといった印象だ。

 

「どうかしたの、リッカ?」

 

「いえ、なんでもないわ、春人。心配してくれてありがとう」

 

「あ、いや……心配というかなんというか」

 

「……」

 

 

 リッカに料理を振る舞われてから、二人の距離は縮まったと言えるだろうか。アメリアとしては面白くない事態だが、敢えて何も言うことはしなかった。

 

 

「さて、戻って来たのは良いですが、あまりゆっくりしている時間もありませんわね」

 

「この後、どうしようか?」

 

「俺達はバーモンドさんの店に戻ります」

 

「そういうことね。レナとルナも拠点に戻るんでしょ?」

 

 

「そうですわね、戻りますわ」

 

 

 レナとルナの二人はアーカーシャでは拠点として1つの家を買っている。ネオトレジャーと同じような生活をしていた。家の広さはSランク冒険者サイズとなってはいるが。ネオトレジャーの家も3人では十分な広さではあるが、レナとルナの家は2人では広すぎる仕様となっている。その為、使っていない部屋が多いらしい。

 

 レナとルナは稼ぎの面ではネオトレジャー以上と言えるのだった。ネオトレジャーも十分に稼いではいるのだが、まだまだレベルの面で追い付いていないことが多かった。将来的にはSランクは確実だと目されてはいるのだが。

 

「それならここで別れた方がいいわね」

 

「そうですね、一旦、解散としましょうか」

 

 

「僕とイオも戻ります。春人さん、失礼致します!」

 

「それじゃあね~~、春人さん!」

 

「ああ、気を付けてね」

 

 

 ソード&メイジ、ネオトレジャー、ビーストテイマー、センチネルの4組はアーカーシャの入り口で別れることになった。それぞれの拠点に帰ることにしたのだ。

 

 

 

------------------------------

 

 

「春人さん! 会いたかったです……!」

 

「ひ、久しぶりだね、エミル……」

 

「はい!」

 

 

 酒場「海鳴り」に久しぶりに戻ってきた春人を出迎えたのは、感激している様子のエミルだった。なんだか涙を流しているようで、たじたじになってしまう。

 

 

「元気そうで良かったです。かなり難しい依頼を受けていると聞いていたので……」

 

「まあ、確かに難しい依頼が多かったかな? 最近は。でも、こうして無事に戻って来れたわけだし」

 

「もう心配させないでくださいね?」

 

「いや……それは……どうなんだろう……」

 

 

 春人としてはエミルの要望を聞くのは難しかった。東のアルカディア島への参加が決定しているからである。

 

「私達の帰還は一時的なもので、私と春人は東のアルカディア島へ行くことが決まっているのよ」

 

「アルカディア島……ですか?」

 

「フィアゼスの信奉者が作ったとされる人工島か。そんなところへ行くのかよ?」

 

 

 エミルはその存在を知らなかったようだが、バーモンドは知っているようだ。間に入って来ていた。

 

 

「ええ、色々とありまして。闇の軍勢との関係性も気になるところですし、未知なる結晶石を入手できるかもしれません。参加する価値は高いと判断しました」

 

「そうかい、まあ、お前らなら心配ないだろうが気を付けてな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

 バーモンドからの励ましの言葉で春人は笑顔になっていた。

 

 

「すぐに行ってしまうんですか?」

 

「いや、数日は過ごせるんじゃないかな」

 

「良かった。それなら積もる話もできそうですね」

 

「うん。悟たちにも会っておきたいしね。それから……」

 

「あら、私のことはどうでもいいのかしら?」

 

「委員長、いじわるだよ……これから会いたいと思っていたんだからさ」

 

「ふふ、冗談よ」

 

 

 委員長こと、天音美由紀も春人に会いに来ていた。デスシャドーであるアビスも隣に立っている。

 

 

「エミルさんの護衛はしっかりとやっていたから、心配しなくても大丈夫よ」

 

「ありがとう、委員長。なんだか……レベルがさらに上がってない?」

 

「どうかしら? そうなの、アビス?」

 

「俺のレベルが80になってるんで、160くらいまで上がってますかね」

 

 

 160……全体から見ればそれほど高いというわけではないが、もう美由紀はグリーンドラゴンを倒せるレベルに到達しているのである。春人も最初は苦戦していた相手だ。

 

 エミルの護衛としては十分すぎる程の強さを有していた。

 

 

「あとは悟と話しが出来ればいいかな。彼の所に行ってみようか」

 

「高宮君、大河内君とはもう昔のわだかまりはないのね?」

 

「そうだね、ないと思うよ」

 

「それならいいんだけど。余計な心配だったわね」

 

 

 美由紀は春人と悟が話をすることに懸念を抱いているようだった。あの寄宿舎での一件以来、二人の仲は縮まっているのだ。春人は成長したということもあってか、虐められていた時のことは忘れるようにしていた。もう昔の二人ではない。

 

 

「春人、悟と会って来るのはいいけれど、あんまり遅くならないようにね」

 

「わかってるよ。積もる話ができたら戻って来るさ」

 

「わかったわ。気を付けてね」

 

 

 酒場を抜けて春人は寄宿舎に向かうことにした。フェアリーブーストの面々に会う為だ。悟の為に貴重な時間の一部を使うなんて昔の自分では考えられなかった。成長したものだと我ながら考えさせられる春人であった。

 

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