最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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150話 東へ その1

 

「さてと……いよいよ、出発だね」

 

 

 高級バーであるナイアガラで酒盛りをしてから2日が経過していた。昨日は二日酔いが春人達にはあった為、休憩時間となっていたのだ。その次の日の今日、いよいよ北東の港町アーバンスへ向けて出発の日となったわけだ。

 

 既に専用の馬車も用意されていた。この馬車に乗ってアーバンスまで向かうのである。

 

 

「馬車で1週間はかかる距離だからね。今から出発しないと間に合わなくなるわ」

 

 

 酔いもすっかり冷めたアメリアが話した言葉だった。アーバンスまでは国境を越える必要もあり単純な道のりではないのだ。途中でのトラブルを考えてより早く出発しているわけである。余裕を持って到着することが大事であったのだ。

 

 見送りにはいつものメンバーが集まってくれていた。

 

 

「春人、お前なら大丈夫だろうが気を付けて行けよ」

 

「はい。わかりました、バーモンドさん」

 

「これっきりで死亡しましたなんてなったら承知しねぇからな」

 

 

 死亡フラグを順当に踏んでいくバーモンドであった。この戦いが終わったら結婚することを約束しているどこかのカップルのようだ。

 

「未知の場所みたいですので、必ず無事に帰って来てくださいね?」

 

「ああ、分かってるよ。エミル。ありがとう」

 

「春人さんのお部屋の掃除は任せてください!」

 

 

 エミルも春人達の見送りに来ていた。まるで家政婦かのような言い回しには、春人も笑みがこぼれてしまいそうだった。

 

 

「こういう場所で言うことじゃないけど、俺は強さには自信がある。心配はいらないさ」

 

「それならいいんですが……春人さんのお部屋は私が守っておきますね」

 

「私達は今まで未知の遺跡も踏破して来たわ。今回もそれの延長線上よ」

 

 

 春人と同じくアメリアも自信満々な様子だった。相手が未知のアルカディア島であっても踏破できると考えているのだ。自分一人では無理でも春人と一緒なら可能だという自信なのだろう。

 

 

「私達もいるのですから、そんなに心配をする必要はないと思いますわ」

 

「うん、向こうでは状況に応じて協力するから心配いらない」

 

「は、はい。頼もしい限りです……」

 

 

 エミルはやや不安そうな雰囲気を覗かせていたが、ビーストテイマーの二人の頼りがいには負けるのだった。彼女達もアルカディア島に参加するメンバーだ。エミルからしてみれば人外の領域にいる二人という見方だった。

 

 

「……私も春人の誘いで参加することになったのよね……いざ出発となると緊張するわね」

 

「リッカ、気を付けて行って来るんだぞ?」

 

「絶対に無事に戻って来てね?」

 

「ええ、ナーベル、ミーティア。必ず無事に戻って来るわ。期待していてよね」

 

 

 

 

 ネオトレジャーのリッカも参加するメンバーと合流していた。ネオトレジャーの面子と話しているのだ。出発するメンバーは、それぞれがバラバラにならないように同時に出発することを昨日の段階で決めたのだ。お互いが軽く挨拶する形で合流している。

 

 

 その他に美由紀やセンチネルのアルマークとイオ、悟の姿もあった。さらにジラークやオルゲン老師の姿もだ。

 

 

「高宮くん、本当に気を付けて行って来てね? 私はなにも出来ないけれどエミルさんの安全は守っておくから」

 

「ありがとう、委員長。エミルをよろしく頼むね」

 

「ええ、任せておいて。まあ、バーモンドさんもいるしで心配はないと思うけどね」

 

「春人さん、頑張ってくださいね!」

 

「春人さん、応援してるよ!」

 

 

 美由紀のほかにアルマークとイオからも激励の言葉を投げかけられる春人だった。

 

 

「春人、俺が言えることではないけれど、生きて帰って来いよ?」

 

「うん、悟も遺跡探索を無理しないようにね」

 

「ああ、わかってるぜ! 無理はしねぇよ!」

 

 

 悟からも別れの言葉を投げかけられた。それを聞いた春人は思う。もう、自分一人での身体ではないことを……帰りを待ち望んでいる人がこれだけいるのだから。その期待には応えなければならない。それだけの自信はあるのだった。

 

 

「そろそろ時間ではないか? 気を付けてな、アメリア」

「ふぉふぉふぉ、その若さで死ぬんじゃないぞ」

 

「ジラークさん、オルゲン老師。ありがとう。必ず無事に戻って来てみせるわ。期待していてよね」

 

「ふぉふぉふぉ、期待しておこうかの」

 

 

 ジラーク達とアメリアの挨拶も完了したようだ。いよいよ、出発の時が訪れた。

 

 

「春人さん! 必ずまた戻って来てくださいね!」

 

「高宮くん、無理はしないでね!」

 

「春人さん、気を付けて行ってらっしゃい!」

 

「春人! 歴史に名を刻んで来いよ!」

 

「いってらっしゃい……!」

 

 

 各々との挨拶も終了し馬車は必要メンバーを乗せて出発したのであった。馬車の中の人物は春人とアメリアにサキア、レナとルナにリッカ、タナトスレーグというメンバーになっていた。

 

 それ以外のメンバーとしては、ディランにリグド、ニルヴァーナと神官長のミルドレアがいる。

 

 このメンバーで未知なるアルカディア島に挑もうというのだった……。果たしてその結末は?

 

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