最強冒険者コンビの大活劇~パートナー居るのに協力する必要が生まれない~   作:イリーム

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152話 東へ その3

 

 春人達一行は第二陣の戦艦へと案内された。船旅中の注意事項や暮らす部屋などは既に説明済みである。甲板にアメリアと一緒に出ている春人は第一陣について思いをはせていた。既に第一陣は出発した後なのだ。

 

 

「あんな大きな戦艦なら大丈夫だとは思うけど……ちょっとだけ心配だな」

 

「まあ、ジスパーとか言う大佐の力を信じるしかないんじゃない? 見た目だけならかなり強そうに見えたし」

 

「俺達がどうこう言える立場じゃないからね」

 

「そういうことよ」

 

 

 春人達はあくまでも雇われの冒険者に過ぎない。アルカディア島まで運んでもらえることを感謝する立場にはあるのだ。向こうでは新たな結晶石などを手に入れられる可能性がある。一攫千金の場所に連れて行ってもらえるのだから。文句は絶対に言えない立場にあった。

 

 

「実際にジスパー大佐の軍隊はとても強いと思うわ。過信ではないレベルなのは間違いないわね」

 

「鉄巨人討伐を想定している軍隊だからね。そんな軍隊が他に存在するかと言ったらないだろうし」

 

「ないでしょうね」

 

 

 マッカム大陸全土を見ても考えられない想定の戦いであった。大国のグリモワールはヘルスコーピオンに苦戦していたのだからまさにレベルが違うと言える。

 

 

「あとはアルカディア島のレベル自体がどの程度なのかよね。こればかりは実際に見てみないとわからないわ」

 

「うん、そうだね……」

 

 

 ランファーリと一戦交えた春人としてはそこが心配な点であった。あの時のランファーリは鉄巨人よりも強かったからだ。また、レナとルナが倒した蒼い魔獣の存在も気になっている。推定レベルは600を超えているのだから。

 

 

「マスター達のせいではないと思うのですが……違いますか?」

 

 

 影状態のサキアからの発言だった。彼らの会話に思うところがあったのだろう。

 

 

「別に俺達のせいという話をしているわけじゃないよ、サキア。ただ、第一陣の戦力で本当に大丈夫かという話をしているわけで」

 

「なるほど、そういうことでしたか。しかし、力及ばずというのは世の常として存在しています。マスターやアメリアが気にすることではないのではないですか?」

 

 

 サキアは特殊モンスターという位置付けな為、善悪による頓着が薄い。人間の命などあまり気にしてはいないのだ。春人もアメリアももちろんそれを責めることはしない。

 

 

「まあ、端的に言えばそうなんだけど。死人はあまり見たくないというのが本音かしら」

 

「俺も同じ気持ちだよ。知り合いではないにしても死者は少ない方がいい」

 

「軽はずみな発言でした。お許しください」

 

「気にしてないよ、サキア」

 

 

 サキアは素直に謝ったが彼女を責める気のない二人は頭を撫でてあやかしていた。

 

「なんだか恥ずかしいです」

 

「まあまあ、サキア。とりあえず、考えるべきことは俺達の方だよね?」

 

「その通りね、向こうに行った場合の編成とかも考えないとダメだし」

 

 

 第二陣はソード&メイジとナラクノハナ、ビーストテイマーのメンバーが揃っている。そこにリッカとタナトスレーグ、ミルドレアが加わっているといった感じだ。非常に豪華なメンバーとなっていた。

 

 

「レベル的に考えて、俺とアメリア、ミルドレアさんが先陣を切るのがいいよね。その後ろにリッカとタナトスレーグって感じかな?」

 

「他のメンバーはどうするの?」

 

「レナさんとルナさんは後方待機でタナトスを召喚してくれた方が万全だと思うんだ」

 

「ナラクノハナのメンバーは?」

 

「後方からの射撃に注力してくれた方がいいと思うよ」

 

 

 春人なりの考えだった。闇の軍勢を討伐した時の編成を鑑みての意見と言える。

 

「いいんじゃない? 安全に配慮されているしね。強敵が出て来ても対処できそうな編成だわ。主に春人が前衛なのはいいわね」

 

 アメリアも異論はないようだった。春人はこういう考えは素人ではあるが、今までの経験が活きているのだろうか。

 

 

「じゃあ、その編成についてみんなと相談してみる? 滅茶苦茶反対されたらショックだけど」

 

「ははは、それは困るけどね……」

 

 

 春人とアメリアはアルカディア島での編成について、他の者達と相談することを決めた。基本的には春人の考えで行きたいというのが本音ではあるが。そこまで否定されることはないと踏んでのことだった。

 

 

 その後、春人の部屋で現地での編成が会議されたわけだが……春人の意見が普通に採用されることになった。彼の作戦が悪くないというのももちろんあるが、単純に強い者の意見は採用されやすいのかもしれない。春人は自分の意見が採用されたことを喜ぶとともに、これで大丈夫なのだろうかという不安も持つ羽目になっていた。

 

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