金で買えないスキルはない ~『外資系投資銀行に勤める俺が、異世界転生して金の力でチートする』~   作:上下左右(じょうげさゆう)

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第一章 ~『やはり天才じゃったか』~

魔王ラジオと魔王放送局を手に入れたことで、俺たちは莫大な資産を手に入れることに成功した。

 

 

 

 国際問題に発展する危険も、ドレイクが社長に就任することで上手く回避できた。彼が裏切る心配も考慮していたが、俺への怯えようを見る限り、無用な心配だろう。

 

 

 

 さて金が手に入ったのだ。次は楽しい楽しい課金タイムの時間だ。

 

 

 

「イーリスは本当に報酬を受け取らないのか?」

 

「はい。今回の成果は旦那様がいてこそのもの。私が受け取るべきではありません」

 

「そうか。なら全額課金しちゃうぞ。本当に良いんだな」

 

「ええ。旦那様のお役に立てるなら、どうぞお使いください」

 

 

 

 今回のディールの純利益は金貨一千万枚程である。会社にもよるが、ファンドのマネジングディレクターが受け取る給料は、ディールで得た利益の一割が一般的である。

 

 

 

 つまり金貨百万枚を課金できるのだ。

 

 

 

「もっと強力な魔法が使えるようになりたいな」

 

 

 

 俺は必要課金額が高い順に魔法を並べてみる。一番上に出てきた魔法が丁度金貨百万枚だった。

 

 

 

「イーリスに聞きたいんだが、『空間魔法』ってどんな魔法か分かるか?」

 

「五代魔法の一つですね」

 

 

 

 イーリスが語るには、魔法の中でも特に強力な五つの魔法を五代魔法と呼ぶそうだ。

 

他には『時間魔法』『蘇生魔法』『洗脳魔法』『神天魔法』が五代魔法に区分される。

 

 

 

 五代魔法の中で唯一金で買えるのが『空間魔法』なのだという。

 

 

 

「旦那様は魔法がお得意なのですね」

 

「ん? どういうことだ?」

 

「金貨百万枚で『空間魔法』を購入できる方はそういませんよ」

 

「え? もしかして必要な課金額って人によって違うのか?」

 

「はい。私の課金アプリをお見せしましょう」

 

 

 

 イーリスの課金アプリを見せてもらうと、『空間魔法』に必要な課金額は金貨百億枚だった。

 

 

 

 他にも能力値の向上に必要な課金額をチェックすると、俺より必要金額がかなり多い。

 

 

 

 俺が能力値をカンストするのに必要だった金額は金貨百万枚だ。たったそれだけで、あの馬鹿げた力が手に入るのに、なぜ他の奴らはやらないのか疑問に思っていた。

 

 

 

「旦那様は天才ですね。能力値をたった金貨百万枚で最大値にした者など今まで聞いたことがありません」

 

「え、そうなの。俺ってやはり天才だったか」

 

「間違いなく。能力値の向上は後半になればなるほど加速度的に課金額が増えていきます。聞いた話だと、能力値を九〇〇から九九九にするには金貨百億枚以上は必要だとのことです」

 

 

 

 ちなみに課金額と同様に、能力値も後半になればなるほど加速度的に向上するそうで、攻撃力一〇〇と攻撃力二〇〇ならたいした差はないが、攻撃力八〇〇と攻撃力九〇〇だと天と地ほども差があるそうだ。

 

 

 

「課金額が変わるのは個人の才能だけなのか?」

 

「いいえ。種族によっても必要な課金額は大きく変わりますよ」

 

 

 

 例えばエルフは魔力を向上させるのに必要な課金額が少ないが、それ以外の能力値を向上させるには莫大な金を積まないといけない。対照的にドワーフは魔力を中々上げられないが、体力や攻撃力は簡単に上がるそうだ。

 

 

 

「ちなみに人間に傾向はあるのか?」

 

「人間は種族ではなく、個人に依存する部分が大きいですね。例えば同じ血をひいていても、私は魔法が苦手ですが、妹ちゃんは魔法が得意ですからね」

 

 

 

 イーリスの話を総合すると、課金額は人や種族によって異なるが、俺は天才なので、あらゆる能力値の向上に必要な課金額がすくないということ。そして『空間魔法』はお買い得だということだ。ならば買うしかないじゃない。

 

 

 

 金貨百万枚を費やし、五代魔法の一つを手に入れる。百億円の買い物に手が震えるが、購入ボタンを無事押せた。これで俺も最強の魔法使いの仲間入りである。

 

 

 

「旦那様、仕事も一段落しましたね」

 

「そうだな」

 

「今までは仕事が忙しく、寝るタイミングも別々でしたね」

 

「そうだな…」

 

「結婚したというのに、夫婦の時間が取れていないと思うのです」

 

「そうだな……」

 

「旦那様、そろそろ夜も遅いですし、一緒に寝ませんか」

 

「そう、だな……」

 

 

 

 イーリスが気恥ずかしそうに、手をモジモジと動かしている。シミひとつない白肌が、照れからか赤く染まっている。

 

 

 

「先に寝室でお待ちしています」

 

 

 

 イーリスが嬉しそうに寝室へと向かう。

 

 

 

 リーマンショックを超える衝撃体験が始まろうとしていた。




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