金で買えないスキルはない ~『外資系投資銀行に勤める俺が、異世界転生して金の力でチートする』~ 作:上下左右(じょうげさゆう)
コスコ公爵の館を後にした俺は、サイゼ王国に帰還していた。イーリスと共に談話室で紅茶を飲みながら、リストの資産をどう処分するか考えていた。
「価値ある資産ならどうとでも処理できるんだが、不良資産は色々と考えないといけないな」
特に奴隷は保持しているだけで維持費がかかる。早急にどうにかする必要があるのだが。
「銀髪奴隷以外はすべて売れたんだがな」
奴隷商人に奴隷の権利を買い取ってくれないかとお願いしてみると、リストのほとんどの奴隷に対して快い返事をくれた。
しかし銀髪の奴隷は売り物にならない上に維持費も必要になるので、無料でも買い取ることはできないと断られてしまったのだ。
「もし私が奴隷になっても誰も購入してくれないのでしょうね」
イーリスが寂しそうに声を漏らす。
「いや、俺ならイーリスが捨て値で売られていたら買うぞ」
「やはり旦那様は素敵です……」
隣に座るイーリスが俺に寄り添うように体を預ける。
顔を伺うと、幸せそうに微笑んでいる。イーリスの胸が軽く肘に当たって、俺も嬉しい。
けれど何だか感触がおかしい。柔らかいのだけど、柔らかくない。無理矢理押しつぶされたゴム球に触れたような感触だ。
イーリスの胸部を盗み見る。膨らんではいるが、さほど大きいわけでもなく、さりとて小さい訳でもない。
「イーリス、セクハラになるんだけど聞きたいから聞いていい?」
「はい、なんでしょうか」
「胸にさらしとか巻いてない?」
俺がそう訊ねると、イーリスの顔が真っ青に変わる。額からは玉の汗が流れていた。
「理由は何となく予想がつくよ。胸は小さい方が美しんだろ?」
髪の色でおかしな価値観があるのだ。胸に対する独特の価値観があっても不思議ではない。
「はい……黙っていてすいません。旦那様に嫌われたくなくて」
「気にしてない。というより嬉しい。俺、でかい方が好きだし」
貧乳なんてロリコンにしか受けない邪道なコンテンツだ。王者である俺は常に王道を好む。
「旦那様はさらしを巻かない方がお好きなのですね?」
「ああ。俺はありのままの方が好きだ」
ありのままの姿を見せるため、イーリスは上着を脱ぎ始める。俺がいるのに躊躇いはない。
というか、ここで脱ぐのかよ!
「別の部屋で脱いだ方がいいんじゃないか?」
「旦那様しかいらっしゃいませんし、ここでも問題ありません」
「イーリスが良いのであれば、俺は構わんがな」
紳士的な俺は目を反らして、見ないようにする。布ずれする音が妙に俺を興奮させた。
「どうでしょうか?」
「なんだこれはっ!」
さらしを外したイーリスの胸は俺の拳より二回り大きい。胸部が白いブラウスを圧迫し、今にも釦が弾け飛びそうだ。
「や、やっぱり私の体、醜いですよね」
「そんなことはない。最高だ」
やはり俺の目に狂いはなかった。イーリスと結婚してよかった。
「さて話を戻そう。銀髪奴隷なんだが使い道は考えている」
「他に買い手の心当たりがあるのですか?」
「いや、そうではない。奴隷たちにはダンジョン攻略をしてもらうつもりだ」
ダンジョンの経営権だが、すでに攻略済みであるダンジョンは閉鎖しなければならない。だが閉鎖してそれで終わりであれば、わざわざ買った意味はない。
「ダンジョンマスターがいなくてもモンスターは現れるからな。奴隷たちにはモンスターを狩ってもらい、そこで得られた金を俺に貢いでもらう」
「もし炎龍を狩れるようになれば、毎月の収入はかなりのものになりますね」
「そのためにも得られた金の半分は俺に払ってもらうが、残りの半分は奴隷たちに渡すつもりだ。課金して強くならないと下の階層にはいけないからな」
そして俺にはもう一つの狙いがあった。
サイゼ王国は魔王領と国境が面していない。そのおかげで現状無事であるが、今のままの軍事力ではもし戦争になった時に蹂躙されてしまう。
優秀な兵士は一人でも多く欲しい。ダンジョンで実戦経験を積んだ奴隷たちは貴重な戦力になるだろう。
面白いと思った人は評価してくれると嬉しいです。続きを書くモチベーションになります
カクヨムでは既に完結しています。すぐに続きが気になる人はぜひ!
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154905761