「セント?あれは一体?」
「ミスト・スマッシュ。魔法界に存在する魔物『
吸魂鬼なるものがどういうものなのかは後々ハリーは知ることになる。それよりも、
「それが『ビルド』?」
「そう。まあ見てなって」
セント、いやビルドがどこからともなくドリルを刀身にしたような剣を取り出す。
「おりゃ!」
すると、ビルドの左足が一瞬赤く光り、それををバネにしてミスト・スマッシュに肉薄、そのまま斬りつけた。ミスト・スマッシュも黙っておらず、反撃と言わんばかりにビルドに拳を振り下ろす。
「おっと、そうは問屋が卸さない」
ドリルクラッシャーを振り抜いた体制から今度はビルドの右足が青く光り、滑るように拳が振り下ろされる場所から遠ざかる。
「さて、フィニッシュだ」
ビルドがドライバーのレバーをもう一度回転させる。
『Ready〜Go!』
ビルドの足元が浮き上がり、そこから放物線の様なグラフが現れ、ミスト・スマッシュを拘束する。
『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!!』
その曲線に沿ってビルドの右足がミスト・スマッシュを的確に捉え、爆発させる。そして、中から先程の黒い怪物が現れる。
「先生、後は頼みます」
「え、ええ。分かりました」
マクゴナガルは少し戸惑いながらも、杖を取り出しそれを振るう。すると、白い霧状の何かが黒い怪物に当たり、黒い怪物は何故か悲鳴を上げてどこかに逃げ去っていった。
「さて…」
ビルドがドライバーからボトルを取り外し、八雲戦兎の姿に戻る。
「ダーズリー一家の皆さん。今回の事は他言無用にお願いします」
「は、はい。私もあんなのに関わるのだけは嫌なので…」
紆余曲折あって、次の日、ハリーとセントはダイアゴン横丁に向かうことになる。
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「ところで、魔法を使わずにどうやって叔父さんの家に侵入したの?」
「これ。ロックフルボトル」
次の日の朝、漏れ鍋での会話の一部。一年前のあの日、セントがどうやってダーズリー邸に侵入したのかをハリーは聞いていた。
「それとこれだ。対応するアイテムがまだ出来てないけどな」
セントが取り出したのはスパナのようなレバーが何かを潰す形をした青い機械。
「これはスクラッシュドライバー。ビルドドライバーの派生型の機械だ」
『スクラッシュドライバー!』
すると、セントがダイヤモンドが描かれたフルボトルを取り出して、スクラッシュドライバーを腰につける。そして、それをスクラッシュドライバーに装填し、レバーを下ろした。
『ディスチャージボトル!潰れなーい!!ディスチャージクラッシュ!!』
えらく癖が強いボイスが響くとセントの手元に直径1センチ程のダイヤモンドの結晶が現れた。しかも本人曰く本物。だがボトルの成分を一時的に具現化してるだけなので、触れた瞬間に霧散した。
「発明が趣味なのは相変わらずだね」
セント・八雲・ノーレッジ。初めて会った時は嵐のように現れ、嵐のように去っていった。
彼は、現ホグワーツ魔法魔術学校校長、アルバス・ダンブルドアの恩師の息子にして、魔法界でもその名を轟かせる団体「八雲財団」の御曹司。両親は母親が魔法使い、父親が非魔法使いー魔法界でマグルと呼ばれる人間だが、セントが言うには、母親よりもむしろ、父親の方がヤバいらしい。セントが言うには「あれは人間の皮を被った化物」。
そして、漏れ鍋を出ると黒い髭を蓄えた巨人の様な大男がそこにいた。
「俺の名はルビウス・ハグリッド。ホグワーツで禁じられた森の門番をしちょる。ハリー、おかえり」
ハリーは何故に自分がおかえりと呼ばれたのか分からなかった。そして、セントから自分の素性を知ることになる。
少なくとも、魔法界で知らぬ者はいない、例のあの人から唯一生き延び、それを退けた英雄「生き残った男の子」、それがハリーの正体であり、同時に彼がダーズリー一家に預けられた理由でもあった。何故魔法使い嫌いのあの家族に預けられたのか。それは、ハリーの叔母にあたるペチュニア・ダーズリーが彼の実の母親、リリー・ポッターの実妹であり、リリーがあの人に殺される寸前に赤ん坊だったハリーにかけた守護を確実にするためであった。
「さてと、そう言えばハリー。魔法界におかえりもだけどさ、今日が誕生日だろ?これが、俺からの誕生日プレゼント」
セントが自分の懐をぺちぺちと叩くと、そこから青いドラゴンのような物が現れた。そのドラゴンはハリーに近づくと余程気に入ったのか擦り寄ってきた。それを見るや否や、セントは1本のフルボトルをハリーに渡した。ハリーが渡されたそれはドラゴンの絵柄のフルボトル、ドラゴンフルボトルだった。
「使う機会が無いことを祈ってるよ」
そして、ハグリッドからは誕生日ケーキを貰い、一行はダイアゴン横丁に向かった。
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ダイアゴン横丁で教材や杖などを買い揃えるためにグリンゴッツ魔法銀行にハリー達は向かっていた。すると、
「ば、化物だ!?」
なんと、そこにはゴブリンを巨大化したような昨日の怪物と同じ者が銀行を襲撃している姿だった。
「はあ、最悪だ。全く、空気を読んでもらいたいね。ハグリッド、アレはもう回収したよね?」
「おう、ここにあるぞ」
ハグリッドはハリーとセントにのみ、ボロっちい小包を懐からちらつかせる。
「さて、気分を害した。アイツで実験させて貰おうか」
セントは大人の姿に変わると、ビルドドライバーと一緒に昨日とは違うフルボトルを取り出した。取り出したのはライオンフルボトルと掃除機フルボトル。それらは最近ハリーが見つけたベストマッチだった。
「さあ、実験を始めようか」
軽快に2本のフルボトルを振り、それをドライバーに装填する。
『ライオン!』
『掃除機!』
『ベストマッチ!Are You Ready?』
「変身!」
黄色の型枠と薄青の型枠がセントを挟み込み、昨日とは全く違うビルドが佇んでいた。
『たてがみサイクロン!ライオンクリーナー!!イェイ!!』
「勝利の法則は決まった!」
掛け声と同時に、ライオンハーフボディから金色のオーラが現れ、それがライオンの形になって化物に食らいつく。
化物はビルドに近づくと、すばしっこい動きで撹乱しようとする。だが、
「よし、大体の能力は分かった。これでフィニッシュだ」
左腕のロングレンジクリーナーが化物を吸い寄せて動きを封じ、その間にビルドがレバーを回転させる。
『Ready〜Go!』
すると、右腕に付いていたゴルドライオンガントレットから金色のオーラが吹き出し、化物を噛み砕いた。
『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!!』
化物は爆発四散すると、そこには化物の跡形も無くなっていた。ビルドはそれを確認すると、
「忘却領域『知らぬが仏』」
ハリーとハグリッド以外に擬似的な忘却呪文をかけて、変身を解除した。更に、
「時間遡行『ここでは何も起こらなかった』」
グリンゴッツ魔法銀行を修復させて(セントは時間を巻き戻したと言ってた)何事もなかったかのようにハリーの金銭を引き出すことにした。
現在変身可能ベストマッチ一覧
ラビットタンク
ゴリラモンド
ホークガトリング
ライオンクリーナー
セントの発明品一覧(フルボトル以外)
ビルドドライバー
スクラッシュドライバー
クローズドラゴン
ハザードトリガー
ホークガトリンガー(現在調整中)