瀬戸内海に面した、広島市の海岸線を一台の73式小型トラックが走っていた。
「まもなく、呉鎮守府ですよ吹雪さん」
青色の迷彩服を着用した。海上自衛官が運転しながら、微笑んだ。
一直線に伸びる、海岸線の先に、巨大な町のような光景が広がっており、
大小さまざまな、護衛艦が停泊していた。
そして、そんな中を、人影のようなものが隊列を組み、
護衛艦の周囲を進んでいる。
「護衛艦隊と艦娘で編成された、連合艦隊との合同演習終わったみたいですね。」
艦娘、人のような姿をして、人でない存在。
遥か昔、世界中の海に出現し、数多の輸送船を沈めた、深海棲艦と唯一戦える存在である。
そして、助手席で艦娘たちの姿を見つめている少女も
吹雪型駆逐艦一番艦吹雪という駆逐艦娘である。
「、、、絶対負けない、、強い駆逐艦になって、、呉一の護衛艦になってみせるんだから、、」
そう胸に誓った吹雪は配属に関する書類を見つめる。
「さぁ到着ですよ」
73式小型トラックは、衛門のまで止まり、89式小銃を持った警務隊の自衛官の点検を受ける。
衛門には、〔海上自衛隊呉地方総監部〕〔第四護衛艦隊群司令部〕と書かれた表札の隣に
呉鎮守府と書かれており、自衛隊と海軍との連携強化が意識されていた。
そして、警務隊の点検をクリアした73式小型トラックは、鎮守府区画へと入り、司令塔のような建物の前に
停車した。
「ありがとうございました」
吹雪は、海上自衛官に一礼すると扉をあけ、中に入った。
扉を開けた先には白いタイルが敷き詰められ、それぞれの通路に赤い絨毯が敷かれていた。
そんな高級感溢れる鎮守府の内装に吹雪は目を輝かせ見渡していた。
「鎮守府ってこんなに広いんだ~♪、、最上階まで吹き抜けのロビーにシャンデリア、、ここが、私の居場所なんだね♪」
吹雪は、見とれながらも、中に入っていく。
階段の入り口に一人の艦娘が立っていた。
「あなたが、吹雪さんですね♪」
明るい水色の髪のポニーテールの凛とした艦娘が、笑みを浮かべながら、敬礼した。
そんな艦娘吹雪も咄嗟に、答礼する。
「当鎮守府の秘書艦白露型駆逐艦七番艦、改白露型としては一番艦となる海風です。」
「海風さんですか、、あ、私は特型(吹雪)駆逐艦一番艦吹雪です!」
腕を下ろし、海風に更に近づく。
「では、行きましょう、、提督室へ案内します」
海風は、そう言って階段を上がっていった。
後をついていく吹雪は、周囲をキョロキョロとし飾られた装飾品に驚かされていた。
そして、二階に入った場所にある提督室の前に立った。
「ここが、提督室です」
海風は、扉をノックし、中に入っていった。
それに、続いて吹雪も中に入る。
中には、高級感溢れる家具が並べられ、大きな窓を背景に白い第一種制服を着用した
女性が執務机の椅子に座っていた。
その隣には、海風が立っていた。
「あなたが、特型駆逐艦の吹雪さんね、、私は呉鎮守府の提督を務める一等海曹沢星愛香(さわぼしあいか)よ」
「は、はい!特型駆逐艦吹雪頑張ります!」
吹雪は敬礼し、笑みを浮かべる。