次の週、材木座と海老名は部室で本を読んでいると材木座の携帯に着信があった。
葉山からだった。
「材木座くん、緊急事態だ、陽乃さんがやってくる」
「もしかして氷の女王の上位互換か?何があったのだ?」
「雪乃ちゃんが最近上機嫌すぎるから学校でどんなことしてるか気になったとか、比企谷の様子も見たいとか、何より君にも会いたいとか言ってる」
「え?じゃあ我逃げたほうが良いのか?」
「そうしたほうが・・・あ、しまった!、ちょっとまって・・・」
電話の向こうでなにかガサゴソ音がしてしばらくしたら
「ひゃっはろー、君が材木座君?話は聞いてるよ、雪乃ちゃん達にあったら君にも会いに行くからね?逃げないでよ?約束だぞ!、あと君のことは雪乃ちゃん達には内緒にしておくから心配しないでね、それじゃあ後でねー」
一方的にまくしたてられ電話を切られる
「なんかものすごいテンションの人だな・・・というか奉仕部はどうなんだ?また八幡に奉仕しているようならまずい現場を見られてしまうぞ、無線機では詳細はわからぬしな・・・」
「んじゃあ私結衣に用事があるって名目で行って様子見てくるね」
「すまぬ、海老名殿」
材木座は無線機のスイッチを入れて様子を伺う、物音がほとんどしない為、何が起きてるのかわからない
『コンコンコン』
無線機からドアをノックする音が聞こえたとたん
『ガタガタガタ、バタン、ガサガサ』
焦ったような物音と
『あーちょっとまってくれ』
比企谷の声がする
「んもう、またなんかやってたな八幡め、このままだといずれ退学になるぞ」
「ん、んん、どうぞ」
落ち着いたのか雪ノ下の声がする
『ハロハロー、ごめんね、ちょっと結衣に用事があって、ちょっと結衣出てくれるかな?』
『うん、いいよ』
二人は出ていったようだが
『ふーやっぱり学校でやるのはまずいだろ、一色とか絶対気が付いてるぞ』
『あら、そういえばあなた一色さんから告白された件はどうするのかしら?』
『そりゃ断るしかないだろう、お前らがいるし』
『私も結衣さんも一色さんのことは好きよ、一色さんもあなたに影響されてあの男にけじめつけに行ったわけだし、あなたが責任を取るべきではなくて?』
『そりゃどういう意味だ?まさか今の俺たちの関係に混ぜるってことか?』
『そうしても私たちは構わないわよ?一色さんが良ければだけれども、よかったわね、美少女3人も侍らすことができるわよ?この変態谷くん?』
『くっ・・・その口ふさぐぞ!』
『あら?私の穴という穴をふさいだ癖に今度はナニでふさいでくれるのかしら?できれば息苦しくない方法でふさいでほしいのだけれど』
そんな会話をひとしきり続けている最中に由比ヶ浜が戻ってくる
『大変だよ!ゆきのんのお姉さんがこっちに向かっているって!姫菜が隼人君から聞いたって言ってた!』
『げ、マジかよ、海老名さんが来てくれなかったら俺たちやばいことになってたかもな』
『・・・そうね、この場合海老名さんに感謝しないといけないわね』
どうやら何とかなったようだ、材木座は無線機のスイッチを切る
「氷の女王は性に対して貪欲すぎるだろ・・・」
材木座が嘆いてると海老名が部室へと戻ってきた。
「ご苦労であった、やはり八幡たちは情事を繰り広げていたようだな」
「そうみたい、結衣の服も乱れてたし・・・別な意味で大丈夫かなあの三人・・・」
しばらくすると葉山が部室へとやってきた
「今さっき陽乃さんが奉仕部へ行ったよ」
「左様か、んではどんな話しているか聞いてみるか?」
またも無線機のスイッチを入れる
近頃あったことを色々聞いているようだった。
『ふーん海浜とそんなことやったんだ・・・ところでなんで突然その厄介な会長さんの態度が急に変わったんだろうね?』
『あー、さすがに間に合わなくなるって思ったんじゃないでしょうか?』
『そっかな?誰かが手助けしたとは思わない?』
『まさか、ありえませんよ』
『・・・いろはちゃんだっけ?生徒会選挙の時の話も聞いたけども海老名って子?に比企谷くんの作戦の手伝いさせたそうだけど、普通の女の子がそんな複雑でダーティーなことできると思う?』
『いや、海老名さんは普通っていうかまあほかの人にも手伝ってもらったのかもしれないし・・・』
『手伝った人ってだれだか言ってた?』
『・・・いえ一人でやったと言ってましたが・・・』
『あと雪乃ちゃんとガハマちゃんへ想いを伝えた時も比企谷くん一人の力じゃないよね?』
『・・・・・・・何が言いたいんですか?』
『君たちは自分たちの力でやったと思っていてその実誰かが陰で支えてくれたかもしれないってことだよ、うん、君たちの近況は分かった!比企谷くんも頑張ってくれてるようでお姉さん安心したよ!それじゃあ雪乃ちゃんをよろしくねー』
「なにやら我らの存在をほのめかすような話しっぷりだったな、しかしいよいよ雪の下姉がこちらにやってくるのか・・・緊張するな」
「あの人に嘘は通じないからね、落ち着いて対処すれば大丈夫だと思うよ・・・多分」
「その陽乃さんって腐った趣味はどうかな?」
「姫菜、やめてくれ、それだけは本当にやめてくれ・・・」
「ひゃっはろーおじゃましまーす」
陽乃がやってきた
「君が材木座君?隼人から話は聞いてるよ!、ずいぶんとでっかいねー!」
そういい材木座にぐいぐい迫る
「あ、ああ、どうも、こんにちは」
陽乃が予想以上に美人であり、やけに距離感が近いので戸惑う材木座
「んで、あなたが海老名さん?」
「は、はい!どうもこんにちは!」
海老名は大丈夫だろうと高をくくっていたが、陽乃から出るオーラで緊張で声が上ずる
「うん、いろいろ聞いてるよー比企谷くんにしたこともね、でも別にどうかするってわけじゃないから安心してね?」
「そ、その節はどうも申し訳ありませんでした!」
「いいよ別に、おかげで雪乃ちゃんは比企谷くんと相思相愛になれたみたいだし、なんかガハマちゃんともみたいだけど・・・あーそうだ私のことは気安く「陽乃ちゃん」って呼んでいいからね!」
「はい、んじゃあ陽乃ちゃんこちらにどうぞ」
葉山はやれやれといった顔で椅子を準備する。
「隼人、なんであんたが呼ぶのよ・・・ってかあんた本当に変わったね」
そういって椅子に腰かける
「んじゃあ材木座君、君がやったこと話してもらえないかな?」
材木座は今までに至る経緯を話し始めた。
「・・・というわけでこうして今文芸部という形で集まり八幡たちに陰ながら協力しているということです・・・」
「ふーん、やっぱりクリスマスイベントってのにも絡んでたんだね」
「はい、この三人で協力して対処しました」
「でも君は比企谷君と仲をもどしたいんだよね?遠くから見守るのも一つの形って言うけどそれって欺瞞ってやつじゃない?」
「欺瞞ですか・・・」
「そう、まあ隼人の場合はどうにもならないと思うけどさ、君はやり方次第じゃ仲直りできそうだけどな、それとも海老名ちゃんって彼女できちゃったからもういいってこと?」
「そんなことは!無い・・・です・・・」
「あー海老名ちゃんは雪乃ちゃんに嫌われてるからねー、嫌われ者同士カップルになっちゃったから余計難しいかな?隼人とも仲良しになっちゃったしね、こりゃ無理かな?」
「・・・この二人とは八幡に比べると付き合いは短い、しかしいついかなる時でも我を信じてくれるこの二人との信頼関係、それは我にとっての財産であるし、八幡の言葉を借りるとこういうのが本物ではないかと思う、八幡の方も我の方は未だに親友だとおもっているが、仮に陽乃殿の協力で誤解を解いたとしても、どこかでわだかまりが残り完全な仲直りは不可能だと思う。それならば嫌われていたほうがうまくいくと思うのです、我らを敵対視することによって八幡達の結束が強くなれば言うことはない・・・です。」
「君も大概ひねくれてるね、それで君は幸せなの?」
「・・・とあるアニメのセリフですが、『人はおおむね自分で思うほどには、幸福でも不幸でもない。肝心なのは、望んだり生きたりすることに飽きないこと。』なんだそうです。こうなる前の我は八幡の役にはまるで立てなかった、しかし今は陰ながらですが役に立てていますし充実しています。これが我の望んだ姿なのかもしれません」
「ふーん・・・比企谷君の影響かな?いいなー比企谷君、こんなにいろんな人に慕われてて、隼人もなんか変わっちゃったし、なんか前よりずいぶんと良くなったと思うよ、本当に雪乃ちゃんにはもったいない、私が欲しいぐらいだよ・・・」
そういい陽乃は上を見る
「そうだ!盗聴器使ってるよね?今雪乃ちゃん達が何話してるか興味ない?結構ヒント与えてきたから今頃混乱してるかも」
そういい無線機を手に取る
「ちょっとまって陽乃さん、時間もたってるし別な話題になってるかもしれない、それにさっき話してたから今聞くことないんじゃないかな?」
葉山が慌てて止めようとする
「そ、そうでござる!別に話なんて雑談でしょうから聞くだけ意味はないと思われますが」
材木座も引き留めるが
「えーなんで止めようとするの?まさか隼人、変なところに仕掛けてきたんじゃないでしょうね?」
「い、いえ、ちゃんと奉仕部にありますよ、声もばっちり聞こえますし・・・」
その奉仕部がへんなところになっているとは言いだせない葉山
「んじゃいいじゃない」
陽乃は無線機のスイッチを入れる
「・・・何にも聞こえないじゃない・・・」
「やっぱり始めちゃってるか・・・ボリュームをもう少し上げるといいと思いますよ」
葉山はあきらめ顔で言う
「ふーん?」
陽乃がボリュームを上げると予想通りの声が聞こえる
『ん・・・はぁ・・・あんっ・・・』
「なんか変な声?みたいなのが聞こえるんだけど」
「もう少し聞いてたらわかるので聞いててください」
葉山は投げやりに言う
「??どうしたの??」
陽乃は葉山の態度に疑問を感じたがそのまま聞き続けると雪ノ下の声が聞こえた
『あなたまた姉さんの胸ばかり見てなかったかしら?・・・んっ』
『そりゃ男子高校生だからな、しかたがない』
『ヒッキー、私のがあるじゃん、いっぱい好きにしていいんだよ・・・はんっ』
『大きいだけがいいってものではないってことをまた教え込む必要がありそうね、このエロヶ谷くん?』
『雪乃、やっぱその口塞いで欲しいらしいな、覚悟しろよ』
『あら?苦しくない方法でと言ったはず『うるせぇお仕置きだ』いやっ、んぐっ、むぐっ、げほっ』
『すごい・・・ゆきのん、根元までいってる・・・』
「・・・なんかずいぶんとエッチなこと言ってるし喘ぎ声みたいなのも聞こえるし・・・しかも雪乃ちゃんのこれって・・・」
陽乃が葉山に向かって怖い顔で振り向く
「あーなんか3人ともすごく仲良くなっちゃって、なんか奉仕部が比企谷に奉仕する部みたいになっちゃってるみたいで・・・」
「・・・だめよ!こんなのだめよ!私だってまだなのに!雪乃ちゃんばっかりずるい!私も混じってくる!比企谷くんにご奉仕してくる!」
「いやだからもう手遅れですって・・・ちょっと本当に行くつもりですか?ダメですって!!、ちょっと材木座くんも姫菜も手伝って!陽乃さん抑えて!」
「ちょっと!離しなさいよ!イヤー!私も混ざるー姉より優れた妹なんていないんだからー!」
三人に取り押さえられ無理やり椅子に座らされてコーヒーを飲ませ落ち着かせる
「陽乃さん、盗聴器で聞いたことは知らないふりをしてもらわないと雪乃ちゃんから本格的に嫌われますよ?それに俺たちのこともばれてみんなそろって退学なんてことになるかもしれないので黙っていてもらえないですか?」
葉山はそう言って陽乃を説得する、陽乃はとりあえず納得はしてくれたが、やはり隙を見ると奉仕部へ行こうとするので葉山、材木座、海老名が同伴して無理やり帰らせることにしたのだった。