この作品はグリモアのストーリーに大きく関わっていく転校生は存在しません。
代わりにオリキャラ二人が主人公として活躍します!
どうかよろしくお願いします!
「あなたは魔法使いに覚醒しました」
始まりはなんの前触れもなく突然だった。
人類は大昔から魔物と戦っていて、多大な損害を受けてきた。
そんな魔物に唯一1人で対抗できると考えられている魔法使い。
魔法使いに覚醒した奴は、私立グリモワール魔法学園に入学して最低6年間の教育を受けることになる。
知識としては頭の中に入ってはいたが、まさか自分がその立場になるとは。
俺も昔、魔物と魔法使いの戦いを間近で見たことがある。
恥ずかしながらその時の俺は酷くパニクっていて、周りが見えてなかった。
そんな俺を守ってくれたのは、俺よりも小さな女の子だった。
「大丈夫ですよ。あなたは私が守ります!」
パニックになっていた俺を落ち着かせるように彼女は笑顔を見せる。
こんな小さな女の子に守られてるのか…と俺はその時の状況が少し恥ずかしくなった。
あの娘は魔法使いで、俺は一般人。
何も恥じることはないはずだった。
それでも俺はそのとき強く思った。
何であの娘なんだ…と。
魔物に対して人間が使う兵器の効果は薄く、唯一有効的にダメージを与える手段が魔法。
しかし、魔法が使えるのは魔法使いだけ。
そして魔法使いに覚醒するのにはなんの前触れもなく、年齢や性別も特に関係ない。俺が知っていることと言えば、女性の比率が高いということぐらいだ。
だから常に魔法使いは、先頭を走り続けなければ行けない。
例えそれが小さな女の子だって例外ではない。
魔法使いに覚醒した人間は身体能力が一般人の数倍をにも跳ね上がる。
きっと俺を守ってくれた少女だって国軍所属の屈強な男たちを軽く凌駕する身体能力の持ち主だろう。
しかし、いくら強いからと言っても中身はまだ小さな女の子。
きっと怖いだろし、周りからのプレッシャーに押しつぶされてしまうかもしれない。
俺は、変わってあげたい…と強く願った。
自分でも何を言っていたんだろうと思う。
ついさっきまで怯えきっていたやつが臆病者のくせに。
「じっとしていて下さいね…」
そう言って彼女は魔物へと向き直った。
「…っ!」
俺は彼女の背中に出来た大きな爪で肉を抉られたような傷跡を見て、覚醒することを強く願った。
そしてついにその日が来た。
守る者と守られる者。
親に守られ、学校に守られ、自分より小さな女の子に守られ…
いつだって後者だった自分が守る側の力を得た時はとても嬉しかった。
入学の手続きやらでずっと校門の前で待たされているんだが、立派な校舎だな。
校門の間から見える校舎はとても大きく、まるで西洋のお城のようだった。
噂には聞いていたが、これほどまでとは…
魔法使いの育成機関と聞いて、きっと軍みたいな壮絶な訓練を想像して青春を捨ててきたつもりだっけど、意外と楽しめそうだ。
「あのぅ…」
「ん?」
急に袖を引っ張られ振り向くと、明らかに俺に対して警戒心を抱いているような少女が立っていた。
「いつからそこに?」
「さっきからですけど?」
申し訳ないけどまったく気づかなかった…
「あなたも今日からグリモアに?」
「そうだけど、君も?」
「はい」
そこで会話は終了した。
特に理由はないけど、何故か何か話さなければという気分になる。
「あの、さ」
「はい?」
考えるよりも先に言葉が出てしまった。
何か言わないと…
俺はそこで、互いに自己紹介が済んでいないことに気がついた。
「俺の名前は沖許陸。そっちは?」
礼儀のしっかりした娘なのか、これは失礼しました…と置いてから自己紹介を始めた。
「私の名前は桜乃由佳、同じ日に入学というのも何かの縁ですし…よろしくお願いします」
「こちらこそ」
桜乃さんは深々とお辞儀をした。
「ちなみに年は17です」
体格のせいでよく実年齢より比較見られるのか、17というところだけはやけに声が大きかった。
確かに彼女の背は低くい。
そのうえ童顔で、実年齢より低く見られるのも無理はないだろう。
顔を上げた桜乃さんは、少し不機嫌そうだった。
なんだろう。
俺はそれを見て不覚にも可愛い、と思ってしまった。
読んでいただきありがとうございます。
どうでしたか?
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次回もなるべく急いで投稿します!