実力至上主義の学校に入学する。そして美少女と出会う。   作:田中スーザンふ美子

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秋アニメが豊作すぎてやばい



10話 一之瀬の上目遣いは無敵である

 翌朝。寮の玄関ホール。

 俺はいつも通り一之瀬を待っていた。

 

「おはよー」

 

 5分ほど待っていると天使が舞い降りた。

 

「おはよう」

「今日も暑そうだねー」

「だな」

 

 この学校には衣替えが存在せず、年間を通してブレザーを採用している。理由は室内であればどこも冷暖房が完備しているからだ。そろそろ昼飯を食べる場所を考えないとな。

 

「あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

 

 玄関ホールを出てすぐに一之瀬が聞いてきた。

 

「なんだ?」

「喧嘩騒動のことなんだけどね。昨日、私がいないタイミングでBクラスにDクラスの人たちが来たみたいなんだ」

 

 そういえば聞き込みするとか言ってたな。

 

「目撃者探しをしてるんでしょ?」

「みたいだな」

「みたいだなって界外くんは参加してないの?」

「してない」

 

 俺がそう答えると一之瀬は面食らった顔をしていた。

 

「……そうなんだ。意外かも」

「意外?」

「うん。界外くんのことだからてっきり協力してるのかなって思って」

 

 俺は一之瀬にどんな人間に見られているのだろうか。

 なんでも人助けするキャラと思われてるのかな。

 確かに中学3年に上がる前に上条さんの真似してたけど……。

 

 

「本人が被害者面してるのに思うところがあってな。協力する気になれないんだ」

「それ!」

「え」

「先生や友達から詳しい話を聞かされてないんだよね。だから教えてくれないかな?」

 

 どうやら一之瀬は興味本位で聞いてるようだ。

 別に隠すことじゃないので、俺は教室で聞いた内容をすべて一之瀬に説明した。

 一之瀬は終始真面目な様子で話に聞き入っていた。

 

「そんなことがあったんだ。だからBクラスまで足を運んでたってわけね」

「ああ。監視カメラがある場所だったらよかったんだけどな」

「ない場所なの?」

「ある場所ならこの状況が続いてるはずないだろ?」

「確かに」

 

 監視カメラがない以上、目撃者に頼るしかない。

 ただ都合よく目撃者が出てくるかもわからない。

 そうこう話しているうちに学校に着いてしまった。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

「界外くん、おはよ」

 

 席に着くと松下が声をかけてきた。

 

「おはよう。昨日は収穫あったのか?」

「全然」

 

 松下はため息をつきながら答えた。

 

「今日もやるのか?」

「多分ね。見つかるまでやるんじゃない?」

 

 だろうな。ただ肝心の目撃者が見つかるかどうか。

 

「あー、俺もAクラスがよかったな。Aクラスなら今頃楽しい学校生活送れてたんだろうな」

「あたしもAだったらなぁ。買いたいもの沢山買えただろうし」

 

 いつのまにか教室内は情報交換の場から無いものねだりする場に変わっていた。

 Aクラスになりたかったなのなら、もう少し勉強や運動を頑張っておけばよかったのにね。

 

「一瞬でAクラスになれる裏技とかあったら最高なのにな」

「喜べ池、一瞬でAクラスに行く方法はあるぞ」

 

 教室の前方入口から茶柱先生の声が聞こえてきた。

 授業開始まで5分あるのに今日は来るのが早いな。

 

「またまた~。そんなのあるわけないじゃないっすか。からかわないでくださいよ」

「本当の話だ。この学校には特殊な方法が用意されている」

 

 茶柱先生にふざけている様子はない。

 池のヘラヘラと笑っていた態度も徐々に変わっていく。

 

「せんせー、特殊な方法ってなんでございましょう……?」

 

 教室にいる生徒全員の視線が茶柱先生に向けられる。

 

「入学式の日に説明しただろ。この学校はポイントで買えないものがないと。つまり個人のポイントを支払えばクラスを変えることも可能だ」

「マジすか!? いくら貯めればクラスを変えられるんですか!?」

「2000万だ。頑張って貯めるんだな池。そうすれば好きなクラスに上がれる」

 

 2000万か。これは不可能に近い数字だな。

 一之瀬と同じクラスになるのは無理そうだ。

 

「2000万ポイントって無理に決まってるじゃないですか!」

 

 池が不満を言うと、各席からもブーイングが起こった。

 

「確かに通常では無理だな。しかし無条件で好きなクラスに上がれるのだから当然だろう」

「あの……過去にクラス替えに成功した生徒はいるんすか?」

 

 池はよく質問するな。質問係にでも任命されたんだろうか。

 

「残念ながら過去にはいない。理由はわかるだろ? 入学時からのクラスポイントを維持しても3年で360万だ。普通にやっても絶対足りないようになっている」

「そんなの、出来ないのと一緒ですよ……」

「実質不可能に近いが、不可能ではない。この違いは大きいぞ池」

 

 普通以外のやり方なら貯めようがあるってことか。

 

「私からも一つ質問させていただいてよろしいでしょうか」

 

 静観していた堀北が挙手をした。

 

「学校が始まって以来、過去最高どれだけのポイントを貯めた生徒がいるんですか?」

「良い質問だ堀北。3年前に1200万ポイントを貯めていた生徒がいたぞ。確かBクラス所属だったな」

「せ、1200万!? しかもBクラスの生徒が!?」

「だがその生徒はポイントを貯めるために詐欺行為を行ったことより退学になっている」

「詐欺?」

「入学したての1年生をターゲットにして、ポイントを騙しとっていたんだ」

 

 犯罪みたいな真似をしても1200万が限界ってことか。

 

「諦めて大人しくクラスの総合ポイントで上を目指すしかないということですか」

 

 堀北は読書を再開した。

 この学校もそんな甘くないってことだ。

 

「そうか。お前たちの中には部活でポイントを貰っている生徒がいなかったな」

 

 ふと思い出したように、茶柱先生が言う。

 

「なんすかそれ」

「部活の活躍や貢献度に応じて個別にポイントが支給されるケースがある」

 

 クラスメイトたちは、茶柱先生の報告に仰天する。

 俺は知ってたけどね。

 それに部活以外にも支給されるケースがあることも把握している。

 

「部活で活躍したらポイントが貰えるんですか!?」

「そうだ。恐らくこのクラス以外では説明はされているはずだ」

「酷いっすよ! もっと早く教えてくれれば……」

「部活に入っていたというつもりか? そんな軽い気持ちで部活をして結果が残せると思うか?」

「それはそうかもしんないすけど……! 可能性はあるでしょ!」

 

 池じゃ無理だと思うけどな。運動神経もよくなかったと思うし。

 奉仕部や隣人部でもポイントって支給されるのだろうか。

 

「ねえ」

 

 松下が二の腕をつついてきた。

 ドキっとしちゃうからやめてくれませんかね。

 

「ん?」

「部活入らないの? 界外くんならどの部活でも活躍できそうだけど」

 

 どうやら松下は俺の運動能力を高評価してくれているようだ。

 体育の授業の時に男子の様子を見ていたんだろうな。

 ちなみに6月の体育の授業内容は男子がサッカー、女子がソフトボールだった。

 元サッカー少年の俺にとって楽しい授業だった。

 

「入らない」

「勿体なくない?」

「勉強する時間が減っちゃうだろ。俺は勉強に集中したいんだ」

「女子と遊ぶ時間がなくなるからじゃなくて?」

 

 図星だった。

 俺ってそんなわかりやすいのかしら……。

 

「一之瀬さんと堀北さん。部活やると2人と遊ぶ時間なくなっちゃうもんね」

 

 なんでそこに堀北が出てくるんだよ。

 

「堀北と遊んだことないんだけど」

「……そうなんだ。意外」

 

 意外じゃないだろ。

 堀北が放課後や休日にクラスメイトと遊ぶイメージがわかないぞ。

 

「それじゃ今度、私とも遊びに行こうよ」

「ポイントが無事に支給されたらな」

「それね」

 

 まさか松下から誘われるとは思わなかった。

 クールに答えたが内心ドキドキである。

 

「あ、でもさ」

「なんだよ?」

「界外くんはボーナスポイント貰ってるんだし、今回支給されなくても大丈夫でしょ?」

「つまり?」

「奢って」

 

 松下が満面の笑みで無心してきた。

 さっきのトキメキを返せこの小悪魔め。

 ホームルームが終わると俺はすぐにトイレへ向かった。

 あのまま教室にいては佐藤と篠原からもたかられる予感がしたからだ。

 なんで友達が出来たのにトイレに逃げ込む学校生活を送らないといけないんだろう……。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 その日の夕方。

 アニメ鑑賞しているとインターホンが鳴った。

 ドアを開けると堀北が立っていた。

 

「どうしたんだ?」

「報告があるのだけど、あがっていい?」

「ど、どうぞ」

「お邪魔します」

 

 堀北は靴を綺麗に並べ、部屋に上がった。

 綺麗に靴並べるのは、帝人的にポイント高い。

 

「カルピスでいいか?」

「ええ。本当にカルピスが好きね」

「だって美味しいだろ」

「あまり飲み過ぎると糖尿病になるわよ」

 

 おお、堀北が俺の健康を気遣ってくれてる。

 

「ご心配どうも」

 

 コップを2つ用意し、カルピスを注ぐ。

 夏はやっぱりカルピスだよね。

 

「別に心配はしてないけど……」

 

 堀北がそっぽを向いて言う。

 これがリアルツンデレか。……悪くないな。

 

「それで報告って?」

「須藤くんの件の目撃者のことよ」

「見つかったのか?」

「ええ。同じクラスの佐倉さん。彼女が目撃者よ」

 

 まさか同じクラスに目撃者がいたとは。

 違うクラスの方が都合がよかったが、こればかりは仕方がない。

 確か佐倉って眼鏡っ娘の大人しい女子だった気がする。地味だけど結構可愛いんだよな。自分だけが知ってる可愛い系女子って言うのかな。多分、眼鏡外せばもっと可愛いと思う。

 

「佐倉が申告してきたのか?」

「いいえ。私が直接確認してきたわ」

 

 佐倉が申告していないってことは、堀北が自力で目撃者に辿り着いたってことか。

 この子、観察眼鋭いもんね。佐倉も俺と同じ餌食になったわけだ。可哀相に。

 それより俺の知らないところで堀北は行動を起こしていたのか。

 もしかしてクラスで何もしてないのって俺だけ?

 

「そっか。なんだかんだで堀北は、須藤のことが心配だったわけだ」

「違うわ。勘違いしないで」

 

 堀北が鋭い視線を向けてくる。

 

「す、すみません……。それでなんで俺に報告を?」

「あなたが私の協力者だから。情報共有をしておこうと思っただけ」

「なるほど。綾小路たちには言ったのか?」

「先ほど言ってきたわ」

 

 つまり綾小路たちに報告をしに行った足で俺の部屋に来たわけだ。

 

「後は彼らに任せるわ」

 

 堀北さんかっけえ。

 これで社交性が身につけば最強じゃないだろうか。

 その後、堀北はカルピスを飲み干すと自室へ帰っていった。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 翌日の放課後。

 堀北の報告を受けてか、櫛田が佐倉に話しかけている。

 帰り支度をしながら、ふと堀北を見ると、櫛田と佐倉の様子を伺っていた。

 堀北も事の成り行きが気になるようだ。

 俺は用事があるので失礼させてもらうけどね。

 

 10分後。

 俺は橘先輩に呼び出され、図書室に足を運んでいた。

 

「すみません。呼び出してしまって」

「いえ。暇でしたし気にしないで下さい」

 

 橘先輩の呼び出しなら、いつでもどこでも行くに決まってるじゃないですか。

 

「ありがとうございます。それでは早速本題に入りさせていただきますね」

「はい」

「須藤くんの事件を受けて、1-Dの現状を教えてくれますか?」

「現状ですか。うーん、目撃者探しをしていて、昨日見つかったくらいですかね」

「見つかったんですか!?」

 

 橘先輩が急に立ち上がり、大きく声を発した。

 近くに居た生徒から睨まれ、「すみません」と謝りながらこじんまりと座り直す。

 なにこの先輩可愛すぎる。

 

「それで目撃者というのは?」

「同じクラスの子でした。なのであまり意味はないかもしれないですね」

「同じクラスでしたか……」

 

 どうやら橘先輩も俺と同じことを思っているようだ。

 同じクラスの生徒が目撃者として証言しても、クラスメイトを庇っていると思われてしまう可能性が高い。

 

「動画や写真などあればいいんですけどね。今はクラスメイトが目撃者の子に色々聞いていると思います」

「そうですか。教えてくれてありがとうございます」

「いえ。橘先輩の為ですから」

「わ、私の為ですか……」

 

 橘先輩の顔が赤くなっている。夏風邪だろうか。

 

「他に聞きたいことはありませんか?」

「ふぇっ!?」

「いや、だから他に聞きたいことないですか?」

「え、えっと……ありましぇん……」

 

 今日の橘先輩は舌足らずなようだ。

 その後20分ほど雑談をして、俺は図書室を後にした。

 玄関に辿り着くと、無邪気な天使こと一之瀬と遭遇した。

 

「やほー、待ってたよ」

「一之瀬?」

「遅ーい。待ちくたびれちゃうところだったよー」

 

 頬を膨らませながら文句を言う一之瀬。

 なにこの天使可愛すぎる。

 ……さっきも同じようなこと言ってた気がする。

 

「悪い。用があるなら連絡してくれればよかったのに」

「したよ! 界外くん、電話も出ないし、メールも返してくれないんだもん!」

 

 俺が一之瀬の連絡を無視するはずがないと携帯を見てみると、がっつり着信とメールが入っていた。

 

「わ、悪い……。サイレントにしてて気づかなかった……」

「それじゃこの後付き合ってくれる? 界外くんに話があるの」

「了解」

 

 一之瀬となら地獄の底まで付き合うぞ。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 場所は変わりいつもお世話になっているファミレス。

 店員にドリンクバーを注文し、早速本題に入る。

 

「それで話ってなんだ?」

「うん。須藤くんの件なんだけどね」

「一之瀬もか」

 

 橘先輩に続き一之瀬まで須藤の件が用件だったとは。須藤に嫉妬しそうになるぜ。

 

「私も?」

「いや、気にしないでくれ。それで?」

「進捗どうなってるのかなって」

「一応目撃者は見つかったぞ」

「見つかったの!?」

「ただ同じクラスだったけどな」

 

 そういえば櫛田はうまく佐倉から聞きだせたのだろうか。

 

「クラスメイトだったんだ」

「だから見つかってもあまり意味はないかもな。他のクラスだったらよかったんだけど」

「……あのさ、もしよかったら協力しようか?」

「え」

 

 一之瀬からの急な提案に間抜けな返事をしてしまった。

 

「目撃者捜しなら人手が多い方が効率的でしょ。もしかしたら他のクラスからも目撃者が出てくるかもしれないし」

「それはそうだけど。……なんで協力してくれるんだ?」

「だって今回の件で須藤くんが処分されたら、クラスポイントが減っちゃうでしょ?」

「そうだろうな」

 

 せっかくクラスポイントが上がったのに、0に逆戻りするかもしれない。

 須藤め、余計な事しやがって。修正してやる!!

 

「そしたら界外くん、困るよね?」

「非常に困る」

「だよね。だから私、界外くんの力になりたいの」

 

 一之瀬が真剣な眼差しで俺を見つめる。

 

「界外くんは須藤くんの態度が気に入らなくて目撃者捜しに参加してないんだよね?」

「……ああ」

「界外くんの気持ちは否定しないよ。でも須藤くんってバスケ部のレギュラーになれるかもしれないんでしょ?」

「みたいだな」

 

 そういえばうちのバスケ部ってレベルはどれくらいなんだろうか。

 

「大会に出て活躍すればプライベートポイントはもちろんだけど、クラスポイントにも影響が出るでしょ」

「え、クラスポイントにも?」

「うん、……もしかして知らなかった? 先生から教えて貰わなかった?」

 

 まさかクラスポイントにも影響があるとは。

 

「知らなかった。先生からはプライベートポイントの説明だけだったな」

「なんか変だね、界外くんの担任」

「美人なんだけどな」

 

 俺がそう言うと、一之瀬が軽く睨んできた。

 え、なんかまずいこと言ったのか。

 

「界外くんはああいう人がタイプなんだ」

「いや、煙草吸ってるからNGだな」

 

 いくら美人でも喫煙者は嫌だ。

 たまに胸ポケットから煙草見えてるの、本人は気づいてないんだろうか。

 

「そっか、ならいいんだけど。……それより須藤くんのこと!」

「あ、ああ……」

「今は少し足を引っ張ってるかも知れないけど後々クラスの財産になるかもよ」

 

 それはわかってるんだが不安要素が大きすぎるんだよな。

 

「だからね、クラスの為に頑張ってみない?」

「うーん……」

「私と一緒に頑張ろ」

「うん、頑張る」

 

 やだ、俺ってチョロすぎ……。

 でも仕方ないよね。一之瀬に上目遣いでお願いされたら断れるわけないじゃん。

 だから『僕は悪くない』。一之瀬が可愛すぎるのが悪いのだ。

 

「あ、一応クラスメイトに許可とってからでいいか?」

「もちろんだよ。うちのクラスはいつでも動けるようになってるから」

 

 うちのクラス、か。つまり一之瀬個人ではなくクラス単位で協力してくれるのか。

 ということは……

 

「なあ、一之瀬」

「なに?」

「今回協力してくれるということだが、俺を助ける以外に理由があるんじゃないか?」

「……どういうことかな?」

「もし須藤の言っていることが本当で、須藤が処分されることになれば、Cクラスを調子づかせることになる」

 

 一之瀬は真剣な顔つきで俺の説明を聞いている。

 

「Bクラスからしたらそれは面白くない。つまりDクラスを助けることで、Cクラスの勢いを止めておきたいんじゃないか」

「なんでそう思ったの?」

「一之瀬が前に言ってただろ。度々BクラスとCクラスでいざこざがあるって」

「うん」

「それともう一つ。もし一之瀬が私情で動くなら、クラスメイトは巻き込まないと思ったからだ」

 

 一之瀬と交流を持ってから3か月が経つ。少しは一之瀬がどういう人間か、わかっているつもりだ。

 

「……まいったね。やっぱり界外くんは凄いや」

「正解か?」

「うん、大正解。にゃはは、私のこと理解してくれてるねー」

「少しはな」

 

 ふぅ、合っててよかった。これで違ってたら恥をかいてたところだぜ。

 ちなみに少しだけではなく、もっと理解し合える仲になりたいです。

 

「んじゃ、改めてよろしく」

「Dクラスを利用することになっちゃうけどいいの?」

「利害が一致していれば問題ないだろ」

「だね。私からも改めてよろしくね!」

 

 一之瀬と握手を交わす。

 彼女の手は絹ハンカチのように頼りないほど柔らかい。少し力を入れただけで握りつぶしてしまいそうだ。

 その後、中々手を離せず1分くらい握手をし続けたのであった。

 





8巻を読んで南雲先輩が木村良平の声で再生されて仕方ないです
語尾にスをつけられるとキセキの世代のあの人と被っちゃう

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