実力至上主義の学校に入学する。そして美少女と出会う。   作:田中スーザンふ美子

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よう実のギャルゲ出てほしいです


3話 クールな彼女はエリートぼっち

 翌日、昼休み。

 俺は綾小路と堀北の3人で食堂へ足を運んでいた。

 目的はもちろん昨日の約束を果たすためだ。

 3人とも高めのスペシャル定食を選び、席を確保して共に座る。

 

「高いもの選んでしまって悪いな」

「気にしなくていい。約束だし」

「そうよ。綾小路君が気にすることないわ」

 

 確かにそうだけど、堀北が言うなよ。

 そういえば食堂のご飯を食べるのはこれが初めてだな。スペシャル定食だけあって非常に美味い。

 

「綾小路と堀北は食堂で食べたことあるのか?」

「オレはない。いつも購買のパンだ」

「私もないわね」

 

 俺と同じだったか。確かに綾小路はパン、堀北はサンドイッチをよく食べている。

 ていうかそれ以外を食べてるのを見たことない気がする。成長期にその食生活で大丈夫なのだろうか。

 

「界外はいつも弁当持参してるよな」

「ああ」

「毎日作るの面倒臭くないか?」

「料理好きだから面倒臭いと思ったことはないぞ」

「そうか」

「ご馳走様」

 

 え、堀北もう食べ終わったのか。早いなおい。

 そのまま食器下げに行っちゃったよ。

 あれ、一緒にランチしたのにほとんど会話してないような気がする。

 

「堀北、行ってしまったな」

「ああ。もう少し話したかったんだけどな」

「あいつは1人が好きだからな。仕方ないんじゃないか」

「そうか」

 

 なるほど。堀北は孤高のエリートぼっち、ということか。

 俺や綾小路と違って望んで1人でいるわけだ。

 

「……ん?」

「どうした?」

「いや、何でもない」

 

 ふと、食堂を見渡していると、食事中の一之瀬の姿が視界に映りこんだ。

 クラスメイトであろう女子たちと楽しく食事をとっているようだ。

 よかった。これで男と2人で食事を取っていたら発狂していたかもしれない。

 いや、俺は一之瀬の彼氏じゃないんだけどね。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 その日の放課後。

 

「堀北さん。私、これから友達とカフェ行くんだけど、一緒にどうかな?」

「興味ないから」

 

 問答無用、一刀両断に櫛田の誘いを切り捨てる。

 入学してから櫛田は定期的に、堀北を遊びに誘っている。

 

「そっか……じゃあ、また誘うね」

「待って、櫛田さん。もう私を誘わないで。迷惑だから」

 

 冷たくあしらうようにそう言った。

 だが櫛田は寂しそうな顔を見せることもなく、笑顔を絶やさずこう返した。

 

「また誘うから」

 

 櫛田はそれからいつものように友達の元へ駆け寄り、グループで廊下に出ていく。

 

「桔梗ちゃん、もう堀北さんを誘うの止めなよ。私、あの子嫌い――――――――」

 

 教室の扉が閉まる寸前、そんな女子の声が微かに聞こえてきた。

 その言葉は傍にいた堀北にも聞こえたはずだが、少しも意に介していないようだ。

 

「あなたたちまで、余計なこと言ったりしないわよね?」

「ああ。お前の性格は十分理解したつもりだし」

「人間強度下がっちゃうもんな」

「人間強度? 何を言ってるの?」

「な、なんでもない。それじゃまた明日」

 

 堀北に睨まれた俺は颯爽と教室から出ていった。

 しかし、櫛田もしつこいよな。断られるのわかってるのに遊びに誘うとは。

 ため息をつきながら玄関に辿り着くと、天使と遭遇した。

 

「あ、界外くんだ。待ってたよー」

「一之瀬。どうしたんだ?」

 

 どうやら一之瀬は俺が来るのを待っていたようだ。

 放課後に2人で会うのは入学式の日以来だ。

 

「うん。界外くんと2人で遊びたいなって思って」

「クラスメイトとの用事はないのか?」

「うん。今日はないよ。……どうかな?」

「いいぞ。俺も暇だし」

「ホント? よかったー」

 

 暇じゃなくても一之瀬の誘いを断るつもりはないけどね。

 

「ちなみに行きたいところあるのか?」

「うん。カラオケなんてどうかな?」

「カラオケか。俺、アニソンばかりなんだけど……」

「私もアニメ見るから大丈夫だよ」

 

 意外な事実が発覚。まさか一之瀬もアニメを見てるとは。

 最近はリア充の人たちも見るんだろうか。

 なんにせよ、一之瀬とアニメの話が出来るのは非常に嬉しいことだ。

 今度、頑張って映画にも誘ってみよう。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

「とりあえずかんぱーい!」

 

 10分後。俺と一之瀬は学校から一番近くにあるカラオケに来ていた。

 一之瀬が音頭を取り、ドリンクバーで乾杯している。

 

「何に対しての乾杯なんだ?」

「うーん、私と界外くんの初2人カラオケを記念してかな」

「なるほど」

 

 確かにそれなら乾杯しないといけないな。

 こういうノリからも一之瀬のコミュニケーション能力の高さが伺える

 しかし、密室部屋に美少女と2人きりというのは少し緊張するな。一之瀬は男子と2人きりという空間に緊張はしないのだろうか。

 ……うん。してなさそうだな。いつも通りの一之瀬だ。なら俺もいつも通りに振る舞うよう努力しよう。

 

 それから2時間。俺たちは歌いまくった。

 一之瀬は俺を気遣ってか、アニソン中心に選曲していた。

 ごめんね。流行の曲も勉強しておくね。

 

「いやー、歌ったねー」

「だな。友達とカラオケなんて初めてだから新鮮だった」

「え、初めてなの?」

「ああ。1人カラオケは何回も行ったことあるんだけどな」

「そうなんだ。……楽しかった?」

「もちろん。一之瀬と一緒ならなんでも楽しいと思うぞ」

「そ、そっか。……えへへ」

 

 そう言うと、一之瀬は顔を赤くして俯いてしまった。

 照れてるんだろうか。照れた一之瀬も可愛くてしょうがない。

 一之瀬がもじもじと指先をスカートの上で動かし始めた。それに釣られて俺はなんとなく一瞬視線を向けてしまうも……そこで彼女のスカートが存外短いことに気づき、慌てて視線を逸らした。

 会話が途切れ、沈黙が続くが不思議と俺は嫌な感じはしなかった。

 

「もう18時近いけど、どっかで飯でも食べるか?」

 

 もう少し一之瀬と一緒にいたいので、外食を提案してみる。

 本当なら俺の部屋で手料理を振る舞いたいところだが、部屋に呼ぶのは勇気がいる。

 

「そうだね。もう少しお喋りしたいし」

「それじゃ適当にファミレスでも行くか」

「うん」

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

「いやー、沢山歌ったらお腹減っちゃったよー」

 

 ファミレスの店内に入り席に案内をされると、一之瀬はスクールバッグをソファに置いた。

 

「だな。俺も腹ペコだよ」

 

 俺もスクールバッグを自分の隣の椅子に置き、一之瀬に答える。

 一之瀬は、メニューを開きながらナチュラルに笑顔を作り、

 

「また2人で行こうね」

「ああ。俺はいつも空いてるから一之瀬の都合いい時に誘ってくれ」

「あはは、いつも空いてるんだ」

 

 はい。いつも空いてるんです。

 いつか綾小路と放課後一緒に遊べる仲まで進展出来ればいいけど。意外とあいつもクラスで話せる人が多いからな。俺、堀北、櫛田、須藤、池、山内と6人もいらっしゃる。

 今度綾小路を観察してみるか。友達とまではいかないまでも話し相手を増やすテクニックが見つかるかもしれない。

 

「一之瀬は予定がびっしり埋まってそうだよな」

「そんなことないよ」

 

 俺は一之瀬と軽い雑談をしながら、メニューを見る。そしてお互い決めたら店員を呼び、オーダーを伝えた。

 店員が去って一息つくと、一之瀬が切り出す。

 

「あのさ」

「ん」

「今日、珍しく食堂に来てたよね?」

「ああ、初めて食堂に行ったよ。それがどうかしたのか?」

「うん。一緒にお昼食べてた女の子なんだけど」

「堀北のことか?」

「……堀北さんっていうんだ」

「ああ。堀北になにかあるのか?」

「う、ううん。……可愛い子だなーって思ってね」

 

 なるほど。あの人の多さでも堀北の美しさは際立つということか。

 一之瀬も可愛い女子に興味あるんだな。

 ゆるゆり程度なら俺はいいと思います。がちゆりなら困るけど。

 

「そうだな。堀北はDクラスで一番可愛いと思う」

「そ、そうなんだ……」

 

 俺が堀北の評価を言うと、一之瀬の表情が暗くなった。

 なんだろう。急にお腹が痛くなったのだろうか。

 

「……界外くんは、堀北さんと仲が良いの?」

「いや、昨日初めて話したばかりだけど」

「え、そうなの?」

「ああ」

 

 俺は堀北、綾小路と一緒に昼食をとることになった経緯を説明した。

 説明の途中で俺のクラスでの交友関係も聞かれたので素直に答えた。

 説明を終え、一之瀬の顔色を伺うと、いつもの明るい表情に戻っている。

 お腹痛いの治ったのか。

 

「あはは、勝利宣言したのに負けちゃったんだ」

「うぐ……。わ、笑いすぎだぞ……」

「ごめんごめん。でも2位でも凄いと思うよ。界外くんて運動神経いいほうなんだ?」

「まあな。一之瀬は?」

「私は全然だよ。徒競走で1位取ったことないしね」

 

 意外だ。一之瀬は活発そうに見えるので運動神経もいいと勝手に思っていた。

 

 ファミレスで2時間ほど雑談をし、俺と一之瀬は寮までの道を歩いている。

 

「もう21時近くか。遅くまで付き合わせて悪かったな」

「全然だよ。どっちかというと私が付き合わせちゃった感じだし」

「いや、俺はいいんだけど。一之瀬は女の子だから帰りが遅くなるのはアレかなと思って」

「優しいんだね。でも大丈夫だよ。こうして界外くんが送ってくれてるわけだし」

 

 そりゃ同じ寮に住んでるからな。

 でも人から頼られるのは嬉しいもんだ。それが一之瀬からなら尚更。

 今なら桐山くんの気持ちがわかる。3期早くやってくれないかな。

 さて、帰ったら今日も勉強するか。一之瀬にもっと頼られる人間になる為に。

 ……いや、アニメの録画消化しないといけないから勉強は明日にしよう。




次回もよろしくです!
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