人狼ゲーム 妖狐学校の悪魔 ~Fox Round~ 作:MOGIぴー
「6日目の話し合いだ。日没までに投票をし、最も票が多かった一人を処刑せよ」
廊下には既に、湯野の全身血まみれの死体が転がっていた。
「湯野・・・」
星樹は小さい声で呟く。
「む、惨い・・・」
桃木は顔を青くして、すぐに後ろを向いた。
星樹はしゃがんでいたが、立ち上がった。
「そうか・・・。お前が最後の人狼、ラストウルフだったか」
と星樹は、背後に立っている鳳に言った。
「・・・そうだ・・・」
「まさか、本当に君が狼だとは思わなかったよ」
「・・・俺だって、人を殺したくなんて無かったさ。でも、生き残るためにはそうするしかなかった」
沈黙はここで訪れた。
そして、その沈黙はまたすぐに消え去った。
「ここで俺が生き残るためには、星樹、お前を吊るしかないわけだ」
鳳はまっすぐ、星樹を見つめている。
「吊らなくても、ここで殺せるだろう?」
鳳は目を見開いた。
「ここで俺を殺せば、鳳、君の勝ちだ」
鳳の指は激しく振動している。
「・・・」
無音だった。ただ、窓からすがすがしい風が入ってくるだけである。
「・・・フッ」
すると、鳳が突然笑みをこぼし始めた。
星樹は驚く。
「俺は生き残る。だから、お前を殺すことに躊躇はみじんもない」
「バカな」
と、星樹は言う。一歩後ずさる。
「死ぬわけにはいかないのでね。星樹、すまないが・・・死んでもらうよ」
「やはり、降参するわけがないか・・・」
小さい声で呟く。
「どうやって死にたい? 選ばせてやるよ」
鳳が薄気味悪い笑みを浮かべて言う。
「・・・」
「そうか、何も言わないか。じゃあ、俺が決めてやるよ。お前にふさわしい死に方を」
「お前・・・」
ふと、鳳の眼の中に桃木の姿が映った。
「お前も狂人なら加勢してほしいものだが」
「そ、そんなこと無理ですう」
桃木が必死に訴える。
「そうか、ならば・・・」
そう言って、桃木を持ち上げると、窓の外から手を離した。
「ヒャアァァァァァァァァ」
数秒程悲鳴が響いた後、骨が砕けるような音がした。
「これで邪魔者は消えた」
(こいつ、正気じゃないな・・・。いつもの鳳とはわけが違う)
星樹は危険を感じ、咄嗟に走り出した。
「君に逃げ場なんてない」
逃げ場がなくても、とりあえずあいつから距離を置かなければ。
星樹は角を曲がって、すぐのところの物置に隠れた。
その後を追って、鳳が物置に入ってくる。
星樹は積みあがった段ボールの後ろで、息を潜めている。
ふと、目に入ったのは、星樹の目の前に落ちている鋭くとがったガラスの破片だった。
これで、太刀打ちするしかない。
鳳は、机に置いてあった花瓶を手に取った。
こちらに来た時に、勝負をつけてやる。
足音がコツコツと響く。こちらに近づいてきていることが全身で感じ取れる。
星樹はタイミングを待った。
そして、鳳が段ボールのすぐ横に来た時、ガラスの破片を持って鳳の目の前に飛び出した。
右手に持っていた破片が、鳳の胸にめり込んだ。
鳳は花瓶を落とし、うめき声をあげた。
そのまま、星樹は深々と刺さった破片から手を離す。
鳳の体はふらつき始めたかと思うと、そのまま後ろに倒れた。
そして、ピクリとも動かなくなった。
「人狼の全滅により、村人陣営の勝利です」
加工音声が響き渡った。そして、そのあとなんの音もしなかった。
勝った・・・。
一気に安堵感が押し寄せた。
星樹はそのまま、昇降口から外に出た。
俺はこれからどうすればいいのか。どう生きていけばいいのか。今から何をするべきなのか。俺には全くわからない。
この森を抜けた先に何があるのか。俺にはまるでわからない。
そして、このデスゲームのことも、俺には何もわからない。わからない。わからない・・・。
どうも、オチを作るの苦手(小説書くのやめろ)なMOGIぴーです。
はい、見事主人公勝ちました。・・・以上でえす。
第3弾もよろしくお願いします。
内訳
人狼 鳳、加倉井、安斉
狂人 桃木
占い師 斐川
霊能者 幹島
狩人 暁月(主人公)
市民 塩山、真田、湯野
妖狐 城、霧生