誰かの為、拳士は己が拳を振るう。   作:文才零之助

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原作第一巻もこれで終わりとなります。
次話で期末テストの話を終わらせ、その次に桜通りの吸血鬼編となります。


高等部女子とドッジボール対決!

俺は、とある用事があって二日間学校を休んでいた。

今日は二日ぶりに登校してきたワケで。

なんだかアスナやこのかに心配されたりあやかにはツンデレされたりと朝から大変だった。

俺はただ、やる事があったから休んでいただけなんだが。

しかしそのやる事、というのが魔法関連だった為に俺は風邪だと嘘をついて休んだ。

心配されたのはその所為だろう。

なんだかちょっと罪悪感。

まあいいだろう、たまにはあいつらの優しさをもらっても。

嘘だけど。

で、今は。

ネギに職員室へ呼び出されたので職員室へ。

俺は職員室の扉を開けて職員室の中へ入る。

ネギが座っている机まで行き、

「ネギ先生、いったい何用で?」

場所が場所なので、先生と付けて話しかける。

「あ、わざわざ来てもらっちゃってスミマセン。えっと、二日間のプリントを…」

「おお、ありがとうネギ先生」

呼び出しとかめんどくせえ、なんて思ってごめんなさい。

ネギは俺の分のプリントをしっかり取っておいてくれたようだ。

差し出された、少し多めな二日分のプリントを受け取る。

「うわあああ~ん、センセー!!」

「ネギ先生~~っ」

プリントを受け取ったその直後。

和泉亜子、佐々木まき絵の大きな声が響き、職員室の扉が勢いよく開いた。

当然、入って来たのは和泉亜子と佐々木まき絵。

「こ、校内で暴行が…!」

「見てくださいこの傷! 助けてネギ先生っ」

そう言う二人には擦り傷が幾つか。

二人が嘘を言ってる様子はないので、本当に誰かにやられたものなんだろう。

「ネギ、行くぞ。和泉、佐々木、案内を」

俺とネギは、和泉と佐々木に案内してもらって現場へ急行するのだった。

 

 

 

 

「いやーん、私たちが先なのにーー!」

俺たちが現場に着いた時、高等部の女子にうちのクラスの明石が引きずられていた。

「明石から手を離せ」

「ボクのクラスの生徒をいじめたら怒りますよっ」

俺とネギが、高等部の女子たちにそう告げる。

どうも、ネギの言葉には迫力がなかったが。

「キャーーーッ、かわいい~~!!」

一斉に女子たちがネギへと群がる。

俺はその間に、明石の方へ近付いて、明石に手を差し伸べた。

「明石、大丈夫か?」

明石は俺の手を取って立ち上がり、尻をパンパンと叩いて土やほこりを払う。

「うん、ちょっと擦りむいただけ。助けに来てくれてありがとね」

見ると、明石は手を少し擦りむいていた。

「どういたしまして」

俺はそう口にしながら、明石の擦り傷に絆創膏をペタリと貼る。

俺が明石の手当てをしてる間にも、ネギは高等部の女子たちにもみくちゃにされていて。

「いい加減におよしなさい、おばサマ方!!」

「そうだぞババア共。ババアが盛ってても見苦しいからやめろー」

どさくさに紛れて俺も文句を言ってやる。

「な、なんだとコラァ!」

「ここはいつも2-Aの乙女が使っている場所です。高等部の年増の方々はお引き取り願えます?」

「ぶふっ、と、年増…ぐふっ」

俺はあやかの言葉が面白くて吹き出してしまう。

その所為で、高等部のババアに睨まれてしまったが。

「だいたい! 私のネギ先生にですねえ――うぷっ」

あやかがどうでもいいことを言おうとしたその時、アスナがあやかを押しのけた。

「とにかく帰ってください! センパイだからって力で追い出すなんてちょっとひどいじゃないですか!?」

「…ふん。言うじゃないミルクくさい子供のくせに」

「そのミルクくさい子供より小さな子供を可愛い可愛いともみくちゃにしてたババアがよく言うよ」

「なんですってえ!?」

俺の言葉に怒る年増ババア。

俺は内心笑いをこらえきれずにいた。

ぎりぎり表情には出していないが、面白くてたまらない。

こいつら簡単に怒るからからかいやすくていいわあ…。

「知ってるわよ、神楽坂明日菜と雪広あやかに守桜千宏ね。中等部のくせに色々でしゃばって

有名らしいけど…。センパイの言う事には大人しく従うことね。子供は子供らしく隅で遊んでなさい、神楽坂明日菜」

「俺はすぐ力にモノを言わせる方が子供だと思うけどね」

「守桜千宏…さっきからうるさいわね…!!」

「正論を言われれば反論せず怒るだけ、と。子供なのはどっちなんだかなあ」

ニタッと悪い笑みを浮かべる俺。

いじりがいがある相手をおちょくるのは最高に楽しい。

ただ、やはりクラスメイトをこうも馬鹿にされたら腹が立つ。

だからこそ俺は今、馬鹿にしまくってるわけで。

「ぐ……こ、こんのガキィーー!!」

女子高等部の女子、そのリーダー格らしき女子がその手を振り上げる。

俺がこの拳を受ければ…ククク、こいつらが悪い事になるだろう。

いいぞ、殴れ。

避けようとすらしないのだから、当然のことながらリーダー格の拳は俺の頬へ。

「…痛ってえな」

「私のクラスメイトに何するんですこのババアッ!!」

「あんたら、いくらなんでも殴る事ないじゃないのよ!!」

「ち、千宏さんっ! 大丈夫ですか!?」

俺が拳を受けた事で、事態はさらに大きく。

女子高等部の女たちとアスナ、あやかは取っ組み合いの喧嘩に。

ネギは俺の所へ駆け寄ってきてくれた。

いや、でもちょっとこれはマズイかも。

ヒートアップしすぎる前に喧嘩を止めないと…焚き付けておいてなんだけど。

「相変わらず元気だな、二人共」

高畑先生が、取っ組み合いの喧嘩を仲裁し止めに入る。

お互いが悪かった、ということをきちんと伝えて場をおさまらせる高畑先生。

この辺は流石と言える。

高畑先生のおかげで、この場はおさまり女子高等部も中等部もお互いに解散した。

俺、殴られ損じゃないか?

 

 

 

 

体育は屋上でバレーボール。

…なのだが。

俺は女子たちと一緒に着替えられるわけもなく、俺は女子たちが着替え終わった後に体育着に着替えなければならない。

必然的に、俺は体育の授業に遅刻することとなるわけだ。

一人さびしく着替え終えた俺は、一人屋上へ向かうのだった。

屋上への扉の前まで来て、なんだか屋上が異常に騒がしい事に気付く。

屋上の扉を開けると…なんと、女子高等部の女子と2-A女子がドッジボールをしていた。

「あっ、千宏良いところに!」

「千宏さん、早く線の中にお入りなさいな!」

「えっ、おっ、おう」

なんだかよくわからないが、俺もドッジボールに参加しろという事だろう。

俺はとりあえず、線の中に入る。

「数が増えても変わらないわよ…。よし、次はあんたよ!」

女子高等部の女たち、そのリーダー格の女がのどかを指差して宣言。

次に当てる相手を言っちゃうとか、馬鹿なのかこの女は。

のどかの近くにはアスナが居る。

アスナがボールを取るだろうから、俺はまだ待機だな。

「それっ!!」

「きゃあっ」

バシィッ、とボールをキャッチする音。

思ったとおり、アスナがのどかの体育着を引っ張り引き寄せ、ボールをキャッチしていた。

流石アスナ。

キャッチしたボールを、アスナは大きく振りかぶり全力投球。

「…マジかよ」

まさか、アスナの全力投球が止められるとは思わなかった。

リーダー格、中々やるようだ。

俺は次に来る攻撃に備えて自分の位置を微調整。

ボールから目を離さず集中。

「ビビ! しぃ! トライアングルアタックよ!」

「ぶふっ」

せっかく集中していたのに、相手が面白い事を言うから吹き出してしまった。

笑かすなよ。

「ネギ先生、気をつけて! 私が受けて立ちますわ!」

なんかあやかがかっこつけて色々言ってるが、あやかはあっけなくトライアングルアタックに惑わされてアウトに。

あやか、お前はやっぱりバカなんだな。

「残ったのはほとんどチビとトロそうなのばっかり。次の標的は神楽坂明日菜ね」

またも次に狙うのは誰かを宣言する辺り、こいつも本当にアホなんだな。

アスナだから大丈夫だろう。

宣言されているし、アスナならサポートしなくても問題ない。

俺はそう思っていた。

しかし。

「必殺――太陽拳!!」

「しまった…太陽を背に!?」

バシィッ、と、アスナは当てられてしまったのだ。

「もう一撃!」

リーダー格は、もう一度アスナにボールを当てようと腕を振りかぶる。

俺はアスナの目の前に立ち、アスナを庇う。

俺の右腕を、ボールが思い切りぶつかって叩く。

右腕に擦り傷が出来るほど思い切り、この女はアスナに二撃目を食らわせようとしたのか。

「ち、千宏!? 大丈夫!?」

アスナは心配そうに問いかける。

お前、自分もさっき思い切りボールが脇腹にぶつかってたんだから自分の身の心配をしろよ…。

「俺は大丈夫だ。んな事より、お前こそ大丈夫かよ」

「私も大丈夫。大したことないわよ」

俺もアスナもアウトになってしまい、残ったメンバーの空気はどんよりとしている。

「頑張れ、お前ら。しっかりボールを見れば取れるぞ! 後ろさえ向かなければ、かならずボールは視界に入るんだからな」

「そ、そうですよ! 前さえ向いていれば、きっとボールも取れます! がんばりましょうっ!!」

俺は皆を鼓舞する言葉をかけ、外野へ。

俺の言葉にネギも賛同してくれて、さらにネギも皆へと言葉をかけていた。

俺、結局アスナを庇って終わったなあ…。

皆には申し訳ないが、頑張ってもらうしかない。

どうやら、俺とネギの言葉は幸いにも皆をちゃんと鼓舞出来たようで、皆からの溢れんばかりのやる気が見て取れた。

やる気になった2-Aは、すごい力を発揮するはず。

俺にはそんな根拠のない自信があった。

俺の自信は大当たり。

皆、それぞれ持ち前の特技や個性を生かしてどんどん相手の人数を減らしていた。

そして、なんと…2-Aは、10対3で、勝った。

「よっしゃあ!」

俺は小さくガッツポーズし、皆が勝ち取った勝利に喜ぶのだった。

「まだ…ロスタイムよっ!!」

しかし、リーダー格の声に俺の喜びは遮断された。

見るとあの女、アスナを後ろから狙ってボールを放とうとしていた。

アスナはまだ気付いていないよう。

俺はアスナの方へとダッシュ。

この距離なら間に合う、受け止められる…っ!

アスナへ迫るボールを、俺はなんとか右手で受け止めることに成功。

「千宏…!」

今回の行動には流石に堪忍袋の緒が切れた。

許さねえぞババアァ……!

「汚ねえ真似ばっかしてんじゃねえ!」

俺が投げたボールは、リーダー格を掠めて壁に激突。

ボールは、壁にめり込んでいた。

何故ボールが割れないのかは知らん。

「ひいっ…」

俺はリーダー格へと近付き、耳元で

「あんまり度が過ぎると………分かるな?」

「ひいいいいっ! すいませんでしたあああああっ!!!」

そう叫んで逃げていくリーダー格。

それに続いて高等部の女どもは皆逃げ帰って行く。

「ったく…」

「やったーーっ」

「高等部に勝ったーっ!!」

2-Aの皆が歓声をあげ、騒ぎ出す。

ネギを胴上げしたりして騒ぎまくっている中、誰かにちょんちょんと肩を叩かれた。

「ん? ああ、アスナか」

「あの、ありがとね、さっきは」

「どーいたしまして。まあ怪我も大した事ねーから気にすんな」

「ううん、それでも…助けてくれて、庇ってくれて…ありがと」

アスナが笑顔で礼を告げる。

久しぶりにアスナのこんな顔も見れたし、多少の怪我くらい良いか。

俺とアスナは、お互いに笑い合うのだった。

 

 

 

 

「そういや、あやか何の役にも立ってなかったな」

「なにかございまして!?」

「トライアングルアタックにやられてたじゃねえか」

「…それは言わないでください」

 




ここまで目を通してくださりありがとうございます。
何話か書き溜めしてあるので、今回も連投しようと思います。

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感想、ご意見、誤字脱字等の報告お待ちしております。

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やる気がうなぎのぼりしております、頑張ります!!
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